4358.岩沼の植樹祭に参加した



例の仲間たちと、岩沼の植樹祭に出てきた。前日早く、仙台に着い
たので、輪王寺を見た。輪王寺は仙台の街並みを一望できる北山の
地に御堂を構えて400年余りの歴史を持つようだ。お寺の下をくぐる
道路工事のために杉ノ木が切り倒されて、その後をどうしようかと
思案していたときに、宮脇先生に出会い、広葉樹の森にすることに
したそうだ。この方針で平成16年からお寺の境内で植樹を始め、現
在、その総本数は3万本以上を数えるとのことである。

この輪王寺住職で「いのちを守る森の防潮堤」推進東北協議会の会
長の日置道隆さんと会って、今後の方向性を話した。一番の問題は
、政府予算が使えず民間の金で行っていることである。徐々に理解
者が増えているが、まだ、思い描いている姿とは大分違うという。

その後、「森の防波堤構想」の推進を目的とした一般財団法人「瓦
礫を活かす森の長城プロジェクト」の記者会見を終えた理事長・細
川護熙元首相と宮脇先生が仙台に来て、そこでお会いした。

この森の長城プロジェクトには作詞家の秋元康とAKB48が名を連ねて
いるので、面白い活動をする可能性がある。多彩な顔ぶれが見える。

お会いした際、細川さんは、前日林野庁の担当者と話をしたが、政
府は50kmを今年、がれきを使って構築するというので、森の長
城プロジェクトは、それ以外の場所を行うことで、連携して動くこ
とにしたと言っていた。これが本当なら、非常によい方向であると
見る。しかし、木質のがれき処理については、まだ解決していない
ようである。

しかし、この植樹祭前日の夜、宮脇先生は少しお疲れの様子で、前
回お会いした時の硬い握手ではなく、心なしか握手がゆるいようで
あった。お年がお年であるので、無理をしないでくださいと、心の
中で念じた。

また、このホテルで、面白い年齢不詳の女性(オバサン)に会った
。北海道から来たというが、子供たちにどんぐりから苗を育てても
らい、その苗を提供して、貢献したいという。この苗を育てること
が子供たちの情操教育に非常によいというのだ。木が1000年程
度の命であり、人間は100年と短い。木を植えると、永遠の命を
生かしたことになり、気持ちがよいので、子供たちは、悪いことを
しなくなるという。このように、宮脇先生の周りには大勢の信者が
いるようである。

植樹祭の当日少し早く、仙台空港まで電車で行き、そこから現場ま
ではタクシーで行ったが、10分程度であり、2011年10月に
、この辺りには来ている。そのときは、松のほとんどが倒されて、
家が流されて何もない地域であった。現時点も整理されているが、
何もないことは同じである。

植樹際の当日の挨拶で、岩沼市の井口経明市長は、市域の48%が
津波で浸水して、現在市域の8%が地盤沈下している。そして、
20m以上の津波で避難できる場所が仙台空港と小中学校しかなく
、被害を増やした。

このため、その対策として多数の20m以上の高台を作り、そこに
広葉樹を植えて千年の森を作る計画である。多数の高台と広葉樹が
津波の勢いを失くしてくれ、かつ20m以上の高台に住民が避難し
てもらい、被害を最小限に抑えたいと言う。陸地に松島を作るよう
なものであると思った。

前回の東北旅行で、松島地域は被害が少なく、その原因は、松島が
津波の勢いを失くして、浸水の被害だけであったことで、大きな被
害から免れた。

その高台の基礎としてがれきを使う方向で環境省と検討して、試験
的にということで許可をもらい、行うこととしたという。

ここで使われる高台の構造物は、砕いたコンクリート破片と流され
た松のがれきであるようだ。

その後、細川さん、三浦副知事のお話しが続き、日テレのニュース
ゼロのキャスターが紹介された。その中に桐谷美玲さんがいて、仙
台育英の女子高生たちが歓声を上げていた。

最後に宮脇先生が話されて、そして、作業に移った。12時に終わ
り、仙台に戻り、牛タンを食べてから東京に戻ってきた。

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がれき活用の土台に植樹 防潮林に
5月26日 15時11分NHK

津波で出たがれきでかさ上げした土台に防潮林を植える計画の宮城
県岩沼市で、26日、試験的に作られた土台に地元の人たちが木の
苗を植えました。

津波で大きな被害を受けた岩沼市では、津波対策として、がれきを
使ってかさ上げした土台に防潮林を植える計画を沿岸部の20か所
ほどで進めています。

計画を進めるにあたって、仙台空港近くに試験的に土台が作られ、
26日、地元の人たちなど1000人が参加して木の苗を植えてい
きました。
高さ4メートル、敷地面積2000平方メートルの土台は、コンク
リートや流木などのがれきを積み上げた上に土が盛られていて、土
台に上がった参加者たちは、かしや桜など20種類の樹木の苗、
6000本を丁寧に植えていきました。
岩沼市は、苗の成長とともに、土台に使ったがれきが十分な強度が
あるかなどを調べたうえで、問題がないと実証できれば本格的な整
備を始めることにしています。
岩沼市の井口経明市長は「津波対策と処理が課題になっているがれ
きの活用を一度にできる取り組みで、1000年後にも残るような
防潮林にしていきたい」と話していました。
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不燃物がれき 復興工事で再利用
5月26日 5時43分NHK

東日本大震災で発生したがれきのうち、処理が特に進んでいないガ
ラスくずや瓦くずなどの不燃物について、環境省は、分別が済んで
いて有害物質を含んでいないことなどが確認できたものは、被災地
の復興のための公共工事に再生利用できるとする考え方をまとめま
した。

震災で発生したがれきの量は、岩手、宮城、福島の3つの県の沿岸
部だけでもおよそ1880万トンに上っていますが、特にガラスく
ずや瓦くずなどの不燃物については処理が進んでいないのが実情で
す。
環境省は、こうしたがれきのうち、分別が済んでいて、有害物質を
含んでおらず、周辺の水質の汚染やメタンガスなどの有毒ガスが発
生するおそれもないことなどが確認できたものは、被災地の復興の
ための公共工事に再生利用できるとする考え方をまとめ、被災地の
各県に通知しました。
この中では、再生利用可能な不燃物のがれきの放射性物質の濃度に
ついても目安を示していて、1キロ当たり3000ベクレル以下で
、地表から30センチ以上埋めれば、道路や防波堤などに活用でき
るとしています。
不燃物のがれきは、被災地以外の自治体での受け入れも進んでいな
いのが実情で、環境省は再生利用を通じて、がれき全体の量を減ら
したいとしています。
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細川元首相:震災がれき活用の財団設立

 東日本大震災で出たがれきを活用した盛り土に植樹する「森の防
波堤構想」の推進を目的とした一般財団法人「瓦礫を活かす森の長
城プロジェクト」(理事長・細川護熙元首相)が25日、設立され
た。
 同構想の提唱者、宮脇昭・横浜国立大名誉教授(植物生態学)が
副理事長となり、理事には作詞家の秋元康、東京大教授のロバート
・キャンベル、アートディレクターの佐藤可士和の各氏らが名前を
連ねる。1口500円の寄付や企業からの寄付を募り、9000万
本の苗木を栽培し被災地の沿岸部で防波堤づくりを目指す。【山本悟】
2012年05月25日 19時33分

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