4399.シリア内戦が拡大の可能性



国際的なシリア統一政府の合意があるが、それが実行できるかどう
かわからない。アサド政権、反体制派とも双方が参加する統一政府
の樹立には難色を示しており、実現には難航も予想される。 

このため、シリア反体制派の主要組織「シリア国民評議会」のアブ
ドルバセト・シダ議長は3日、「(国際社会がシリアに)直ちに重
大な介入に踏み切らなければならない。いかなる選択肢も排除しな
い」と述べ、米欧などによる軍事介入が必要との考えを示唆した。

しかし、パレスチナ過激派のパレスチナ解放人民戦線総司令部派(
PFLP・GC)のジブリル議長は3日、内戦状態に陥ったシリア
のアサド政権が外国軍の攻撃を受けた場合、同盟関係にあるイラン
のほか、レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラと共に参
戦するとした。

今回の起因になった6月22日のトルコ軍機撃墜について、シリア
のアサド大統領は3日、「低空を飛んでおりイスラエル機と誤認し
た。イスラエルは2007年にシリアを攻撃している。戦争状態の
国はこういう対応をしてしまう」と語り、故意の撃墜を強く否定し
た。

イランのアハマディネジャド大統領は3日、欧米が6月下旬から相
次いで発動したイランの原油輸出を標的にした制裁について「これ
までどの国に科された制裁よりも厳しい」と述べ、また「抵抗こそ
が敵対的な政策に対する唯一の回答だ」としており、欧米への戦争
に踏み切る可能性を示唆した。

このように、中東での危機は拡大している。イランとシリアが欧米
諸国の調停案を受け入れずに、戦争に突入する可能性もまだある。

まだ、中東に注意をする必要がある。

さあ、どうなりますか?


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対シリア軍事介入なら参戦=イランやヒズボラも−パレスチナ過激派
 【カイロ時事】パレスチナ過激派のパレスチナ解放人民戦線総司
令部派(PFLP・GC)のジブリル議長は3日、内戦状態に陥っ
たシリアのアサド政権が外国軍の攻撃を受けた場合、同盟関係にあ
るイランのほか、レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラ
と共に参戦すると語った。レバノンのテレビ局に語った内容をAFP
通信が伝えた。(2012/07/04-06:29)
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「イスラエル軍機と誤認」=トルコ機撃墜を釈明−シリア大統領
 【アンカラAFP=時事】シリアのアサド大統領は3日、トルコ
紙ジュムフリエトのインタビューに応じ、6月22日のトルコ軍機
撃墜について「低空を飛んでおりイスラエル機と誤認した。イスラ
エルは2007年にシリアを攻撃している。戦争状態の国はこうい
う対応をしてしまう」と語り、故意の撃墜を強く否定した。
 また、「シリア軍による撃墜でなければよかったのだが」と釈明。
行方不明のトルコ軍搭乗員2人の親族に哀悼の意を表明した。
(2012/07/04-06:29)
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シリア反体制議長:軍事介入必要と示唆
毎日新聞 2012年07月04日 02時30分

 【カイロ前田英司】シリア反体制派の主要組織「シリア国民評議
会」のアブドルバセト・シダ議長は3日、カイロ市内で毎日新聞の
単独インタビューに応じ、「(国際社会がシリアに)直ちに重大な
介入に踏み切らなければならない。いかなる選択肢も排除しない」
と述べ、米欧などによる軍事介入が必要との考えを示唆した。

 アナン国連・アラブ連盟合同特使(前国連事務総長)の主導する
「連絡グループ会議」は6月30日のジュネーブ会合で、シリアの
移行政府樹立支援で合意したが、シダ議長は「(弾圧を続けるシリ
アの)アサド大統領の退陣なき解決策はない」と拒否する姿勢を強
調した。

 シダ議長は、連日100人以上の死者が出るなど内戦化したシリ
アの現状に危機感を表明し、武力行使などの強硬措置を可能にする
国連憲章第7章に基づく制裁強化が不可欠だと主張。パリで6日に
開かれる反体制派支援国会合で、アサド政権に対して断固とした対
応を取るよう国際社会に求める考えを示した。
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イラン大統領 欧米の制裁は「厳しい」
2012.7.4 00:47サンケイ
 イランのアハマディネジャド大統領は3日、欧米が6月下旬から
相次いで発動したイランの原油輸出を標的にした制裁について「こ
れまでどの国に科された制裁よりも厳しい」と述べた。イラン学生
通信などが伝えた。イラン政府高官が制裁の影響を認めるのは異例。

 ただ、大統領は「抵抗こそが敵対的な政策に対する唯一の回答だ
」としており、厳しい状況を強調して、国民に団結を訴える狙いと
みられる。

 多くのイラン政府高官は「原油輸出量は減っていない」などと制
裁の影響を否定していた。

 大統領は、欧米が制裁でイランの力をそごうとしているとした上
で「全くの誤りだ」と主張。「われわれは制裁を、原油依存から脱
却するチャンスに変える」と語った。(共同)
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統一政府構想、シリア関係国間で合意 政権移行目指す
2012年7月1日4時12分

 内戦状態に陥っているシリア情勢の打開を目指し、国連安全保障
理事会常任理事国と周辺関係国による外相級会合が30日、ジュネ
ーブで開かれた。アサド政権と反体制派双方が参加する中立的な「
移行政府組織」を樹立して政権移行の実現を目指すことで合意した。 

 会合は国連とアラブ連盟の合同特使、アナン前国連事務総長が仲
介した「停戦案」が事実上失敗するなか、打開策を探る試み。アサ
ド政権支持のロシア、中国を含む形で「政権移行」に合意したこと
は、アサド政権にとっては政治的な打撃となる。ただ、アサド政権
、反体制派とも双方が参加する統一政府の樹立には難色を示してお
り、実現には難航も予想される。 

 この日の最終文書には、樹立の期限は明示されていないが、アナ
ン特使は「1年以内に進展することを望む」との見通しを示した。
新政府の構成、人選については「(政権、反体制派)双方の合意に
よる」(最終文書)とすることで妥協した。 


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