4302.橋下市長の意見:脱原発と



橋下さんの脱原発の意見を基に、国のエネルギー政策を考えること
が重要のようである。いろいろな意見と案があり、このエネルギー
政策も国民合意が取れないために、迷走しそうである。

橋下市長の論点は、
1.原発を無くす事、不足のデータがない。
  現在、関西は原子力発電は0状態ですが、安定供給状態です。
2.電力会社の一社独占体制、総括原価方式が問題
  関電の経営が相当放漫になっている。
3.将来の電力供給体制は、競争原理の導入、賢明な消費、分散型
  発電、送電の広域化が必要だ。
4.使用済み核燃料の最終処理方策についても、日本政府は確定・
  決定していない。
5.原発事故に耐えられる政府の体制が必要である。
  規制庁構想はあるが、危機管理と平時のオペレーションは全く
  異なります。

橋下さん以外からは
6.エネルギーの安定供給が必要であるが、イラン問題など中東の
  不安定化にどう対応するか?
  エネルギー安保的な観点が必要である。
7.ドイツは再生エネルギー優遇政策を見直して、太陽光発電の買
  取単価を40円から27円程度に下げると欧州も見直しへ。
8.再生エネルギーの不安定化と安定化するための設備が高価にな
  り、電気料金が大幅に上がる。
9.電気料金UPで、企業競争力がDOWN
10.今後の石油、LNGの高騰にどう対応するか?

などがあり、システム的な整理をしておく必要がありそうである。


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橋下徹さんのツイッター:
20日産経新聞社説。原発問題。大阪市の株主提案は政治的な方針
です。原発をこれまでと同じような形で推進していくのか。それと
も方向転換をするのか。産経新聞の言うように一自治体が決められ
る話ではないかもしれません。

僕は原発政策については舵を切るべきだという認識です。しかし舵
を切るには、この舵は重すぎる。府市再編の大阪都構想並みです。
とてつもないエネルギーが必要です。未だに電力供給体制について
は、電力会社と国が全てを決める。具体の住民を前提とせずに、抽
象的な国民を前提として。

抽象的な国民を前提とする判断が国の判断であることは承知してい
ます。しかし電力供給体制もそうなのかと。原発再稼働については
、@電力が足りないからA電力会社が赤字になるから、の理由が混
在しています。@についてはきちんとしたデータが出てきません。

昨夏も今冬も、あれだけ電気が足りないと電力会社は喧伝しながら
、結局安定供給です。今、関西は原子力発電は0状態ですが、安定
供給状態です。いったいどれくらい足りないのか真実はやぶの中で
す。そうするとA電力会社の儲けのための原発政策かと疑ってしま
います。

電力会社は一社独占体制、総括原価方式で、経営が相当放漫なとこ
ろがあるという事実が東電の調査で明らかになってきました。関電
はどうなんでしょう?電気料金の値上げが原発再稼働の理由にすぐ
上がりますが、これは経営改革の道筋をまず見せてもらう必要があ
ると思います。

僕は今の電力供給体制は極めて脆弱だと思っています。今までのや
り方ではそれこそ関西の復権にはならない。これからの時代に向け
た電力供給体制は、競争原理の導入、賢明な消費、分散型発電、送
電の広域化だと思います。

原子力の技術を保持しておく安全保障上の理由については、これは
電力供給の話とは別次元ですから完全なる国策であり、電力供給問
題と混同してはいけないと思います。使用済み核燃料の最終処理方
策についても、日本政府は確定・決定しておりません。そして何と
言っても政府の危機管理体制の問題です。

民間事故調や国会事故調の報告書が徐々に公開されてきていますが
、今の政府に原発事故に耐えられる体制があると言えるでしょうか
?もちろん、橋下は完璧にできるのかと言われるとそれはできない
でしょう。しかし、日本政府のパニック状態は厳然たる事実です。

その後規制庁構想が出てきましたが、危機管理と平時のオペレーシ
ョンは全く異なりますし、この規制庁法案も審議入りが延びたと報
道があります。規制庁問題は、大前研一氏と民主党の平議員の対談
が非常に興味深いですhttp://bit.ly/xhNpWp。これで大丈夫だと言
えるでしょうか?

今、原発施設の安全性のところだけに焦点が当たっていますが、電
力会社、そして日本政府の危機管理能力・体制の検証・総括・対応
策の話が、市民の日常生活を預かる自治体の現場に伝わってきてお
りません。政府も仕事がいっぱいいっぱいだと思います。だから地
方分権が必要なのです。

内政のことはできる限り地方に仕事を振らないと国の仕事が回りま
せん。電力がどれだけ足りないのか?、新型火力に移行した場合に
燃料調達費がかかると言われていますが、電力会社の経営努力は?
今の供給体制改革は?ガス会社は黒字でやっているがその違いは?
何も不明の状態です。

そして政府の危機管理体制の総括・対応策もメッセージが出ていな
い。むしろ規制庁の法案が審議に入れないとなり、当面は保安院が
原発を監視するとの報道。これは笑えないジョークです。安全委員
会、保安院の体制こそ大失敗だとあれだけ報道があったのですよ。
その体制のままでとりあえず行くって・・・

こんな状況下で、国策のために原発を再稼働せよ!ってそれこそ無
責任ではないでしょうか?国策を転換させるのは大変な政治エネル
ギーが必要です。大阪府内、大阪市内でもこれまでやってきたこと
を変えるのにアップアップしてきました。

原発政策に付いて方向転換しようと思えば途方もないエネルギーが
必要なんでしょう。しかし民主国家である以上、国民が動けば動き
ます。そして誰かが動かなければ何も動きません。最初のきっかけ
が必要です。僕は新たな電力供給体制を目指していくべきだと思い
、株主提案をします。

今のままで再稼働などすればこれまでと何も変わらない状況が続き
ます。体制が変わるのは危機状況になってから。原発が使えないと
なって体制は重い腰を上げ始めます。産経新聞も将来にわたっては
原発依存度を下げなければならないという認識だと思います。今の
ままで良いとは思われていないでしょう。

電力供給体制を変えるための舵を切るための第一歩を踏み出します
。大阪市の株主提案に細かな問題点は色々あるかもしれません。し
かし重要なことは、舵を切るために一歩を踏み出すかどうかです。
とてつもなく大変でしょうが、日本ならできると思います。そして
それが日本の強みになると信じています。


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