4474.水素社会へ前進



燃料電池スタックのコスト削減ができて、トヨタが2015年にセ
ダンタイプの乗用車を販売するという。この燃料電池スタックは今
までは、大きいのでトランクルームにおいていたが、この燃料電池
スタックが小型、軽量になったので前部座席下に設置できるように
なり、セダンタイプの車ができた。

粒径数μmレベルのプラチナ系触媒を凝縮させないで塗布して、量を
減らす方法のようである。プラチナからカーボンアロイ触媒にはし
ていないので、まだコスト削減余地がありそうである。

しかし、この燃料スタック技術を完成すると、スタックの価格が100
万円を切ることになる。燃料電池が普及することが確実で、今まで
の内燃機関(エンジン)が、これから50年で燃料電池に置き換わ
る大きなイノベーションがまさに、日本から始まることになる。

そして、そのトヨタの動きを見て、ホンダは家庭用太陽光発電で水
素を作り、それを自動車に供給する装置を開発した。

もう1つがガソリンスタンドに併設する水素ステーションが作られ
るようである。

トヨタの燃料電池スタックを家用のエネファームにも使えるので、
エネファームも2015年以降には大幅なコストダウンで、100万円以下
になる可能性がある。燃料電池スタックのコスト削減競争が起きて
、各社がしのぎを削ることになる。その先頭にいるのがトヨタであ
るようだ。

水素が2次エネルギーの主役になると、太陽光、風力で発電した電
気を一度、水素にして、必要な分だけ電気にできることになる。電
気を高密度で蓄えることができるので、予備火力は必要なく、無理
なく脱原発社会にできる。

残す問題は、今までに蓄積した使用済み燃料の処理をどうするかで
ある。数万年以上も放射線を出すので、最終処分地の安全な場所が
政治的に決めたとしても日本にあるとは思えない。

これは消滅処理するしかないように感じる。研究は100年ベース
で良いので、それを決定して、国家政策にするべきである。

さあ、どうなりますか?

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トヨタ副会長、燃料電池車「15年ごろにセダン販売」:日経
2012/9/24 14:24
 トヨタ自動車の内山田竹志副会長は24日の環境技術説明会で、燃
料電池車について「2015年ごろにセダンタイプの販売を開始する」
との見通しを示した。日本、米国、欧州で水素の供給インフラが整
備される見込みのある地域へ導入する予定で、日本では首都圏、中
京圏、関西圏、福岡圏の四大都市圏で投入する。値段については「
お客様に納得いただける価格レベル」と述べるにとどめた。そのう
えで「20年代からと考えられる本格的な普及期には、年間数万台規
模を目指す」と語った。

 日野自動車と共同で開発を進めている新型の燃料電池車式バスに
ついては「2016年の市場投入を目標に開発を加速する」という。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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トヨタ、「世界最高出力密度」の燃料電池スタックを公開
--2015年発売のセダンに搭載2012/09/24 19:20高田 憲一
=日経ものづくり tech-on

  トヨタ自動車は2012年9月24日に技術説明会を開催し、2015年発売
予定の燃料電池車(セダンタイプ)向けに開発を進めている燃料電
池スタックを公開した(ニュースリリース)。「出力密度は3kW/L現
時点で世界最高」(同社)という。同社の現行の燃料電池スタック
「FCHV-adv」と比較すると、出力密度は2倍以上に高まり容積は約半
分に小型化した(図)。 

 出力密度の向上に最も効果的だったのは電極の形成技術だという
。粒径数μmレベルのプラチナ系触媒を凝縮させないで塗布するため
の生産技術が大きく貢献した。「練り方から始まって、塗布方法ま
で地道な改善を進めた」(同社)。具体的には、スプレーを使って
支持体に塗布するという。高分子の電解質膜は、フッ素系と芳香族
の炭化水素系の2種類を並行して開発中で、「まだどちらを使うかは
決めていない」(同社)。セパレータは金属製を採用し「チタン合
金を検討している」(同社)。 

 スタックには、数百枚のセルと水を循環させるためのポンプなど
の補機類、昇圧コンバータが一体化されている。燃料電池スタック
は小型になったので前部座席下に設置でき、昇圧コンバータも運転
席と助手席の間に配置できる。車両価格は「お客様に納得いただけ
るレベル」(同社)としている。


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