4297.民主、小沢G、自民、維新の4つ巴



橋下さんは、とうとう小沢さんと組むことも考えていると発言した
。自民党と民主党が大連立して、早期の解散は困る。このため、野
田・谷垣極秘会談が明るみに出た途端、橋下さんは消費税増税反対
に転じたのだ。橋下さんは「消費税の引き上げは必要だが今すぐで
はない」との論理で、消費税増税論者の野田・谷垣両氏との間に対
抗軸を設定した。

これを受けて、小沢さんの言い方も変わっている。「超高齢化社会
の中で消費税の議論を否定するわけではない」としたうえで、「税
と社会保障の一体改革と銘打っているが、増税だけで社会保障は影
も形もみえない」と批判したのだ。

「橋下氏の唯一の弱点は、総選挙への準備が整っていないこと。民
自が早期解散で合意するのは困る。反消費税増税発言は早期解散阻
止が狙いでしょう」と全国紙政治部長OBはいう。

小沢さん、橋下さんは、早期の総選挙を阻止したいのである。この
ため、共闘を組むことになっている。

自民党は、民自連立政権は野田政権の延命につながり、民主党にと
っての利点はあるが、自民党には利点がないとして、連立を拒否し
ている。そして、安倍さんは、内閣不信任決議案について「国会論
戦の行方によっては、重大な決意をすることもある」と述べ、国会
の状況を見極めたうえで提出する可能性に言及した。

小沢さんとの連携を模索しているように見えるし、自民党総裁選挙
の準備をし始めたことで、6月の早期解散はないと見ているようで
ある。自民党は、口では早期解散と言っているが、自民党は解散を
先延ばししている。

そして、自民党総裁選挙を見越して、「ポスト谷垣」の布石を打つ
動きが出ている。ただ、かつて総裁選を仕切った派閥は衰え、本命
は不在だ。安倍さんが立候補したいが、党内外での支持者は少ない。

民主党は、小沢Gの反対で消費税増税を党内意見集約ができない事
態にある。執行部と反対派の意見の溝は深く、取りまとめの見通し
は立っていない。このため、自民党との連立でしか消費税増税はで
きない。

ということで、消費税増税の条件付反対と消費税増税推進派の拮抗
した動きと、自民、民主主流派、民主小沢G、それと大阪維新の会
の4つ巴の政局ゲームが動いている。

しかし、資金量がある民主党主流派は一番有利な状態になっている
。自民党も維新の会、小沢Gも資金がないので、選挙をしたくない
のが本音である。このため、その弱点を突いて民主党幹部は動いて
いるようだ。

このことで、野田内閣の支持率は35%で、前回調査(2月10〜
12日)の30%から5ポイント上昇し、内閣発足以来の下落に初
めて歯止めがかかった。

また、総選挙がないことで、国会後の野田首相の訪米も決まり、米
ワシントン・ポストに「我々の目標は単に(震災の起きた)2011
年3月11日より前の日本を再建することだけではない。新しい日
本を造り上げるということだ」とし、「我々はこの歴史的課題を乗
り越える決意を固めている」と宣言している。

意外と野田政権は長期政権になる可能性が出てきたように感じる。

日銀の金融緩和で、円高が修正され株価は上昇するので、日本の問
題は、デフレから悪性インフレになり、しかし国債の金利が上がり
、今後経済を下押しするのは金利上昇になり、国債増加と財政赤字
の問題が否応なく襲うことになる。

デフレが解消して、悪性インフレが次のテーマになる。この解決は
国債問題と財政赤字になる。それを解決するには、消費税増税しか
ない。

というように、条件付反対派も増税を認めざるを得ない事態になる。
それが日銀の金融緩和で、すぐ近くになる。

さあ、どうなりますか?

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岡田副総理が大連立打診 自民断る
3月17日 4時6分 NHK

岡田副総理が、今月上旬、消費税率を引き上げるための法案を成立
させるため、自民党の谷垣総裁に近い党幹部と会談して大連立を打
診し、この党幹部が「野田政権の延命につながるだけだ」として、
断っていたことが分かりました。

消費税率を引き上げるための法案を巡っては、民主党内で反対論が
根強いうえ、参議院では野党が多数を占めていることから、成立の
見通しはたっていません。
野田政権は、法案の成立には自民党の協力が必要だとしており、先
月25日には、野田総理大臣が自民党の谷垣総裁と2人だけで会談
しました。
関係者によりますと、これに続いて、岡田副総理が今月上旬、谷垣
総裁に近い自民党の幹部と会談し、消費税率を引き上げるための法
案や赤字国債発行法案などを成立させるため協力を求めるとともに
、連立政権への参加も打診したということです。
これに対し、この党幹部は「連立政権は野田政権の延命につながり
、民主党にとっての利点はあるが、自民党には利点がない」として
、断ったということです。
自民党執行部は、衆議院の解散・総選挙を行ったあとならば、民主
党と協力する余地はあるものの、選挙前の大連立は受け入れられな
いとして、法案の成立前の解散を求める姿勢を崩しておらず、今後
、民主・自民両党の駆け引きが活発化する見通しです。
一方、民主党内では、大連立について、次の衆議院選挙で、民主党
と自民党の違いが分からなくなるといった意見があるほか、小沢氏
に近い議員の間から「消費増税に反対する議員を排除しようとして
いるのではないか」と警戒する声もあり、波紋が広がることも予想
されます。
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民主、消費増税法案の意見集約見送り
2012年3月16日23時40分

 消費増税法案をめぐる事前審査の議論を続けていた民主党は16
日夜、予定していた同日中の意見集約を見送り、次回議論を21日
に持ち越した。反対派の抵抗が強かったため。執行部と反対派の意
見の溝は深く、取りまとめの見通しは立っていない。
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「小沢と組む」橋下氏が野田・谷垣連携をけん制
NEWS FILE
2012年 3月16日 (金)

消費税増税関連法案の取り扱いをめぐり、野田佳彦首相と自民党の
谷垣禎一総裁が極秘会談していたことが発覚。民主、自民の大連立
や話し合い解散がクローズアップされているが、これに素早く反応
したのが橋下徹大阪市長だ。

橋下氏が代表を務める「大阪維新の会」は選挙公約として消費税増
税を打ち出していたが、野田・谷垣極秘会談が明るみに出た途端、
橋下氏は消費税増税反対に転じたのだ。自民党中堅議員が話す。

「維新の公約集『船中八策』には、消費税増税と明記されているが
、極秘会談後の3月4日、橋下氏はフジテレビの『新報道2001』に出
演して“今のような状況で消費税率を上げるのでは絶対に国民はつ
いてこない”と発言し、野田首相の消費税増税路線を批判したので
す。橋下氏は、極秘会談の目的を既成政党による橋下潰しと判断。
“橋下包囲網を敷くなら、こちらは反消費税増税を掲げて小沢一郎
民主党元代表らと共闘して戦うぞ”と首相らをけん制したのです」

橋下氏は「消費税の引き上げは必要だが今すぐではない」との論理
で、消費税増税論者の野田・谷垣両氏との間に対抗軸を設定。「民
自が手を結ぶなら維新は敵に回ると脅し、連携に楔を打ち込む戦略
に出た」(同前)というのだ。

「橋下氏の唯一の弱点は、総選挙への準備が整っていないこと。民
自が早期解散で合意するのは困る。反消費税増税発言は早期解散阻
止が狙いでしょう」(全国紙政治部長OB)

毎日新聞の世論調査によると、維新の国政進出に「期待する」と答
えた人は61%。創価学会の世論調査でも、定数29の衆院選比例代表
近畿ブロックで維新は11議席程度を獲得すると予想(民、自各5議席
)。維新の勢いは止まらない。

橋下維新を敵に回して総選挙を戦うことは、既成政党にとって大き
な脅威。このため民主党では、前原誠司政調会長が窓口になって橋
下氏と会談を重ねたり、橋下氏が唱える「大阪都構想」実現に向け
た法案の今国会提出を模索するなど、維新の取り込みに躍起になっ
ている。

ところが、肝心の首相には橋下氏と組む気配がない。首相の女房役
の藤村修官房長官が記者団とのオフレコ懇談で「維新は金がない。
勢いがあるのは今のうちだけ」とこき下ろしたことは、当然、橋下
氏の耳にも入っている。

新旧政党の勢いの差は歴然だ。

プレジデント 2012年4月2日号
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小沢G大量動員「しっかり反対論を」造反武器に

 民主党の小沢一郎元代表は、自らが率いる党内最大勢力の小沢グ
ループ(約120人)の面々に対し、消費税率引き上げ関連法案へ
の反対論をあおっている。

 しかし、グループ内からは「野田首相が決意を固めたら、閣議決
定を阻止する手だてはない」(幹部)との声も漏れ、関連法案の事
前審査は勝負所ではないとの見方が広がっている。

 「とにかく合同会議に出席し、自らの意見を述べるように」

 小沢元代表を会長とする勉強会「新しい政策研究会」の東祥三事
務総長(元内閣府副大臣)は15日の会合で、こう指示した。同勉
強会は、小沢グループの一新会(衆院当選2回以上)、北辰会(同
1回)の議員が中心の組織。東氏の指示は、集まった約90人に対
し、合同会議で増税反対論を主張するよう号令をかけたものだ。

 小沢グループの幹部は、増税反対派の大量動員で、関連法案の了
承を物理的に阻止できると楽観視しているわけではない。幹部の一
人は「しっかり反対論を主張しておかないと、国会での採決で反対
する際につじつまが合わなくなる」と語る。関連法案成立を阻止す
るには、国会提出後、採決を巡る攻防で「造反を武器に勝負をかけ
た方が効果的」とみるからだ。

(2012年3月16日07時53分 読売新聞)
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谷垣総裁の後継狙う動き活発化 派閥衰退で本命不在 
2012年3月15日23時12分

 自民党で谷垣禎一総裁の後継を狙う動きが活発になってきた。早
期の衆院解散に追い込みたい自民党だが、9月の総裁選後に解散が
先送りされることも想定し、「ポスト谷垣」の布石を打つ狙いがあ
る。ただ、かつて総裁選を仕切った派閥は衰え、本命は不在だ。

 「議席を失った人が再び政治の場で汗を流せるようにするのが私
の責任」。安倍晋三元首相(57)は14日、千葉市での会合で総
裁選に意欲をにじませた。安倍氏が属する町村派では水面下で総裁
選をにらんだ調整が始まっていた。

 「安倍君ときちんと話せ。自分が出たいなら協力を求めればいい
」。森喜朗元首相は1月、町村信孝元官房長官(67)にこう助言
した。町村氏は安倍氏と会談し「次の総裁選に出たい」と伝えたが
、安倍氏は明確な返答を避けた。
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安倍元首相、内閣不信任案の可能性に言及
2012年3月14日20時41分

 自民党の安倍晋三元首相は14日、千葉市で講演し、内閣不信任
決議案について「国会論戦の行方によっては、重大な決意をするこ
ともある」と述べ、国会の状況を見極めたうえで提出する可能性に
言及した。

 安倍氏は「重大な決意をするには、国民から叱られても歯を食い
しばって解散に追い込むと意思統一しなければいけない」とも述べ
た。消費増税法案の成立に協力する代わりに衆院解散で合意する「
話し合い解散」に、これまで一定の理解を示していたことについて
「自民党が単に足を引っ張っているわけではないと理解してもらう
ために申し上げた」と説明した。
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内閣支持上昇35%、下落に歯止め…読売調査

 読売新聞社が9〜11日に実施した全国世論調査(電話方式)に
よると、野田内閣の支持率は35%で、前回調査(2月10〜12
日)の30%から5ポイント上昇し、内閣発足以来の下落に初めて
歯止めがかかった。

 不支持率は52%(前回57%)だった。

 内閣を支持する理由では、「これまでの内閣よりよい」44%(
同49%)が最多で、続く「首相が信頼できる」は21%(同18
%)に増えた。

 野田首相が自らの政策や考えを国民に十分に説明していないと思
う人は77%(同84%)に減った。

 年金など社会保障制度の財源として、消費税率を10%まで段階
的に引き上げる法案に「賛成」は40%(同39%)で、「反対」
は55%(同55%)となった。ただ、税率引き上げをめぐり、民
主党内で小沢一郎元代表らが首相への批判を強めていることを「理
解できない」との回答は64%を占めた。

(2012年3月12日07時17分 読売新聞)
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民主・鳩山氏、消費増税賛成に含み=「景気への配慮」要求
 民主党の前原誠司政調会長は12日、同党の鳩山由紀夫元首相と
衆院議員会館で会談し、野田政権が月内提出を予定する消費増税関
連法案への協力を要請した。鳩山氏は増税に慎重な考えを示してい
るが、会談では「景気のこともあるので、その辺の配慮をしてほし
い」と求めた。経済状況が悪化した場合に増税を停止できる景気条
項の表現ぶり次第で、法案に賛成することに含みを残した発言とみ
られる。 
 一方、同党の輿石東幹事長は記者会見で、消費増税をめぐる党内
の混乱を回避するため、野田佳彦首相と小沢一郎元代表の直接会談
を求める声が出ていることについて、「ただ2人が会えばいいとい
う問題ではない。私なりに考えていきたい」と述べ、環境整備が必
要との考えを示した。「最近は小沢元代表と会って話し合ったこと
はないので、今どのように考えているか分からない」とも語った。
(2012/03/12-19:57)
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「新たな日本造る」 野田首相、震災1年で米紙に寄稿
2012年3月10日11時5分

 野田佳彦首相は9日、東日本大震災から1年を機に、米紙ワシン
トン・ポストに寄稿した。「我々の目標は単に(震災の起きた)
2011年3月11日より前の日本を再建することだけではない。
新しい日本を造り上げるということだ」とし、「我々はこの歴史的
課題を乗り越える決意を固めている」と強調した。

 首相は「私たちは震災の犠牲となった愛する家族、友人、仲間を
忘れることはない。そしてまた、日本に対して世界各国から寄せら
れた多大なる支援と連帯の表明も、決して忘れることはない」とし
た。

 そのうえで、「喫緊の課題」として、被災地の復興、福島第一原
子力発電所の廃炉と被災地の除染、日本経済再生の三つを挙げた。
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小沢氏「消費税の議論否定しない」 不況時の増税は反対
2012年3月10日18時44分

 民主党の小沢一郎元代表は10日、千葉市で党所属議員のパーテ
ィーに出席し、「超高齢化社会の中で消費税の議論を否定するわけ
ではない」としたうえで、「税と社会保障の一体改革と銘打ってい
るが、増税だけで社会保障は影も形もみえない」と批判。「野田(
佳彦首相)さんは消費税に肩入れしているが、日に日に支持率は下
がる。不景気の時の増税はありえない」と語った。

 一方、岡田克也副総理は10日のBS朝日の番組で、消費増税に
反対している小沢氏について「世論とか野党の状況いかんだ」と述
べ、賛成に転じる可能性があるとの見方を示した。
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遺産全額徴収も検討か(大阪維新の会)
2012年03月10日 07時00分yucasee

 橋下徹大阪市長が代表の「大阪維新の会」がすでに相続税強化の
方針を打ち出しているが、遺産の全額徴収を検討していると、10日
共同通信が伝えている。

 会派の政策公約である「船中八策」の中には相続税強化策があり
、特に高齢者が貯めたストック型資産を、フローとして世の中に回
して経済をより活発にすることを狙いとしていた。

 ただし、維新の会幹事長の松井一郎大阪府知事が、資産課税によ
って富裕層の海外脱出を懸念したこともあり、資産課税は除外する
方針を示していた。また、実際に導入されれば、不動産課税強化な
どで、市況がさらに冷え込むなどの懸念も出ていた。

 そうした点を踏まえて、相続税全額徴収という課税強化を検討し
ていると思われる。

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