4441.野田首相の外交感覚



李明博(イ・ミョンバク)大統領の竹島訪問までは、日韓関係に大
きな禍根を残すなと見たが、冷静に対応することが日本サイドにも
必要であると思った。しかし、天皇陛下に対して「韓国を訪問した
ければ、独立運動で亡くなった人々を訪ね、心から謝罪してほしい」
と天皇謝罪を要求した。この言葉には、韓国の方が上で日本を見下
した言い方になっている。

これは許していけない問題であるのに、新聞記者が野田首相に感想
を聞いたが、返事がない。大事とは思っていない印象を受けた。

これは、野田首相支持率は大きく下げるなと思ったが、結果は、や
はり10%台になってしまった。日本全体の尊厳を犯された言葉に
は、感情的ともいえる言葉で非難をすぐにしないと、いけない。言
葉の問題であり、言葉だけの問題であるので早く謝罪をしてもらう
必要があった。

国民を代表している総理は、この場合、国民感情を表明する必要が
ある。そのために首相はいるからだ。これができなかった。野田首
相の外交感覚(人としての感覚)に問題ありとみた。1日経ってか
らの玄葉外相の言葉も問題ありだ。国民感情を表明することが重要
であるという感覚がない。

領土問題は論理的な積み上げで、論争で決着させる必要あるが、天
皇謝罪問題は、人としての尊厳の問題である。これは日本国民全体
を低く見られた感情的問題であり、すぐに怒る事が重要で、すぐに
謝罪をしてもらわないといけなく、言葉上の問題で日韓関係を悪化
させるという感覚を李明博大統領にも持ってもらう必要があった。

まだ、李明博大統領は謝罪しないが、それがない限り、日本は韓国
に不利益なことをどんどん行うべきだし、もちろん、それで日本も
利益を失うかもしれないが、尊厳の問題は放置してはいけない。

それを1日もたって、日本人の多くが尊厳を冒されたと感覚的な反
発をしてから野田首相は、「理解に苦しむ発言で、遺憾だ」と強い
不快感を示したが遅い。

日本の作法は理不尽なことも耐えて、正義を主張することが必要で
あるが、人間としての尊厳を犯す場合は、武士道として許してはい
けない。日本人はさすがに大変であると思わせないと、穏健な外交
が出来ないことになる。

政治家の人たちは、この件では、よくよく考えてほしいと思う。

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韓日外交摩擦 韓国大統領府が解決の意志強調
2012/08/16 20:39 KST

【ソウル聯合ニュース】韓国の青瓦台(大統領府)高官は16日、
記者団に対し、李明博(イ・ミョンバク)大統領の独島訪問や天皇
の訪韓の条件として謝罪が必要との発言などを受け韓日の外交摩擦
が拡大していることに対し、解決の意志を強調した。

 青瓦台高官は李大統領の一連の強硬なメッセージについて「未来
志向的な韓日関係に向けた戦略的措置」と説明。両国の歴史問題は
必ず解決されなければならない課題とした上で、「両国関係の根幹
を揺るがさない程度に管理することが重要」と強調した。

 李大統領の天皇に関する発言については「万が一、来韓する場合
の原則論的な発言」と説明した。青瓦台の関係者も「趣旨や文脈に
誤解があった。日本の遺憾表明は理解している」として、「日本側
へ十分に説明する用意もある」と話した。

 ただ、独島問題については領土問題ではないとの立場をあらため
て強調した。

 青瓦台は韓日外交摩擦の解決策は見出せていない。韓日関係の悪
化は予想していたもので、事態収束までには当分「冷却期」が必要
とみている。
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支持1割台、民主に危機感=「政権末期症状」の声も
 野田内閣の支持率が「危険水域」とされる2割台から、ついに1
割台に突入した。民主党内には「野田政権は末期症状」との声もあ
り、同党の危機感は強い。衆院解散・総選挙の時期が政局の焦点だ
が、2009年に支持率1割台で解散に踏み切った麻生政権では、
自民党が惨敗した例もあり、解散は先送りしたいのが民主党の大勢。
これに対し、自民党は早期解散圧力を強めており、野田佳彦首相は
いずれ厳しい判断を迫られる。
 時事通信の世論調査で、内閣支持率が発足以来最低となる19.8
%を記録したことについて、民主党の城島光力国対委員長は16日
、記者団に「消費増税中心の国会、政府というイメージが国民には
強かったと思うが、これからは成長戦略、復旧復興、エネルギー問
題、外交問題にしっかり対応していくことが大事だ」と強調した。
 一方、自民党の谷垣禎一総裁は取材に「(政権の)体力はなくな
りつつある。民主党はばらばらで統治力がない」との認識を示した
上で、早期解散を求めていく考えを重ねて示した。
 野田内閣の支持率は、発足当初50.1%とまずまずのスタート
を切ったが、下降線をたどり、今年に入ってからは2割台で推移。
「底堅い支持がある」(民主党若手)との見方はあったものの、消
費増税の党内対立などが響き、底割れした。
 過去に支持率1割台で衆院選を戦った政権は、厳しい結果に直面
した。09年8月の前回衆院選は、麻生太郎首相(当時)が16.3
%の低支持率で解散を断行し、自民党は大敗して政権を失った。00
年6月に支持率が18.2%だった森喜朗首相(同)は衆院選で大
幅に議席を減らし、その後は2割前後の支持で政権を維持したもの
の、翌年4月に退陣を余儀なくされた。
 民主党政権では鳩山、菅内閣も退陣直前に支持率1割台を記録し
た。党内からは「数字の上では政権末期。あす投票なら落選だ」(
若手)と悲鳴が出ている。(2012/08/16-19:49)
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韓国政府「状況悪化、野田首相に期待できない」

 【ソウル=中川孝之】17日付のソウル新聞(早版)は、韓国大
統領府の高官が16日、竹島の領有権や歴史問題での日本の対応を
批判した上で、韓国政府が「野田首相にはこれ以上、期待すること
はできないとの結論に至った」と述べたと報じた。

 この高官は同紙に対し、野田政権の発足当初、李明博政権は「発
言を自制して未来志向で行くことを望んだが、むしろ状況が悪化し
た」と語ったという。歴史問題とは、いわゆる従軍慰安婦問題を指
すとみられる。

 さらに、日本が韓国への対抗措置として、日韓の通貨交換(スワ
ップ)協定の見直しも検討しているとされる点に関し、同高官は「
日本との通貨スワップがなくても、韓国ウォンの価値が不安定にな
る状況ではない」と強調。「(同協定は)両国の相互利益のための
もので、(昨年10月に)スワップ枠を拡充した際も日本側が先に
提案した」などと説明した。

(2012年8月16日20時44分 読売新聞)
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野田首相「天皇謝罪要求は遺憾」=韓国大統領発言に抗議−政府

 野田佳彦首相は15日午後、天皇陛下の訪韓条件として日本の植
民地統治時代の独立運動家への謝罪を求めた韓国の李明博大統領の
発言について、「理解に苦しむ発言で、遺憾だ」と強い不快感を示
した。首相官邸で記者団の「大統領から厳しい言動が続いているが
」との質問に答えた。

 藤村修官房長官は記者会見で「わが国政府から天皇陛下の韓国の
ご訪問について取り上げたことはない」と述べるとともに、外交ル
ートを通じて既に韓国側に抗議したことも明らかにした。李大統領
の竹島訪問以降の韓国側の言動については「非建設的な発言をする
ことは、国際社会において、韓国ご自身のためにもならない」とし
て、冷静な対応を求めた。

 玄葉光一郎外相は外務省で記者団に「冷静に対応しなければなら
ない問題なのに、ナショナリズムをあおるような言動は韓国のため
にならない。(日本政府も)必要な相応の措置を取らざるを得ない。
毅然(きぜん)として対応していく」と述べた。 

 大統領が旧日本軍の従軍慰安婦問題で「責任ある措置」を日本側
に求めたことについて、外相は「これまでわが国政府の一貫した立
場は申し上げている」と指摘。1965年の日韓基本条約に伴う協
定で慰安婦問題は決着済みとの立場を示し、「それとは別に人道上
の措置を講じている」と語った。

 一方、首相は15日午後、大統領の竹島訪問に抗議するため一時
帰国させた武藤正敏駐韓大使を首相官邸に呼び、報告を受けた。
(2012/08/15-22:46)
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李大統領「天皇謝罪要求」にかつてない怒りの声 ネットも政治家
も新聞もこぞって批判
2012年08月15日19時23分:J-CASTニュース
 韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が2012年8月14日、天皇陛
下について「韓国を訪問したければ、独立運動で亡くなった人々を
訪ね、心から謝罪してほしい」などと謝罪要求した問題で、日本国
内からは、これまでになく強い反発が出ている。ネット上での韓国
批判は珍しくないが、その規模が通常の韓国批判を大きく上回って
いる。

李大統領の支持率は「危険水域」とされる20%を下回っており、すで
に政権はレームダック(死に体)だ。解放記念日の8月15日を前日に
控え、国内のナショナリズムを煽って少しでも支持率回復につなげ
る狙いがあったようだ。

「心から謝罪する気はございません。天皇陛下は南朝鮮には行きま
せん」韓国の大統領が直接的な表現で天皇陛下に謝罪要求するのは
きわめて異例で、日本のネット利用者は激しく反発した。例えば、
ヤフーに配信される記事には、通常であれば数百件程度のコメント
が寄せられるが、李大統領の発言を伝える時事通信の記事には、
9300件を超えるコメントがついた。ヤフーの初期設定であれば、コ
メントへの賛同を示す「私もそう思う」ボタンが押された数が多い
順番にコメントが並ぶが、上位のコメントは、

「心から謝罪する気はございません。天皇陛下は南朝鮮には行きま
せん」
「越えてはいけない一戦(原文ママ)を越えましたね。終わりだよ
、色んな意味で、あんた」
「天皇陛下、こんな連中は相手にしなくていいです」
といった、韓国への強い反発を表すものばかり。いずれも、韓国側
が「一線を越えた」ことを念頭に置いたコメントのようだ。「私も
そう思う」が押された数も、上位2つまでは10万回を超えている。

訪韓要請したのは李大統領なのに日本メディアも痛烈に批判してい
る。例えば、韓国批判は必ずしも多くない朝日新聞ですら、
「国家元首としての品格を失いかねないほど」「民主化が進み、価
値観が多様化した韓国では、『反日カード』も、かつてほどは効果
がない」
と切り捨てた。

李大統領は08年4月21日に皇居で天皇、皇后両陛下と会見し、直接韓
国訪問を要請してもいるし、過去には「日本に謝罪、反省を求める
ことはない」とも発言している。朝日新聞の「品格を失いかねない
」との指摘は、過去の発言との不整合も踏まえているようだ。

日本政府も8月15日になって、韓国に対する反論を始めている。野田
佳彦首相が「理解に苦しむ発言で遺憾」と述べたほか、玄葉光一郎
外相は、発言について外交ルートで抗議したことを明らかにした上
で、
「ナショナリズムを煽るような言動は、韓国のためにならない」
とも論評。藤村修官房長官は、緊急時に外貨を融通し合う日韓通貨
スワップ協定について見直す可能性を否定しなかった。

また、自民党の安倍晋三元首相は、発言を「常軌を逸している」と
した上で、李大統領を

「一国のリーダーの資格に疑いを持たざるを得ない」
と激しく非難した。
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李大統領「天皇、来韓望むなら心から謝罪すべき」
2012年08月14日16時42分 聯合ニュース
【ソウル聯合ニュース】李明博(イ・ミョンバク)大統領は14日
、「日本の天皇が韓国訪問を希望していると聞くが、独立運動で亡
くなった方に謝罪する用意があるなら訪韓してもよい」と述べた。

  韓国中部の忠清北道・清原で開かれた教員セミナーの視察で発言
した。

  また、「痛惜の念」といった表現をするなら、来ることはないと
強調した。「痛惜の念」は1990年5月に訪日した当時の盧泰愚
(ノ・テウ)大統領に天皇が歴史問題と関連して表明したものだが
、一般的な表現ではないため、謝罪かどうかをめぐり論争になって
いた。

  一方、李大統領は独島訪問と関連し、「2〜3年前から考えてい
たこと。即興で実行したものではなく、深い配慮とそれに伴う副作
用などを検討した」と説明した。

  また、日本は加害者と被害者の立場を理解していないと主張。日
本とは多くのものを協力して共同で進めなければならないが、指摘
すべき問題は指摘していくと強調した。 

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