4455.安倍元首相の講演会



9月2日の安倍さんの講演会議事録を残す。ある自民党候補者の集
まりで安倍さんが、講演した。参加者が多くて、自民党本部前に長
い列が出来て、入場まで20分以上もかかった。この集まりは有料
で地元民は500円、それ以外は1000円であり、それでもこれ
だけの人が集まる。自民党に風が吹いてることを窺わせている。

8階大ホールは、自民党総裁選挙が行われる場所であり、その大ホ
ールが参加者で埋め尽くされていた。500名以上の参加者がいる
ようであり、主催の自民党候補者は、このようにホールが満杯にな
るのは、初めてであるという。また、この候補者を見たことがない
という参加者が半分もいたことにビックリした。自民党に風を感じ
る。

そして、小学生が150名程度も参加している。高齢者より若い家
族連れが多いのも特徴である。自民党候補を応援するのは、若い人
たちのようである。

そして、安倍元首相は登壇したとき、カメラを多くの人が向けてい
たが、講演を開始した。

権力が移行するということは、どういうことかを経験した。首相に
は、警護5名、秘書官等40名が一緒に移動する。このため、車列
ができる。衆議院での首班指名で、他党に首相が移ると、その途端
、その車列や侍従などは前首相につかず、新首相に従う。このため
、前首相は、帰り、自分の車を手配するしかない。

自分は森さんと小泉さんの両首相に副官房長官としてお仕えしたが
、この二人の性格が違う。森さんは気配りの人で、安倍さんの誕生
日にはプレゼントを必ず贈ってくれていた。

しかし、小泉さんは、反対に気配りを知らない。プレゼントを贈ら
ないし、もらわない主義で、プレゼントを送り返すことで有名であ
る。高市早苗さんがバレンタイインデーにチョコを贈ったら、返送
されてきたが、着払いになっていたと。

しかし、この話でどちらが良いとかということではなく、時代が人
を選ぶということで、小泉さんは時代が要求したのである。

いま、グローバル化が進み、日本の構造を変革する必要にある。政
治は手段であり、目的は、日本人が日本に生まれたことを幸せと思
い、日本を誇れる社会にすることである。

この目標を目指して変革することが重要なのである。このため、自
分が首相の時に、教育基本法を制定して、道徳心を培うこと、公共
の精神を培うことを目指し、国を愛することを条文に入れた。

米国や中国の学生は、国のために働くというのが80%であるが、
日本は49%しかない。自信を持っている割合は、中国94%、米
国は80%に対して、日本は48%と低い。

日本に誇りを持たないと自信もできないし、愛国心がないと国のた
めに働くという意識ができない。

去年の東日本大震災で、日本人は規律正しく秩序を守ることを世界
は知って驚嘆した。福島原発でも被爆を覚悟して、作業員、自衛官
や消防士たちが活躍した。

経済至上主義ではなく、損や得という概念を超える価値があること
を示した。それが故郷や多くの国民を助けるために自己を犠牲にす
る精神があることを示した。

また、天皇陛下ががれきに向かい祈り姿に地元の人たちは感激した。
天皇は国民の幸せを祈り、伝統文化を守る象徴になっている。これ
が日本という国の価値である。

こういう国を愛おしく思うことであり、豊かな人生を送る環境を整
えることが政治として重要になっている。

戦争に負けて、七年間占領された。その占領時代に憲法が作られ、
非武装で戦争しないことを規定し、平和は世界の国々に任せようと
いう憲法の前文になる。しかし、そのようなことではないことが、
わかっている。そして、現在の状況を見れば、誰でもわかる。

このため、国民を守る憲法にすることが政治の勤めである。

67年前、日系人のジョージ・アリヨシさんがGHQで働いていたとき
、GHQビルの前で靴磨きをしている7才の少年と友達になり、あると
き、お腹を空かせている少年に、サンドイッチを渡したら、その場
で食べずに持ち帰るという。どうしてと聞くと3才になる妹と半分
にして食べると答えたことに感銘したという。

アリヨシさんは、その後ハワイ州知事になり、現在98才になるが
、この少年と同じ血が自分にも通っていることに誇りを感じたとい
う。これは戦前教育で道徳を教え、かつ日本に誇りを持っていたか
らである。

もう一度、日本を復活させることである。

講演会は終わり、参加者との写真撮影になった。


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