スカボロー礁付近での中比の艦艇の睨み合いで、戦争前夜であった 中比の両国は、その付近への立ち入りを両国漁船に禁止することで 、戦争を回避する方向のようである。 これにより今回の紛争は一時的に緩和することになる。日本とはウ イグル世界大会で気まずい関係になり、韓国とは北朝鮮問題で気ま ずくなり、中国は外交での失策がつづいている。 先頃、フィリピンと中国が南シナ海の砂州を巡って睨み合いをした 際、中国はこれまでと違って、海軍艦船を送り込むようなことはせ ず、沿岸警備や海洋監視の船を派遣するという新手の巧妙な手法を 示したが、期待した効果はなかった。 フィリピンも米海軍がバックにいて、強気を崩さなかったので、大 きな効果を発揮できなかったようだ。 ============================== 南シナ海、比も休漁検討 中国と歩み寄りか 2012.5.14 21:18サンケイ 中国が南シナ海の大半の海域で16日から2カ月半、休漁期間を 設けると報じられたことを受け、フィリピン外務省は14日、フィ リピンも休漁期間の設定を検討するとの声明を発表した。時期や期 間には触れていない。 フィリピンが検討する対象域には中国と同様に両国艦船がにらみ 合うスカボロー礁(中国名・黄岩島)付近も含まれる見通しで、当 該域に自国の漁船を入れない休漁期間の設定で解決に向け中国と歩 み寄りの姿勢を示す狙いがあるとみられる。 デルロサリオ外相名で発表された声明によると、アキノ大統領が 、海洋資源保護のための休漁期間が必要との認識を示し外務省に検 討を指示。しかし中国が休漁期間の対象域にスカボロー礁付近を含 めた点は「フィリピンの排他的経済水域(EEZ)内で容認できな い」と指摘している。(共同) ============================== 南シナ海における中国の「小さな警棒」外交 2012年05月15日(Tue) WEDG岡崎研究所 National Interestのウェブサイト4月23日付で、米海軍大学のJames HolmesとToshi Yoshiharaが、先頃、フィリピンと中国が南シナ海の 砂州を巡って睨み合いをした際、中国はこれまでと違って、海軍艦 船を送り込むようなことはせず、沿岸警備や海洋監視の船を派遣す るという新手の巧妙な手法を示した、と警告しています。 すなわち、中国は、2010年にその不器用な戦術によって弱い周辺 諸国を怖気づかせ、これらの国同士や米国との間に反中という共通 利害を生むという間違いを犯してしまったが、その間違いから立派 に学び、「小さな警棒」外交、つまり、海軍艦船ではなく、軽武装 ないし非武装の船を使って、本来の目的を達する方法を使い始めた。