4351.オフショア・コントロール



退役した米海兵隊の元大佐のトーマス・ハメスさんのオフシェア・
コントロールという新戦略が出てきた。この詳しい説明は、奥山さ
んのサイトの解説を見てください。

まとめると、「オフショア・コントロール」という戦略で行われる
のは、中国の海上貿易を阻止し、アメリカ側につく味方の国々の領
土を守るということ。

よってこの戦争の終結は、物理的な破壊ではなく、経済消耗戦とい
う形から完成する。このため、中国の領空内への侵入は行わない。
ということで、

@協力してくれる同盟国の軍備の強化
A距離が離れた位置での海上封鎖の確立
B「第一列島線」の内側での海洋排他圏の確立
C「第一列島線」の外側で圧倒し、中国に対する海上封鎖を強める
ということだ。

現在の「エアシーバトル」は「戦略」でなく、「戦術」であり、「
オフシェア・バランシング」は米国は引くという大戦略であり、こ
の2つの間をつなぐのが、「オフショア・コントロール」と奥山さ
んは解説している。

この戦略では、オーストラリア以外の同盟国の基地を必要としない
ことで、コストも削減できる。

この戦略の前に、米国は中東からも撤退して、中国近傍からも撤退
することがオフシェア・バランシングで述べられている。この戦略
で、世界の大きく勢力分布が変更することになる。

一番大きな変更が、韓国が離米入中になることであり、日本は親中
には成れないために、韓国がいなくなると中国の前面になる。また
、米国はシェールガスが出て、中東に依存する必要がなくなるが、
日本は中東への依存率は高いまま。

このため、米国の撤退に伴い、中東とのシーレーン防衛が、日本自
体で行う必要になる。このため、一国での負担が大きいので、米国
が抜ける穴をインドなどとの共同防衛で埋めるしかない。

というように、今後、日本は対中国との戦争準備で、自国防衛体制
を築くために、中国包囲網を中心的に構築することが必要になって
いる。日本は、世界第6位の軍事力で、米国は世界第1位の軍事力
となっている。この2者が協力して、世界第2位の中国軍事力をど
う抑えるかを考えることになる。

さあ、どうなりますか?


参考資料:
「オフショア・コントロール」という新しい戦略
http://geopoli.exblog.jp/
奥山さんのサイト


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