4319.北朝鮮のミサイル発射失敗



北朝鮮は、世界から報道陣を呼び入れて、ロケット発射を公開にす
るはずであったが、13日朝の発射を公開しなかった。多くの報道
関係を北朝鮮に入れたことで、嘘の報道も出来ずに、朝鮮中央通信
は13日、「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイルの打ち上げに
ついて、「衛星を軌道にのせることに失敗した」と認めた。

長距離弾道ミサイルは、1段目と2段目の切り離し前後ぐらいに数
個にバラバラになったと推測されている。宇宙開発の関係者は、燃
料が漏れて爆発した可能性などを指摘している。

米軍は早期警戒衛星や海上配備のレーダー網などで、長距離弾道ミ
サイル発射を即座に探知。米当局者はメディアを通じ、いち早く「
失敗」との見方を伝えた。

ミサイルは発射から約90秒間飛行したが、高度約120キロ付近
で爆発して三つに分解、ミサイルの残骸は韓国西部、群山の西方
190〜210キロの黄海に落ちた。

イージス艦「世宗大王」を展開していた韓国は、破片が黄海に落ち
たとの情報で、ミサイルの残骸を回収する方針で、落下位置の確認
を急いでいる。

この辺りの海域は黄海の概ね100m以下の水深の場所で、残骸の回収
は比較的容易な地域である。残骸の回収を米韓中朝の4ケ国が早い
もの競争を行う。

しかし、北朝鮮は、落下した残骸を海中などから回収することにつ
いても「即時に無慈悲な攻撃で断固懲罰する」と威嚇している。ま
た、北朝鮮の「サンオ(サメ)級」(370トン級)と推定される
小型潜水艦3〜4隻がいないことが分かっている。

また、本来なら北朝鮮は国内平穏化のために、たとえ失敗でも成功
と言う事が多いが、今回は失敗を認めた。この失敗を認めたことで
国内動揺はどうなるのかという問題がありそうだ。

北朝鮮の朝鮮労働党代表者会は11日、金正恩(キム・ジョンウン
)氏が党第一書記に選出したが、まだ金正日総書記の遺功で支えら
れている状況であり、祝砲も失敗したとなると、金正恩の業績がで
きないことになる。いつまで遺功が効くかが問題視されることにな
る。

さあ、どうなりますか?
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北朝鮮が失敗と認める 科学者らが原因究明
2012.4.13 12:12

 ロイター通信によると、朝鮮中央通信は13日、「人工衛星」と
称する長距離弾道ミサイルの打ち上げについて、「衛星を軌道にの
せることに失敗した」と認めた。科学者らが原因を究明していると
いう。
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「初歩的な技術レベルの失敗だ」 宇宙開発の専門家
2012.4.13 11:27
 北朝鮮が失敗した長距離弾道ミサイルは、飛行中に数個にバラバ
ラになったと推測されている。宇宙開発の関係者は、燃料が漏れて
爆発した可能性などを指摘。「初歩的な技術レベルの失敗だ」とみ
ている。

 ミサイルは1分以上飛行。ロケット開発に詳しい未来工学研究所
の稗田浩雄理事(宇宙政策)はトラブルが起きたのは「1段目と2
段目の切り離し前後ぐらいではないか」とみる。燃料漏れのほか、
エンジンや、飛行を制御する電気系統のトラブルなどが考えられる
という。1段目エンジンの燃焼中にトラブルがあった可能性を指摘
する別の専門家も。一方、エンジンの向きの制御ミスなどで予定す
る飛行経路をそれ、地上からの指令で爆破された可能性も残る。

 北朝鮮は悪天候を理由に12日の発射を見送っていたが、稗田氏
は「(見送りの原因が)トラブルだったとしたら、関係した可能性
も考えられる」と話した。
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90秒飛行、3つに分解 米軍、いち早く探知
2012.4.13 11:02サンケイ
 米軍は早期警戒衛星や海上配備のレーダー網などで、人工衛星と
称する北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射を即座に探知。米当局者は
メディアを通じ、いち早く「失敗」との見方を伝えた。

 米国や韓国メディアなどによると、ミサイルは発射から約90秒
間飛行したが、高度約120キロ付近で爆発して三つに分解、ミサ
イルの残骸は韓国西部、群山の西方190〜210キロの黄海に落
ちた。

 米国防総省当局者はABCテレビに、爆発したのはミサイルの第
2段が点火するタイミングだったと指摘。明るい光を放ったと語っ
た。

 米国は日本や韓国と連携、得られた情報を関係国に直ちに伝達し
た。(共同)
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ミサイル発射、黄海緊張=韓国軍、残骸回収へ
 【ソウル時事】北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射した13日、
韓国軍はミサイル1段目が落下する見通しだった黄海に、海上配備
型迎撃ミサイル(SM2)を搭載したイージス艦「世宗大王」を展
開するなど、不測の事態に備えた迎撃態勢を取り、緊張に包まれた。
 ミサイル発射が失敗に終わり、破片が黄海に落ちたとの情報があ
るが、これまでに被害は確認されていない。韓国軍は、ミサイルの
残骸を回収する方針で、落下位置の確認を急いでいる。
(2012/04/13-09:35)
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fj197099:
群山沖190〜210kmとはほぼ予測されたミサイルの進路上にあるが、
この辺りの海域は黄海の概ね100m以下の水深の場所で、残骸の回収
は比較的容易な地域である。米韓としては今回のミサイル発射の失
敗は理想的な展開になったといえよう。ただ回収作業への北朝鮮と
中国の妨害がやや心配である。

小川和久:
北朝鮮ミサイル失敗。1)南向けコースで平和目的と技術力向上を
強調する目的も、液体燃料増量でバランスを崩して大気圏内を迷走
。ミサイル本体の強度不足で分解した可能性も。2)金正恩体制の
躓きの始まりになる可能性は要警戒。3)Jアラート鳴らず。北朝鮮
を笑えない日本の危機管理システム。
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北朝鮮ミサイルは“死の燃料”で飛ぶ!日本落下なら大惨事
2012.04.11ZAKZAK

 人工衛星と称する長距離弾道ミサイルの打ち上げ準備を完了した
という北朝鮮。新指導者の金正恩氏が11日に朝鮮労働党トップの
総書記に就任する可能性が高く、その“祝砲”として早ければ12
日にも発射される。専門家によると、ミサイルに使用されるエンジ
ン推進剤は、触れると大やけど、致死量はわずか0・1ミリグラム
といわれる「死の燃料」。日本国内に落下した場合、無防備な一般
人が巻き添えになってしまうのか。

 複数の関係者によると、北はミサイルの燃料に液体の「ジメチル
ヒドラジン」を使用するとみられる。現在、世界各国のロケット燃
料はより安全な液体水素と液体酸素へ移行したものの、「管理が難
しく、北朝鮮が独自の技術を得ているとの情報はない」(外交筋)。
2009年のミサイル発射でもヒドラジンが用いられたという。北
は旧ソ連で主流だった「昔の燃料」を採用せざるを得なかったよう
だ。

 どのような物質か。軍事ジャーナリストの世良光弘氏が解説する。

 「ロケット開発の初期段階だった60〜70年代によく使われて
いた。液体酸素に比べて取り扱いが簡単で、ロケットの燃料タンク
に入れておいても1カ月ほど使える。(北は)コスト面でもやりや
すいのだろう」

 恐ろしいのは人体への影響だ。アンモニア臭がする無色透明の液
体で、空気に触れるとすぐ発煙するほど燃焼力が高い。日本では法
律で厳重な管理が求められる「劇物」に指定されている。

 「体に付着すると熱を持っていなくても皮膚がただれ、大やけど
のような状態になる。ガスの状態で吸い込むと肺水腫を発症する危
険があり、発がん性も指摘されている」と世良氏。肺水腫は肺に水
がたまり、呼吸不全に陥ってしまう病気だ。そのため、0・1ミリ
グラム吸い込んだだけで死に至るともいわれる。
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金正恩氏を党第一書記に選出 正日氏は「永遠の総書記」
2012年4月11日17時42分

 北朝鮮の朝鮮労働党代表者会が11日、平壌で開かれ、昨年12
月に死去した金正日(キム・ジョンイル)総書記を「永遠の総書記
」として永遠に高くあがめることを決定した。後継者の金正恩(キ
ム・ジョンウン)氏が党第一書記に選出された。故金日成(キム・
イルソン)主席から続く権力の「三代世襲」が名実ともに実現した
ことになる。
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北朝鮮、ミサイル燃料注入開始 通信社報道
2012年4月11日13時21分

 北朝鮮の宇宙開発当局者は11日、「人工衛星打ち上げ」として
北西部の平安北道(ピョンアンブクト)・東倉里(トンチャンリ)
の「西海衛星発射場」で発射準備をしている長距離弾道ミサイルに
燃料を注入中であることを明らかにした。ロイター通信などが平壌
発で伝えた。

 同通信によると、衛星管制総合指揮所の責任者が外国の記者団に
対し、「燃料を注入している。しかるべき時に完了する」と述べた
。発射の時期については「ふさわしいタイミングで打ち上げる。そ
れは上の方が決める」とした。

 北朝鮮は12日から16日の間の発射を予告し、10日中に「衛
星の搭載」を含むすべての組み立て作業が終わるとしていた。燃料
の注入が終わればすべての準備が整うとみられる。韓国国防省関係
者は、注入が始まれば「1〜2日で終わる」とみている。
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ミサイル「迎撃は戦争」と北、断固懲罰と威嚇

 【ソウル=中川孝之】朝鮮中央通信によると、北朝鮮の対韓国窓
口機関・祖国平和統一委員会の報道官は5日、北朝鮮が人工衛星打
ち上げだとして発射を予告した長距離弾道ミサイルの迎撃準備を日
韓などが進めていることについて、「平和的衛星を迎撃することは
戦争行為だ。恐ろしい破滅的な悪影響を招く」との談話を発表した。

 報道官談話は、ミサイルの迎撃だけでなく、落下した残骸を海中
などから回収することについても「即時に無慈悲な攻撃で断固懲罰
する」と威嚇している。

(2012年4月5日22時23分 読売新聞)
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北朝鮮潜水艦が姿消す 韓国、奇襲攻撃を警戒
2012.4.5 11:13サンケイ

 5日付の韓国紙、東亜日報は、北朝鮮の「サンオ(サメ)級」(
370トン級)と推定される小型潜水艦3〜4隻が最近、同国東部
の日本海側にある軍基地を出港した後、韓国軍の監視網から姿を消
したと報じた。韓国の軍事筋などの話として伝えた。

 同紙によると、韓国軍当局は、北朝鮮が12〜16日に長距離弾
道ミサイル発射実験とみられる「衛星」打ち上げを予告する一方で
韓国非難を強めているため、韓国軍の艦艇や基地への奇襲攻撃が行
われる恐れもあるとみて警戒している。

 北朝鮮は最近、潜水艦を韓国側に侵入させる訓練を活発に実施し
ているもようで、姿を消した小型潜水艦は日本海側にある2カ所の
基地から出港した。北朝鮮の潜水艦の約80%は日本海側に配置さ
れているという。(共同)

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