4420.マイナス金利を日銀も



欧州債務問題がスペインなど主要国に広がる中、欧州を起点とした
世界経済の減速長期化や円高進行など日本経済の下振れリスクへの
警戒を強めざるを得ない局面に入っている。

日銀の山口広秀副総裁は25日、円高の影響を含めて景気下振れリ
スクが高まる場合には、追加の金融緩和に踏み切る考えを表明した
が、それだけでは効果がないことも事実である。

欧州中央銀行(ECB)は貸し出しを渋る銀行に融資拡大を迫るた
め、世界の主要中銀として初めて預金金利をマイナスに設定するか
もしれないのだ。

市中銀行がECBに預け入れる金利がマイナスになれば、ECBは
銀行から預金の「手数料」を徴収する形になり、銀行に対してEC
Bに預金している資金を貸し出しに回すよう促す効果が期待される
ことと、外国に資金が逃げ出すことになる。

その資金は円に向かうことになる。そうすると、一段の円高になる
ことは、火を見るより明らかである。

この場合、円を滞留する先である日銀当座預金の金利をマイナスに
することである。現時点でも外銀が預けている円資金が多いから、
これに対して、マイナス金利にすることは意味がある。

海外にその資金が逃げることで円高が止まることになる。

日銀当座預金金利をゼロにして、口座維持手数料を取る事でできる
ので、マイナス金利にすることは楽である。

やってみなはれ?

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忍び寄る欧州発の景気下振れリスク、日銀副総裁は追加緩和に言及
2012年 07月 26日 00:35 JST 

[広島市 25日 ロイター] 欧州債務問題がスペインなど主要
国に広がる中、欧州を起点とした世界経済の減速長期化や円高進行
など日本経済の下振れリスクへの警戒を強めざるを得ない局面に入
っている。日銀の山口広秀副総裁は25日、円高の影響を含めて景
気下振れリスクが高まる場合には、追加の金融緩和に踏み切る考え
を表明した。

足もとの日本経済は引き続き堅調な内需にサポートされているもの
の、外需の復活も展望した先行きの回復見通しが維持できるのか、
正念場を迎えつつある。
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現実味高まるECBのマイナス金利、デンマーク中銀が先例に
2012年 07月 25日 15:37 JST 

[フランクフルト 24日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)
は貸し出しを渋る銀行に融資拡大を迫るため、世界の主要中銀とし
て初めて預金金利をマイナスに設定するかもしれない。

市中銀行がECBに預け入れる金利がマイナスになれば、ECBは
銀行から預金の「手数料」を徴収する形になり、銀行に対してEC
Bに預金している資金を貸し出しに回すよう促す効果が期待される。

ECBはすでに、そうした政策に向けた歩みを進めている。7月に
は主要政策金利としているリファイナンス金利を過去最低の0.75
%とするとともに、翌日物の預金金利をゼロ%に引き下げた。

ECBのクーレ理事やオランダ中銀のクノット総裁は、それ以降も
必要があればさらなる利下げを行う可能性をほのめかし、預金金利
をマイナスに引き下げる「実験」もためらわない考えを示している。
そうした動きを受け、エコノミストの間では、ECBが早ければ9
月にも再利下げを行うと予想する声も出ている。

マイナス金利は大半の中央銀行にとってほとんど未経験の領域で、
ECBは7月にマイナスの預金金利に踏み切ったデンマークの動向
を注目している。

デンマーク中銀は今月、ECBによる利下げに歩調を合わせる形で
金融緩和を実施。主要政策金利である貸出金利を25ベーシスポイ
ント(bp)引き下げ0.20%としたほか、譲渡性預金(CD)
金利を0.05%からマイナス0.20%に引き下げた。

だが、極端にリスク回避ムードが強まっている現在の市場環境にお
いて、マイナス金利に踏み切っても中銀の思惑通りに効果を発揮す
るかどうか、疑問視する向きも多い。

(Eva Kuehnen記者;翻訳 長谷部正敬)

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