4421.中国の景気動向について



中国の景気は、その統計がどこまで信じられるか、疑いを持って見
るほうが良い。

中国の李克強副首相は、共産党の地方指導者だった2007年当時
、GDP統計に盛り込まれる数字には「人の手が加えられており、
参考にしかならない」と語っていた。

クレディ・スイス・グループアジア経済担当責任者の陶冬氏は「経
済統計が完全に信頼できる国などないが、中国の統計はとりわけ信
頼性が低い」と指摘。同国の「統計は地方および中央政府の段階で
政治的介入の影響を受けている。従って統計に疑いの目が向けられ
るのだ」と語った。

中国国家統計局は、2012年第2・四半期の国内総生産(GDP
)伸び率が前年比7.6%になったと発表した。2009年第1・
四半期以来3年ぶりの低水準で、市場予想と一致したが、これでも
高いのではないかと疑う。

コマツの野路社長によると、同社が建機に搭載している遠隔管理シ
ステム「コムトラックス」の稼働時間も「今は増えていない」とい
う。本格的に工事が動きだすには「金融市場が緩和されて半年近く
かかった後になる」と述べ、来年の春節明けからの回復に言及した。

というように、中国国内が予想以上に景気後退しているように思え
るようだ。

中国への日本からの輸出は前年同月比7.3%減と2カ月ぶりに減少で
、このコマツの見解を裏付けている。

そして、今後、景気後退を認識して、高速鉄道などの建設を増やす
方向のようである。

中国の経済は崩壊すると、国民の不満が爆発する可能性もあり、指
導者が国民の目を外に向けさせるために、紛争を仕掛ける可能性も
否定できないことになる。

そのため、中国の経済動向を知る指標が必要のようである。

コマツの遠隔管理システム「コムトラックス」の稼働時間も大きな
手がかりになると見るがどうであろうか?

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6月の貿易統計、対中輸出は7.3%減 米国向けも伸び鈍化
2012/7/25 21:04:日経

 輸出の先行きに不透明感が強まっている。財務省が25日発表した
6月の貿易統計(速報)によると、中国への輸出は前年同月比7.3%
減と2カ月ぶりに減少。好調が続いた米国向けも伸びが鈍った。輸
出が下振れすれば、1〜6月に過去最大の2.9兆円に上った貿易赤字
が一段と拡大しかねない。

 輸出総額は2.3%減と4カ月ぶりの減少。ニッセイ基礎研究所の試
算では、4〜6月期の国内総生産(GDP)に対する輸出の寄与度
は前期比でほぼゼロだった。

 中国向けは建設関連の不振が目立つ。建設用・鉱山用機械を含む
一般機械が前年同月比24.8%減。鉄鋼(20.2%減)や通信機(42.2
%減)も振るわなかった。

 4〜5月に4割増だった米国向け輸出も6月は15.1%増に鈍化し
た。債務危機に直面する欧州連合(EU)向けは21.3%減と低迷が
続く。

 民間エコノミストが予測する2012年度の日本の実質成長率は平均
で2.3%。復興需要は夏以降に目減りするが、海外経済の回復で輸出
が補うシナリオだ。日本の輸出も年度後半に持ち直すとの見方が多
い。欧州経済の混乱などで世界経済が減速感を強めれば、こうした
見通しは崩れる。
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中国GDP統計の精度は!? エコノミスト間で見解に相違
2012.7.24 05:00サンケイBIZ
 中国の4〜6月期(第2四半期)の国内総生産(GDP)統計に
ついて、英銀バークレイズや、みずほセキュリティーズが過大評価
の可能性を指摘する一方で、米銀バンク・オブ・アメリカ(BOA
)はその精度を支持する立場をとり、意見が分かれている。

 みずほセキュリティーズアジアのアジア担当チーフエコノミスト
、沈建光氏は今月17日に発表した調査リポートで、中国の工業と
電力の生産減速は一段と進んでおり、GDP統計とは矛盾している
と指摘。そのうえで、電力や住宅、インフラプロジェクト、融資な
どの月間統計を考慮すると、実際の成長率は、恐らく7%前後だろ
うと分析した。

 沈氏は、中国政府は「予想を上回る規模の景気刺激策」を講じる
可能性があるとみている。さらに沈氏は、政府の役人は「市場の信
頼の維持」に向け、経済データの信頼性改善に努めるべきだとし、
ここ数カ月の政府の行動から、政策当局は経済見通しを危惧してい
るとの見方を示した。

 これに対し、BOAの中華圏経済担当責任者、陸挺氏(香港在勤
)は19日付のリポートで、工業生産はGDPに一致するものだと
した上で、電力統計からすると、一部成長の機会が失われる可能性
があるとの見通しを示している。

 こうした見解の相違は、中国政府当局が依然、自国のGDP統計
へのエコノミストや、投資家からの信頼確保が難しい状態にあるこ
とを示している。

中国の李克強副首相は、共産党の地方指導者だった2007年当時
、GDP統計に盛り込まれる数字には「人の手が加えられており、
参考にしかならない」と語っていた。

 クレディ・スイス・グループの日本を除くアジア経済担当責任者
(香港在勤)の陶冬氏は「経済統計が完全に信頼できる国などない
が、中国の統計はとりわけ信頼性が低い」と指摘。同国の「統計は
地方および中央政府の段階で政治的介入の影響を受けている。従っ
て統計に疑いの目が向けられるのだ」と語った。

 こうした批判に対し、中国国家統計局の盛来運報道官は7月13
日の記者会見で、海外メディアによる近ごろの電力消費や工業生産
高成長に関する主張は誤っていると明言。中国経済は概して安定し
ており、景気後退も落ち着いてきたとし、1〜6月期のデータは、
中国経済に対する海外の弱気な見通しは事実無根であるということ
を示していると述べた。(ブルームバーグ Xin Zhou)
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第2四半期の中国GDP伸び率は前年比+7.6%、3年ぶり低水準
2012年 07月 13日 13:48 JST  

[北京 13日 ロイター] 中国国家統計局は13日、2012
年第2・四半期の国内総生産(GDP)伸び率が前年比7.6%に
なったと発表した。2009年第1・四半期以来3年ぶりの低水準
で、市場予想と一致した。

中国経済の減速傾向が続き、通年の伸び率が1999年以来の低水
準になるとの見方を裏付ける内容となった。

中国のGDP伸び率は6四半期連続で鈍化している。2012年第
1・四半期の伸び率は8.1%だった。

アナリストは、同日発表された一連の他の指標を分析し、第2・四
半期のGDPが底を打ったのか、景気下降サイクルの継続を示して
いるのかを見極めようとしている。

国泰君安証券の(上海)のアナリスト、Jiang Chao氏は「7.6%
成長は市場でほぼ織り込み済みだった。成長率が7%を割り込むと
いう懸念はある程度和らいだ。ただ、政府がボーダーラインとみて
いる7.5%に近いことから、景気支援に向け政府は追加緩和に向
けた取り組みを強める可能性がある」と語った。
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コマツ、中国建機市場の回復は来年1月以降に期待=野路社長
2012年 06月 7日 16:56 JST

 中国の建機市場は昨年6月から落ち込んでいるため、対前年比で
は6月以降大きなマイナスにならない。ただ、野路社長によると、
同社が建機に搭載している遠隔管理システム「コムトラックス」の
稼働時間も「今は増えていない」という。本格的に工事が動きだす
には「金融市場が緩和されて半年近くかかった後になる」と述べ、
来年の春節明けからの回復に言及した。

 同社は同日、都内で油圧駆動式新型フォークリフトの発表会を開
いた。自社開発のエンジン、油圧機器、制御システムを搭載し、従
来機と比べて燃料消費量を最大30%低減した。4トン車、4.5
トン車、5トン車の3機種で、価格は640万円から。国内は初年
度300台の販売を目指す。米国など海外にも投入。海外では
年100台の販売を計画する。

 同シリーズは、フォークリフトとして初めて「コムトラックス」
を標準装備し、車両の位置や稼働状況、燃料消費量などの情報を収
集できるようにした。発表会に出席した野路社長は、来年にも電動
フォークリフトを発売する計画があることを明らかにした。

 フォークリフトの需要は日本、米国、欧州など先進国が主体だが
、同地域の景気は低迷している。野路社長は、需要の低迷が続いて
いるからこそ競争力のある商品を投入することが必要、と説明。そ
の上で、景気回復時には同商品が大きな戦力になるとの考えを示し
た。
(ロイターニュース 杉山健太郎)



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