4334.在沖米軍再編で日米共同覇権に



原発再稼動問題が、今盛んに論議されている。しかし、もし原発を
止めるなら、当分は石油に依存することになる。しかし、イランの
核問題や中国の南シナ海紛争など、日本の石油ルートの安全は非常
に危ういことになっている。   津田より

0.現状の状態
今、米軍再編問題が日米間で交渉ごとになり、日米両政府は、在沖
海兵隊のグアム移転に伴う日本の経費負担の上限を2006年合意
の28億ドルとするとしたが、実際には31億ドルで合意した。

在日米軍再編見直しで、在沖海兵隊のグアム移転の規模が8千人か
ら4千人に縮小されることから、日本側は減額を求めたが、米側は
増額を要求。上限額を維持することで折り合った。

普天間飛行場の改修をめぐっては、米政府が平成24年度から8年
間で総額約200億円を負担するよう要求したが、日本政府は長期
間の補修計画を認めれば「普天間の固定化」と受け止められかねな
いと拒否した。米側も最終的には新たな経費負担の枠組みを作らな
いことを受け入れた。

 一方、嘉手納以南の5施設・区域に関して、日米両政府は嘉手納
以南を13地区に分類した。そのうえで(1)キャンプ瑞慶覧(宜
野湾市など)の西普天間地区など4地区が「速やかに返還」
(2)沖縄県の要望が強かった牧港補給地区(浦添市)の倉庫地区
の大半など7地区が、海兵隊の移転を前提とせず「代替施設が整備
されしだい返還」(3)残り2地区は「海兵隊の国外移転後に返還
」−となった。

また、米自治領・北マリアナ諸島のテニアンの米軍基地を自衛隊が
共同使用することでも合意した。

その上に、米海兵隊と自衛隊がフィリピンの訓練施設を共同使用す
る方向で日米両政府が検討を始めたことが23日、分かった。パラ
ワン島のフィリピン海、空軍基地が有力である。途上国援助(OD
A)で周辺国に武器を供与することも決まり、アジア・太平洋地域
で複数の基地を共同使用することで、海洋進出を図る中国を牽制す
るのが狙いだ。

1.共同文書への憤り
 米軍再編計画見直しに関する共同文書発表に、米上院軍事委員会
のレビン委員長(民主党)らが「待った」をかけた背景には、国防
費削減を求める議会の意向が反映されないだけでなく、米軍普天間
飛行場(沖縄県宜野湾市)と米軍嘉手納基地(同県嘉手納町など)
を統合する「嘉手納統合案」が軽視されてきたことへの憤りがある。

このため、共同文書で、辺野古案について「唯一の有効な解決策」
という表現は残したが「これまでに特定された」という文言を加え
、移設先に関し「議会に決定権がある」と明記した。

この文言修正で、米上院軍事委員会のレビン委員長(民主)、マケ
イン筆頭理事(共和)、ウェッブ委員(民主)は26日、在日米軍
再編計画の見直しに関する共同文書を容認した。

これで、在沖縄米海兵隊1万9000人のうち、9000人をグアム、ハワ
イ、オーストラリアに分散して配置することで決まった。一連の日
米交渉は終了して、4月29日から野田首相は、訪米して、30日
午前(日本時間1日未明)にホワイトハウスでオバマ米大統領と会
談する。

首脳会談では、安全保障分野、グローバル・コモンズ(国際公共財
)、経済、人的交流、エネルギー分野の協力などで新たな同盟関係
を方向付ける共同声明をまとめ、発表する。

米紙ワシントン・ポストは19日、野田首相を「ここ数年で最も賢
明なリーダー」と評価したように首脳会談に期待感を寄せている。

また、レビン氏らの案の「嘉手納統合案」について、外務省の山口
壮、防衛省の渡辺周両副大臣らが25日、首相官邸に集まった際、
嘉手納統合案の実現可能性を検討すべきだとし、山口氏は26日の
記者会見で「3議員は本質的なことを指摘しており、その議論を踏
まえてこれから作業をする」と述べた。やっと現実解の検討を日本
側も行うことになった。

2.日米の周辺状況
米下院軍事委員会の即応態勢小委員会は27日、13会計年度(12
年10月ー13年9月)国防権限法案に、在沖縄海兵隊のグアム移転
費を米政府要求通り2600万ドル(約21億円)計上することを
全会一致で承認した。上院軍事委は普天間の名護市辺野古への移設
計画は「実現不可能」と主張してグアム移転費の計上に難色を示し
ており、上院と下院の立場の違いが明確になったが、グアム分は、
上院も今後、了解することになるようだ。

米軍は、アジア諸国の各国軍との演習を積極的に行っている。米国
とインド両国の軍事協力が急展開している。両海軍による第16回軍
事演習では岸辺と海上での演習が10日間にわたって行われ、16日に
終了した。

続いて、パラワン島では米、フィリピン両軍が16日から定期合同
軍事演習「バリカタン」を行い、大地震を想定した図上演習には日
本も初参加した。

引き続き、米越海軍は23日から、ベトナム中部ダナン沖の南シナ海
で合同訓練を実施する。訓練には米海軍第7艦隊の旗艦「ブルーリ
ッジ」やミサイル駆逐艦「チェイフィー」、救難艦「セーフガード
」などが参加する。

米印越比豪韓日の軍事的な同盟が徐々に、確立してきている。これ
に対して、この軍事連携に対して、中国は、包囲網と捕らえて、南
シナ海と東シナ海で攻勢に出ている。

中国国家海洋局は25日、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)周
辺の漁業資源などの利用を強化することを盛り込んだ海洋管理計画
を発表した。先月には南シナ海ではフィリピンに脅しを掛けていた
が、日本に対しては、漁業資源の強化と来た。

米国のアジアでの行動に危機感を持つ中国とロシアの合同軍事演習
が27日、6日間の日程を終えた。両海軍にとって初めての大規模
で実戦的な海上訓練で、その「蜜月関係」をアピールした。ともに
演習の先に見据えるのが、アジア太平洋シフトを進める米国の動き
だ。

3.シーレーン防衛に向けて
米海兵隊は、半数が沖縄を離れ、中国のミサイルで中国から距離を
とる政策を推進している。この米海兵隊の広域展開に、自衛隊も演
習などで同行することになった。その展開地では当然、越比豪軍と
の共同演習も行うことになる。

これだけでは、中国対応でしかないことになる。中国はアフリカま
でのシーレーンを抑えてきているし、広域展開をしている。米軍は
それに対して、インド洋にはデゴガルシアしか基地がなく、中国に
比べて劣勢である。この穴をインド海軍に期待している。

日本は、この地域を通るタンカー擁護で、ジプチにソマリア沖海賊
監視の基地を持っている。インド洋に基地を持つと、テニアン、パ
ラワン島、豪領ココ島、デゴガルシア、ジプチというように、日本
の自衛隊が自力でシーレーン防衛が出来る布陣になる。

米軍の布陣が弱くなっているので、中国への対応は日米で、海外に
も必要になっている。日米共同覇権で、世界平和を確立する第一段
階として、まず、日本のシーレーンを確実に守ることが重要である。

現時点、中国の工場が東南アジアに移動している。しかし、いつか
この東南アジアでも賃金上昇が起きて、次の地点に移動することに
なる。その先はアフリカしかない。

このため、インド洋は、今後アフリカのインド洋沿岸地域開発のた
めに重要になってくる。アフリカ・インド洋諸国への進出を先手を
取る日本企業は、今から始めることが必要である。

この進出をサポートするためにも、輸送路の海域を守るために日本
も応分の負担をするしかない。このためにもインド洋への基地を米
軍とともに持つことである。

さあ、どうなりますか?

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エネルギーも日米同盟の柱に、首脳声明に明記へ

 日米両政府は28日、野田首相とオバマ米大統領の首脳会談後に
発表する日米共同声明に、エネルギー分野の協力を盛り込む方針を
固めた。

 再生可能エネルギーや安全な原子力の供給に向けて両政府の協力
を強化することなどを打ち出す。日米同盟の核となる軍事・防衛に
関わる安全保障に加え、新たにエネルギー分野を同盟の柱に位置づ
けるのが狙いだ。

 首相は29日から5月2日の日程で訪米し、30日(日本時間5
月1日)に日米首脳会談を行う。両政府のこれまでの調整で共同声
明には、安全保障、グローバル・コモンズ(国際公共財)、経済、
エネルギー、人的交流の5分野における日米協力を盛り込む方向と
なった。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故後、原発の再稼働問題を抱
える日本では、安定的な電力供給が急務となっている。また、イラ
ン情勢の緊迫化による原油市場の混乱なども懸念されている。

(2012年4月29日10時08分  読売新聞)
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野田首相:29日から訪米、日米同盟で共同文書発表へ
毎日新聞 2012年04月28日 20時55分

 野田佳彦首相は29日から5月2日まで米国を公式訪問し、30
日午前(日本時間1日未明)にホワイトハウスでオバマ米大統領と
会談する。首脳会談では、安全保障分野や経済、文化交流などで新
たな同盟関係を方向付ける共同声明をまとめ、発表する。09年9
月の民主党政権発足後、首相の公式訪米は初めて。
 日米首脳が同盟関係を位置付ける声明や文書を出すのは、06年
に小泉純一郎首相(当時)とブッシュ大統領(同)が「21世紀の
地球的規模での協力のための新しい日米同盟」を宣言した文書を発
表して以来。
 首相はワシントン到着後の29日、東日本大震災の被災地に外国
からいち早く駆けつけた米レスキュー隊を日本大使公邸に招き、感
謝の気持ちを伝える。宮城県石巻市で英語指導助手をしていて、津
波の犠牲になった米国人女性の遺族とも面会する。30日朝にはア
ーリントン墓地を訪れる。5月2日に帰国する。【高塚保】
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グアム移転費:米下院委は来月承認…上院と立場の違い鮮明
毎日新聞 2012年04月28日 13時01分

 【ワシントン古本陽荘】米下院軍事委員会の即応態勢小委員会は
27日、13会計年度(12年10月ー13年9月)国防権限法案
に、在沖縄海兵隊のグアム移転費を米政府要求通り2600万ドル
(約21億円)計上することを全会一致で承認した。これにより、
来月上旬の軍事委でも承認される見通しとなった。

 また、下院軍事委のマケオン委員長(共和)と野党筆頭理事のス
ミス委員(民主)は26日付でパネッタ国防長官に、在日米軍再編
のロードマップ(行程表)の見直し中間報告に関する書簡を送付。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設と海兵隊グアム移転の
切り離しにより「アジア太平洋地域の戦略的課題により効果的に対
処できるようになる」などと歓迎した。

 上院軍事委は普天間の名護市辺野古への移設計画は「実現不可能
」と主張してグアム移転費の計上に難色を示しており、上院と下院
の立場の違いが明確になった。12会計年度国防権限法の審議でも
下院が政府要求を認め、上院が削除を決定。両院協議会の結果、上
院側の意向が通った。
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沖縄米軍をついに海外移転へ
2012年04月28日 10:31aomvisa 
BLOGOS
日米両政府は在沖縄米海兵隊1万9000人のうち、9000人をグアム、
ハワイ、オーストラリアに分散して配置することを発表しました。
長い間討議が繰り返されていた沖縄の基地問題は1つ新しいステッ
プを踏んだようです。沖縄県の嘉手納以南の米軍普天間基地の移設
に関しては米軍5施設・区域を13地区に分割し、3段階で返還する
ことになりました。

米軍によるアジアにおける配置についてはこのところ、急速的に
その存在感を増す一方、ますます、今後、「アジア太平洋の一員」
として…というような形で、アメリカはアジア政策にさらに積極的
に関与してくると予測されます。 ダーウィンに駐留が決定した事
はもともと、この沖縄基地問題を考慮していたのかもしれませんが
、この政策転換にも大きな影響を及ぼしていることは間違いありま
せん。今後、オーストラリアは「オーストラリア軍」という形では
ないものの、この米軍に関する日本における基地問題については
さらに関わっていく形になるではないか、、と示唆します。米軍に
関することで、日・米・豪が連携する事になるなんて…という気持
ちでみつめています。

今回の海外移転で少しは日本側の負担が減り、グアム移転経費の日
本側負担は2009年に定めた額(当時の額で28億ドル)を維持するも
のの、総合的な金額としては大幅減額になるということです。

少し余談ですが、、、今年はじめから放映していた「運命の人」と
いうドラマ(山崎豊子氏原作)で、沖縄返還に関する基地問題など
、根深い問題が長年あるということを痛感し、この基地問題につい
ては、現場である沖縄の人にしかわからない痛切なものがあると実
感した次第です。今回の決定に際し、少しでも沖縄の方にとっては
前向きに感じられる結果になったのでしょうか? 

米軍にとってオーストラリアに場所を構えた事で、今後、フィリピ
ンなど近隣諸国の駐留している米軍もからめて広範囲な軍事訓練な
どが実施されるようになりそうです。
地理はアジアであるものの、、、ますますアジアにおける米軍の存
在が大きくなるのではないか、、、と感じるこの頃です。
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中ロ、軍事演習で蜜月アピール 米のアジアシフト牽制
2012年4月27日18時48分

 中国とロシアの合同軍事演習が27日、6日間の日程を終えた。
両海軍にとって初めての大規模で実戦的な海上訓練で、その「蜜月
関係」をアピールした。ともに演習の先に見据えるのが、アジア太
平洋シフトを進める米国の動きだ。

 黄海上を進む中国海軍のミサイル駆逐艦「ハルビン」のレーダー
が敵の艦隊に見立てた目標物を捉え、ロケット砲や対空砲を次々と
発射。甲板上からは、敵の潜水艦を探知する哨戒ヘリコプター「直
9」が飛び立った。26、27両日、中国の国営テレビなどが中継
で伝えた実弾演習の様子だ。

 「ハルビン」は中国海軍で初めて太平洋横断を実現した主力艦。
隠密性が高い「宋級」潜水艦も参加している。「秘密主義」の中国
軍がこれまで合同演習には参加させることが少なかった新兵器が目
立つ。中国海軍の尹卓・少将は朝日新聞の取材に対し、「一連の訓
練は秘密性が高く、本当に信頼している軍隊同士でしかできない高
度なもの」と説明した。
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米軍再編 移設先「議会に決定権」 グアム移転経費めぐり日本政
府内で対立
2012.4.27 00:20 
 日米両政府は26日、在日米軍再編計画見直しに関する共同文書
について、27日に同時発表することで合意した。米有力議員が推
す米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の嘉手納基地(嘉手納町な
ど)への統合案を念頭に、移設先に関し「議会に決定権がある」と
明記し、現行案の名護市辺野古以外への移設も可能とすることを検
討している。見直しをめぐっては、日本政府内で移設先や在沖縄海
兵隊のグアム移転費31億ドル(約2500億円)をめぐり対立が
起きていることも明らかになった。

 共同文書で辺野古への移設を「唯一、有効な解決策」としている
文言を削除するかも検討している。嘉手納統合案などはこれまでも
検討されたが、現行計画に落ち着いた経緯から日本側は削除に抵抗
している。

 ただ、日本政府内でも嘉手納統合案を念頭に置くレビン上院軍事
委員長ら3議員の動きを受け「副大臣の反乱」が始まっている。

 外務省の山口壮、防衛省の渡辺周両副大臣らが25日、首相官邸
に集まった際、レビン氏らの嘉手納統合案の実現可能性を検討すべ
きだとの声が出た。

 山口氏は26日の記者会見で「3議員は本質的なことを指摘して
おり、その議論を踏まえてこれから作業をする」と述べた。

 また、移転費をめぐって、米側は当初、日本側に42億ドルの負
担を求め、共同文書への金額の明記にこだわった。だが、野田佳彦
首相は16日に米国のルース駐日大使と会談した際に要求を拒絶し
た。グアムに移転する海兵隊の規模が約8千人から約4千人に半減
するのに、移転費を増額させる根拠の説明は難しい。

 結局、共同文書に金額は書き込まれず、玄葉光一郎外相は「かな
りの程度、日本側の主張が通った」と満足げに語った。もっとも明
記は見送ったものの、実際には31億ドルで合意していた。「数字
で合意しないと米側は納得しなかった」と交渉筋は語る。政権内に
は慎重論もあったが事実上玄葉氏が押し切った。

 レビン氏らは移転費でも「費用見積もりの欠如」に懸念を示して
いる。この問題は29日からの首相の訪米後も尾を引きそうだ。
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共同文書を発表 海兵隊を分散配置 辺野古以外の移設に含み
2012.4.28 00:13
 日米両政府は27日、在日米軍再編見直しに関し、在沖縄米海兵
隊のグアム、ハワイ、オーストラリアへの分散配置を盛り込んだ共
同文書を発表した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜(ぎ)野(の)湾
(わん)市)移設について、当初は名護市辺野古への移設を「唯一
の有効な解決策」としていたが、「これまでに特定された唯一の有
効な解決策」と修正。両政府と議会の協議規定も加えられ、新たな
移設先を検討する余地を残した。

 米軍嘉手納基地(同県嘉手納町など)との統合案を主張する米上
院のレビン軍事委員長(民主党)らに配慮しての措置。野田佳彦首
相とオバマ米大統領は30日の米ワシントンでの首脳会談でこの方
針を確認し、共同声明で「日米同盟の深化」を打ち出す。

 分散配置により、在沖縄海兵隊約1万9千人のうち約1万人が沖
縄に残留、約9千人が国外に移転する。沖縄からグアムに移転する
海兵隊の規模は約4千人で、平成18年の米軍再編ロードマップ(
行程表)で決めた約8千人から半減した。グアム移転費の日本側負
担は21年に決めた現行協定通り28億ドルを維持したが、実際に
はインフレ率を加味し31億ドルとなる。

 自衛隊と米軍の共同訓練のためグアムと米自治領・北マリアナ諸
島のテニアン、パガン両島の米軍施設整備費は日本が分担する。

 中国の中距離弾道ミサイルはすでに沖縄やグアムを射程圏にとら
えており、海兵隊はリスク回避を迫られていた。共同文書では、分
散配置により攻撃に耐える「抗(こう)堪(たん)性」が強まり「
米海兵隊のプレゼンスが確保され、抑止力が強化される」と意義を
強調した。

 一方、代替施設が完全に運用可能となるまでの普天間補修の必要
性に触れ、日米の経費分担が明記された。移設問題が進退しなけれ
ば普天間の「固定化」は進みかねない。

 沖縄本島中南部の米軍5施設・区域は3段階で返還する方針を示
した。

 両政府は25日の発表を予定していたが、レビン氏らの反発を受
け延期し、文案を再調整した。
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普天間移設先含み残す表現 米軍再編見直し中間報告発表
2012年4月27日12時8分

 日米両政府は27日午前、在日米軍再編見直しの中間報告を発表
した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移
設に懐疑的な米議会に配慮し、新たな移設先に含みを持たせる表現
を盛り込んだ。アジア太平洋地域で両国の軍事協力を拡大するとし
た新構想も掲げた。野田佳彦首相とオバマ米大統領は30日の首脳
会談でこうした方針を確認する。

 日米安全保障協議委員会(2プラス2)の共同文書として発表。
当初、25日の予定だったが、24日に米議会のレビン上院軍事委
員長らが説明不足などを理由に懸念を表明。米政府が議会側と再調
整していた。

 中間報告では、辺野古移設は困難だとして米軍嘉手納基地への統
合案を主張するレビン氏らに配慮。辺野古案について「唯一の有効
な解決策」という表現は残したが「これまでに特定された」という
文言を加え、変更に含みを残した。

 ただ、田中直紀防衛相は27日の記者会見で「辺野古案が唯一の
有効な解決策だと再確認したので、嘉手納統合案の実現は難しい」
と強調した。
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中国、尖閣の利用を強化 当局が計画公表
2012年4月26日 01時52分

 【北京共同】中国国家海洋局は25日、沖縄県・尖閣諸島(中国
名・釣魚島)周辺の漁業資源などの利用を強化することを盛り込ん
だ海洋管理計画を発表した。中国の通信社、中国新聞社電などが伝
えた。
 中国政府は「海洋はわが国の経済社会の持続的発展のための重要
な資源であり戦略的空間だ」としており、同計画策定は日本を含む
周辺国との領有権争いなどを念頭に中国の海洋権益を確保するのが
狙い。
 同計画は中国の周辺海域を「農漁業区」「港湾輸送区」「観光レ
ジャー区」など役割ごとに8分類、また黄海、東シナ海、南シナ海
など地域ごとに五つに区分。それぞれ管理方法について目標を設定。
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中間報告を容認=米有力議員、文言修正評価
 【ワシントン時事】米上院軍事委員会のレビン委員長(民主)、
マケイン筆頭理事(共和)、ウェッブ委員(民主)は26日、談話
を発表し、在日米軍再編計画の見直しに関する中間報告を容認する
考えを示した。
 談話は、国防総省と国務省がレビン氏らの意向に沿って中間報告
のいくつかの部分について文言を修正したと明らかにし、両省のこ
うした姿勢を「評価する」と表明した。修正した事項については言
及を避けた。
 同時に、レビン氏らは「中間報告の詳細とその意味合いに関して
なお多くの疑問を持っている」と強調。「相互に利益をもたらし、
軍事的に効果的で、財政上も持続可能な沖縄とグアム駐留の米軍の
再編成という共通の目標に向かい、日米両政府とともに取り組んで
いく」として、今後も注文を付ける意向を示した。 
 レビン氏らは24日にパネッタ国防長官に書簡を送り、中間報告
の内容は不十分と批判。これを受け、両政府は発表を2日間遅らせ
た。
 レビン氏らはまた、29日の野田佳彦首相の公式訪米を歓迎。同
盟深化の重要な機会になると指摘した。(2012/04/27-11:57)
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前代未聞の先送り 「嘉手納統合案」軽視のツケ 
2012.4.26 00:06サンケイ 

 米軍再編計画見直しに関する共同文書発表の先送りは、日米両政
府の前代未聞の失態だといえる。米上院軍事委員会のレビン委員長
(民主党)らが文書発表に「待った」をかけた背景には、国防費削
減を求める議会の意向が反映されないだけでなく、米軍普天間飛行
場(沖縄県宜野湾市)と米軍嘉手納基地(同県嘉手納町など)を統
合する「嘉手納統合案」が軽視されてきたことへの憤りがある。
日本政府は米政府に責任転嫁して平静を装うが、その責任は免れな
い。

 伏線は4月6日にあった。民主党の石井一参院予算委員長が記者
会見を開き「普天間を固定化させないために政策転換が必要だ」と
説き、嘉手納基地への暫定移設案を発表したのだ。石井氏は事前に
レビン氏の盟友であるウェブ上院議員(民主党)らと綿密に打ち合
わせており、背後にレビン氏の強い意向があったのは明らかだった。

 石井氏は野田佳彦首相にも嘉手納統合案に関する米上院の動向に
ついて何度も報告していたが、首相はその重要性に気付かなかった
。4月10日にも首相に念を押したが、首相は「長島昭久首相補佐
官に伝える」と述べただけ。藤村修官房長官は「検討する話ではな
い」と一蹴した。

 だが、レビン氏らが軽はずみに嘉手納統合案を提言したわけでは
ない。普天間飛行場の名護市辺野古への移設を「実現不可能だ」と
して国防総省に再検討を求めたのは昨年5月に遡(さかのぼ)る。
日本政府内にも「軍事委は国防予算の承認権限を握っており、何ら
かの回答を用意せざるを得ない」(防衛省幹部)との声があったが
、政府中枢は日米合意に固執し、嘉手納統合案の実現可能性につい
てまともに検証した形跡はない。
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日米で海外訓練場整備 米軍再編中間報告 共用が条件
2012年4月25日3時36分

 日米両政府による在日米軍再編見直しの中間報告の全容が判明し
た。自衛隊が米軍と共同訓練することを条件に日本政府が国外の米
軍施設の整備費を負担するとともに、途上国援助(ODA)で周辺
国に武器を供与するとした新構想が柱だ。30日の日米首脳会談の
共同声明に盛り込まれる。

 新構想は「地域の平和、安定および繁栄を促進するための新たな
イニシアチブ」とされ、アジア太平洋地域で両政府が安全保障分野
での協力関係を強化するのが狙いだ。中間報告には新構想とともに
、日米協議で大筋合意しているグアムと沖縄の部隊構成▽沖縄の土
地返還▽普天間飛行場移設の計3項目も明記。25日に玄葉光一郎
外相と田中直紀防衛相が、日米安全保障協議委員会(2プラス2)
の共同文書として発表する。

 昨年末に武器輸出三原則が緩和されたことを踏まえ、新構想では
日本が「ODAの戦略的活用を含む様々な措置をとる」と明記。周
辺国に供与を検討している巡視艇の例を挙げた。
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米軍再編見直し、公表延期=首相訪米前で調整―日米
2012年 4月 25日 11:16 JST
 日米両政府は25日午後に予定していた在日米軍再編計画見直し
の中間報告となる共同文書の公表を見送ることを決めた。政府関係
者が明らかにした。日米関係筋によると、見直しについて両国間で
さらに詰めの協議が必要になったもよう。日米両政府は、29日の
野田佳彦首相の訪米前には発表する方向で調整している。

 これに関し、田中直紀防衛相は防衛省で記者団に「米側の事情と
聞いている。首相訪米前には共同報告できる。内容に変更はないと
理解している」と述べた。 

[時事通信社]
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自衛隊がフィリピン基地使用 日米が検討開始、パラワン島有力
2012.4.24 07:59 サンケイ

 在日米軍再編見直しにからみ、米海兵隊と自衛隊がフィリピンの
訓練施設を共同使用する方向で日米両政府が検討を始めたことが
23日、分かった。パラワン島のフィリピン海、空軍基地が有力で
、ルソン島の基地も候補として挙がっている。両政府は米自治領・
北マリアナ諸島のテニアンの米軍基地を自衛隊が共同使用すること
でも合意しており、アジア・太平洋地域で複数の基地を共同使用す
ることで、海洋進出を図る中国を牽(けん)制(せい)するのが狙
いだ。

 米政府は在沖縄海兵隊を移転し、米ハワイ、米グアム、豪州・ダ
ーウィンを巡回する「ローテーション配置」の拠点の一つとしてフ
ィリピンを検討しており、フィリピン政府と交渉中。パラワン島や
ルソン島の複数のフィリピン軍基地が候補地で、絞り込みの作業を
進めている。

 合意に達すれば、日米両政府にフィリピン政府も加わり共同訓練
の本格的な協議に入る。両島は中国とフィリピンなどが南沙(英語
名・スプラトリー)諸島の領有権を争う南シナ海に面する。パラワ
ン島では米、フィリピン両軍が16日から定期合同軍事演習「バリ
カタン」を行っており、大地震を想定した図上演習には日本も初参
加している。

 日米両政府は、日本側がテニアンの米軍基地整備費を拠出するこ
とで合意しており、政府関係者は「テニアンの事例がモデルケース
になる」と指摘。フィリピンの訓練施設整備費について、日本が一
定額を負担することも検討する。

 日米がフィリピンの訓練施設共同使用の検討を始めたのは、米軍
、自衛隊を分散配置することで、中国などによる第一撃を受けた後
も反撃できる「抗(こう)站(たん)性」を強化することが狙い。
25日に両政府が発表する共同文書では、日米同盟をアジア・太平
洋地域の安定と繁栄のための「公共財」と位置付け、日米同盟の抑
止力向上を図る。

 フィリピンは第二次世界大戦の激戦地。同国の世論の一部には「
反米軍」の感情が根強いが、自衛隊が訓練に参加することへの反応
は不透明だ。米軍は冷戦終結に伴いスービック基地とクラーク基地
から撤退している。
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普天間補修費を大幅削減 嘉手納以南、3段階で返還
2012.4.21 01:30 サンケイ

 在日米軍再編計画見直しをめぐり、日米両政府が米軍普天間飛行
場(沖縄県宜野湾市)の補修費用について、米側要求を大幅減額し
た上で在日米軍駐留経費日本側負担(思いやり予算)の提供施設整
備(FIP)費として、単年度処理で合意したことが20日、分か
った。嘉手納基地(同県嘉手納町など)以南の施設・区域の返還に
関しては、3段階に分けて進めることになった。

 外務・防衛担当閣僚による「日米安全保障協議委員会」(2プラ
ス2)は25日に合意内容を盛り込んだ共同文書を発表する。

 普天間飛行場の改修をめぐっては、米政府が平成24年度から8
年間で総額約200億円を負担するよう要求した。日本政府は長期
間の補修計画を認めれば「普天間の固定化」と受け止められかねな
いとして要求を拒否した。米側も最終的には新たな経費負担の枠組
みを作らないことを受け入れた。

 思いやり予算の枠内で処理することによって、補修費用の総額も
「米側の要求額より大幅に減る」(日米外交筋)という。

 一方、嘉手納以南の5施設・区域に関して、日米両政府は嘉手納
以南を13地区に分類した。そのうえで(1)キャンプ瑞慶覧(宜
野湾市など)の西普天間地区など4地区が「速やかに返還」
(2)沖縄県の要望が強かった牧港補給地区(浦添市)の倉庫地区
の大半など7地区が、海兵隊の移転を前提とせず「代替施設が整備
されしだい返還」(3)残り2地区は「海兵隊の国外移転後に返還
」−となった。

 在沖縄米海兵隊のグアム移転経費のうち日本側の財政支援は、
21年の現行協定で合意した上限28億ドルに米国内の物価上昇分
などを加味し約31億ドルとすることになった。

 自衛隊が使用する米自治領・北マリアナ諸島のテニアンの米軍基
地整備費もこの中に含めることとした。このためグアムの基地建設
費用は米軍再編ロードマップ(行程表)を決めた18年の合意より
も減額される。防衛省は23日、テニアンに視察要員を派遣する。
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米越海軍、南シナ海で合同訓練 23日から  :日本経済新聞
2012/4/20 20:45
 米越海軍は23日から、ベトナム中部ダナン沖の南シナ海で合同訓
練を実施する。訓練内容は非戦闘訓練と、航法や保守点検など技術
交換が中心。両国は「友好イベント」としているが、南シナ海での
権益拡大を目指す中国をけん制する狙いがありそうだ。

 訓練には米海軍第7艦隊の旗艦「ブルーリッジ」やミサイル駆逐
艦「チェイフィー」、救難艦「セーフガード」などが参加予定。米
越海軍は昨年7月にもダナン沖合で合同訓練を行い、中国側が「不
適切」と反発した経緯がある。米国はフィリピンとも16日から合同
軍事演習を実施しており、対中けん制を強めている。(ハノイ支局)
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ここ数年で最も賢明なリーダー…米紙が首相評価

 【ワシントン=中島健太郎】米紙ワシントン・ポスト(電子版)
は19日、野田首相へのインタビューをもとに「日本は難しい決断
ができるか」と題する記事を掲載した。

 記事では、首相が取り組んでいる四つの「困難な問題」として、
消費税率引き上げ、原発再稼働、沖縄の米軍基地再編問題、環太平
洋経済連携協定(TPP)参加を挙げた。首相はこれらに同時に答
えを出そうとしているとし、「ここ数年で最も賢明なリーダー」と
評価している。

 首相の政治手法については「伝統的な日本のリーダーがとってき
た地味なものだ」としつつも、困難な政策課題を克服できれば「他
国の見本となるリーダーになる」と持ち上げている。その一方で、
「派手なだけで問題解決能力がなかった首相」ばかりが続き、「米
政府内には野田首相をどこまで支えるかという方針が定まっていな
い」という見方も紹介している。

(2012年4月20日21時01分 読売新聞)
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中国の海軍強化を背景に、米国とインド両海軍の協力が進展
2012/04/18(水) 09:58サーチナ 

  米国とインド両国の軍事協力が急展開している。先の両海軍に
よる第16回軍事演習では岸辺と海上での演習が10日間にわたって行
われ、16日に終了した。中国網日本語版(チャイナネット)が報じ
た。

  中国が海軍を強化していることを背景に、米印両海軍の協力が
進展を見せている。米軍の財政予算削減による米海軍の規模縮小に
よって、米国はインドなどの海軍力を特に重要視するようになった。

  2006〜11年末まで米海軍の担当者は、米海軍は少なくとも艦艇
315隻を維持し、将来に備える必要があるとしていたが、米国が3月
に発表した30年軍艦建造年度行進計画では、米艦艇の数は現在の285
隻から2015年には276隻まで減少するが、その後は次第に増え、2030
年代にピークに達し、307隻を保有すると見通しを示している。

  同報告は中国の不安をかき立てるが、インド海軍が米国のよき
パートナーであることは変わらない。両海軍は空母を中心とする遠
洋海軍を擁し、インド海空軍は12年2月にネットワークを中心とする
合同演習を行ったが、これはある意味、米国の海・空中戦理論の補
充ととれる。先週インドでロシア製の原子力潜水艦2隻が就役。イン
ドはさらに海軍型多目的ヘリコプターをロッキード・マーティン社
から購入し、対潜作戦能力を大幅に高める計画だ。
(編集担当:米原裕子) 
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グアム移転、負担増えず 米軍再編、日本が米と合意
2012年4月19日9時52分

 日米両政府は、在沖海兵隊のグアム移転に伴う日本の経費負担の
上限を2006年合意の28億ドルとすることで大筋合意した。在
日米軍再編見直しで、在沖海兵隊のグアム移転の規模が縮小される
ことから、日本側は減額を求めたが、米側は増額を要求。上限額を
維持することで折り合った。

 野田佳彦首相は18日、玄葉光一郎外相、田中直紀防衛相と会談
し、こうした方針を確認。19日の外務・防衛審議官級協議を経て
、25日にも日米の外務・防衛担当閣僚名で中間報告を発表する。
ただ、金額は明記しないことになった。

 グアム移転費を日本側がどれだけ負担するか。30日に日米首脳
会談を控え、日米交渉の焦点だった。 
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米海兵空陸任務部隊
 米海兵空陸任務部隊(MAGTF) 米海兵隊の即応部隊の単位
で、司令部、陸上戦闘部隊、航空戦闘部隊、後方支援部隊で構成さ
れる。兵力の大きい順に海兵遠征軍(MEF)、海兵遠征旅団(M
EB)、海兵遠征隊(MEU)の3タイプがある。沖縄の第3海兵
遠征軍(3MEF)は海外に唯一配置されている海兵遠征軍。
3MEFは陸上戦闘部隊の第3海兵師団(キャンプ・コートニー、
沖縄県うるま市)、普天間飛行場(同県宜野湾市)のヘリコプター
部隊や岩国航空基地(山口県岩国市)の戦闘攻撃機部隊が所属する
第1海兵航空団などで構成される。(ワシントン時事)
(2012/04/27-19:09)
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米軍再編をめぐる主な動き
1995年  9月 沖縄県で米兵による少女暴行事件が発生
  96年  4月 橋本龍太郎首相とモンデール駐日米大使が米
          軍普天間飛行場の全面返還で合意
      12月 「沖縄に関する特別行動委員会(SACO)
          」最終報告で沖縄本島東海岸沖への普天間移
          設を決定
  97年 11月 政府が名護市辺野古沖への海上ヘリ基地建設
          案を決定
      12月 名護市が移設受け入れ表明
2004年  8月 沖縄国際大に米軍ヘリ墜落
  06年  5月 日米が在日米軍再編計画で合意。ロードマッ
          プ(行程表)で普天間の辺野古移設、海兵隊
          のグアム移転、米軍施設・区域返還をパッケ
          ージ化
  09年  7月 鳩山由紀夫民主党代表が普天間移設は「最低
          でも県外」と発言
       9月 鳩山政権発足
  10年  1月 名護市長選で移設反対派の稲嶺進氏が初当選
       9月 仲井真弘多知事が県議会で普天間県外移設を
          要求
  11年  6月 日米安全保障協議委員会(2プラス2)開催。
          普天間辺野古移設で再合意
       9月 野田政権発足
  12年  2月 日米両政府が再編計画修正の基本方針を発表。
          嘉手納以南の米軍施設・区域の先行返還を明記
(注)肩書はいずれも当時(2012/04/27-08:52)


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