4408.「鳩山新党」浮上



野田佳彦首相は、消費増税への賛同が次期衆院選での民主党公認の
条件とした。これに頭にきたのが、鳩山さんである。このため、鳩
山さんは両院議員総会にも姿を見せなかった。

そして、鳩山元首相の周辺で、月内に離党し新党を結成する構想が
浮上してきた。増税法案採決で造反した議員を中心に20人規模で
の旗揚げを目指している。しかし、せいぜい10名程度しか集まら
ないことが判明した。

連合などの支援がなくなると、選挙もできない民主党議員が多い。
このため、100名程度のシンパがいたはずが、小沢新党でも参加
者が50名しかにいなかった。ここで、選挙に落ちるかもしれない
鳩山さんの新党に参加するするはずはない。

ここで、野田首相も党内の増税反対派の反発を受け、同日の両院議
員総会で「誤解を生んだ」として発言を修正した。

このため、鳩山元首相も13日午前、月内に離党して新党を結成す
る構想があるとの一部報道について「事実無根であることは間違い
ない」と否定した。

小沢さんが、60名を引き連れて出て行ったことで、野田代表は9
月の代表選挙でも当選確実である。「野党だったら理想だけでいい。
衆参ねじれの中で誓ったことをやり遂げるには現実と向き合って前
に進めなければならない」と野田さんのペースになってきた。

しかし、選挙までに日本の将来の設計図を用意できるかどうかで、
それがないと、小沢新党の反増税、反原発に負けることになる。消
費税後の構想を明確化することが、一番必要なことである。

特に年金をどうするのか、早く案を国民に提示するべきである。
==============================
新党構想を否定=鳩山元首相

 民主党の鳩山由紀夫元首相は13日午前、月内に離党して新党を
結成する構想があるとの一部報道について「事実無根であることは
間違いない」と否定した。衆院議員会館で記者団に語った。 
(2012/07/13-10:35)
==============================
野田首相、また釈明=非公認発言「一般論」

 野田佳彦首相は13日午前の参院本会議で、消費増税への賛同が
次期衆院選での民主党公認の条件とした自らの発言について「政党
本位、政策本位の選挙で、候補者は所属議員の議論を集約して作成
したマニフェスト(政権公約)を掲げて戦うのが自然な姿だと、一
般論で答弁したつもりだった」と釈明した。自民党の愛知治郎氏へ
の答弁。

 首相は12日の衆院予算委員会で、次期衆院選の民主党マニフェ
ストに消費増税を明記し、これに賛同しない場合は「公認の基準か
ら外れる」と明言。しかし、党内の増税反対派の反発を受け、同日
の両院議員総会で「誤解を生んだ」として発言を修正した。 

 これに関し、愛知氏は本会議で「議事録を読む限り一般論でなく
、誤解の余地はない。一日のうちに全く違う趣旨の発言をしている
」と批判した。(2012/07/13-12:53)
==============================
「鳩山新党」が浮上 反増税で20人目指す

 民主党で消費税増税に反対する鳩山由紀夫元首相の周辺で、月内
に離党し新党を結成する構想が浮上していることが12日分かった。
関係者が明らかにした。増税法案採決で造反した議員を中心に20
人規模での旗揚げを目指しているとされる。鳩山氏に近い衆院議員
は、新党結成に「その方向だと思う」と述べた。しかし参加を見込
む議員には慎重論も強い。

 仮に衆院議員16人以上が離党した場合、野党が提出した内閣不
信任決議案を与党だけでは否決できず、野田佳彦首相は窮地に陥る。
16人に届かなくても小沢一郎元代表の新党結成に続く党分裂にな
れば首相の求心力低下は必至。

2012/07/13 02:00 【共同通信】
==============================
首相、再選モードでエンジン全開 押し黙る鳩山氏
2012.7.13 01:30サンケイ
 「増税反対なら公認しない」−。野田佳彦首相の12日の衆院予
算委員会での発言は瞬く間に民主党内に広がった。「国民の生活が
第一」の小沢一郎代表ら不穏分子の離脱により“憑(つ)き物”が
とれたのか。9月の党代表選に向け、首相はエンジン全開となった。
そこには再選への確かな手応えがあるように見える。(坂井広志)

 「理想ばかり追いかけては政策遂行できない。現実ばかり追いか
けては政治にロマンがない。幻想なき理想主義は必要である」

 12日夕、国会の憲政記念館で開かれた党両院議員総会。首相は
故ロバート・ケネディ元米司法長官の言葉を引用し、こう続けた。
「野党だったら理想だけでいい。衆参ねじれの中で誓ったことをや
り遂げるには現実と向き合って前に進めなければならない」。衆院
採決で造反しながら残留した鳩山由紀夫元首相らへの強烈な皮肉だ
った。

 党内の雰囲気は一変した。首相がいつものように深々と頭を下げ
ると割れるような拍手。小沢氏に近い福田昭夫衆院議員は「後進に
道を譲り、代表選に出馬すべきでない」と迫ったが、「失礼だ!」
とヤジが飛び、首相は福田氏をジッとにらみつけた。

 党分裂の嵐が去り、首相はどこか吹っ切れたようにみえる。12
日の衆院予算委員会でも小沢氏らが「増税の前にやるべきことがあ
る」と訴えていることを念頭にこう言い切った。

 「困難な問題を先送りしたから待ったなしの状況を生んだ。私は
国難から逃げない政治をやりたい!」

 「公認しない」発言もこんなハイテンションの中で飛び出した。
両院議員総会では「誤解を生むような状況になった」とややトーン
ダウンさせたが、原則を撤回する気はさらさらない。

 どうやら首相は次のターゲットを鳩山氏に絞ったようだ。勝算は
ある。自民党が鳩山氏を選出する衆院北海道9区(室蘭、苫小牧市
など)にリレハンメル五輪スピードスケート銅メダリストで道議の
堀井学氏を擁立したからだ。

 室蘭生まれで、苫小牧に生産拠点を置く王子製紙元社員の堀井氏
は、「都会っ子」の鳩山氏にとって大きな脅威。いくら潤沢な資金
があっても民主党で公認を得た上で連合北海道の強力な支援を受け
なければ「落選」が現実味を帯びる。

 鳩山氏が小沢氏に合流しなかったのは、民主党への「オーナー意
識」だけでなく、選挙区事情も大きい。「これ以上抵抗できまい」。
意外に執念深い首相はこう考えたに違いない。

 案の定、首相が放った「直球」は鳩山氏の脳天を直撃した。衆院
議員会館廊下で、小沢氏と離党した若手議員にこうこぼした。

 「『反対者は公認しない』と言ってるんだって。そっちは党議拘
束がないって? いいことだな…」

 鳩山氏の事務所は詰めかけた記者団に「政局に関する話は一切し
ません」と通告。鳩山氏は両院議員総会にも姿を見せなかった。

 鳩山氏らが代表選で対抗馬を立てようにも推薦人20人を確保で
きそうにない。追い込まれた鳩山氏周辺から新党構想が浮上したの
はこうした事情からだが、新党を作って小沢氏と連動したところで
展望が開けるわけではない。

 もし鳩山氏が新党を結成しても20人規模どころか10人にも満
たず、衆院で民主党が過半数割れする可能性は小さい。むしろ残留
した方がリスクが大きい。

 最大のライバルである前原誠司政調会長の人気失速もあり、再選
の手応えは十分。そう感じとった首相は「決められない政治」から
ジワリと脱却しつつある。


コラム目次に戻る
トップページに戻る