4330.ポピュリズムを潰すには



日本の政治では、大衆の人気で政治をする政治家が出てきて、感情
で政策判断をする風潮が出ている。その上、官僚は悪く、政治家も
その官僚に乗せられているだけであり、その判断は間違いというよ
うだ。   Fより

この論を弁じると人気が出るので、人気を重視する政治家は、その
地域の国民に政府が良かれと思う政策でも、反対している。橋下さ
んの原発再稼動反対もその1人である。無理が通れば、道理引っ込
む、そして失敗で思い知るしかない。

このような大阪市、大阪府のトップが主張していることを政府が無
理して、再稼動させる必要は無いのではないか?

もちろん、大阪周辺にある工場は困るのであるが、その従業員の多
くも橋下さんに投票したのであるから、ポピュリズム政治家がいか
に危険かを思い知る良い機会である。失敗で思い知る。

1回は、大阪市民も電気が無くなった時の苦しみを味わうしかない。
計画停電や工場稼動ができずに、工場労働者を一時解雇するなり、
無給休職することも仕方がない。ポピュリズムの危険を国民に知ら
せる良い機会である。

これをするためには、関西電力の需給状況を示して、橋下市長など
近畿圏の市長・知事に判断してもらいしかない。嘉田知事なども反
対なので、関西地域は計画停電させて、多くの苦しみを取るか、原
発を再開するかを判断してもらう。

政府は再稼動を提案するが、最終的な判断は近畿圏知事、市長にお
任せすることだ。そうすれば、判断するしかない。良いか悪いか、
どちらにしても官僚や中央政府が決めたことではないので、反発は
決めた市長や知事に行くことになる。政府は再稼動と言っているこ
とが重要である。

民主党から逃げている大衆も、ポピュリズムが危険と知り、再度、
支持を変えることになる。衆議院選挙を目指した支持獲得運動にも
なる。

さあ、どうなりますか?
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<大飯再稼働>橋下氏に政権は反発、埋まらぬ溝
毎日新聞 4月25日(水)0時48分配信

 関西電力の大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働をめ
ぐり、大阪市の橋下徹市長と大阪府の松井一郎知事は24日、藤村
修官房長官と首相官邸で会談し、原発の安全性に関する8提案を受
け入れるよう直談判したが、藤村氏は「再稼働は妥当」との政府の
判断に変更はないと伝えた。国政進出を狙う橋下氏は野田政権との
対決姿勢を強め、政権側も態度を硬化させつつあり、両者の溝は埋
まりそうにない。

【これだけは見過ごせない】原発再稼働の問題点とは

 10分の予定だった会談は25分に及んだ。「政治家が安全宣言
をしたのは絶対におかしい。原子力安全委員会に安全性のコメント
を出させるべきだ」。再稼働の撤回を求める橋下氏に、藤村氏は「
政治家が安全を宣言しているわけではない。安全性はあくまで専門
的、技術的な観点から判断されている」と反論。議論は平行線に終
わった。

 政府側は当初、橋下氏は再稼働に強硬に反対しないと見ていた。
関西電力管内の電力需給が厳しいことから、再稼働を事実上容認す
るのではないかとの情報があったためだ。しかし、野田佳彦首相と
枝野幸男経済産業相ら3閣僚が6日に「安全性に関する判断基準」
をまとめてから、橋下氏は批判を強めていった。

 安全宣言を出した後の13日には「再稼働にストップをかけるた
めには、国民が政権を倒すしかない。次の選挙で民主党政権に代わ
ってもらう」と語り、次期衆院選の争点にする姿勢を鮮明にした。
批判の中身も「慌てて作った暫定的な安全基準だ」(6日)などと
技術的な内容から、最近は「安全宣言した手続きがおかしい。統治
機構の危機だ」(16日)と野田政権の再稼働に向けた手続きへと
移っていった。

 これに対し、政権側は「再稼働問題を政争の具にしている」(民
主党議員)と反発。藤村氏も24日の記者会見で、橋下氏が安全性
を政治家だけで判断したのはおかしいと主張していることについて
、「短絡的かもしれない」と反発してみせた。

 ただ、世論の支持が高い橋下氏と全面対決になるのは政権側とし
ても避けたいところ。藤村氏は会見で「需給の面で厳しいというこ
とは十分認識されているなと受け止めた」と評価。そのうえで「だ
んだんに認識は共通になっていくという期待はしている」と語り、
微妙な心境ものぞかせた。【小山由宇】

◇原発の安全性に関する8提案◇

・独立性の高い規制庁の設置

・安全基準を作り直す

・新安全基準に基づく完全なストレステストの実施

・重大な原発事故に対応できる防災計画と危機管理体制の構築

・原発から100キロ程度の都道府県と協定を締結できる仕組みの
 構築

・使用済み核燃料の最終処理体制の確立

・電力需給の徹底的な検証と結果開示

・損害賠償など原発事故によるリスクに対応できる仕組みの構築


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