4431.死刑制度



死刑制度
                                  國井 明子 
 
滝実法相は、6月4日、野田第2次改造内閣に於いて、副大臣から
昇格する形で法務大臣に任命され、初入閣を果たした。 
8月3日、国会会期中ながら死刑囚2名の死刑を執行を命令した。

死刑命令書に捺印した法相では、安部、福田改造内閣の鳩山邦夫が
13人、阿部内閣の長瀬甚遠が10人、麻生内閣の森英介の9人、
橋本改造内閣の松浦功の7人、村山内閣の前田功、小泉改造内閣の
森山真弓が各5人となっている。
その他3人から1人は、省略する。
 
 凶悪事件が報じられると、憤りと悲しみが込み上げてくる。国民
の大多数が悲しみに打ちひしがれていると思う。だからと言って、
極刑を待ち望んでも問題が解決するであろうか。
 
 我々は、このような凶悪犯を出した社会の一員である事を深く受
け止めねばならない。自身の問題として、考えねばならない筈であ
る。悪人は、「殺してしまえ!」だけでは解決しない。何時又、被
害者が出るか解らない。
 
 被害者の出ない平和な社会を建設するのに処刑では解決しない。
死刑制度は、犯罪抑止に繋がらないという統計がある。又、司法の
下した判決には、冤罪もある。
 
 森英介は、足利事件の菅谷和利さんのような冤罪が発覚すると困
ると、同人と同じ未熟なDNA鑑定で死刑判決がだされた3人の死
刑執行命令を出しているのだ。
 
 その内の一件は、終始一貫して犯行を否認し無罪を主張していた
飯塚事件がある。2008年10月28日、福岡拘置所で、死刑執
行された。弁護士は、再審請求の準備中であった。
 
 これらの死刑命令を出す者は、命の重さに思いを致し、平和を願
う気持ちも意思もない。
 勿論政策もないのだ。加害者と同様の残忍な人間性を秘めている。
 
 残忍な人格を形成された加害者の成育歴を国民が考えることで、
事件を起こさなくても、自身の問題として、考える事は、大事では
なかろうか。
 
 私達は、加害者になる事はあり得ないと思っている者が、大かた
であろうが健全な人間関係が築かれているかこれらの事件を通して
、今一度考える事もあってもいいではないか。 
 
 山口県光市母子殺人事件について、死刑が言い渡されたことで、
夫で父親である本村さんは、事件で勝者も敗者もない、犯罪が起こ
った時点で、皆、敗者なのだ!と、回答されている。 
 
先ず、警察、検察、司法が襟を正すべきである。そして政治家は、
平和な社会の実現を目指して、政策の実現を図るべきである。金集
め、票集め、権力闘争に明け暮れていては、悪党を処刑にして、善
人ぶっているとしか見えない。

森法相の関連では、指揮権発動で小沢秘書の起訴をしたと言われて、
大きな問題になっている。特捜の腐敗を論っているが私は、ブーメ
ランのように自分に返ってきたのだと思っている。
 
人の命を奪った森英介を糾弾しないで、自らの保身に終始している
人に国会議員としての資格を疑う。
又、秘書が秘書が等言うべきことではない。自己愛が強すぎる。 
国会議員の意識に欠ける。これらの死刑執行をされていることを
なぜ問わないのだ。
今更、「国民の生活が第一」等と言われても信じられない。
当地の政治家の金にまつわる問題は、ゼロが一つ多い。 
また、もっと凶悪な資金集めをしていた元議員もいた。
小沢さんだけが清廉潔白等、私は信じない。 
 
最近の判決は、とみに、厳罰化傾向になってきている。
これは、司法、政治の貧困によるものである。
 
出鱈目な判決を私は、どのくらい受理したであろう、告発した事件
は、不起訴処分である。政官業報によるものだ。強者に甘く、弱者
に厳しいのだ!
自らの行いも省みず、「社会保障と税の一体改革」等、呆れてもの
が言えない。

國井 明子 
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(Fのコメント)
死刑廃止をEUは、日本に求めている。EU外相が日本を非難した
が、米国も日本も死刑を廃止しない。

どうも、世の中の雰囲気は、リベラルからリアリズムへと変化した
兆候がある。「目には目を」というイスラム教的な考え方が徐々に
浸透している。

そして、中国のように、自国優先で、他国の権益を武力で奪うとい
う姿勢の強国まで登場している。

日本やEUなどは、社会を穏やかにしたいという希望が踏みにじら
れる方向のようである。
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4431の死刑制度についてですが、日本で死刑廃止論が広まらないの
は、殆どの国民の素朴な疑問に廃止派が正面から答えていないから
です。

犯人が反省しているならまだしも、何人もの命を奪い、裁判では自
己弁護と言い逃れに終始した殺人犯が、待遇の改善された刑務所で
反省もせず生きられるのは、被害者と比べてあまりに不公平だとは
考えないのでしょうか。 

死刑廃止論がおかしいのは、死刑の根拠を遺族感情に求め、遺族の
気持はわかるけれども、犯人を死刑にしても被害者が生き返るわけ
ではなく虚しいだけだという議論をする点です。それなら身寄りの
ない老人やホームレスは何人でも殺してもよいのでしょうか。 

冤罪が冤罪でないのが明白な大半の殺人犯に死刑を免除する理由に
ならないのは、学校を病欠する生徒がいるからといって、大半の健
康な生徒に出席の義務がなくならないのと同じです。 
死刑は被害者と加害者の境遇を等しくするための必要悪だし、日本
では殺人犯全員が死刑になるわけではなく、死刑は今回執行された
三島短大生焼殺事件(短大生を強姦したうえ、生きたまま手足を縛
ってガソリンをかけて焼殺)の犯人のように、特に悪質な犯罪者に
だけ適用されているのです。 

天下御免

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