4412.シリア内戦の終結が近いか



シリアのアサド政権が、首都での攻撃にどこまで耐えられるかとい
う局面にきた。シリアの首都ダマスカスで15日、昨年3月の反体
制運動開始後、最も激しい戦闘が起きた。首都中心部から程近い場
所で衝突が発生しており、反体制武装勢力はアサド政権中枢に一段
と迫った。

衝突が起きたのは、タダムンやクファルスーサ、ルワンなど複数の
地区。周辺には軍事空港や外務省など政権機能を担う施設もある。
反体制派の武装勢力「自由シリア軍」の報道官は、「ダマスカス解
放」作戦に着手するため、10日前に複数の県から多くの兵士がダ
マスカスに集結したとし、今後も兵士の数が増加すると述べた。ま
た、ダマスカスとその郊外に少なくとも50の部隊を派遣したと語
った。1部隊当たり約50人の兵士がいるという。

シリアのアサド大統領の元側近でフランスに亡命したマナフ・トラ
ス氏は17日、シリアの危機的状況は現政権に「責任の大半がある
」と非難した。

ロシアもこの情勢であると、シリアのアサド大統領を支持してはお
らず、国連とアラブ連盟のアナン特使の調停案、国連安全保障理事
会の決議、シリアに関するジュネーブ会議のコミュニケを支持する
立場を取っている。ロシアのラヴロフ外相が16日、モスクワで開
かれた記者会見で伝えた。

しかし、アナン国連特使は就任後、初めてモスクワに乗り込み、プ
ーチン大統領に直談判したが、ロシアを説得することはできなかっ
た。背景には、ロシアがシリアに国外唯一の海軍基地を持ち、重要
な武器輸出相手として、アサド政権とも緊密な関係を築いている事
情がある。

また、すでにシリアのロシア軍基地に数個大隊の海兵隊を送ってい
る。このシリアをロシアが介入しないことを願うが、まだ、どうな
るかわからない。

また、シリアのアサド政権から離脱して亡命したファレス前駐イラ
ク大使は16日、英BBC放送に対し、アサド大統領が反体制派勢
力に化学兵器を使用する恐れがあると警告した。

さあ、どうなりますか?

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シリア反体制派が「首都解放作戦」開始、各地から兵士ら集結
2012年 07月 18日 12:29 JST 

[ベイルート 17日 ロイター] シリアの反体制派は17日、
首都ダマスカスで政府軍に対する攻勢を強めると発表し、治安機関
などを標的にする計画を明らかにした。ダマスカスでは軍と反体制
派の衝突が3日間続いており、規模は過去最大とみられる。

反体制派の武装勢力「自由シリア軍」の報道官、Qassem Saadeddine
大佐はロイターに対し、「われわれはダマスカスを解放する作戦を
開始した」とコメント。治安機関の施設を攻撃すると述べた。

大佐は、「ダマスカス解放」作戦に着手するため、10日前に複数
の県から多くの兵士がダマスカスに集結したとし、今後も兵士の数
が増加すると述べた。また、ダマスカスとその郊外に少なくとも50
の部隊を派遣したと語った。1部隊当たり約50人の兵士がいると
いう。

反体制派は、1カ月続く可能性もある戦闘に向けて準備を進めてお
り、弾薬は不足しているが武器は十分にあるとしたほか、国内各地
の政府軍から武器を奪取していると明らかにした。
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ロシアがなぜシリア・アサド政権を擁護するのか、記者の解説です。

内戦状態のシリア情勢を打開するため、ロシアを訪問した国連のア
ナン特使は、プーチン大統領らと会談しましたが、歩み寄りは見ら
れませんでした。
ロシアはなぜ、シリアのアサド政権を擁護するのか、古山倫範記者
の解説です。
(07/18 12:54)FNN

特使就任後、初めてモスクワに乗り込み、プーチン大統領に直談判
したアナン特使だが、ロシアを説得することはできなかった。
プーチン大統領は「アナン氏は、人柄もよく、見識のある方だ」と
述べた。
アナン特使は「危機的状況を改善させるため、われわれは一丸とな
って、解決策を見いだしたい」と述べた。
会談の冒頭、プーチン大統領は、アナン特使を持ち上げ、「活動を
支持する」と述べた。
しかし、その言葉とは裏腹に、会議を理由に2時間も遅刻し、欧米
が提案している、シリア制裁を含んだ新たな国連決議に応じる姿勢
は見せなかった。
背景には、ロシアがシリアに国外唯一の海軍基地を持ち、重要な武
器輸出相手として、アサド政権とも緊密な関係を築いている事情が
ある。
シリアでの国連停戦監視団の活動期限が20日に迫る中、ロシアは活
動延長にも反対し、安保理では拒否権をちらつかせて抵抗していて
、歩み寄りは極めて困難な情勢となっている。
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危機は「現政権に責任」=亡命の元高官が声明−シリア
 【パリ時事】シリアのアサド大統領の元側近でフランスに亡命し
たマナフ・トラス氏は17日、AFP通信に送付した声明で、シリ
アの危機的状況は現政権に「責任の大半がある」と非難した。その
上で「流血の事態が収まり、建設的移行の段階を経てシリアが危機
を脱するよう心から望む」と表明した。
 シリア軍の精鋭部隊、共和国防衛隊の司令官だったトラス氏は、
アサド政権から離反した最も高位の軍幹部の一人とされる。6日に
亡命が明らかになって以降、メディアに声明を出したのは初めて。
(2012/07/18-06:57)
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アサド政権、化学兵器使用の恐れ=亡命の前大使が警告−シリア
 【ロンドンAFP=時事】シリアのアサド政権から離脱して亡命
したファレス前駐イラク大使は16日、英BBC放送に対し、アサ
ド大統領が反体制派勢力に化学兵器を使用する恐れがあると警告し
た。
 カタールに逃れているファレス氏は、アサド政権の崩壊は近いと
の見方を表明。その上で、アサド大統領は権力の座にとどまるため
「シリア国民全体を絶滅させる」覚悟があるだろうと述べた。
(2012/07/17-14:26)
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ロシアはアサド大統領を支持していない
16.07.2012, 19:04ロシアの声

ロシアはシリアのアサド大統領を支持してはおらず、国連とアラブ
連盟のアナン特使の調停案、国連安全保障理事会の決議、シリアに
関するジュネーブ会議のコミュニケを支持する立場を取っている。
ロシアのラヴロフ外相が16日、モスクワで開かれた記者会見で伝
えた。
シリア紛争におけるロシアの唯一の関心は、シリアの不安定化なら
びに地域全体の今後の不安定化を許さないことだ。

ラヴロフ外相は、ロシアは国連シリア停戦監視団の活動延長に関す
る西側の立場の中に、恐喝の要素があるとみなしていると指摘した。
外相は、監視団を目的達成のための犠牲として利用することは許し
難い行為であるため、ロシアではそのようなアプローチが「完全に
非効率的で危険」であると考えられていると強調した。

ラヴロフ外相によると、西側は軍事作戦を可能とする国連憲章に基
づく措置でシリア情勢を解決しようとしている。
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首都で最も激しい戦闘=反体制派、政権中枢に迫る−シリア
 【カイロ時事】在英の人権団体「シリア人権監視団」によると、
反体制派と政府軍の衝突が泥沼化するシリアの首都ダマスカスで15
日、昨年3月の反体制運動開始後、最も激しい戦闘が起きた。首都
中心部から程近い場所で衝突が発生しており、反体制武装勢力はア
サド政権中枢に一段と迫った。
 衝突が起きたのは、タダムンやクファルスーサ、ルワンなど複数
の地区。周辺には軍事空港や外務省など政権機能を担う施設もある。
反体制武装組織「自由シリア軍」のメンバーが首都周辺に徐々に進
出しつつあり、政府軍側はこうした地域に迫撃砲を撃ち込むなど、
支配権の確立を試みているもようだ。
 反体制活動家はロイター通信に対し、インターネット電話で「ダ
マスカスには数百人の反体制武装勢力がいる。政権側がタダムンの
反体制派を鎮圧できなければ、衝突は他地域にさらに拡大するだろ
う」と語った。(2012/07/16-06:26)


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