4327.東アジアでの米・中攻防



日米協力の今後を見るには、このインドから東のアジア全体を視野
に入れて、考えることが必要になっている。  津田より

0.現状分析
空自航空総隊司令部(司令官・齊藤治和空将)と関連部隊が3月26
日、府中基地から東京都福生市の在日米軍横田基地に移転を完了、
運用を開始した。これで日米空軍の一体的な運用が可能になる。

海上自衛隊と米海軍との一体的な運用は横須賀基地が隣接している
ので、すでにできている。そして、2012年度中には陸上自衛隊の中
央即応集団司令部が在日米陸軍司令部がある神奈川県のキャンプ座
間に移転することになっている。これにより日米同盟が強化される。

この強化の一環で、北マリアナ諸島の米自治領テニアンに自衛隊を
駐留させ、米軍との共同訓練や演習を行うことも決めた。しかし、
日米一体運用になると、中国、ロシアは警戒することになる。

ロシア東部軍管区のドゥロノフ第3空軍・防空司令部司令官は、不
安定な朝鮮半島や領土問題を抱える日本を潜在的な脅威と見なし、
対応できる態勢を準備していると述べている。

中国海軍とロシア海軍が、黄海で22日から29日まで合同軍事演習
「海上協力2012」を行う。日本を威嚇するために、中ロ海軍が艦隊
を組み、対馬海峡を通過するとしていたが、日本やアジア諸国の反
発を警戒して、中国国防省は20日「事実と異なる」と否定したが
、日米一体化に対抗して中ロが同盟強化したような印象を受ける。

しかし、ロシアはどうもそうでもない。中国と南シナ海で領有権を
争うベトナムが、歴史的につながりが深いロシアを“盾”に中国に
対抗している。

ベトナム政府はロシア国営ガス会社と、南シナ海の2鉱区を共同開
発する。潜水艦の乗組員を訓練のためにロシアに送り込み、軍事技
術協力も進めている。中国は共同開発に反発しており、南シナ海へ
のロシアの“進出”で、中国へ対抗している。

ロシアのプーチン次期大統領は、日本との関係も重要視している。
サハリンやシベリアでの天然ガス開発と輸出先として、日本を重要
視せざるを得ない。このように、ロシアは両方にそれぞれ協力して
漁夫の利を得ようとしている。

カンボジアの首都プノンペンでは4月3日、東南アジア諸国連合(
ASEAN)の第20回首脳会議が開幕し10カ国の首脳らが、中
国と領有権を争う南シナ海の行動規範の承認を審議した。親中のカ
ンボジアは、南シナ海行動規範は会議の公式議題には拒否したが、
サミット枠内の非公開な首脳会議で協議された。

中国はこの行動規範に反対している。この行動規範を推進するフィ
リピンと米国は、兵力約7000人を動員し、4月16日から南シナ海の
海上で合同軍事演習「バリカタン」を実施している。バリカタン演
習は4月27日まで続けられる。南シナ海は、中国が領有権を主張し
ている海域で、中国は米比合同軍事演習に鋭く反応している。

このため、この演習と行動規範を推進するフィリピンを軍事的に脅
している。中国紙・環球時報(電子版)は、中国軍事科学研究会副
秘書長の羅援(ルオ・ユエン)少将の寄稿記事を掲載し、中国と南
シナ海の領有権をめぐり対立するフィリピンに対し、「中国は今の
平和な状態に最後のチャンスを与えているだけだ」と軍事的な解決
をする可能性を警告した。

この上に、フィリピン外務省は11日、フィリピンと中国が領有権
を主張する南シナ海・スカボロー礁で、操業中の中国漁船を取り締
まろうとした比海軍の艦船と、これを妨害する中国の海洋調査船が
対峙していると明らかにした。そして、20日、中国最新鋭の漁業
監視船「漁政310」が到着した。このように中比関係は最悪な状
態になっている。

このフィリピンを助けるアメリカは、南シナ海への足がかりがほし
いので、中国のミサイルが届かないオーストラリア領ココス諸島に
米軍の無人偵察機を配備する計画が起きている。目的は南シナ海で
活発化する中国軍の活動の監視だ。

また、米海兵隊のオーストラリア駐留の第1陣約200人が3日夜、北
部特別地域(準州)のダーウィンに到着したように南シナ海への軍
備拡張をしている。このように中国とフィリピンの戦争に備えてい
る。

フィリピンは米国の準備などを背景にアルメンドラス・エネルギー
相は19日、南シナ海などでの石油・天然ガスの探査開発を民間企
業に委託するための国際入札を27日に行うとした。南シナ海に主
権を主張し、入札の中止を求めていた中国が激しく反発するのは確
実だ。

1.ベトナム、インドなどの動き
インドで行われた新興5カ国(BRICS)の首脳会議後、参加国
のインドの識者やメディアから、中国によるBRICS銀行設立で
BRICS支配を警戒する声が上がっている。BRICSで最も強
い経済力を持つのは中国で、ブラジル、ロシア、インド、南アフリ
カにそれほどの資本はない。世界銀行やアジア開発銀行のような
BRICS銀行を作るのは時期尚早だとの意見である。

中国はアジア周辺諸国への圧力を増していると同時に、米国以外の
国に対しても、中国は自国優先的な権益確保を強化している。この
ため、インドなどBRICS諸国も中国に反発している。

このため、米国とインド両国の軍事協力が急展開している。先の両
海軍による第16回軍事演習では岸辺と海上での演習が10日間にわた
って行われ、16日に終了した。中国が海軍を強化していることを背
景に、米印両海軍の協力が進展を見せている。米軍の財政予算削減
による米海軍の規模縮小によって、米国はインドなどの海軍力を特
に重要視するようになった。

2006〜11年末まで米海軍の担当者は、米海軍は少なくとも艦艇315隻
を維持し、将来に備える必要があるとしていたが、米国が発表した
30年軍艦建造年度行進計画では、米艦艇の数は現在の285隻から2015
年には276隻まで減少する。

インド海軍は、米国の海・空中戦理論の補充ととれる。先週インド
でロシア製の原子力潜水艦2隻が就役。インドはさらに海軍型多目的
ヘリコプターをロッキード・マーティン社から購入し、中国潜水艦
に対する対潜作戦能力を大幅に高める計画である。

インドは長距離弾道ミサイル「アグニ5」(射程5000キロ・メ
ートル)の発射実験に19日、成功した。アグニ5は、インドの弾
道ミサイルとして初めて北京や上海を含む中国全土を射程に収めた。

インドの新型の長距離弾道ミサイルの試射に成功した問題で、中国
外務省報道官は21日までに、両国は共に新興国であり、ライバル
ではなく協力相手であると冷静な対応を示した。中国の周辺で中国
の味方が居なくなっている。このため、インドを中国は失いたくな
いようである。

米国防総省と太平洋軍は17日、医療支援をはじめとする人道支援
活動「パシフィック・パートナーシップ」をアジア太平洋の各国と
連携し、5月から実施すると発表した。米国のほか、日本、韓国、
オーストラリア、シンガポールなど12カ国が参加する。

友好国の港湾施設を利用した有事の際の即応体制を構築する意図も
あるもようだ。もちろん、仮想敵国の中国は参加しない。米国は、
徐々に中国包囲網の軍事的な側面での強化を図っている。

また、米越海軍は23日から、ベトナム中部ダナン沖の南シナ海で合
同訓練を実施する。訓練内容は非戦闘訓練と、航法や保守点検など
技術交換が中心であるが、20年前の敵同士が徐々に信頼関係を構
築している。

これらに対して、中国国家海洋局は19日、全国の島の環境保護と
秩序ある開発を促すことなどを目的とした「全国島しょ保護計画」
を公布した。計画では中国が領有権を主張する尖閣諸島(中国名・
釣魚島)に関する記載はないが、領海の基点となる島や国防上の用
途がある島を「特殊用途島しょ」と位置付け、保護に力を入れる方
針を表明。海洋権益確保を図る姿勢を強調している。

中国と米国など民主主義連合国との対立が先鋭化してきている。し
かし、中国に味方する国は徐々に無くなる傾向である。

2.日本とメコン諸国
日本と、タイやベトナムなど東南アジアを流れるメコン川流域5か
国の首脳による「日・メコン首脳会議」が21日、東京で開催され
、メコン川流域5か国のインフラ整備などのために、日本が今後3
年間で約6000億円の政府開発援助(ODA)を行うことなどが
きまった。メコン流域の各国首脳が集まり、集中的な政治交渉がで
きた。

野田首相は、ミャンマーのテイン・セイン大統領と会談し、民主化
を後押しするため、25年ぶりに円借款を再開し、ミャンマーが日
本に対して抱えるおよそ3000億円の債務を免除するとした。

ベトナムのグエン・タン・ズン首相は、中国と東南アジア諸国連合
(ASEAN)の一部加盟国が領有権を争う南シナ海問題について
「この地域の平和安定のため、日本を含めてさまざまな国が協力す
べきだ」と述べ、日本など域外国の積極的な関与を求めた。

というように、親中国であったミャンマーも民主化で日米陣営に参
画して、中国からは距離を置き始めている。日米越の軍事同盟もで
きるような雰囲気になっている。

今、一番の問題は、北朝鮮ミサイル発射を知らせるJアラートの不
発でも明らかなように、韓国との相互防衛協定がないことである。
韓国イージス艦の情報があれば、米国衛星情報と合わせて確度が正
確になり、Jアラート通知ができたはずであるが、韓国のイージス
艦の情報がなく、前回同様な米衛星情報だけでは誤報になることを
恐れたことで、通報が遅れている。

前回の誤報で、どれだけ新聞は政府を批判したかを忘れて、今回は
誤報を恐れずに出せと言う新聞報道にあきれる。

日本の準敵国としていた韓国は、北朝鮮の軍事挑発で韓国軍と日本
の自衛隊との間で軍事情報を共有するために、その前提となる防衛
秘密の保全手続きを定める協定を了解覚書(MOU)の形で結ぶ方
針を固めた。また、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)と物資
などを融通し合う物品役務相互提供協定(ACSA)のMOU締結
に向け、5月中にも締結する見通しである。

北朝鮮のソウルを火の海にするという軍事的な挑発は日韓の関係を
促進してくれたことになる。

3.結論
中国は、第二位の経済大国、第二位の軍事大国になり、世界に号令
できる立場になったと勘違いしているように感じる。周辺諸国は、
中国と比べて非常に小さいので、自国優先的な問題解決が可能と見
ているようである。しかし、インドやBRICS諸国に対しても同
じような振る舞いをしているので、徐々に敵が増えている。

このため、中国はロシアや北朝鮮など、自国と同じような考え方の
反米国としか付き合えないことになる。中国に敵対する国は民主化
するしかないことで、ミャンマーのように米国に着くためには民主
化した国もでてくる。

中国の軍事的な対抗手段としては、米海軍の巨大な艦艇に対しては
、多数の小型で機動力あるミサイル搭載艦艇やボートで奇襲、また
潜水艦による定点ひっそり待ち受け等々が考えている。

戦術は古典的に見えるが、これに最新の衛星通信やネットワークや
ISR能力を組み合わせたハイテクなゲリラ戦法を追求しているよう
に感じられる。これらは「蜂のような数的圧倒戦術」や「雀のよう
な集散離合戦術」とも表現されている。

しかし、小国が大国中国に向かうのも、この戦法しかない。多数の
小国がその機動力を生かして、集中して中国に向かうしかない。こ
のため、その群れを指令する国が必要になり、米国や日本が必要に
なっている。

米国も前線にいる日本が重要になっている。日本は逃げることがで
きない。日米の同盟関係を強固にするしかない。米国も予算削減で
艦艇の数を削減せざるを得ない。このため、日本の海上自衛隊の装
備は重要なことになる。それも一体運用できることで、あたかも自
国軍と同様に動かせることになる。

このようなアジア情勢で、中国は大きな選択をする必要が出てきた。
元外相で知日派として知られる唐家●(=王へんに旋)元国務委員
が22日から8日間の日程と長い日本訪問をする。

この目的は、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の沈静化であろ
う。現時点で、東シナ海、南シナ海の2正面作戦を行なえるが、敵
を多くして、米国や日本の権益をアジアに広げる手伝いを中国はし
ているような感じになっている。

中国は強行的な行動で孤立化している。中国の今後の発展には、そ
れを避けるべきであるが、軍部などが積極的に行っている。その政
治上の中心人物が保守派の薄き来氏であり、周永康である。この2
人が失脚すると、保守派である李長春も活発には動けなくなる。

どうも中国の強行的な行動をそろそろ、修正する政治的なゆり戻し
が起きる可能性を感じる。今までの行動を見ると習近平次期主席も
穏健派のようである。

さあ、どうなりますか?
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日韓が軍事情報を共有へ 5月にも秘密保全の覚書
2012年4月22日1時6分

 韓国国防省は、韓国軍と自衛隊との間で軍事情報を共有するため
に、その前提となる防衛秘密の保全手続きを定める協定を了解覚書
(MOU)の形で結ぶ方針を固めた。金寛鎮(キム・グァンジン)
・国防相が軍事情報包括保護協定(GSOMIA)と物資などを融
通し合う物品役務相互提供協定(ACSA)のMOU締結に向け、
5月中にも訪日する見通しだ。

 日韓関係筋が明らかにした。MOUは正式協定の前段階だが、運
用上の大きな違いはなく、北朝鮮の長距離弾道ミサイルの発射実験
など相次ぐ軍事挑発を背景に、日韓が本格的な防衛協力に踏み出す
ことになる。

 関係筋によると、日韓ともに米国の同盟国ではあるものの、現状
では北朝鮮関連の情報の共有などは一定の範囲に制限されている。
日本側にとっては特に、韓国側が持つ、人の力による北朝鮮関連の
情報(ヒューミント)が共有されるメリットがある。また、ACS
Aが結ばれれば、国連平和維持活動(PKO)の現場などで、日韓
が燃料や食料を提供し合うことが可能になる。
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ミャンマーへの円借款再開の方針
4月21日 19時17分NHK

野田総理大臣は、日本を訪れているミャンマーのテイン・セイン大
統領と会談し、民主化を後押しするため、25年ぶりに円借款を再
開する方針を伝えるとともに、ミャンマーが日本に対して抱えるお
よそ3000億円の債務を免除することで合意しました。

野田総理大臣は、21日午後、東京の迎賓館で、ミャンマーの元首
としては28年ぶりに日本を訪れているテイン・セイン大統領と会
談しました。
会談の冒頭、野田総理大臣は「この1年間、大統領が、民主化、国
民和解、経済改革を精力的に推進されたことに心から敬意を表する
」と述べ、今月、実施された議会補欠選挙など、この1年のミャン
マーの民主化に向けた動きを評価する考えを示しました。
そのうえで、野田総理大臣は「改革の行方を世界が注目している。
日本も改革を後押ししたい」と述べ、民主化を後押しする立場から
、大規模なインフラ整備を可能にするため、ミャンマーに対する円
借款を25年ぶりに再開する方針を伝えました。
そして、これに伴い、未返済の円借款やその利子など、ミャンマー
が日本に対して抱えるおよそ5000億円の債務のうち、1200
億円余りを無条件で免除するとともに、1700億円余りを改革の
継続を条件に1年後に免除することで合意しました。
また、野田総理大臣は、日本側が製作した映像を見せながら、最大
都市ヤンゴン近郊の港湾開発を中心としたヤンゴン都市圏の包括的
な開発計画づくりに、日本が全面的に協力する考えを伝えました。
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南シナ海問題、日本関与を ベトナム首相が会見
2012.4.21 19:04サンケイ

 来日中のベトナムのグエン・タン・ズン首相は21日、都内の日
本記者クラブで記者会見し、中国と東南アジア諸国連合(ASEA
N)の一部加盟国が領有権を争う南シナ海問題について「この地域
の平和安定のため、日本を含めてさまざまな国が協力すべきだ」と
述べ、日本など域外国の積極的な関与を求めた。中国は「領有権を
争う当事国間での解決」を主張しているが、対中国強硬派として、
米国や日本などを含む多国間での解決を目指す姿勢をあらためて強
調した。

 また、ズン首相は、海洋権益拡大を図る中国に対し「大国であり
、国際社会の責任ある一員」として隣国に対して友好的、協力的で
あるよう要求。ベトナムが日本への原発2基発注を決定しているこ
とについて「原発事故を教訓に原発技術を新たな段階に発展させる
と信じている」と指摘した。(共同)
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中国の唐元外相、22日から訪日 尖閣発言への対応注目
2012.4.21 18:46サンケイ

 中国の対日交流団体「中日友好協会」の会長に就任した元外相で
知日派として知られる唐家●(=王へんに旋)元国務委員が22日
から8日間の日程で日本を訪問する。石原慎太郎東京都知事が都に
よる沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)購入方針を表明したこと
で日中関係がぎくしゃくする中、唐氏の対応に注目が集まりそうだ。

 唐氏は3月15日の会長就任後、初の訪日。招待側の日中友好協
会によると、唐氏は22日に大阪入りし、橋下徹大阪市長と会談。
24日に東京に移動、25日には玄葉光一郎外相と会談するほか、
日中友好7団体などの主催の歓迎レセプションに出席。26日には
野田佳彦首相への表敬訪問が予定されている。27日は東日本大震
災の復興のシンボルとしてジャイアントパンダの誘致を進めている
奥山恵美子仙台市長と同市で会談後、札幌市に移動し、29日に帰
国するという。(共同)
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中国、インドは「協力相手」と脅威を否定 新型ミサイルの試射成
功で
2012.04.21 Sat posted at: 16:12 JST
北京(CNN) インドが19日、中国の上海などを新たに射程に
入れる新型の長距離弾道ミサイルの試射に成功した問題で、中国外
務省報道官は21日までに、両国は共に新興国であり、ライバルで
はなく協力相手であると冷静な対応を示した。

両国が共に健全な相互関係を重視して友好的かつ協力的な交流を促
進し、地域の平和と安定に積極的に寄与することを望むとも述べた。

インドが試射に成功したのは射程5000キロのミサイル「アグニ
5」。長さ17.5メートルの3段式で、重さ1.5トンの核弾頭
が搭載可能。試射などを今後重ね、2014年の実戦配備を目指し
ている。
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日・メコン首脳会議 協力強化へ戦略採択
(東京都)4/21 11:49 NEWS24
 日本と、タイやベトナムなど東南アジアを流れるメコン川流域5
か国の首脳による「日・メコン首脳会議」が21日、東京で開催さ
れ、今後の協力強化に向けた「東京戦略2012」が採択された。
 「日・メコン首脳会議」は、09年以来、毎年行われており、今
回が4回目となる。21日に採択された「東京戦略2012」は、
メコン川流域5か国のインフラ整備などのために、日本が今後3年
間で約6000億円の政府開発援助(ODA)を行うことが柱とな
っている。5か国は、日本からの投資額や日本への観光客が伸びて
おり、日本としては、この地域の発展を日本の経済成長につなげた
い考え。
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中国が最新鋭監視船を派遣 比とにらみ合う南シナ海
2012.4.20 23:30サンケイ
 中国とフィリピンが領有権を争い、監視船などのにらみ合いが続
くスカボロー礁(中国名・黄岩島)周辺の南シナ海に20日、中国
当局が派遣した中国最新鋭の漁業監視船「漁政310」が到着した。
国営通信新華社が伝えた。

 漁政310はヘリコプターを搭載でき、沖縄県・尖閣諸島周辺に
派遣されたこともある。中国当局は「中国の領海を守り、中国の漁
業関係者の安全を確保するため」と強調している。(共同)
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中ロ艦隊の対馬海峡通過を否定=合同演習で中国国防省
 【北京時事】中国国防省は20日、中国とロシアの両海軍が22
日から27日まで山東省青島沖の黄海で実施する合同軍事演習で、
両軍の艦隊が対馬海峡を通過するとの一部報道について「事実と異
なる」と否定する談話を発表した。
 ロシアの一部艦艇は15日、ウラジオストクを出航し、対馬海峡
を通過して演習が行われる黄海に向かっている。同省は「中国の艦
艇が21日、青島付近の海域でロシア艦隊を迎える」と述べ、中国
艦艇は対馬海峡を通過しないことを示唆した。(2012/04/20-20:54)
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米越海軍、南シナ海で合同訓練 23日から  :日本経済新聞
2012/4/20 20:45
 米越海軍は23日から、ベトナム中部ダナン沖の南シナ海で合同訓
練を実施する。訓練内容は非戦闘訓練と、航法や保守点検など技術
交換が中心。両国は「友好イベント」としているが、南シナ海での
権益拡大を目指す中国をけん制する狙いがありそうだ。

 訓練には米海軍第7艦隊の旗艦「ブルーリッジ」やミサイル駆逐
艦「チェイフィー」、救難艦「セーフガード」などが参加予定。米
越海軍は昨年7月にもダナン沖合で合同訓練を行い、中国側が「不
適切」と反発した経緯がある。米国はフィリピンとも16日から合同
軍事演習を実施しており、対中けん制を強めている。(ハノイ支局)
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南シナ海にロシアが“進出” 中国にらみベトナムが接近
2012.4.20 20:27サンケイ

 【シンガポール=青木伸行】中国と南シナ海で領有権を争うベト
ナムが、歴史的につながりが深いロシアを“盾”に中国に対抗して
いる。政府はロシア国営ガス会社と、南シナ海の2鉱区を共同開発
する。潜水艦の乗組員を訓練のためにロシアに送り込み、軍事技術
協力も進めている。中国は共同開発に反発しており、南シナ海への
ロシアの“進出”が、微妙な情勢変化をもたらしそうだ。

 共同開発は4月初め、ベトナム国営石油会社ペトロベトナムと、
ロシア国営ガス会社ガスプロムの間で合意された。2鉱区は南シナ
海の大陸棚にあり、総埋蔵量は天然ガス556億立方メートル、原
油2510万トンとみられている。

 ベトナムはすでに、インド国営石油天然ガス公社とカムラン湾沖
の鉱区の共同開発を進めている。これと同様に、ロシアとの新たな
共同開発は、逼迫(ひっぱく)する電力事情に対応するのみならず
、南シナ海の領有権を既成事実化して中国を強く牽制(けんせい)
する動きである。

 現に、共同開発の中止を求める中国に対し、ベトナム外務省報道
官は「ロシアを含む諸外国との天然ガス・原油の共同開発は、ベト
ナム領内でのものであり、国際法にも合致している」と正当化した。

 ベトナムとロシアとの協力は、装備調達や技術協力など軍事面で
も著しい。海洋での覇権を拡大する中国に対処するためキロ級潜水
艦636MVを6隻、ロシアから購入する計画のベトナム政府は今
月17日、国営メディアを通じ、多数の潜水艦乗組員をロシアに派
遣、最新技術の習得と訓練に充てると明らかにした。

 こうした事実をベトナム政府が公表することは極めて異例で、そ
れ自体に中国を牽制する狙いがあるものとみられる。

 また、沖合に南沙(英語名スプラトリー)諸島を望む中部ニャチ
ャンでは、ベトナムとロシアの国防当局者の協議が17〜20日ま
で開かれ、軍事技術協力などを推進することで合意した。

 中国に対抗し、安全保障分野で「全方位政策」を強化しているベ
トナムは、23日から中部ダナンで米海軍との合同軍事演習を実施
、米第7艦隊の旗艦であるUSSブルー・リッジ(揚陸指揮艦)も
参加する。中露も22〜27日、米国などをにらみ、黄海で合同軍
事演習を実施する予定で、それぞれの思惑を秘めた“合従連衡”が
複雑さを増している。
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フィリピン、南シナ海の資源巡り入札へ 中国の反発必至
2012年4月20日7時21分

 フィリピンのアルメンドラス・エネルギー相は19日、南シナ海
などでの石油・天然ガスの探査開発を民間企業に委託するための国
際入札を27日に行うと明らかにした。南シナ海に主権を主張し、
入札の中止を求めていた中国が激しく反発するのは確実だ。

 入札の対象には比パラワン島から約65キロ離れた海域など、南
シナ海の4区画が含まれる。膨大な石油、ガス資源が眠るとされ、
昨年、比の資源探査船の活動が中国海軍の艦船に妨害されたリード
礁に近い海域とみられる。7月には、さらに南シナ海の3区画の入
札を予定しているという。

 アルメンドラス氏は「比の領海であり、軍も十分、防備を固める
」と入札参加を呼びかけるが、中国は「中国の領海での無許可の開
発は違法だ」と中止を要求している。(マニラ=四倉幹木)
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「島しょ保護計画」を公布 中国国家海洋局
2012.4.19 23:17
 中国国家海洋局は19日、全国の島の環境保護と秩序ある開発を
促すことなどを目的とした「全国島しょ保護計画」を公布した。

 計画では中国が領有権を主張する尖閣諸島(中国名・釣魚島)に
関する記載はないが、領海の基点となる島や国防上の用途がある島
を「特殊用途島しょ」と位置付け、保護に力を入れる方針を表明。
海洋権益確保を図る姿勢を強調している。

 ベトナムと領有権を争う南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島
については「積極的かつ穏当に旅行産業に開放」するとし、将来的
に観光客を入れることで主権の確保を目指したいとの意図もうかが
わせた。(共同)
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中国全土を射程、印が長距離ミサイル実験成功

 【ニューデリー=新居益】インドは長距離弾道ミサイル「アグニ
5」(射程5000キロ・メートル)の発射実験に19日、成功し
たことが、潜在的脅威とみなす中国に対する抑止力を増強させると
同時に国際社会での発言力強化につながることを期待している。

 アグニ5は、インドの弾道ミサイルとして初めて北京や上海を含
む中国全土を射程に収めた。開発責任者のビジャイ・サラスワト氏
は19日、2年以内に実戦配備すると見通しを示した。

 1974年に初の核実験を成功させたインドは83年から弾道ミ
サイル開発を本格化させた。89年にパキスタンを念頭に「アグニ
1」(射程700キロ・メートル)の実験に、昨年11月には中国
の一部を射程に収める「アグニ4」(射程3500キロ・メートル
)の実験に成功していた。

(2012年4月19日18時34分 読売新聞)
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自衛隊、米テニアンに駐留=南西諸島防衛で共同演習−政府検討
 政府は18日、北マリアナ諸島の米自治領テニアンに自衛隊を駐
留させ、米軍との共同訓練や演習を行う方向で検討に入った。朝鮮
半島情勢の緊迫化や海洋進出を進める中国の動きを念頭に、南西諸
島の防衛強化が目的。今月下旬に発表する予定の在日米軍再編見直
しの中間報告に盛り込む方向で、米側と調整する。
 テニアンは、米太平洋軍の主要拠点であるグアムに近い。現在、
陸上自衛隊の西部方面普通科連隊(長崎県佐世保市)が年1回、米
海兵隊とサンディエゴで共同訓練を行っている。テニアンに拠点を
持てば、南西諸島防衛に共同対処する米第3海兵遠征軍(沖縄県う
るま市)との訓練が可能になる。駐留に伴い、日本側はテニアンに
ある米軍基地・施設の整備費を一部負担することも検討する。 
 自衛隊の海外駐留は、ソマリア沖の海賊対策のためのアフリカ東
部ジブチの部隊のみだ。政府は駐留目的を訓練や演習に限定するこ
とで、憲法が禁じる海外での武力行使には当たらないとの立場だが
、自衛隊をなし崩し的に海外に派遣することにつながるとの批判が
出る可能性もある。(2012/04/18-13:43) 
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米主催のアジア人道支援=日韓豪も参加、中国けん制も
 【ワシントン時事】米国防総省と太平洋軍は17日、医療支援を
はじめとする人道支援活動「パシフィック・パートナーシップ」を
アジア太平洋の各国と連携し、5月から実施すると発表した。米国
のほか、日本、韓国、オーストラリア、シンガポールなど12カ国
が参加する。この活動は今年で7回目。
 米軍は「パシフィック・パートナーシップ」を通じて各国との関
係を強化し、東シナ海や南シナ海などで動きを活発化させる中国を
けん制する狙いもあるとみられる。友好国の港湾施設を利用した有
事の際の即応体制を構築する意図もあるもようだ。 
 米海軍は病院船「マーシー」を5月1日から4カ月にわたりアジ
ア太平洋地域に展開させる。マーシーは、インドネシア、フィリピ
ン、ベトナム、カンボジアに寄港し、住民の診療などの医療支援活
動を実施。日本もフィリピンとベトナムに海上自衛隊の輸送艦を派
遣し、マーシーと合流させる。(2012/04/18-10:12)
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中国の海軍強化を背景に、米国とインド両海軍の協力が進展
2012/04/18(水) 09:58サーチナ 

  米国とインド両国の軍事協力が急展開している。先の両海軍に
よる第16回軍事演習では岸辺と海上での演習が10日間にわたって行
われ、16日に終了した。中国網日本語版(チャイナネット)が報じ
た。

  中国が海軍を強化していることを背景に、米印両海軍の協力が
進展を見せている。米軍の財政予算削減による米海軍の規模縮小に
よって、米国はインドなどの海軍力を特に重要視するようになった。

  2006〜11年末まで米海軍の担当者は、米海軍は少なくとも艦艇
315隻を維持し、将来に備える必要があるとしていたが、米国が3月
に発表した30年軍艦建造年度行進計画では、米艦艇の数は現在の285
隻から2015年には276隻まで減少するが、その後は次第に増え、2030
年代にピークに達し、307隻を保有すると見通しを示している。

  同報告は中国の不安をかき立てるが、インド海軍が米国のよき
パートナーであることは変わらない。両海軍は空母を中心とする遠
洋海軍を擁し、インド海空軍は12年2月にネットワークを中心とする
合同演習を行ったが、これはある意味、米国の海・空中戦理論の補
充ととれる。先週インドでロシア製の原子力潜水艦2隻が就役。イン
ドはさらに海軍型多目的ヘリコプターをロッキード・マーティン社
から購入し、対潜作戦能力を大幅に高める計画だ。
(編集担当:米原裕子)
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米比合同軍事演習に中ロが対抗
米比の「バリカタン」演習に対抗、中国・ロシアが「海上協力2012
」演習実施へ
2012/04/18 09:12 

 米国・フィリピンに続き、中国・ロシアがアジア海域で大規模な
合同軍事演習を実施することを決め、緊張が高まっている。

 米国とフィリピンは、兵力約7000人を動員し、今月16日から南シ
ナ海の海上で合同軍事演習「バリカタン」を実施している。バリカ
タン演習は27日まで続けられる。南シナ海は、中国が領有権を主張
している海域で、中国は米比合同軍事演習に鋭く反応している。中
国とロシアは、22日から29日まで西海(黄海)で、両国の兵力計1万
人以上が参加する合同海上演習を行う予定だ。中ロが西太平洋方面
でこうした大規模な合同演習を行うのは、2005年以来7年ぶりのこと
だ。

 中ロが合同で行う「海上協力2012」演習には、中国の北海艦隊、
ロシアの太平洋艦隊に所属する軍艦約20隻が参加する。ロシア太平
洋艦隊所属の巡洋艦・駆逐艦など6隻は、15日にウラジオストクを出
発し、対馬海峡を経由して22日に青島の中国・北海艦隊総司令部に
到着する予定だ。両国は、防空・対潜訓練、制空・制海権確保訓練
、海賊掃討訓練などの実施を計画している。

 演習を実施する国々は、いずれも「特定国を狙ったものではない
」という立場を表明している。しかし「アジア回帰」を宣言した米
国、海洋大国建設に乗り出した中国、アジアでの影響力拡大を図る
ロシアが参加する今回の演習は、アジア地域をめぐって米中ロ3カ国
の神経戦が加速する契機になるだろう、と専門家らは見ている。

 バリカタン演習について、オーストラリア国立大学のジョン・ブ
ラックスランド教授は「米国は、アジア地域での役割について真剣
な立場を見せると同時に、助けが必要な国は支援すると断言するメ
ッセージを伝えている」と語った。

 一方、マカオの軍事評論家、黄東氏は「中ロの演習は、米国のア
ジア・太平洋地域回帰戦略に反応したものであり、中ロ両国が手を
携え、この地域の戦略的利益を守ろうという意志を示している」と
語った。

金承範(キム・スンボム)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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中ロ連合艦隊が対馬海峡を通過…黄海で最大規模の合同軍事演習
2012/04/17(火) 10:34サーチナ 

  黄海における22日から29日までの合同軍事演習「海上協力2012
」に参加するため、中国とロシア海軍が艦隊を組み、対馬海峡を通
過する。チャイナネット、中国新聞社など中国の各メディアが伝え
た。海上協力2012」は中ロの合同軍事演習として、過去最大規模と
いう。

  ロシア太平洋艦隊の大型対潜艦4隻などが、中国海軍軍艦と艦隊
を組み、20隻以上で対馬海峡を通過する。ロシア艦隊はアデン湾か
らも、大型対潜艦1隻などを派遣する。

  ロシア海軍からはヘリコプター4機や海軍陸戦隊も参加する。ロ
シア太平洋艦隊の所属艦は15日、ウラジオストク近くのストレロク
湾を出港した。中国海軍は「中華神盾」級、「現代」級ミサイル駆
逐艦などを参加させる。

  中国艦隊はまず対馬海峡を北上してロシア沖合でロシア艦隊と
合流。その後、中ロ軍艦が編隊を組んで対馬海峡を南下。演習終了
後にはロシア艦隊が単独で対馬海上を北上して帰還する。中ロの艦
隊は計3回、対馬海峡を通過することになる。

  中ロは2005年から合同軍事演習を行っているが、「海上協力2012
」は参加兵員1万人以上で、過去最大規模になるとみられる。
(編集担当:如月隼人)
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比・中の艦船、領有権巡り南シナ海でにらみ合い

 【マニラ=石崎伸生】フィリピン外務省は11日、フィリピンと
中国が領有権を主張する南シナ海・スカボロー礁で、操業中の中国
漁船を取り締まろうとした比海軍の艦船と、これを妨害する中国の
海洋調査船が対峙していると明らかにした。

 デルロサリオ外相は同日、在比中国大使を外務省に呼び出し、抗
議したが、事態収束のめどは立っていない。

 比外務省によると、比海軍の偵察機が8日、ルソン島西約230
キロにあるスカボロー礁に停泊する中国漁船8隻を発見し、海軍艦
船を現場に急派。同艦乗員が10日に中国漁船に乗り込み、検査し
た結果、フィリピンでは禁止されているサンゴなどが見つかった。
これに対し中国からは海洋調査船2隻が同日、同礁に到着し比艦船
と中国漁船の間に割ってはいる形で停泊し、フィリピン側の捜査を
妨害、双方がにらみ合っている。

(2012年4月11日19時39分 読売新聞)
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フィリピンに告ぐ、中国は「平和」に最後のチャンスを与えている
だけだ―中国紙
2012年04月11日11時27分
提供:Record China

2012年4月9日、中国紙・環球時報(電子版)は、中国軍事科学研究
会副秘書長の羅援(ルオ・ユエン)少将の寄稿記事を掲載した。中
国と南シナ海の領有権をめぐり対立するフィリピンに対し、「中国
は今の平和な状態に最後のチャンスを与えているだけだ」と警告し
ている。以下はその概略。

最近、フィリピンが頻繁に演習を行うようになった。またしても米
国の虎の威を借り、ASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議を主導し
て、大勢で中国を袋叩きにするつもりなのだろう。フィリピンがこ
れほどわがもの顔に振る舞う目的は▽南シナ海の天然ガスを強奪し
たい▽米国のアジア回帰の手先となり、米国の機嫌を取りたい▽ナ
ショナリズムをあおり、国民の目を国内のゴタゴタからそらしたい
▽中国と南シナ海の領有権を争っている国々との仲を引き裂き、ASE
ANの主導権を握ろうという分不相応の野望を抱いている、の4つに分
けられるだろう。

だが、残念ながらフィリピンは大きく勘違いしている。米国が世界
第2の経済大国である中国といざこざを起こす勇気があると思ってい
るのか。フィリピンにとっても中国は米国、日本に次ぐ第3の貿易相
手国だ。アキノ3世の支持率も低下していると日本メディアが報じて
いる。経済政策に対する不満が高じているようだが、中国を敵に回
せば、その経済的損失は計り知れない。国民に豊かな生活を提供で
きなければ、どうなるのかは分かっているはずだ。

フィリピンは、中国が最大の我慢と誠意で今の平和な状態に最後の
チャンスを与えていることに気付いていない。中国の善意を単なる
「弱腰」だと勘違いしている。フィリピンの政治家たちは分かって
いるはずだ。国力でも軍事力でもフィリピンは中国の足元にも及ば
ない。中国にどんなに刃向おうとも、それは卵が石に体当たりする
ようなものだ。

良いことをしても、悪いことをしても、必ずその報いがある。今す
ぐでなくとも、時期が来れば必ず相応の報いを受けることになる。
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南シナ海の行動規範は誕生するか?
3.04.2012, 20:30ロシアの声

 カンボジアの首都プノンペンでは3日、東南アジア諸国連合(A
SEAN)の第20回首脳会議が開幕した。
 2日間の日程で開かれる会議では、10カ国の首脳らがミャンマ
ーで実施されている改革、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のミ
サイルプログラム、ASEAN内の紛争調整に関する対策などにつ
いて協議するほか、中国と領有権を争う南シナ海の行動規範の承認
も会議の重要なテーマの一つとなる。  

 今回のサミットで議長国を務めるカンボジアは、南シナ海問題を
会議の公式議題に含めることを拒否した。だがフィリピンが提案し
た行動規範は、サミットの枠内で非公開で開かれる首脳会議で協議
される。  

 首脳会議の前にプノンペンで開催されたASEAN外相会議では
、2012年末までにASEANと中国によって行動規範に署名が
なされることへの期待が表明された。モスクワ国際関係大学付属ア
セアンセンターのスムスキー所長は、その確立は低いとの見解を示
し、次のように語っている。

「問題は非常に複雑だ。全ては中国がASEANとの署名に関する
自国の立場を変えるかに左右される。中国は、南シナ海を巡る論争
は2カ国関係の問題であり、その解決は領有権を主張する国々と個
別に行われなければならないと考えている。だが南シナ海を巡る論
争は、地域の安全保障に関する問題であるため、ASEANの全加
盟国に関係している。フィリピンは最近、この問題に関するASE
AN全体の立場を定めるためにさらに努力している。フィリピンは
中国との2カ国協議に1国で臨むには十分ではないと考えている。」  

 ASEAN加盟国は、行動規範案についてまずASEAN内部で
合意した後、中国に提示する考えだ。このような立場を特に支持し
ているのは中国との領有権論争を抱えているベトナム、フィリピン
、ブルネイだ。他の国々は中国の見解を聞き、それを行動規範の作
成に考慮する必要があると考えている。そのような国は南シナ海の
島々を巡る領有権争いに直接参加しておらず、中国と緊密な関係を
持つミャンマー、ラオス、タイ、カンボジアだ。  

 そのほか南シナ海には米国という重要なプレーヤーもいる。AS
EAN諸国は、地域の安全保障および自国の利益を守るために中国
と米国という2つの大国の間でバランスを取らなければならない。
南シナ海の行動規範が近いうちに誕生する望みは少ない。 
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米海兵隊、豪への駐留開始 中国にらみ太平洋で軍再編
更新2012年04月03日 12:51米国東部時間

 米軍がアジア太平洋地域で進める再編の一環として、オバマ大統
領が昨年11月に発表した米海兵隊のオーストラリア駐留の第1陣約
200人が3日夜、北部特別地域(準州)のダーウィンに到着した。オ
ーストラリア政府が発表した。

 米側は今後、現地で乾期が始まる4月ごろから半年間を目安に毎年
部隊を派遣。今後4、5年で2500人規模まで段階的に増員し、同盟国
のオーストラリアとともに、南シナ海などで軍事活動を活発化させ
る中国ににらみを利かせる。

 米軍は在沖縄海兵隊の一部移転をめぐり、米ハワイやダーウィン
などアジア太平洋地域の基地を巡回する形で駐留させる方式を検討
中。オーストラリア政府によると、第1陣は海兵隊の歩兵中隊で、ダ
ーウィンの基地を拠点に、北部特別地域の演習場などでオーストラ
リア軍などと一緒に訓練を実施する。(共同) 
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中国の「BRICS支配」 インドで警戒の声
2012.4.1 01:22 サンケイ
 【ニューデリー=岩田智雄】インドの首都ニューデリーで行われ
た新興5カ国(BRICS)の首脳会議後、参加国のインドの識者
やメディアから、中国によるBRICS支配を警戒する声が上がっ
ている。

 会議で合意された「BRICS銀行」の設立へ向けた準備は、期
待されたほどの成果はみられなかった。

 「BRICSで最も強い経済力を持つのは中国だ。ブラジル、ロ
シア、インド、南アフリカにそれほどの資本はない。世界銀行やア
ジア開発銀行のような組織を作るのは時期尚早だ」

 インドのシンクタンク、中国研究所のアルカ・アチャリャ研究員
は、産経新聞の取材にこう語った。

 3月29日の首脳会議前、各国は世銀に対抗するBRICS銀行
の設立に向け協議を重ねてきた。しかし、問題を検討し次期首脳会
議に報告する作業部会の立ち上げの合意がやっとで、事実上の協議
先送りだった。

 中国の国内総生産(GDP)が、世界全体に占める割合は9・3
%。BRICS5カ国全体の18・2%の半分強で、突出している。

 インドの元外交官はインド紙ヒンドゥスタン・タイムズに、「B
RICS銀行のような存在には注意が必要だ」と話す。世銀をモデ
ルにすれば、総務会の投票権は加盟国拠出金に従い割り振られ、中
国が最大の発言力を持ち、総裁も中国から選ばれるのが確実だから
だ。同紙は「BRICSはいずれ中国のおもちゃにされかねない」
と指摘する。

 BRICSは「団結」より「分断」が目立っている。世銀の次期
総裁には統一候補を立てることができず、インドやブラジルの国連
安保理常任理事国入りにも中国は首を縦に振っていない。ニューデ
リーでは首脳会議前、チベット人男性が中国の胡錦濤国家主席の訪
印に抗議し焼身自殺したほか、連日デモも起きた。

 ただし中国は、BRICSをてこに、改めて存在感を高められた
ことを評価している。中国外務省高官はタイムズ・オブ・インディ
ア紙に、「BRICSは財政、貿易、開発に焦点を絞っているが、
まだ発展途上だ」と述べ、首脳会議で採択されたデリー宣言に、イ
ラン核問題を外交と対話で解決することを求めるなど政治的内容を
盛り込んだ意義を強調した。 
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「朝鮮半島と日本は潜在脅威」 ロシア東部軍管区幹部
2012.3.31 20:57サンケイ

 ロシア東部軍管区のドゥロノフ第3空軍・防空司令部司令官は、
ラジオ局「モスクワのこだま」(電子版)が30日に公開したイン
タビューで、不安定な朝鮮半島や領土問題を抱える日本を潜在的な
脅威と見なし、対応できる態勢を準備していると述べた。

 ドゥロノフ司令官は「われわれは、敵ではなくても、少なくとも
潜在的な敵や非同盟国に周りを囲まれている」と発言。さらに「朝
鮮半島の不安定な情勢は監視している。日本とは領土問題があり、
こうした脅威などにはふさわしい対応が迫られる」と語った。

 また、ロシア空軍の爆撃機などが日本周辺空域の飛行を繰り返し
てきたことに関連し「全ての飛行には国際的な義務の履行が条件付
けられている」とし、領空侵犯などの国際法違反に当たらないとの
考えを示した。(共同)
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米偵察機、オーストラリアから中国監視か
Australia May Let US Use Cocos Islands
南シナ海への足がかりがほしいアメリカと、最大の貿易相手国、中
国の挟間で悩む豪政府
2012年03月29日(木)18時21分newsweek
フレア・ピーターセン

 インド洋に浮かぶココス諸島は、オーストラリアとスリランカの
ほぼ中間に浮かぶ美しい島々。この地を領有するオーストラリアに
とっては、重要な戦略的拠点でもある。ここに、米軍の無人偵察機
を配備する計画が浮上した。目的は、南シナ海で活発化する中国軍
の活動だ。

 ワシントン・ポスト紙によれば、アメリカのこの要望をオースト
ラリアも受け入れる可能性があるという。

 アメリカがココス諸島の利用を希望するのは、インド洋のディエ
ゴガルシア米軍基地が手狭になったためとみられる。ココス諸島に
空軍基地を置くことができれば、高空飛行の無人偵察機「グローバ
ルホーク」を飛ばすための理想的な拠点となる。

 オーストラリアとアメリカは強力な同盟国であり、昨年11月にバ
ラク・オバマ米大統領がキャンベラを訪れた際には、両国はアジア
太平洋地域での防衛協力を強化する方向で合意した。

 だがそれと同時に中国は、オーストラリアにとって最大の貿易相
手国。これまでも中国側を刺激しないように細心の注意を払ってき
た。

 それでもジュリア・ギラード豪首相は、ココス諸島についてアメ
リカと協議していることを否定しなかった。

 スティーブン・スミス豪国防相は、ココス諸島の活用案について
「長い目で見れば可能性はある」と語る一方、今のところ協議は行
われておらず、「オーストラリアが先走りをすべきではない」と釘
を刺した。

 また無人偵察機を飛ばすためには、島の空港の滑走路を改良する
必要があるとも指摘。「まず十分なインフラ整備が必要であること
は、アメリカ側とも合意している」

 アメリカ政府はまた、豪西部のHMASスターリング海軍基地に
空母や原潜を寄港させることも考えているという。中国の脅威に対
応して軍事力を豪南西部から北東部へシフトする動きの一環とみら
れる。

 インド洋に浮かぶココス諸島は、オーストラリアとスリランカの
ほぼ中間に浮かぶ美しい島々。この地を領有するオーストラリアに
とっては、重要な戦略的拠点でもある。ここに、米軍の無人偵察機
を配備する計画が浮上した。目的は、南シナ海で活発化する中国軍
の活動だ。
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総隊司令部 横田移転を完了 
「同盟のシンボル」 日米共催で"同居"祝う
2012年3月29日朝雲ニュース

 空自航空総隊司令部(司令官・齊藤治和空将)と関連部隊が3月
26日、府中基地から東京都福生市の在日米軍横田基地に移転を完
了、運用を開始した。平成18年5月の日米安全保障協議委員会(
2プラス2)の合意に基づくもので、空自は同年12月に調査工事
を開始。昨年3月末に移転完了の予定だったが、東日本大震災の影
響などで今年度末にずれ込んだ。
 26日午前、米空軍374輸送航空団司令部の隣に建設された総
隊司令部新庁舎前で日米共催の運用開始行事が行われ、片岡空幕長
、齊藤総隊司令官、フィールド在日米軍司令官兼第5空軍司令官、
ナイト374輸送航空団司令官ら日米関係者約40人が出席した。
 日米の音楽隊員が両国国歌をそれぞれ独唱後、主催者を代表して
ナイト司令官が「総隊司令部を新たなチームの一員として横田に迎
えられるのは大変な名誉」、日吉章夫防空指揮群司令が「日米同盟
強化という移転の意義を忘れず、横田基地の一員として任務にまい
進する」と述べた。
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東京郊外より
米軍事大学教授吉原さんの見解
中国海軍のゲリラ戦指向
●最近では中国軍の軍事教範や論文のほか、中国語の一般書籍もが
比較的入手しやすくなってきており、多くの人材がその分析に当た
っている。
●一般には中国海軍の最近の話題は空母であるが、中国軍の文献等
によれば、彼らは自身の実力や米軍との差をよく認識しており、地
上部隊のゲリラ戦や過去の中国海戦から学んだ戦術こそ中国海軍の
本領と考えている模様

●つまり巨大な艦艇に対しては、多数の小型で機動力あるミサイル
搭載艦艇やボートで奇襲、また潜水艦による定点ひっそり待ち受け
等々が考えられている。
●戦術は古典的に見えるが、これに最新の衛星通信やネットワーク
やISR能力を組み合わせたハイテクなゲリラ戦法を追求しているよう
に感じられる。これらは「蜂のような数的圧倒戦術」や「雀のよう
な集散離合戦術」とも表現されている。

中国空母の位置づけ
●この評価は難しい。確かに攻撃を受けやすく経費も掛かるが、経
済的に余裕のある現時点では、平時における圧倒的なプレゼンスや
威圧力を南シナ海等で発揮することを考えているのではないか。
●別の観点であるが、あまりに存在がシンボリックなため、仮に中
国空母に攻撃を仕掛けるとそれは紛争や小競り合いを一気にエスカ
レーションさせることを意味する。経済的に相互依存が高まってい
る現代では、相手国にとってこの一線を越える判断は極めて難しと
思う。

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