4342.仏オランド大統領の政策



フランス大統領選は6日決選投票があり、即日開票の結果、社会党
のフランソワ・オランド氏(57)が、民衆運動連合(UMP)が
推す現職ニコラ・サルコジ氏(57)を破り、初当選した。社会党
の大統領は、ミッテラン氏が退いて以来となる17年ぶり。

オランド氏はEUの政策を緊縮財政よりも経済成長に重きを置く政
策への転換を促すという。

しかし、オランド氏がフランス大統領に決まったことで、サルコジ
大統領と「メルコジ」と呼ばれる盟友関係を築いてきたドイツのメ
ルケル首相は、対仏戦略の練り直しを迫られる。

欧州債務危機への対応をめぐる保守派のメルケル首相と左派のオラ
ンド氏の意見の隔たりは小さくなく、新たな関係が順調に船出する
かどうかは予断を許さない。

仏オランド大統領の政策は社会主義的な規制項目が多く、特に金融
界については、大きな悪影響を与えることになる。

「銀行の活動を投機から分離する。フランスの銀行が租税回避地で
営業することを禁じる。それによって、有害な金融商品に終止符が
打たれるだろう」とか「創業まもない企業を除いて、ストックオプ
ションを禁止する」とか「銀行のボーナスに制限枠を設ける」とか
「銀行の利益への課税を15%増やす」とか「すべての金融取引へ
の課税を行う」等多数である。

また、「年間所得が15万ユーロ以上の最も裕福なフランス人に45
%の追加税率を創設する」「最高富裕層の所得税率を引き上げるこ
とで、右翼現政権によって導入された富裕税の軽減策を見直す」と
、銀行と並んで富裕層への課税強化を掲げている。

このような政策を挙げていることで、ソシエテ・ジェネラル、クレ
ディ・アグリコール、BNPパリバといった仏大手銀行の株価が急
落しているが、世界の市場にも大きな影響を与えている。

ギリシャがどうなろうとも世界経済に大きな影響はないが、フラン
スの経済政策は、世界に大きな影響を与える。特に金融取引の市場
からフランスが居なくなる可能性が高く、その影響は大きい。

このため、フランスの経済政策が分かってきたことで、NY市場で
も200ドルの下落になっている。日本の東証での9000円台で
130円程度の下落になっている。

さあ、どうなりますか?

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協力を呼び掛け=独首相、仏オランド氏に書簡
 【ベルリン時事】ドイツ首相府が8日発表したところによると、
メルケル首相は、フランスの次期大統領に決まったオランド前社会
党第1書記に書簡を送り、欧州債務危機の解決に向け、仏独両国が
引き続き協力して取り組むよう呼び掛けた。
 メルケル首相はオランド氏が求める「新財政協定」の再交渉を拒
否する姿勢を表明しているが、書簡で「欧州連合(EU)とユーロ
圏のために必要な決定を下せるかどうかはわれわれ次第」と強調。
「両国と欧州のためにあなたと取り組むのを楽しみにしている」と
伝えた。(2012/05/09-00:30)
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市場が戦々恐々!危険なオランド大統領“60の約束”
2012.05.08ZAKZAK

 仏オランド大統領の誕生は、これまで独仏でユーロを引っ張って
きた「メルケル−サルコジ体制」が一変するインパクトを秘めてい
る。オランド氏は財政規律を強化する欧州連合(EU)の新条約再
交渉などを訴えているだけに、市場では「ユーロの新たなリスク」
と意識される。特に、大統領選で公約したオランド氏の「60の約
束」は劇薬で、金融市場では早くも疑心暗鬼が広がっている。

 サルコジ氏の敗北は事前の予想通り。失業増や財政悪化、強引な
改革手法が国民の反発を招いた結果で、「何も変わらないという閉
塞感から、変化を望む国民票がオランド氏に流れた」(仏エコノミ
スト)と分析される。

 選挙中から注目されたオランド氏の「60の約束」は、(1)私
はフランスを再生したい(2)私は正義を構築したい(3)私が新
しい世代に希望を与えたい(4)私は模範となる共和国、皆が耳を
傾けるフランスにしたい−の4つの理念から構築されている。

 そのうち、金融分野については、社会主義的な規制強化項目が並ぶ。

 「銀行の活動を投機から分離する。フランスの銀行が租税回避地
で営業することを禁じる。それによって、有害な金融商品に終止符
が打たれるだろう」

 「創業まもない企業を除いて、ストックオプションを禁止する」

 「銀行のボーナスに制限枠を設ける」

 「銀行の利益への課税を15%増やす」

 「すべての金融取引への課税を行う」

 一方、「公共投資銀行」を設立し、地域の中小企業の発展を優先
的に支援するなど、「民から官」への流れ一色。かつてのフランス
のように「銀行国有化」の可能性さえうかがえる内容となっている。

 また、オランド氏は公約で、「年間所得が15万ユーロ以上の最
も裕福なフランス人に45%の追加税率を創設する」「最高富裕層
の所得税率を引き上げることで、右翼現政権によって導入された富
裕税の軽減策を見直す」と、銀行と並んで富裕層への課税強化を掲
げている。

 これらの公約がすべて実現するかどうかは、「これからの議会運
営や新大統領の支持率に左右されるだろう」(仏エコノミスト)。
ただ、市場では、決選投票前からオランド氏有利を受けて、ソシエ
テ・ジェネラル、クレディ・アグリコール、BNPパリバといった
仏大手銀行の株価が急落している。市場は当面、新大統領の出方に
振り回されそうだ。
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「メルコジ」に幕、対仏戦略練り直し=オランド氏と債務危機で隔
たり−独首相
 【ベルリン時事】フランスの次期大統領に社会党のオランド前第
1書記が決まったことで、サルコジ大統領と「メルコジ」と呼ばれ
る盟友関係を築いてきたドイツのメルケル首相は、対仏戦略の練り
直しを迫られる。欧州債務危機への対応をめぐる保守派のメルケル
首相と左派のオランド氏の意見の隔たりは小さくなく、欧州メディ
アに「メルコランド」と名付けられた新たな関係が順調に船出する
かどうかは予断を許さない。(2012/05/08-17:17)
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「変革、今始まる」 仏大統領選、オランド氏が勝利宣言
2012年5月7日7時40分

 フランス大統領選は6日決選投票があり、即日開票の結果、社会
党のフランソワ・オランド氏(57)が、民衆運動連合(UMP)
が推す現職ニコラ・サルコジ氏(57)を破り、初当選した。社会
党の大統領は、ミッテラン氏が退いて以来となる17年ぶり。

 オランド氏は6日夜、仏中部の地元チュルで「希望を取り戻した
ことを誇りに思う。変革は今、始まる」と勝利を宣言した。「欧州
の新たな出発となる」とも述べ、債務(借金)危機の克服を急ぐ姿
勢を強調した。パリでは、バスチーユ広場を数万人が埋め、「オラ
ンド、大統領」と歓声を上げた。

 オランド氏はまず、欧州の先導役であるドイツのメルケル首相と
の会談に臨む方針だ。欧州連合(EU)の加盟25カ国でまとめた
新たな財政協定の再交渉に応じるよう説得を試み、緊縮財政よりも
経済成長に重きを置く政策への転換を促す。雇用への不安や、緊縮
策への不満を高める国民の期待にこたえつつ、サルコジ氏と同様に
、独仏が主導して欧州統合を進めていくことを確認するとみられる。
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EU成長戦略、21兆円規模か=月末にも首脳ら協議
 【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)は、債務危機対策の一環
として成長戦略を話し合う非公式の首脳会議を今月末か来月初旬に
開催する方向で検討に入った。ファンロンパイEU大統領が4日明
らかにした。会合では2000億ユーロ(約21兆円)規模とも伝
えられる成長・雇用確保に向けた投資計画などが議論される見通し
で、EU首脳らは6月末の合意を目指す。(2012/05/05-14:40)

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