4338.関西地域の計画停電



とうとう、泊原発が5月5日で定期検査に入り、日本にある原発は
全て停止状態になる。ストレステストを終えた原発でも再稼動も出
来ない状態になっているために、当分、原発が動かないことになる。

このため、関電は昔の石油火力発電所を再稼動している。今までは
火力を廃止して、原子力発電に移行して、原発での発電依存率が
50%になっていた。

しかし、今までの火力発電所を再稼動させると、石油を使うので燃
料費がかさむことになり、関電は当分値上げできないこともあり、
大幅な赤字になることが予想できる。

それよりは、夏の需要に電力供給が追いつかなくなる可能性がある
という。16.3%の電力不足というが、よくここまで昔の火力を
再稼動させたものである。

関電の努力に敬意を表したいが、しかし、世の中は反対で火力発電
を再稼動させて穴埋めしているのに、電気はまだまだあるのに関電
は隠しているという。そして、原発再稼動は必要ないというようだ。

夏の不足の16%も節電で乗り越えると言う。その心意気はよしと
しよう。しかし、節電で16%は無理である。このため、電気使用
制限令と計画停電を考えることである。

計画停電の準備としては、大阪を2つ、京都、神戸、それ以外の場
所と言うように5つに分けて、1ケ所が曜日ごとに2時間停電を行
うことすればどうか?

土曜、日曜は、制限しない。土日でも緊急時は5つのグループの1
つを順に止めるなどの案が必要である。

しかし、JRや私鉄を止めない、中小工場は止めないとか、中核病
院をどうするかなどの課題を解決することである。

どちらにしても、大阪は世界的な競争で負けている松下やシャープ
など電気メーカが多く、この機会に工場を閉鎖して海外に工場を移
すことになる。もうすでに松下の貝塚工場の閉鎖が決まったようで
ある。

1つの親工場がなくなると、多数の中小企業が無くなる。これに伴
い、多くの雇用もなくなる。雇用喪失が起こることは確実。

これを少なくするためにも、計画停電を早く決めて、工場は平日を
休み、土日にシフトさせるなどの対応策を早くから計画できるよう
にするべきである。

計画停電の準備をしないで、計画停電も反対すると、ブラックアウ
トになり、送電できるまでに数日から1週間程度も掛かることにな
る。原発再稼動停止は、大損失になる。

今回は、中央政府は再稼動をお願いしているが、反対しているのは
近畿圏の知事たちで、中央政府は近畿圏に準備をお願いすることで
ある。中央政府は指示だけで、関電と地元が直接、協議するしかな
い。近畿圏知事間でも利害関係も出てくるが、その調整も近畿圏で
行うしかない。

今日、橋下市長は、大阪府・市のエネルギー戦略会議などで、関西
としての節電策を早急にまとめる意向であるが、村上さんは、そこ
で、「原発再稼働無しでも、こうすれば足りる」という提案をしま
すという。

しかし、楽観論でいくと、ブラックオウトの可能性を増すことにな
る。この件では、石橋を叩いて渡るくらいの構想を立てるべきであ
る。

損害が大きくなる政策には、慎重にするべきで、万全の方策を考え
るのが普通である。原発再稼動と電力不足で蒙る損失を考えると、
圧倒的に電力不足で蒙る損害の方が大きい。それなのに、原発再稼
動反対では、間尺に合わない。しかし、ポピュリズムは間尺合わな
いことをする傾向になる。

古賀さんは、枝野大臣が、計画停電の計画を作る必要があると発言
したとの報道。電力使用制限令でなく、いきなり停電という脅しな
のか。市民や中小企業を脅そうというチキンレース。私達は、そん
な不真面目なゲームには乗らず、地道に節電などの知恵で数字を積
み上げて行きましょう。という。

しかし、電力使用量の30%程度が家庭で、70%が産業使用分で
あり、家庭での節約ではなく、産業の制限が必要であると言う基本
がわかっていないようである。工場の生産能力を落とすとか、商業
ビルの冷房を止めるとかの方法しかない。

古賀さんや村上さんのように計画停電も反対して、ブラックアウト
になると送電できるまでに数日から1週間程度も掛かることになる。

地域全体が停電と言う米国のニューヨークのような事態になる。し
かし、子供が出来る確率が上がり、日本のためになると言うのか?

橋下さんなどの政策立案者の腕の見せ所でしょうね。失敗すると、
大阪の地盤沈下が決定的になる。この勝負は、全然地域活性化の得
にならないお祭り騒ぎとしか見えないのであるが?

また失敗すると、大阪維新の会の人気もなくなる。市民、府民は大
きな損害を蒙ることになるからである。

さあ、どうなりますか?

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関電管内の計画停電に言及 枝野経産相
2012年5月3日23時17分

 枝野幸男経済産業相は3日のBS朝日の番組収録で、今夏の関西
電力の管内で「暑くなった場合を想定すると、計画停電の計画をた
てる必要がある」と語り、計画停電を検討する考えを示した。関電
は原発が動かなければ、今夏に16.3%の電力不足になるとの見
通しを出している。

 枝野氏は関電の大飯原発(福井県おおい町)の再稼働の手続きが
進まず、「(今夏の原発稼働が)ゼロになる可能性もある」との認
識も示した。そのうえで東京電力の管内で昨年に計画停電をしたこ
とに触れ、「お願いする(節電の)無理の大きさは今年の関西の方
が大きい」と話した。

 計画停電は電力不足で突然電気が止まるのを避けるため、計画的
に地域を分け、時間を決めて順番に送電を止める。枝野氏は「でき
れば計画停電をしたくない」と言いつつも「(電気が)急にぱたん
と落ちるよりはまし」と話した。
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橋下市長:「原発ゼロ無策は国家危機」
毎日新聞 2012年05月03日 18時03分

 大阪市の橋下徹市長は2日、北海道電力泊原発3号機が5日に停
止し、全国で稼働する原発がゼロになることについて初めて言及し
、「原発が再稼働できなかった場合の対策を国が講じていないのは
重大な国家危機だ」と政府を批判した。4日に開かれる大阪府・市
のエネルギー戦略会議などで、関西としての節電策を早急にまとめ
る意向も表明した。

 橋下市長はこれまで、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働につ
いて「専門家の意見が公表されないまま、政治家が安全宣言するの
はおかしい」と政府批判を繰り返してきた。この日は再稼働の是非
については「政治判断がありうる」と留保したが、「再稼働できる
場合と、できなかった場合との二つのプランを持っておかないとい
けない。それが国家運営だ」と述べた。

 また、夏の電力需給を検証する国の第三者委員会が関電管内の電
力不足の見通しを15%と縮小したことについて「数字が変われば
変わるほど信用性がなくなる。最初から政治が一定の方針を示さな
いと、15%と聞いても本当かよと思う」と批判した。【藤田剛】
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泊3号機、5日から定期検査 国内原子力全停止も 
2012/04/26電気新聞
北海道電力は25日、泊発電所3号機 (PWR、91万2千キロワ
ット) の第2回定期検査を5月5日から開始すると発表した。 同
日午後5時頃から出力降下を開始、午後11時ごろに発電を停止す
る。 停止期間は71日程度の予定。 5月5日までにいずれかの原
子力発電所の再稼働がない場合、泊3号機の停止で、国内の全原子
力発電所が停止状態となる。

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