4300.薄煕来書記解任で次期常務委員予測



中国共産党の指導者は、2期10年の人気があり、このため、10
年に1回指導者が変わることになる。その4世代から5世代に変わ
るのが、2012年の秋に開催される18回共産党大会であり、こ
のときに任期10年の次期常務委員が決まる。5世代目の指導者層
になる。

この常務委員を目指して、太子党という元指導者の師弟の派閥と共
産党青年団出身者の派閥が、勢力を競っている。江沢民が上海閥と
いうことで、もう1つの上海閥という派閥があったが、現在は太子
党と一緒になっている。

そして、重慶市トップの薄煕来書記が解任された。薄煕来は、太子
党のポープであり、常任委員が間違えなしと噂されていたが、太子
党と共青団派との権力闘争で、負けたようである。

団派で改革派の汪洋広東省書記と太子党で改革派の薄煕来重慶市書
記は、改革派ということで同じ色合いであるが、この勝負は汪洋広
東省書記が制した。

汪洋広東省書記は、広東省南東部の烏坎(ウーカン)村で起きた村
民蜂起で、一時次期常務委員への登用を危ぶまれたが、民主的な選
挙で“平和解決”したことで、復活している。

2011年9月21日、烏坎村の党幹部による土地の不法転売に怒った数千
人の村民が、組織的な抗議行動を開始した。逃げ出した党幹部に代
わって独自の自治組織を作り村を管轄したが、それを追認し選挙で
新しい村の指導者を選出した。

反対に、薄煕来書記は右腕とされる王軍立が米国領事館に亡命を求
めて、駆け込んだことで汪洋広東省書記と逆転して、常務委員は汪
洋氏になることが確実になった。

前回の予測は、習近平(太子党・上海閥)、李克強(団派)、薄熙
来(太子党)、汪洋(団派)、張徳江(実務)、王岐山(太子党・
金融専門家)、李源朝(団派)、劉延東(団派)王剛(実務)、兪
正声(太子党・上海閥)、戴秉国(実務)であったが、この時点で
は、太子党4、団派4、実務3の11名になるとした。

薄煕来が脱落したことで、
習近平(太子党・上海閥)、李克強(団派)、汪洋(団派・広東省
書記)、王岐山(太子党・副首相)、劉雲山(保守・党中央宣伝部
長)、李源潮(団派・党中央組織部長)、張徳江(副首相・重慶市
書記)、張高麗(上海閥・天津市書記)、兪正声(太子党・上海市
書記)と今までと同じに9名なるか?

戴秉国(実務)、王剛(実務)、劉延東(団派)は、11名体制なら
可能性があるが、中国外交の危機を乗り越えたことで、やはり無理
なようですね。

これで、団派4、太子党4、実務1と今までの配分と同じになる。
団派の最後の盛り返しがすごいことになっている。

4213.烏坎村の紛争で次期体制はどうなるか?
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/L3/231223.htm
3783.習氏、胡主席後継に内定
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/L2/221019.htm
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重慶市トップ解任 胡錦濤政権のデジタル式世論コントロール
2012.3.18 18:00サンケイ[矢板明夫の中国ネットウオッチ] 

 中国の次世代指導者の1人と目された薄煕来・重慶市トップが
15日に解任された。胡錦濤国家主席が率いる共産主義青年団(共
青団)出身者グループと政治路線などで対立したことが原因といわ
れる。インターネットでは「重慶は裸の王様だった」などと薄氏を
批判する書き込みがあふれる一方、「権力闘争の新たな犠牲者」と
いった薄氏に寄せられた同情論はほとんど削除された。胡錦濤指導
部が今回の解任劇を正当化するため、選択的に世論をコントロール
していることがうかがえる。(北京 矢板明夫)

 毛沢東とトウ小平の時代に大きな存在感を示した薄一波元副首相
を父に持つ薄氏は、次期最高指導者に内定している習近平国家副主
席と同じく、元高級幹部子弟で構成する太子党グループに属する。
薄氏はこれまで遼寧省長、商務相などの要職を歴任した。商務相時
代は対欧米貿易交渉の主役としてテレビニュースに登場することが
多く、国民の間で高い知名度を持つ。2007年に重慶市党委書記
になってからは、黒社会(マフィア)一掃キャンペーンや革命歌斉
唱運動などを展開し、毛沢東時代さながらの政治運動を重点に置く
左派路線を歩み、異質の地方トップとして話題を集めた。

 薄氏のやりかたは、貧富格差の拡大や党官僚の腐敗に不満を持つ
貧困層や保守派の支持を取り付けたが、企業界、知識人、改革派の
反発を受けている。経済発展と社会安定を重要視する胡錦濤指導部
の不満も招いた。温家宝首相はこれまで記者会見などで何度も「私
たちは文化大革命の再来を警戒しなければならない」と述べ、薄氏
を暗に批判した。

 2月6日に起きた薄氏の元腹心、王立軍重慶副市長による米総領
事館へのかけ込み事件をきっかけに始まった今回の薄氏の解任劇は
、胡主席の共青団派が主導したといわれた。かけ込み事件の直後か
ら、インターネットで薄氏の失脚をにおわす書き込みがあふれ、事
件の核心に迫る重要書類の写真が次々とネットで出回るようになっ
た。胡錦濤派がネットを駆使して、世論を薄氏に不利な方向へ誘導
したことが手に取るように見える。

 かけ込み事件の直後、ネットでは「不厚」と「モンゴル人」を主
語とする文書が多く見られた。「不厚」とは「厚くない」のことで
、つまり「薄い」を意味する「薄」。モンゴル人とは「モンゴル族
」の王立軍氏のこと。当時、この2人はまだ失脚していなかったた
め、隠語で表現しているが、内部事情精通の人物が2人の経済や職
権乱用問題を痛烈に批判している内容だった。

 また、薄氏と王氏の仲違いを象徴する軍系病院が出した王氏の診
断書の写真も出回った。診断書には「精神不安定、自殺する傾向が
ある」と書かれていた。何の病気も持たない王氏はこの診断書を見
て「薄氏に殺されるかもしれない」と思い、米総領事館に駆け込ん
だとされる。このほか、王氏が米総領事館を出て、飛行機で国家安
全部の捜査員に北京へ連行された際の航空券の写真もネットで見ら
れた。王氏と捜査員たちの身分証明書の番号がはっきりと読める。

 中国は情報管理が非常に厳しい。国家機密といえるこれらの情報
や書類の写真は、いずれも関係者があえて流したとみられる。薄氏
と王氏が悪事を働き、すでに犯罪者となったイメージをネットユー
ザーに植え付けようとする狙いがあったとみられる。

 薄氏が解任された15日から、薄氏を支持する左派系サイトの、
烏有の郷や、毛沢東旗幟ネット、紅色中国などは相次いで閲覧不可
となった。同時に、中国国内から普段アクセスできない香港などの
複数の自由派サイトが一時見られるようになった。胡主席を支持し
、薄氏を批判する文書が掲載されていることが原因とみられる。

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ロイター社、新常務委員を予測 江派一掃か
 【大紀元日本3月17日】15日、中国の政局に激震が起きた。最高
指導部・中共中央政治局常務委員入りが見込まれた、重慶市トップ
の薄煕来・党委書記が解任された。これで薄氏の常務委員入りがほ
ぼ白紙に戻り、中国の政局を動かす9人の次期常務委員への予測が
一段と活発化した。

 現在の9人のメンバーは、胡錦濤、呉邦国、温家宝、賈慶林、李
長春、習近平、李克強、賀国強、周永康となっている。16日付の
ロイター通信は、年齢と任期の関係で、秋に開催される第18回党
大会(十八大)では、習近平氏と李克強氏のみが残り、残りの7つ
の席は、現政治局委員の汪洋(広東省書記)、王岐山(副首相)、
劉雲山(党中央宣伝部長)、李源潮(党中央組織部長)、張徳江(
副首相・重慶市書記)、張高麗(天津市書記)、兪正声(上海市書
記)が座ることになると予測した。

 現常務委員メンバーの中、江沢民派の重鎮とされる周永康、李長
春、賈慶林、呉邦国が退任するため、同じ派閥の薄煕来氏の就任は
同派閥が生き延びるための決め手だった。だが今回、そのキーパー
ソンとなる同氏の失脚は江派勢力の終焉を物語っているようだ。

 香港誌『開放』が5日に、北京の消息筋の話として、十八大では
「一習二李」の新権力体制が確立されると伝えた。「一習」はむろ
ん、次期最高指導者への就任が確実視されている習近平氏。「二李
」はロイター通信でも名が挙がった李克強氏と李源潮氏だという。
「この権力核心は既に中共党内の絶対多数の支持を得ている」と同
誌は伝えた。

 李克強氏は現在副首相で次期首相候補とも見込まれ、馴染みが深
い。李源潮氏は中共中央組織部長で、習近平氏や李克強氏ほど注目
されていない。だが、彼は中共の組織人事を取り締まる人物であり
、胡錦濤主席をトップとする団派の重要メンバーで、しかも父親が
かつて上海市の副市長を務めていたため、太子党のメンバーでもあ
るという。『開放』誌は李源潮氏が十八大後、国家副主席か人民代
表大会常務委員会委員長のポストに付くのではと情報筋の話を引用
して推測した。

 一方、薄煕来氏の政敵とされる広東省書記の汪洋氏も薄煕来氏の
失脚で株が上がっている。十八大での常務委員入りと周永康氏が握
る中共中央政法委員会書記のポストに付くことが有望視されている。
このポストは薄・汪が争う焦点でもあったという。

 中共中央政法委員会は共産党中央が政法関連のことを指導、管理
する職能部門であり、各級の裁判所、検察院、公安部門などの司法
部門を管理する絶大な権利を持っている。法輪功迫害などの「法外
司法」を直接的な指揮をしているため、周永康氏の後任には江派は
なんとしても引き続き自らの派閥メンバーをそのポストに配置した
かったが、薄煕来氏の解任でその可能性が遠のいたと見られる。

 (翻訳編集・張凛音)
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第5世代 出典:Wikipedia

第5世代(だいごせだい)とは、、1949年に中華人民共和国が中国共
産党により建国されて以来の政治指導者の世代の一つで、胡錦濤政
権(第4世代)の「次」の指導部を狙う者たちのこと。

習近平 - 中国共産党中央政治局常務委員・中央書記処書記・国家副
     主席。太子党のエースで、父は習仲勲(元国務院副総理) 
李克強 - 中国共産党中央政治局常務委員・国務院常務副総理、元中
     国共産主義青年団第一書記 
李源潮 - 中国共産党中央政治局委員・中国共産党中央組織部長 
薄熙来 - 中国共産党中央政治局委員・重慶市委書記 
王岐山 - 中国共産党中央政治局委員・国務院副総理 
汪洋 - 中国共産党中央政治局委員・広東省委書記 
張高麗 - 中国共産党中央政治局委員・天津市市委書記 
劉延東 - 中国共産党中央政治局委員・国務委員 
馬凱 - 中国共産党中央政治局委員・国務院秘書長 
張慶黎 - 中国共産党中央政治局委員・チベット自治区委書記 
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第6世代(だいろくせだい)とは、1949年に中華人民共和国が中国共
産党により建国されて以来の政治指導者の世代の一つで、胡錦濤政
権(第4世代)の「次の次」の指導部を狙う者たちのこと。

周強 - 湖南省党委書記、元中国共産主義青年団第一書記 
胡春華 - 内モンゴル自治区党委書記、前中国共産主義青年団第一書記 
陸昊(zh) - 中国共産主義青年団第一書記 
孫政才 - 吉林省党委書記 
張慶偉 - 河北省省長 


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