4368.小沢さん強気の理由



関西電力大飯(おおい)原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼
働問題で、政府に慎重な判断を求める民主党有志議員の呼び掛け人
代表の荒井聡元国家戦略担当相らが五日、国会議員百十七人分の署
名を首相官邸で斎藤勁官房副長官に手渡した。

この中には、小沢元代表もいる。福島県選出の渡部恒三最高顧問や
羽田孜と鳩山由紀夫両元首相も署名した。というように反転攻勢に
出始めている。

輿石さんも明確に野田首相の指示とは違う方向に行っている。自民
党との協議で、民主党内に修正協議への強い異論があるからで、自
民党が求める最低保障年金制度や後期高齢者医療制度廃止の撤回は
、民主党マニフェスト(政権公約)の撤回に直結するため拒否反応
が強い。

輿石幹事長は、「採決は無理」との環境作りに走っているようにも
映る。

というように輿石さんと連携する中間派の動向が、民主党内での採
決できるか、できないかを決めることになりそうである。

もしかすると、日本国債暴落、金利上昇するまで消費税増税は無理
かもしれないし、大飯原発再稼働もできないと、暗然とした気分で
ある。
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民主「慎重」117人分提出 再稼働問題 小沢元代表らの名も
    
2012年6月6日 東京新聞朝刊
 関西電力大飯(おおい)原発3、4号機(福井県おおい町)の再
稼働問題で、政府に慎重な判断を求める民主党有志議員の呼び掛け
人代表の荒井聡元国家戦略担当相らが五日、国会議員百十七人分の
署名を首相官邸で斎藤勁官房副長官に手渡した。

 最終的に精査した結果、署名数は衆院八十一人、参院三十六人で
、うち呼び掛け人は六十五人。福島県選出の渡部恒三最高顧問や小
沢一郎元代表、羽田孜と鳩山由紀夫両元首相も署名した。現職の政
務三役や党役員には署名を求めなかった。

 荒井氏は署名提出後、記者団に「信頼を失った経済産業省原子力
安全・保安院が安全性を主張しても国民の理解は得られない」と強
調。「署名は多くの党議員が再稼働に慎重な証拠だ」と述べた。

 これに先立ち、民主党は関連する部門会議や作業チームの合同会
議で再稼働問題を議論し、出席者から「強引に手続きをとっている
」と政府への批判が続出。再稼働を最終決定する首相と三閣僚の四
者会合に同席している仙谷由人政調会長代行は「安全をないがしろ
にしていない。強引にもやっていない」と反論したが、議論を続け
ることになった。
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どうにも怪しい輿石氏の本気度 修正協議、漂う行き詰まり感 
2012.6.6 11:32

 消費税増税関連法案を今国会会期末(21日)までに衆院採決す
るという野田佳彦首相の決意は、民主党の輿(こし)石(いし)東
(あずま)幹事長に届いていないようだ。輿石氏は5日に行われた
民主、自民、公明3党の幹事長会談で、21日までの採決確約を拒
否したため、自公両党は反発した。首相は一気に打開を図りたい考
えだったが、民主党幹部が会期内の採決に否定的な考えを表明した
ことで自公両党が態度を硬化させるのは確実。首相は内閣改造をし
たにもかかわらず視界不良の状態に変わりはない。(水内茂幸)

 「ちょうど輿石幹事長から電話が入った。多分、修正協議の報告
だろう。今日からでもやりましょうと提案をする。多分実ったと思
います」

 5日に都内で行われた日本経団連の定時総会。首相は携帯電話が
入っていると思われる胸ポケットを指し、笑みまで浮かべながらそ
う語った。

 だが、その淡い期待は輿石氏によって見事なまでに打ち砕かれた。

 石原伸晃自民党幹事長

 「首相は21日までの衆院採決といっている。そこまでに採決す
るなら修正協議に応じる」

 輿石氏「修正協議で与野党合意することが採決の前提だ。今から
日にちは決められない」

 輿石氏はかたくなに自民党が要求している採決日時の提示を拒ん
だ。公明党の井上義久幹事長が「合意の見通しがなければ採決しな
いのか」と畳みかけても、「否決されることが分かっている状態で
採決はできない」と一歩も引くことはなかった。

 首相と逆の道を行く輿石氏に怒り心頭の石原氏。「(修正協議を
)来年まで延ばす気か」と語っても、輿石氏は「常識の範囲内でや
る」とはぐらかすだけ。何としても採決を先送りする。そんな輿石
氏の狙いは微動だにしない。

 輿石氏が首相の指示を無視してまで強気を貫けるのは、民主党内
に修正協議への強い異論があるからにほかならない。自民党が求め
る最低保障年金制度や後期高齢者医療制度廃止の撤回は、民主党マ
ニフェスト(政権公約)の撤回に直結するため拒否反応が強い。

 内閣支持率が低迷していることも輿石氏を強気にさせているに違
いない。渋々、与野党折衝に臨んでいるだけで、むしろ「採決は無
理」との環境作りに走っているようにも映る。

 「修正協議をやったら党に持ち帰るべきだ!」

 5日の民主党参院常任役員会で出席者の一人がそう注文を付ける
と、輿石氏は「そこが焦点だ」と応じた。どうやら与野党で修正合
意した後に、再び党議にかけることも視野に入れているようだ。

 輿石氏は「消費税増税部分だけ取り出して成立させ、残りは自民
党の『社会保障制度改革国民会議』で議論するというのでは、党内
の賛成派も反対派に回る」とも言ってのけ、自民党が修正協議の「
救命ボート」として提唱した「国民会議」の存在も認めようとしな
かった。

 首相は改造で心機一転出直そうとしているが、そこに立ちはだか
る輿石氏の壁はあまりにも高い。


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