4333.北朝鮮のジレンマ



北朝鮮のミサイル発射や韓国への攻撃宣言など、物騒な国であるが
、その物騒な国が日本や韓国を助けている。これを検討する。
                Fより

北朝鮮の国力は、熊本市など50万都市程度の予算しかない。300
億円程度である。この程度の国家予算で700億円以上も掛かるミ
サイル開発は、国家の大事業になる。このため、食料不足になる地
域も出る。

北朝鮮南西部・黄海南道で、金正日総書記が死去した昨年12月か
ら4月まで、大勢の餓死者が出ていたことが分かった。総書記死去
にともなう100日間の哀悼期間中、経済活動が中断したことなど
が大きな原因とされる。

死者数は2万人に上るとの情報があり、新指導者の金正恩第1書記
は報告を受たが、場当たり的な指示を出し、混乱をきたしている。

このような状況で、イラン政府は北朝鮮に対して85トンの小麦や粉
ミルク、米などを含む食料の人道援助物資を送った。食糧支援は、
北朝鮮のなかでも黄海南道の住民向けある。このように海外の支援
が必要なのである。このため、米国の食糧援助も依頼したが、イラ
ンとの交渉ができ、米国を裏切ったようだ。

また、「平壌市民だけで革命はできる」と地方を切り捨てる発言も
判明し、長距離弾道ミサイル発射失敗は「ムダだった」「金正日将
軍時代がよかった」と住民の間からは不満も表面化し、金正恩体制
は深刻な民心離反に直面しているもようだ。

しかし、北朝鮮の宇宙空間技術委員会は、13日の「人工衛星打ち
上げ」失敗について「すでに原因の解明を終えた」と発表。そのう
えで、今後も「打ち上げ」を続けると宣言した。国家事業の方が、
平壌市民以外の国民より大事なのであろう。

このようなことから、デービッド・ストラウブ元米国務省朝鮮部長
は、北朝鮮が2月、長距離弾道ミサイル発射の一時停止などの見返
りに食糧支援を受けることで米国と合意しながら、ミサイル発射を
強行して合意の破棄を宣言したのは、米側のメンツをつぶす策略だ
ったとの見方を示した。

最近の北朝鮮情勢については、「(挑発)行動は以前と変わらない
が、悪化のペースが上がっている」と懸念を表明し、背景には「強
い新指導者」を演出したい思惑があると見ると。

米国のミサイル専門家デービッド・ライト氏は、ワシントンの戦略
国際問題研究所(CSIS)のセミナーで、北朝鮮が15日の軍事
パレードで披露した「新型ミサイル」は本物ではなく、「はりぼて
」とする見方を示した。また、この新型ミサイルの移動式発射台の
車両に、米国の会社のエンジンが搭載されている模様だ。

また、ミサイル発射に反対していた中国との関係が悪化していた。
このため、北朝鮮の金永日書記を団長とする代表団が訪中した。

中国の戴秉国国務委員は22日、この北朝鮮の代表団と北京で会談
し「友好協力関係を新たな、より高い水準に発展させることを願っ
ている」と述べた。また、会談では金第1書記の訪中についても話
し合った可能性がある。

胡錦濤国家主席も23日、北朝鮮の金永日朝鮮労働党書記と人民大会
堂で会談し、北朝鮮が3回目の核実験の準備をほぼ完了し、実験に
踏み切る可能性があったが、胡主席は、核実験の強行を自制するよ
う求めたために、現時点では実行していない。

また、「韓国側への革命武力の特別行動」について「延坪島砲撃と
同じ水準の警告にすぎないと思ったら、それは間違いだ」とする論
評を、北朝鮮は行っているが、現時点では、これも実行していない。
この件でも、中国は北朝鮮に抑止しているはずで、北朝鮮も自由な
行動をできなくなったような印象を受ける。

中国と北朝鮮の両国企業の幅広い協力を促進するため、朝鮮中国商
会(商工会議所)が27日、北朝鮮の平壌に設立された。中国が経
済面での影響力を持ち、経済面から北朝鮮の政治を縛る意向の様で
ある。

反対に、北朝鮮の金正恩第1書記は、経済難・資金難を打開するた
め、労働者の海外派遣を増やすよう指示したようだ。北朝鮮は現在
、世界約40カ国に3万人以上を派遣しているが、今年中に約1万
人を追加派遣する計画を立てたという。

日本は、再三、北朝鮮からのミサイル発射を受けて、いろいろなシ
ステムの不具合や安全保障上の連絡体制の不備が浮かび上がってい
る。

長島昭久首相補佐官も、北朝鮮の弾道ミサイル発射情報の公表が遅
れたことについて「大いに反省すべき点があった。未確認だが、そ
ういう情報が入った、と国民に知らせる手段はあったかもしれない
」と述べ、政府の対応に不備があったことを認めたように安全保障
の訓練ができてきている。大いに北朝鮮に感謝してもよいようだし
、沖縄に先島諸島に自衛隊の部隊を送り込み、混乱もなく配備でき
たことも、今後の体制を作るのに、役立っている。

また、米韓国防省高官による「米韓統合国防協議体」も出来て、北
朝鮮対応を共同で行う体制が整備されている。日韓での相互防衛条
約もできて、体制的に強固になっている。

この体制整備は、北朝鮮だけではなく対中国にも使えるので、東ア
ジアの安全保障上、非常に有意義である。

このため、中国は北朝鮮がミサイル発射や核実験などを行うことで
、日米韓の防衛体制強化が進展することに危機感を覚えている。

このため、北朝鮮の暴発を止めるしかないことになる。

北朝鮮、金王朝の最後の日々のような気がするが、
さあ、どうなりますか?


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日米首脳、同盟の共通ビジョン目指す=北朝鮮核実験阻止へ協議
 【ワシントン時事】米政府高官は27日、野田佳彦首相の公式訪
米を控えて電話会見を開き、「オバマ大統領は地域と国際社会の平
和と繁栄には、永続的な日米同盟が極めて重要と確信している」と
した上で、「21世紀の同盟関係について、両首脳が共通のビジョ
ンを打ち出すことが目標だ」と述べた。
 また、北朝鮮の核実験実施が懸念される中、「両首脳は北朝鮮の
挑発行為を阻止する戦略を協議する」と語った。イラン核問題やミ
ャンマー情勢も議題になると述べた。(2012/04/28-07:42)
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北朝鮮との経済協力加速 中国、平壌に商工会設立
2012.4.27 22:50
 中国と北朝鮮の両国企業の幅広い協力を促進するため、朝鮮中国
商会(商工会議所)が27日、北朝鮮の平壌に設立された。北朝鮮
で投資や貿易を展開している50余りの中国企業が参加したという
。新華社電が伝えた。

 中国は北朝鮮、ロシアとの国境地帯に新たに国際協力モデル地区
の設置を決定したほか、28日には北朝鮮咸鏡北道と中国吉林省を
結ぶ観光列車を開通させる予定であるなど、北朝鮮との経済協力を
加速させている。

 中国の劉洪才駐北朝鮮大使は27日の朝鮮中国商会設立式典のあ
いさつで「中朝両国の貿易は史上最高を更新し、二つの経済区を共
同開発、管理する事業も順調に進んでいる」と指摘、「中国資本企
業は中朝の友情を発展させるため、より大きな貢献を望んでいる」
と強調した。(共同)
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北朝鮮、延坪島砲撃超えると威嚇 韓国への圧力強化
2012.4.27 11:23
 北朝鮮のウェブサイト「わが民族同士」は27日までに、韓国側
に通告した「革命武力の特別行動」について「(2010年の)延
坪島砲撃と同じ水準の警告にすぎないと思ったら、それは間違いだ
」とする論評を掲載、韓国への圧力を強化した。(共同)
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「亡命者出ても構わない」 金正恩氏、労働者の海外派遣増指示か
 資金難で
2012.4.27 11:23サンケイ

 韓国紙、朝鮮日報は27日、北朝鮮の金正恩第1書記が最近、資
金難を打開するため、労働者の海外派遣を増やすよう指示したと報
じた。北朝鮮は現在、世界約40カ国に3万人以上を派遣している
とみられるが、今年中に約1万人を追加派遣する計画を立てたとい
う。

 韓国政府消息筋の話としている。正恩氏は、海外派遣中に他国へ
亡命する労働者が「1人や2人出ても構わない」として、できる限
り多く送ることを命じたという。

 同紙によると、北朝鮮では、金正日総書記時代から統治のための
秘密資金を管理してきた朝鮮労働党39号室が海外で働く労働者の
賃金の80〜90%を「忠誠資金」や「税金」などとして徴収。こ
うした外貨は年間1億ドル(約81億円)を超えるとみられるとい
う。(共同)
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北朝鮮:「核実験の準備完了」06年に予告の関係者
毎日新聞 2012年04月25日 10時42分

 【北京・米村耕一】北朝鮮は25日、朝鮮人民軍創建80周年を
迎え、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が故金正日(キム・ジ
ョンイル)総書記から引き継いだ「先軍(軍優先)政治」を国内外
にアピールするための記念行事を実施するとみられる。一方、北京
発のロイター通信は、北朝鮮が06年に初めて核実験を実施した際
、数日前に実験を予告した関係者の情報として、北朝鮮が3回目の
核実験の準備をほぼ完了し、間もなく実験に踏み切る可能性がある
と伝えた。
 朝鮮人民軍は23日、韓国の李明博(イ・ミョンバク)政権が北
朝鮮の新体制を侮辱したとして、「革命武力の特別行動を開始する
。特異な手段で挑発の根源を焦土化する」と通告。その後も威嚇を
続けている。25日の行事でも、韓国に対する敵意をあらわにして
軍部の士気高揚を図るとみられる。07年の軍創建75周年では、
ミサイル部隊も動員して大規模な軍事パレードが開かれている。
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中国主席、北朝鮮の党幹部と会談:日経
2012/4/23 20:52

 【北京=島田学】中国の胡錦濤国家主席は23日、訪中している北
朝鮮の金永日(キム・ヨンイル)朝鮮労働党書記と人民大会堂で会
談した。北朝鮮が「人工衛星」と主張した長距離弾道ミサイルの発
射問題など意見交換したもよう。中国の国営新華社によると、胡主
席は「朝鮮半島の永続的な平和と安定を守るために共に努力する」
と指摘。準備中との観測が浮かぶ核実験の強行を自制するよう求め
たとみられる。

 中朝関係では、胡主席が「中朝の友好協力関係は中国の不変の方
針だ」と強調。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の早期訪中に
関して意見交換した可能性もある。
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イラン 北朝鮮に85トンの人道援助
23.04.2012, 15:40ロシアの声
		
   イラン政府は北朝鮮に対して人道援助物資を送った。イランのテ
レビ「プレスTV」が23日伝えた。
   85トンの人道援助物資は、小麦や粉ミルク、米などを含む食料か
らなっており、22日、平壌国際空港に到着し、北朝鮮赤十字社の職
員に手渡されたという。食糧支援は、北朝鮮のなかでも黄海南道の
住民向けで、ここでは豪雨や洪水の影響で不作となっていた。
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26日から米韓国防協議=北朝鮮情勢を議論
 【ソウル時事】韓国国防省は23日、米韓国防省高官による「米
韓統合国防協議体」の第1回会合を26、27の両日、ワシントン
で開催すると発表した。北朝鮮情勢をめぐり協力を確認するととも
に、北朝鮮の長距離ミサイル発射失敗を踏まえ、核実験など追加挑
発の可能性と対応策についても意見交換する見通しだ。
 会合では、6月に予定される外務・国防閣僚会談(2プラス2)
で扱う議題も協議するほか、韓国の弾道ミサイル射程延長問題も話
題になるとみられる。(2012/04/23-12:17)
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中朝が協議 友好関係の発展で一致
2012.4.22 20:55サンケイ
 新華社電によると、中国の戴秉国国務委員は22日、訪中した北
朝鮮の金永日朝鮮労働党書記の代表団と北京で会談し「友好協力関
係を新たな、より高い水準に発展させることを願っている」と述べ
た。金氏も「両党、両国の友好協力関係を非常に重視している」と
応じた。

 金正恩第1書記による北朝鮮の後継体制の本格始動を受け、両国
が引き続き伝統的友好関係を築いていくことを確認した形。会談で
は金第1書記の訪中について話し合った可能性がある。

 会談で戴氏は「第1書記、金正恩同志の指導の下に、朝鮮の党、
政府と人民は強盛国家建設の事業で新たな成果を収めると信じる」
と表明した。

 会談では「衛星」打ち上げと称した北朝鮮のミサイル発射や、北
朝鮮が準備をほぼ終えたとみられる核実験について、中国側が朝鮮
半島情勢を安定させる立場から自制を促した可能性がある。(共同)
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ミサイル対応「大いに反省」=長島補佐官
 長島昭久首相補佐官は22日午前のフジテレビの番組で、北朝鮮
の弾道ミサイル発射情報の公表が遅れたことについて「大いに反省
すべき点があった。未確認だが、そういう情報が入った、と国民に
知らせる手段はあったかもしれない」と述べ、政府の対応に不備が
あったことを認めた。(2012/04/22-12:05)
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北朝鮮:高官が訪中 ミサイルめぐる関係悪化を調整か
毎日新聞 2012年04月21日 19時41分(最終更新 04月21日 19時55分)

 【北京・米村耕一】朝鮮中央通信は20日、北朝鮮の朝鮮労働党
の金英日(キム・ヨンイル)書記を団長とする代表団が訪中のため
に平壌を出発したと報じた。北朝鮮による「衛星打ち上げ」名目の
ミサイル発射後、北朝鮮の高官が訪中するのは初めてで、ミサイル
発射を受けて急速に悪化した中朝関係を調整する狙いだとみられる。

 北朝鮮の経済関係者によると、ミサイル発射を巡り、中国の投資
プロジェクトの協議中断や、貿易手続きの遅延が実際に起きている
という。この関係者は「中国側は(北朝鮮が3月16日に打ち上げ
予告をして)間もないうちから強い圧力をかけてきた」と証言。「
(北朝鮮がミサイル・核実験をした)06年、09年もそうだった
が、公式的な通告はせずに圧力をかけてくるのが中国のやり方だ」
と明かした。
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北朝鮮:新型移動式ミサイルの車両 エンジンは米国製か
毎日新聞 2012年04月21日 18時28分

 【ソウル西脇真一】韓国紙、朝鮮日報は21日、北朝鮮が15日
の軍事パレードで公開した新型ミサイルの移動式発射台の車両に、
米国の会社のエンジンが搭載されている模様だと報じた。新型ミサ
イルの射程は不明だが、米国・アラスカまで届く可能性もあり、韓
国の消息筋は「米国は鋭敏な反応をみせるしかないだろう」と話し
ているという。
 移動式発車台は、中国の国有企業系の会社が開発し、輸出された
特殊車両を北朝鮮が、改造したものとみられている。この車両を巡
り、米中が協議を行っているが、中国側だけでなく、米側の問題も
浮上しそうだ。
 新型ミサイルは直径2メートル、全長20メートル前後で、これ
まで公開されていた「ムスダン」(射程3000?4000キロ)よ
り全長が長い。「ムスダン」より多くの燃料が積めるとみられ、射
程が伸びている可能性が指摘されている。
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北朝鮮の新型ミサイルは「はりぼて」…米専門家

 【ワシントン=山田哲朗】米政策研究機関「憂慮する科学者同盟
」のミサイル専門家デービッド・ライト氏は20日、ワシントンの
戦略国際問題研究所(CSIS)のセミナーで、北朝鮮が15日の
軍事パレードで披露した「新型ミサイル」は本物ではなく、「はり
ぼて」とする見方を示した。

 平壌に招待された報道陣が撮影したミサイル6基の鮮明な写真を
比べたところ、胴体の表面に伸びる電線用ダクトの取り付け場所や
、ミサイルを固定するベルトの位置が少しずつ異なるなど、不審な
点が見つかった。

 本物のミサイルなら、規格は同じはずで、細部にばらつきがある
ことは考えにくい。ライト氏は「現実のミサイルを反映した模型で
はないし、実物のミサイルでもない。これは新たな脅威ではない」
と結論している。

(2012年4月21日12時17分 読売新聞)
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北朝鮮で2万人餓死か 総書記死去後
2012年4月21日 09時05分
 北朝鮮南西部・黄海南道(ファンヘナムド)で、金正日(キムジ
ョンイル)総書記が死去した昨年12月から4月まで、大勢の餓死
者が出ていたことが分かった。総書記死去にともなう100日間の
哀悼期間中、経済活動が中断したことなどが大きな原因とされる。
死者数は2万人に上るとの情報があり、新指導者の金正恩(キムジ
ョンウン)第1書記は報告を受け、軍用備蓄米の配布を指示したと
いう。北朝鮮関係者が明らかにした。(外報部・城内康伸)

 北朝鮮は故金日成(キムイルソン)主席生誕100年を迎えた
15日、過去最大規模の軍事パレードや花火大会を開催。その華や
かな祝賀行事の裏で、大勢の地方住民が死に直面し、飢えに苦しん
でいたことになる。
 関係者によると、特に深刻な地域は朝鮮半島西側の黄海に面した
白川(ペチョン)、延安(ヨンアン)、青丹(チョンタン)の3郡
。各郡では今年に入り、1000人以上が餓死する日もあったとい
う。北朝鮮の総人口は約2400万人と推計されている。
 黄海南道は昨年6月下旬〜7月下旬にかけ台風5号などの集中豪
雨に襲われ農地の浸水被害が拡大。農作物の収穫量は激減した。
 3月25日まで続いた金総書記の哀悼期間は各地の市場が閉鎖さ
れ、交通機能もまひ。さらに、この地域は電力事情が劣悪で、飢え
に寒波が重なって死者が急増した、と関係者は指摘している。

 黄海南道の朝鮮労働党幹部は党中央に緊急支援を要請。報告を受
けた正恩氏は2月中旬、護衛総局に支援を指示し、救援要員が派遣
された。3月下旬からは、黄海南道の北東部に隣接する平壌市も支
援に乗り出したとされるが、事態が改善したかどうかは不明だ。
 4月中旬に現地から平壌に戻った党関係者は黄海南道の食料事情
について「歴史上、最悪の状況だった」と話している。
(中日新聞) 
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強い指導者演出に懸念=北朝鮮の新体制−元米高官

 ストラウブ元米国務省朝鮮部長は20日、都内の日本記者クラブ
で会見し、長距離弾道ミサイルを発射した最近の北朝鮮情勢につい
て「(挑発)行動は以前と変わらないが、悪化のペースが上がって
いる」と懸念を表明した。背景には「強い新指導者」を演出したい
思惑があると見ている。
 ストラウブ氏は、金正恩氏への権力継承が「2008年8月に故
金正日総書記が脳卒中で倒れてから始まった」と分析。翌09年に
ミサイル発射と核実験、10年には哨戒艦沈没事件や延坪島砲撃が
あり、訪朝した米核専門家にウラン濃縮施設が公開された。北朝鮮
は挑発行為を繰り返しても「制裁はさほどでもないと感じたのかも
しれない」と推測した。
 03年からの核問題をめぐる6カ国協議については「(現在まで
に)核実験2回、ミサイル発射が3回行われ、そろそろ3回目の核
実験だ」と指摘し、オバマ政権は協議の有用性を疑問視している恐
れがあると警告した。
 一方、同協議を始めたブッシュ前政権には対北朝鮮政策が「存在
しなかった」と回想。当時のパウエル国務長官とラムズフェルド国
防長官は「口も聞かず、互いの裏をかくため何ができるかしか考え
ていなかった」と批判した。
 ストラウブ氏は02〜04年に朝鮮部長、04〜06年に日本部
長を歴任。同省退職後は、スタンフォード大韓国研究所副所長など
を務めている。(時事)
(2012/04/20-20:05)
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「北朝鮮は米国だました」 米元高官、合意破棄は北朝鮮の策略
2012.4.20 18:42 サンケイ

 来日中のデービッド・ストラウブ元米国務省朝鮮部長は20日、
東京都内で記者会見し、北朝鮮が2月、長距離弾道ミサイル発射の
一時停止などの見返りに食糧支援を受けることで米国と合意しなが
ら、ミサイル発射を強行して合意の破棄を宣言したのは、米側のメ
ンツをつぶす策略だったとの見方を示した。

 ストラウブ氏はミサイル発射を計画しながら合意を結んだ北朝鮮
が「米国をだましたのだと思う」と述べた。米政府は24万トンの
栄養補助食品供与について「人道的な措置で核問題とは別」だと説
明してきた。ストラウブ氏は、食糧支援が中止になれば「米国が恥
をかくと北朝鮮は考えたのだろう」と述べ、オバマ米政権を難しい
立場に追い込む思惑があったと指摘した。

 またミサイル技術の確立に失敗は付き物だとして、金正恩第1書
記の指導力に「深刻な影響はないと思う」と語った。(共同) 
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正恩氏、地方切り捨て指令…場当たり指示で混乱 「正日時代がよ
かった」と住民
2012.4.20 08:18サンケイ

 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)第1書記が、平壌市民に恩情
を示す名目で相次いで場当たり的な指示を出し、混乱をきたしてい
ることが19日、分かった。「平壌市民だけで革命はできる」と地
方を切り捨てる発言も判明。長距離弾道ミサイル発射失敗は「ムダ
だった」「(金正日(ジョンイル))将軍時代がよかった」と住民
の間からは不満も表面化し、金正恩体制は深刻な民心離反に直面し
ているもようだ。(桜井紀雄)

 朝鮮労働党機関紙、労働新聞は19日、軍事優先の「先軍」路線
継承と食糧問題解決を訴える金第1書記の談話を初めて掲載した。

 昨年12月の金正日総書記死去直後から平壌市民に鮮魚を配るよ
う指示するなど、住民配慮の姿勢は示されてきた。しかし、この直
接指示は裏目に出ているという。北朝鮮の民主化に取り組む民間組
織「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク」(RENK)な
どが複数の中朝関係者らから得た情報から分かった。

 平壌市民にリンゴを配るため「果樹園を作るように」との指示が
出され、その結果、貴重な田畑がリンゴ園に作り替えられた。金総
書記の銅像建設のための献金を「住民に返すように」と指示したと
も。ただ、金日成(イルソン)主席生誕100年など国家行事の献
金は続けられ、住民への負担は減らず、現場幹部には混乱だけを招
いたという。

 一方で脱北防止のため、中朝国境の人や物の流れを厳しく規制。
日朝関係者によると、国境の街、恵山(ヘサン)の都市機能の麻痺
(まひ)を指摘する幹部の進言を「恵山ぐらいなくても関係ない。
平壌市民だけでも革命事業は完遂できる」と退けたという。さらに
自らの生誕地と宣伝する平壌郊外の江東(カンドン)郡や平安北道
朔州(ピョンアンプクドサクジュ)に、幹部らを招待する大規模な
別荘地を造るため、住民を大量動員。地方幹部から「内情を分かっ
ていない。若気の至りで上辺だけの指示を出している」との声も出
ているという。

 北朝鮮の内情を伝える雑誌「リムジンガン」の北朝鮮人記者によ
ると、地方住民らは「金第1書記が登場してから暮らしが悪くなっ
た」「(正日)将軍が生きておられたころがどれだけよかったか」
と口にしている。ミサイル発射失敗について地元幹部から説明があ
ったが「生活が苦しい中で無駄遣いだと思う」との不満も漏れ始め
ている。

 こうした不満にもかかわらず、北朝鮮の朝鮮宇宙空間技術委員会
は19日、「宇宙の平和利用をより一層進める」との談話を発表し
、長距離弾道ミサイル開発の継続を宣言した。朝鮮中央通信が伝え
た。 
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ミサイル失敗「原因解明」 北朝鮮、打ち上げ継続も宣言
2012年4月20日0時2分

 北朝鮮の宇宙空間技術委員会の報道官が19日、13日の「人工
衛星打ち上げ」失敗について「すでに原因の解明を終えた」とする
談話を発表。そのうえで、今後も「打ち上げ」を続けると宣言した
。朝鮮中央通信などが伝えた。

 報道官談話は「科学者、技術者が失敗の原因に対する具体的かつ
科学的な解明を終えた」としているが、原因が何だったのかは明ら
かにしなかった。

 談話はそのうえで「今回の機会に得たすべての科学技術資料と経
験は、今後の宇宙開発の貴重な基礎になる」とし、「国の経済発展
に必須の実用衛星を引き続き打ち上げる計画がある」などとした。


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