4339.日本文明の見直し期に



人間が関与しない方が農作物の収穫が大きいことを福岡正信氏は証
明したのが、福岡式の自然農法である。日本文明の原理は、徐々に
そのメカニズムを解き明かされている。それを再度掘り起こすこと
だ。           津田より

0.はじめに
人間が科学を作り、自然を部分に分けて分析し、その総和で自然を
理解しようとしているが、科学的農業をすると、土地の地味は落ち
収穫量がだんだん落ちてくる。自然な森は非常に地味がいい。そし
て、全体として健康的に木々が繁茂している。

これは人知では理解できない複雑な共生や食物連鎖ができている自
然の摂理のためである。この自然摂理の力を人間は利用して、人間
の科学的な関与を減らしていけば、自然と人間が受け取る収穫物が
増えることになる。と福岡さんは言っていた。

私も最初、にわかには信用できなかった。しかし、木村秋則さんが
りんごの自然栽培を行い、それが大成功となり、自然の森の力を見
せ付けたようである。福岡さんの農業は暖かい地方であり、自然で
も育つのであろうと思ったが、木村さんは青森の寒い地域での快挙
である。その土地合った作物であれば、自然の栽培が一番よいこと
を知った。

そして、徐々に自然の摂理の構造が分かり始めている。エンドファ
イトという植物同士の酵素のやり取りで、それぞれの植物が助け合
って森で生きていることがやっと科学でも解明でき始めている。

縄文時代は、日本全体が照葉樹林の森に覆われて、特に東北地方は
ブナなどの広葉樹林であり、多くの小動物や魚や昆虫やきのこなど
が豊富にあった。縄文時代の人間たちが、非常に豊かな食生活をし
ていることが分かってきた。この恵みは縄文の照葉樹林の森から得
たものであり、かつ人間の農業すること手を必要としないで何千年
もその姿を留めていた。

ここに弥生人が農耕文明を持ち込み、森を破壊して田畑を作ること
になる。その人間が手を入れた森が里山となり、そして、時代が下
ると、木を早く売りたいために成長の早い杉や松などの針葉樹の森
に人間はしていく。しかし、照葉樹林とは違い、下草や低木もなく
、土壌は肥沃ではなく、小動物や昆虫も少ない森になってきた。

また、災害にも弱く、今回の東日本大震災でも津波で海岸線の松林
は根こそぎ倒れている。また火災でも、松は脂分が多く、燃えやす
い。災害に弱く、人間の手も必要としている。

しかし、現在、子供たちに森の絵を描かせると、整然とした杉の森
を書くことになる。それだけ、杉やヒノキなどの針葉樹の森が一般
的になっている。海岸線には松林が日本の風景になっている。

そして、森でも日本古代の森と、近世以降の森は違うと言うことを
言い出したのが、宮脇昭先生である。潜在的自然植生の森を作るこ
とが、その土地で、森が永遠に続き、災害などを防ぐ効果があると
いうのだ。この潜在的自然植生の森を日本は鎮守の森として、昔か
らの知恵として残している。

日月神示でも森を重要視している。日月神示とは、岡本天明氏が自
動書記で書いたという神からのお告げである。

1.日月神示が進行中
神の力を現して、すべてを助け何の苦労もない理想的な世界に立て
直して将来行くが、その前に、人類は未だかつてなかった程の大災
厄や大試練を迎えなければならないという。そして、すでに大災厄
や大試練が始まっているようだ。

まず、社会現象に現れている。日本を標的として、世界が日本の衰
退を意図して韓国や中国に技術を供与した。日本をターゲットにし
て、日本考案の国際標準を阻止したり、日本衰退作戦が米国を中心
に行われた。この作戦が成功して、日本は徐々にその産業力を衰退
させ、それと同時に少子高齢化や人口減少で、日本経済は将来的に
は非常な苦難を予想できる。

また、日本海域から距離を置くなど米国のオフシェア・バランシン
グなどで、中国や韓国が日本に対抗してきている。そして、次に地
球規模の大変動が起こる。これは世界のプレートが反動を起こし始
めたことであるが、東日本大震災もその1つであろう。日本は第二
の敗戦ともいえる状態になっている。

日本は、今後も大地震や火山の爆発で大変なことになっていくが、
その災害を防ぐために、食文化を肉中心から魚中心に改めることと
、自然と人間の関係を縄文時代と同じにするために古代の森を再生
することであるという。古代の森には、自然環境を整える機能があ
り、人間にも森からの酵素の作用があり、心を落ち着かせることが
出来る。

神の力とは、この照葉樹林の森の力でもあると思える。その上に、
自然の森は地味が豊かであり、根が深くて津波などにも耐え、火に
も強くて酒田の大火災でも、タブノキが火を防いだことはよく知ら
れることである。

人間は、自然の森を破壊して、田畑にし、ヤギや羊を飼い、雑草を
食べさせて、荒地にした。荒地は乾燥して砂漠になっていった。森
を破壊につくしたとき、古代文明は滅びた。

しかし、人間は、それでも懲りずにどんどん、自然の森を潰してい
った。今もボルネオやアマゾン流域では森を破壊して畑を開墾して
いる。

しかし、この自然を壊したことが、人間の精神を破壊して、一神教
を作り、そして人間中心の経済や科学で、人間同士が憎しみ戦争を
して、世界は人間に住みにくい場所になってしまったのだ。

しかし、その社会状況を替えるべく、大きな存在が地球に変動を起
こし始めたという。その1つが、神戸淡路大震災であり、次に東日
本大震災だと言う。

この震災などから日本人は反省して、再度自然の森を取り戻して、
人間の精神を昔に戻す必要が出てきていると、日月神示は示してい
るように思える。

そして、日本人は、鎮守の森として神社に自然の森を残して保存し
てきた。このため、自然の森への復興が気がつけば即座に簡単に出
来るようになっている。神の配剤であろうと思える。

日本人が世界のお手本になり、日本人が世界に自然の森を広めてい
く先兵になるという。

2.照葉樹林の復活
広葉樹の多くが、どんぐりの実を付ける。このどんぐりを集めて、
30時間ほど、水に漬けて虫を窒息死させて、水の底に沈んだ実を
使い、それを土に撒いて、軽く水をやり、上に木の葉などをかぶし
ておくと春に芽が出てくる。ある程度大きくなったら、ホッドに植
え替えて、育てる。

照葉樹林は、暖温帯の主木はシイ、タブ、カシなど常緑広葉樹であ
り、冷温帯では落葉広葉樹のミズナラ、ブナ、カエデ、カシワなど
である。周極地方では針葉樹のモミ、マツ、トウヒ、カラマツなど
に落葉広葉樹のダケカンバなどカンバ類、ハンノキ類などが混じっ
ている。

日本のほとんど地域は照葉樹林の自然の森であり、これを人工的に
作るのはできる。このためには、多数の苗木を用意しておく。日本
の多くの土地の主木は、シイ、タブ、カシなど常緑広葉樹で、亜高
木のシロダモ、ヤブツバキ、モチノキ、ネズミモチ、カクレノミ、
ヤマモモなど、低木のアオキ、ヤツデ、ヒサキなどを混植・密植し
て、多層群落の立体的な樹林を形成する。

また、林縁にはマント群落としてカンツバキ、サザンカ、クチナシ
、ジンチョウゲなど、海岸など潮風が強いところは、ハマヒサカキ
、トベラ、シャリンバイ、ウバメガシ、マサキなどを植える。

このように植林で15年もすると、立派な自然の森ができるのであ
る。このような植林は、防災にも役に立ち、防火壁としての効果も
ある。幅2M程度の植林でも効果はあるようだ。

3.自然の森を利用
日本や世界を襲う地震、津波、火山の爆発など自然災害が多発する
時代になり、我々人間も自然に対応する防災、減災の考え方で、自
然の森を利用するべきである。

東京でも直下型地震が起こる可能性が高まっている。その被害状況
予測を見ると、東京の山手線の外側地域で火災が多発することにな
っている。この地域を中心に道路や小中学校の周りに自然の森を作
り、災害を食い止める発想が必要なのではないかと思う。

もちろん、東北の海岸線沿いにガレキを利用した高台に自然の森を
作る計画が進行している。この海岸線沿いの自然の森は、関東、東
海、近畿、四国、九州などの太平洋沿岸にも延長することが必要で
ある。

当分、日本は日本全国に森を作ることが重要な災害対策となりそう
である。この運動は国民運動化する必要もある。

さあ、どうなりますか?
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「日本の雑木林はニセモノだ、本来の森に帰せ」(宮脇昭) 
http://homepage.mac.com/naoyuki_hashimoto/iblog/C711118400/E20051220110211/index.html

今朝のNHK総合「知るを楽しむ選 この人この世界」はたいへん
勉強になった。日本中の植生を徹底的に現地調査して『日本植生誌
全十巻』をまとめた宮脇昭先生は、日本には土地本来の森は 0.06% 
しか残っていない、全部人間が手を入れて人工的な森にしてしまっ
たもの、これが諸悪の根源であると言う。

曰く:
1.今の里山のクヌギなどが中心の雑木林は人間が人工的に作った
  もので、本来の植生はシラカシなどの常緑樹、海岸部は照葉樹
  林。 
2.現在の雑木林は20年に一回の伐採と三年に一回の下草刈りが
  前提。それをやらないと維持できないニセモノの森。 
3.マツにしてももともと条件の悪い山頂部などに限定して生えて
  いただけのもの。それが人間が広げてしまった。マツクイムシ
  の大発生は自然の摂理。 
4.自然災害もこのために起こる。 
5.元に戻すのが一番。そのためには200年間は森に人間がへん
  な手を加えないこと。200年で元に戻る。

「田舎の里山の伝統的生活にこそが環境を守る」としょっちゅう主
張しているNHKにしては、めずらしく科学的で公正な番組。地方
では、自然環境を守るとかいって、ボランティアを動員して里山の
伐採とか下草刈りをしているらしいが、何もしないことが一番の自
然保護なのである。ここにも「省事」が望まれる。

何もしないで森を自然体で放置すると美しい極相林が出来上がるこ
とは明治神宮の森を見ても明らか。明治神宮の場合わずか100年
で極相林になった。


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