4303.政策決定の技術(思考の技術)



国民や反対派を論理的に説得することができないために、重要な政
策方向を決定できないでいる。これは、その検討過程が透明化され
ていないために、検討過程を議論しないことで、なかなか反対派も
許容しないことによる。

これを避けるためには、政策思考の技術を確定して検討過程を透明
化しなければいけないような気がする。検討過程での優先順位や考
え方を議論することが重要なのであろう。

そうしないと、議論の焦点が噛み合わないことで、無用な感情論で
議論して、国家危機を作ってしまい、待ちの姿勢で失敗した後でし
か政策を実行できなく、国民に不幸を起こさせることになる。

これを防止するために、システマチックな政策策定を行う技術が必
要で、それを透明化することである。このシステム的な政策議論を
通じて、政治の決定をすることに対して国民にも合意を得て、その
分析過程を政治家、国民も議論することで、政策を決定することで
ある。

このとき、使える思考技術がケプナー・トリゴー法のようだ。
ケプナー・トリゴー法は、4つの思考過程を規定している。
1.状況分析(SA)
2.問題分析(PA)
3.決定分析(DA)
4.潜在的問題分析(PPA)

1.状況分析(政治課題の列挙)
ある分野の論点や国民など関係者の希望など現時点で問題になって
いることを列挙する。この整理をして、その論点を整理し、問題を
分析を行うのか、決定する必要があるのか、将来のリスクを分析す
るのかを分離する。

独立事象かどうかもチェックする。この過程で議論のポイントが絞
られて、絞られた個々の事象について議論をすることである。議論
順番は、その問題が重大化、緊急か、拡大かのレベルを付けて、緊
急性の高いものから順に議論することである。

2.問題分析(何が問題であったのか?)
原発の事故はなせ、起こったのかを分析するのに、使える。何かの
事故の原因を確定するのに使う。この時、起きた事象と、起きるべ
きなのに起きなかった事象を並べて記述することである。

両方の事象をWHAT、WHERE、WHEN、EXTENTの角
度から列記する。この差異で原因を確定できることになる。

3.決定分析(政策案のどれを選択するか?)
目標となる項目を実現するべき項目とほしい項目(その重みを数値
化)に分けて評価項目を作る。その後、複数の政策案を作り、それ
を目標となる項目群で実現できるかどうかをチェックする。

実現するべき項目が全部できることが必要であり、それが実現でき
たら、ほしい項目のできた項目のポイントを出して、一番大きなも
のを選択するが、それを実現したときのリスク評価を行う必要があ
る。

そして、リスクが少なく、ほしい項目のポイントが大きいものを選
択するという手順を踏むことである。こうすると、この過程を議論
できることになる。

4.将来の問題に対処する分析(PPA)
ある政策実現の段階でのリスクを洗い、それに対する対応処置を示
すことである。原発事故後の実施する復旧作業計画を立てる際に使
われる。今、復旧の実行中であるが、何か別の大地震などが起こっ
た場合の対策案がないことを問題視している。

このため、それに対応した分析である。潜在的な問題やトラブルを
全て列挙して、それに重大性と可能性を評価し、かつそれが起こる
原因を列挙して、寄与率を示して、その評価ポイントが大きなもの
を優先的に対処することである。

その表などを示して、議論することである。

慣れると、あまり考えなくても表を作れるし、この表の概念を知っ
ているとコミュニケーションができるので、議論しやすいことにな
る。

政治の議論が不毛なために、何か議論ベースを揃える必要を感じて
いるので、提案する。

そして、この手法を用いて、電力問題を議論することにしたいので
ある。



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