4483.国際法と歴史の格闘



国際法上では、譲渡、征服、先占、添付、時効の5つに分類されて
いる。

日本政府は尖閣諸島の領有状況を1885年から1895年まで調査し、世
界情勢を考慮したうえで隣国の清国など、いずれの国にも属してい
ないことを慎重に確認したうえで閣議で決定し沖縄県に編入した。

台湾が尖閣諸島に漁民が出るようになったのは、1960年代であり、
既に50年以上も経っている。そして、1895年から1940年代までは
日本人が住んでいた。この編入から50年以上も日本が統治し、かつ
、有効な抗議等を中国も台湾もしていない。一時、米国が沖縄を統
治していたが、その米国も尖閣諸島を沖縄の領土としている。

この状況が一変したのが、1968年の海底調査の結果、東シナ海の大
陸棚に石油資源が埋蔵されている可能性があることが指摘され、
1971年に中国、台湾が領有権を主張しはじめた。

米国は、1971年6月の沖縄返還協定調印直前、当時のニクソン
米大統領とキッシンジャー大統領補佐官(国家安全保障担当)が尖
閣諸島を沖縄の一部とみなし日本の「残存主権」が及ぶことを確認
していた。

このため、香港の著名な収集家、譚兆璋(タン・ジャオジャン)氏
が「釣魚島(尖閣諸島)が中国領である証拠」とする87枚の古地図
を提供したとしても、歴代中国の政権が日本に抗議をしていないこ
とで無効になる。

世界の国境は50年以上前と今では大きく様相が違う。それを歴史
的な領土としたら、世界中が紛争だらけになり、収拾がつかない。

このため、国際法が制定されて、一定のルールを決めたのである。
それを中国が無視して、歴史問題にしているのだ。そのような解説
記事がないので、このコラムで指摘しておく。

米国も安全保障は範囲と言うことで、空母「ジョージ・ワシントン
」と「ジョン・C・ステニス」を中心とした2個の空母打撃群(空
母部隊)を西太平洋上に展開し、警戒監視に当たっていることを明
らかにした。

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米「尖閣、日本に残存主権」=歴史的経緯踏まえ判断−71年6月
の沖縄返還協定前

 【ワシントン時事】1971年6月の沖縄返還協定調印直前、当
時のニクソン米大統領とキッシンジャー大統領補佐官(国家安全保
障担当)が尖閣諸島を沖縄の一部とみなし日本の「残存主権」が及
ぶことを確認していたことが、2日までに分かった。カリフォルニ
ア州のニクソン大統領図書館がこの時のやりとりを記録した音声資
料を保存していた。
 「残存主権(潜在主権)」は、外国施政下にある地域に潜在的に
有する主権を指す。オバマ政権は現在、日中が争う尖閣問題では「
主権問題に関与しない」との立場を取っている。
 音声資料によれば、ニクソン大統領とキッシンジャー補佐官らは
同年6月7日午後、ホワイトハウスの大統領執務室で約20分間、
10日後に迫った沖縄返還協定の署名と当時の中華民国(台湾)が
日本への返還に反対していた尖閣諸島の地位について検討を行った。
 キッシンジャー補佐官はこの中で、45年に日本が台湾から撤退
した際、尖閣諸島は「沖縄と共に残された。51年のサンフランシ
スコ講和条約で、沖縄の日本の残存主権はわれわれによって認めら
れた。その時にこれらの島々に関する大きな決断は成された」と主
張した。
 中華民国の反対をめぐっては、講和条約から71年に入るまで尖
閣諸島に関する「特別な交渉は一切行われていない。既に(中華民
国から)手放され、自動的に沖縄に含まれた。これが(今日までの
)歴史だ」と指摘。ニクソン大統領も、沖縄返還交渉を「台無しに
することはできない」と応じ、同補佐官の意見を支持していた。
(2012/10/03-15:47)
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米空母、西太平洋に展開 中国軍抑止へ2個部隊
2012.10.3 06:57 sankei
 米第7艦隊は2日までに、海軍横須賀基地(神奈川県)を拠点と
する空母「ジョージ・ワシントン」と「ジョン・C・ステニス」を
中心とした2個の空母打撃群(空母部隊)を西太平洋上に展開し、
警戒監視に当たっていることを明らかにした。アジア太平洋地域で
遠洋作戦能力の拡張を図り、動きを活発化させている中国軍の戦略
を牽制(けんせい)、抑止する狙いがあるとみられる。

 米太平洋艦隊によると、ワシントン空母部隊は9月11日から19
日までグアム近海で実施した統合軍事演習「バリアントシールド
2012」に参加。中東に戦力展開するため母港の米西海岸を出港
したステニス空母部隊と西太平洋上で合流し、引き続き警戒監視に
当たっているもようだ。

 米海軍の西太平洋上での任務は、アジア太平洋地域での抑止力強
化を進める米軍の戦略の一環とみられる。紛争地域などに派遣され
る空母部隊の数は、脅威のレベルの高さに応じて増加するとされて
おり、アジア太平洋地域で、2個以上の空母部隊が合同で任務に当
たるケースは珍しい。

 海上自衛隊幹部は「米国は尖閣諸島(沖縄県)など同盟国の領有
権問題に深く関与しないというが、何らかの政治的メッセージが含
まれているはずだ」と指摘する。
 日本政府による尖閣諸島の国有化をめぐり、中国は公船による領
海侵犯に加え、同諸島北方海域に海軍のフリゲート艦2隻を展開。
9月25日には「遼寧」と命名した同国初の空母を正式に就役させ
、内外に大きくアピールしたばかり。

 米軍は1996年の台湾総統選の際にも、中国軍が台湾海峡で軍
事演習により威嚇したのに対し、空母「インディペンデンス」と「
ニミッツ」の2隻を現地に急派、中国軍を牽制した。
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レコードチャイナ:<尖閣問題>英仏の古い航海図でも中国語表記
、香港の収集家が「鉄の証拠」を一挙公開―中国紙
2012年10月4日 5時15分
2012年10月2日、中国共産党機関紙・人民日報(海外版)は、香港の
著名な収集家、譚兆璋(タン・ジャオジャン)氏が「釣魚島(尖閣
諸島)が中国領である証拠」とする87枚の古地図を提供し、これを
紹介する巡回展を北京や広州などで開催したと報じた。

記事によると、譚氏が所有する87枚の古地図は、明代(1368年〜1644
年)と清代(1644年〜1912年)のもの、同時代に英国やフランスな
どで作成された航海図、日本人が作成したものなどが含まれる。い
ずれも「釣魚島」の記載があるが、すべて中国の福建省などで話さ
れる中国語方言「ビン南語」の発音表記になっていることから、「
中国が日本より早く発見し、釣魚島と命名した証拠」だとしている。

譚氏は、「日本政府は古賀辰四郎が1884年に開拓を始めたと言って
いるが、中国はそれよりもっと前の1372年、明の招諭使・楊載が釣
魚島に送り込まれ、『釣魚嶼』と書かれた石碑を建てた」と主張し
ている。

また、記事によると、9月24日から15日間、尖閣諸島が中国領である
ことを証明する「鉄の証拠」の展示会が北京の保利芸術博物館で開
催され、清代に書かれた文献「記事珠」が「新たな重要証拠」とし
て注目を集めた。

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