4404.北方領土問題解決は有効



ロシアのトップ2人の考え方が違うようである。メドベージェフ首
相は択捉島を訪問したが、首相と大規模閣僚一行がともに極東地域
を訪問するのは極めて異例だ。

これに対して、野田首相と玄葉外相の訪露を中止するべきだるとい
う意見が、日本側の自民党に出ている。

しかし、ロシアもベトナム沖での石油開発などで、中国に完全に負
けている状況であり、このままにすると太平洋での基盤が中国に取
られてしまい、プーチンが目指す太平洋国家という目標は達成でき
ないことになる。

プーチン大統領は、中国の牽制のために、日本と領土問題の交渉し
て解決するべく、意欲的である。そして、今までにロシアは、中国
との領土問題をお互いの主張の半々という面積を分けて解決してい
る。

これを同じ方法を、ロシアは日本との交渉で志向している。これに
対して、日本側の北方4島の返還は無理にしても、半々の領土を分
けるなどの妥協をすることが必要である。

この面積半分や2島返還でも択捉島は、ロシア側になる可能性が高
い。その意味では、ロシアのメドヴェージェフ首相も考慮している
ように感じる。しかし、今後国後島にも行くというので、その前に
日露は交渉を開始して、面積半々という解決を見るべきである。

そうすると、国後島の半分が日本、ロシアになり、ここで、ロシア
と日本は国境を接することになる。

そして、ここの開発には、ロシアも参加してもらい、かつ経済特区
に両方の地域を指定して、ロシア・日本の工業団地を作るなどの経
済開発を行うことで、ロシアにとっても魅力ある協定を作ることで
ある。

ロシアと日本が組んで、中国を牽制することがどうしても、必要に
なっている。それだけ中国の力は強くなっているように感じる。

日本の外交を長い目で見て、日本に有利にしておくことが必要であ
る。

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レコードチャイナ:中国を牽制するために北方領土問題解決は有効
だ=プーチンの外交戦略―ロシア誌
2012年7月8日 19時22分 
2012年7月、ロシア誌Russia in Global Affairsの編集者Fyodor 
Lukyano氏は、メドヴェージェフ首相の北方領土訪問について、「中
国の台頭に向き合う中、日ロは友好関係を保つべきだ」と提言した
。6日、米華字ニュースサイト・多維網が伝えた。

かつてプーチン大統領が訪日した際、領土問題の交渉ができるとの
メッセージを送っていた。日本はこれに反応することはなかったが
、中国に対抗する意味からプーチン首相は日本との衝突を避ける意
向を持っていたという。メドヴェージェフ首相の北方領土訪問はプ
ーチン首相の狙いに反するもので理解できないとLukyano氏は指摘す
る。

北方領土問題は2島返還などの政治的妥協が必要だが、愛国心がから
む問題だけに実現は困難だ。民意に束縛されない独裁政権では可能
性があるだけに現在のロシアでは可能性がある。また現行のロ中関
係はロシアにとって不利だ。このままいけばアジア太平洋地域にお
いてはロシアの外交政策は中国の意向に引きずられることになるだ
ろう。北方領土問題の解決は中国を牽制し、ロシアの影響力をアジ
アに残す意味でも重要だ。(翻訳・編集/KT)
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南シナ海でやりたい放題…ロシアの“漁夫の利”さらう中国
2012.7.5 07:02サンケイ

 ベトナムとの協力の下、同国沖の天然ガス開発を進めていたロシ
アのガスプロムが、南シナ海での領有権をめぐる中国とベトナムの
対立の渦中にほうり込まれ、中断に追い込まれそうな事態に陥って
いる。中越対立を横目に漁夫の利を狙ったのに、すっかり思惑が外
れた格好だ。(フジサンケイビジネスアイ)

 ロシアのニュース専門局「ロシア・トゥディ(RT)」などは「
ガスプロムが中越領土紛争の被害者に」と題する記事で、「もし中
国が撤退するよう圧力をかけるなら、ロシアは中国との数百万ドル
に上る天然ガス売却契約を失うより、ベトナムから撤退した方が利
口だ」とするアナリストの声を伝え、早くも及び腰だ。
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日本を刺激するロシア、メドベージェフ首相がクリル諸島を訪問
2012年07月03日09時39分 中央日報
 ロシアのメドベージェフ首相が2日に極東地域訪問に乗り出した。
特に日本と領有権紛争を行っているクリル諸島(日本名・北方領土
)訪問も計画しており、日本とのあつれきが予想される。 

  メドベージェフ首相は5日まで予定されている今回の視察に閣僚
10人を同行した。首相と大規模閣僚一行がともに極東地域を訪問
するのは極めて異例だ。名目上は9月にウラジオストクで開かれる
アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の準備状況を点検
するためだが、ついでにクリル諸島まで視察するということだ。ロ
シア内閣の大々的移動であるだけに日本の心情が穏やかなはずがな
い。 

  リアノーボスチ通信によるとメドベージェフ首相の今回の訪問に
はシュワロフ第1副首相イシャエフ極東発展相手兼極東連邦管区大
統領全権代表、ゴウォルン地域発展相、ドンスコイ天然資源環境相
ら政府要人が大挙随行している。 

  首相一行は訪問初日の2日、APEC首脳会議が開かれるウラジ
オストクのルースキー島と大陸を連結する橋の開通式に参加した。
この橋はAPECの主要行事が行われるルースキー島とウラジオス
トクを結ぶ長さ3100メートルの吊り橋で、この日初めて試験開
通した。自動車通行が可能になる本開通は8月1日に予定されてい
る。メドベージェフ首相はこの日ウラジオストクで極東および東シ
ベリア地域社会経済発展国家委員会会議も主宰する予定だ。 

  メドベージェフ首相は3日からサハリンと、日本との領土紛争の
対象になっているクリル諸島のイトゥルプ(日本名・択捉島)を訪
問するという計画だ。イトゥルプでは輸送インフラと住宅整備事業
に関する地方自治体との会議に参加することになる。ロシアは2015
年までにクリル諸島を開発する「クリル諸島社会経済発展計画」を
推進中で、各国企業の投資を誘致している。 

  2010年11月に訪問したクナシル(日本名・国後島)を再訪
問するという見通しも出ている。メドベージェフ首相は当時ソ連・
ロシアの最高指導者として初めてクナシルを訪問した。 

  当時メドベージェフ首相は「クリル諸島4島はロシアが実効支配
する領土であるだけに(日本側の領土返還要求には)決して応じる
ことはできない」としてクナシル訪問を強行した。当時の菅直人首
相は「許し難しい暴挙」と猛非難し、ロ日関係は急速に冷え込んだ。 

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