4471.日本庭園の優劣とは



昨日9月20日に、旧古河庭園、六義園、小石川後楽園の3つの庭
園を散歩してきた。3つの庭園の目的が違うので、単純な比較はで
きないが、考える材料にはなる。足立美術館の庭を見てから、庭の
優劣は何で決まるのかという疑問が出ている。それを解決したいと
、東京の庭園を調査することにした。

入場料は、旧古河庭園が150円、六義園が300円、小石川が
330円でした。敷地面積もこの順番のようだ。しかし、目的が違
うようだ。旧古河庭園は、洋館の付属のお庭でそれほど大きくなく
、明治後でもあり洋風庭園もあり、古河財閥の内外の客を持てなす
ことを考えている。庭園を見せるということではなく、お庭がつい
ている。このため、バラの花などを数種類も育っている。

日本庭園の分類としては築山、平庭、露地の3つを挙げているが、
六義園は、柳沢吉保が将軍などを持て成すために作った本格的な回
遊式築山山水庭である。本当の山の中や海の砂浜を表現しているが
、それらしく見せるように整備されているし、笹を木の下に茂らせ
て、本当に山の中にいるような雰囲気を出している。山道の木々の
陰で作る暗い感じと池の浜の明るい感じのコントラストが素晴らし
い。

これに対して、旧古河庭園は雑草を抜いて、木の下は落ち葉だけを
置いているだけで整備のレベルが大きく違う。コントラストもない。
特に六義園の芝生で砂浜(浜、浦)を表現することに感激した。ス
ケールとしても旧古河庭園より六義園の方が断然良い。

六義園と足立美術館の庭園の比較はどうか。足立は一方から見た全
体を統合したスケールの大きな美を表現しているが、六義園は海の
浦を違うもので表現し、回遊式でそれを見せる。庭園を作る思想が
違う。歩くとなると六義園、美術館から見た庭としては足立美術館
となるか。

この2つとは違い、小石川後楽園は東大理学系研究科の管理であり
、植物園である。このため、面白い植物が植えている。ヒマラヤ杉
、シロガネヨシ、ミズカンナ、タイミンチクなど日本にはない。そ
して、日本庭園もあるが、手入れは行き届いていない。このため、
自然に任せた自然を満喫できる。

本当の自然の山にいると錯覚するほどに危険な箇所がある。生えて
いる植物には、名前のプレートがついているので、珍しい植物でも
名前がわかる。もちろん、日本の植物もある。行ったとき、彼岸花
が咲いていた。

というように都市の真ん中に自然の山があると思ったようが良い。
このため、美しい風景とは違う。庭園とは違うと見た。

今後も、東京にある庭園を見て、庭園の優劣が決まる要素を見てい
きたい。その庭園を見るために散歩もできる。

この庭にあるような美意識が日本のデザインを変えるような気がし
ている。日本の文化を掘り下げたい。

今は、イノベーションが止まり、今ある製品の機能を良いデザイン
で再商品化する時代である。この時、そのデザイン性が重要になる。
その基本は、美意識である。


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