昨日は、日本テクノへ見学に行きました。そこで、水に対するいろ いろな不思議を見てきましたので報告します。 1.酸水素ガス ブラウンガスと呼ばれてきた「特殊な水蒸気」は、点火すると130℃ という低温で燃えるが、そのバーナーは金属やレンガを溶かす。分 子・原子レベルまで研究して、ブラウンガスの中には水クラスター と呼ばれる塊があり、それは単なる水蒸気という物性ではなく、「 複数の粒子(H2O分子は勿論、H2やO2やHやO原子)を電子雲が包んだ 、プラズマ状態」にあり、電磁気的に活性化した状態にあるという ことである。ブラウンガスでは酸素や水素の分子成分が多い。 但し、通常のプラズマではなく、これら原子達によってある程度( 電子の動きが)拘束された半プラズマ的な状態だそうです。この水 クラスターが「温度は比較的低いままで物体表面の電子状態に影響 を与えて溶かしたりする原因」のようだ。 燃えると水に縮小するので、炎が広がらない。バーナのようにどん どん細くなる。このため、内燃機関としてのエンジンの燃料には、 ブラウンガス自体は向かないようだ。その原因は、爆発しないから である。しかし、水素ガス単体では大爆発するのにである。 この水クラスターがある程度の温度で金属表面に当たり、摩擦して 高温になって、金属を溶かすようである。これがバーナーの原理で ある。しかし、ブラウンガスの問題点は、高圧にすると水素成分が 多いので爆発を起こすことである。このため、世界的に広くは使わ れていない。 また、この事実があるために、現行の高圧ガス規制法で2%以上の酸 素を含むガスは高圧容器での貯蔵、販売を禁止している。 この中、日本テクノ株式会社が、ブラウンガスとは違う画期的な OHMASA-GASを開発。これは、世界的にも画期的なガスで、水クラス ターの中で水分子を多く含み、高圧にしても爆発しない。事実、普 通のステンレス容器で100気圧まで高圧にしていたが、何も問題 が出ない。 OHMASA-GASは、通常の水を攪拌するのに羽根ではなく、低周波振動 板(50Hz)の振動で「水の表面張力を壊す」して「表面張力のない 水」の中なので電気二重層が出来にくく、電気分解での電気抵抗が 低くので多くのガスができる。電気分解と同時にナノバブルが発生 して、酸水素ガスを形成するが、ナノバブル破壊時高電圧になり、 それが原因で水クラスターが出来るようである。そのため、水分子 を多く含有しているようだ。このため、高圧にしても問題がないの でしょうね。 もう1つは、水成分が多い水クラスターを構成しているので、ステ ンレスの普通の高圧容器で、OHMASA-GASは保持できる。水素ガスの 水素分子は、小さいためにステンレス容器ではすり抜けるため、専 用の特殊容器が必要であり、その分高価である。 通常の水の電気分解で出てくる水素は-253℃で、酸素は-183℃で液 化するが、このOHMASA-GAS(酸水素ガス)はなんと、-178℃で液化 する。燃焼温度は700℃であるので、ブラウンガスより高温で燃え る。 このOHMASA-GASをLPGに50%足して、発電すると起電力が6%UPすると いう。1KWhで300リットルのガスができ、300リットルで3〜4KWhの電力を生 み出せると大政社長はいうので、石原都知事は、今後の都が主導す る発電事業に利用したいと述べているが、大きな問題がある。 このOHMASA-GASの組成は、水素が66%、酸素が33%であり、このため 高圧ガス規制法の適用を受けて、残念ながら販売ができない。 環境省は、この安全性を評価しているが、経産省が高圧ガス規制の 担当省庁であり、その環境省のテストを認めない。大政社長は、民 主党の政治主導で、野田首相の特例で官庁を説得してほしいという 。 残念ながら、震災で出た木質のがれきを防潮林のマウンドに利用で きない産業廃棄物法の状況と一緒の状況になっている。宮脇先生も 野田首相の特例で官庁を説得してほしいと言うのと同じである。 野田首相が、脱原発を早めて2020年で原発ゼロにするためには、こ の技術を使うことで達成できる可能性があるように見えるが、また もや、規制省庁の壁である。日本はここが一番ネックであることを 今回も味わった。 2.新水素ガス このOHMASA-GASに水素を足して水素を80%にすると、液化温度は-190 ℃になり、燃料電池での電力量が30%UPするようだ。このガス液化温 度は意味がある。 しかも、OHMASA-GASと同様にステンレスの普通の容器で保持できる。 これは水クラスターの中に水素分子が取り込まれるために、そうな るのであろう。 そして、洋上風力での送電に問題がある。送電線を引くと、台風時 の避難ができなく、洋上風力のよさがなくなる。このため、送電線 ではない手段で、電気を運ぶことを考える必要があった。それに、 この技術を利用できる可能性がある。 OHMASA-GASの生成は簡単であり、水と電気があれば簡単にできるし 、水素は普通の状態で電気分解すればできるので、洋上で簡単に どちらもできる。この混合ガスをタンカーで液化して容積を少なく して、運べば輸送効率が上がることになる。しかも、容器は普通の 高圧ガスを運ぶスレンレス容器でよいのである。コストが抑えられ ることになる。 問題は、燃料電池で酸素を含むガスで水素透過膜の劣化が起こる可 能性があり、ここを研究する必要があるが、問題としては大きくな いと見る。 OHMASA-GASをLPGに50%足して発電するより、こちらの方が将来的に は大きな技術になる。 ということで、当面はLPG混合ガスでの発電で、将来的には水素混合 ガスで燃料電池の燃料にすることである。その工程表を作ればよい ので、現在も将来も有望である。 しかし、日本酸素や岩谷産業で、水素ガスの保持容器が開発された ので、それとのコスト比較は必要であると見る。 3.海、淡水魚を共存させる水 淡水にわずかな電解質を加えることで、海水魚も淡水魚も成育でき る水を、岡山理科大学の山本俊政教授が開発したことは有名である。 しかし、海水魚と淡水魚では体液に差は無い。塩分濃度が共に1%で ある。この体液に合わせた生理食塩水を作り、その中に魚を放り込 むと共存できるようだ。 海水魚は周りが体液より濃い溶液の為に、飲み込んだ水を殆ど体外 へ出さないようにして体にため込み、淡水魚は体液の方が濃い為に どんどん飲み込んだ水を排出しようとする。これが、海水魚と淡水 魚の適応の違いのようだ。 このため、産総研では、マイクロバブルの圧壊を研究する過程で、 いつまでも消えない泡を発見した。直径100〜200ナノメートルの微 細な気泡、ナノバブルだ。 海水など、電解質イオンを含んだ水の中のマイクロバブルを圧壊 させようとすると、完全には消滅せずにナノバブルが発生する。 ナノバブルは、マイクロバブルにも増して不思議な特性を持って いる。たとえば酸素でナノバブルを作った場合、その水には、生物 に対する強い活性効果が認められる。天然の汽水域(海水と淡水の 混合部)の水で酸素ナノバブル水を作り、そこに淡水魚と海水魚を 入れたところ、数カ月にわたって両者が共存した。浄化に活性酸素 を利用して、菌の繁殖を抑えると、長期に淡水魚も海水魚も共存で きるようである。 この産総研の結果から、光触媒でも活性酸素をできるので、水の浄 化が出来る。そして、大政社長はその光触媒加えて、塩分濃度1%の 水を浄化して、海、淡水魚を共存させる水を作ったというようだ。 それも数時間で発明したと豪語する。 エッセンシャルウォータと称して、売り出すとのことである。また 、これで海水魚の養殖を清水の湧く山の中で行う計画であるという。 4.その他 水素水の化粧品をお土産にもらったが、水を材料にした発明を大政 社長は得意としているようである。汚水処理施設用水浄化装置を作 ってきたことで、水の性格を知っているようだ。 この水で思い出すのは、ナノバブルを利用した水浄化装置を作った ヤマハの人である。ヤマハでは認められずに不遇の内に退職したが 、水をある周波数で攪拌したら、水の浄化と起電力が起きることを 発見したが、その原理が分からずに、インホイールモーターの山下 先生に相談に来られた。そして、その原因がマイクロ・ナノバブル の破壊で高電圧が発生して菌類が死ぬことを突き止めた。 どうもこの原理を大政社長は、利用した研究をして、いろいろな水 を作っているようである。このように、山下先生の所で見つけた原 理が、このように応用されていると、うれしく思った。 技術開発は、知識の積み重ねである。その積み重ねが日本にはある。 まだまだ、埋もれた原理不明の発見が日本にはあるように感じる。 これを発掘して、原理を説き明かして、次の技術を生み出すことが 、今、日本を元気にする方法であるが、規制官庁の組織防衛を何と かしないと、日本の発見が世界で使われて、日本ではお蔵入りにな りそうである。 日本を元気にするためにも。官僚組織の改革を急ぐ必要がある。 参考: http://flatfisher.blog68.fc2.com/blog-entry-142.html