4294.資源・素材産業が有望



世界の人口が70億人になり、かつ新興国が経済成長していること
で、資源、エネルギーなどの価格が上昇している。特に日本は、
東京電力福島第1原発事故後、定期検査に入った原発の再稼働が進
まず、原発の割合は従来の30%前後から直近では5%を割った。
代わって火力の比率は大きく上昇し、8割超に達している。

火力発電の拡大は、年間最大3兆円とされる燃料費の増加に加え、
産油国の状況や原油価格の影響を受けやすくなったことを意味する。
イランが原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡の封鎖に動けば、原
油が高騰し、中東原油の積み出しができずにエネルギー危機になる
ことは確実。

このため、野田首相は、モンゴルのバトボルド首相と会談し、日・
モンゴル経済連携協定(EPA)交渉の早期開始で合意した。バト
ボルド首相は、埋蔵量が世界最大級とされるモンゴルのタバン・ト
ルゴイ炭鉱開発への日本企業の参画を認める意向を表明した。

石油だけではなく、石炭火力も日本は増強していく必要があり、石
炭資源を開発する必要がある。

しかし、資源ナショナリズムが世界に出てきた。インドネシアが海
外企業による国内鉱山への投資を制限する方針を打ち出したことは、
海外での鉱山開発を競っている世界の主要鉱山会社にとって大きな
痛手となる。

「資源ナショナリズム」はこの10年で、インドネシアや南アフリ
カなど安定した新興国からオーストラリアやカナダなど先進国にも
広がり、鉱山会社にとって市場参入のハードルやコストが高くなっ
ている。

その結果、鉱山会社はアフリカの危険地帯など政治的リスクの高い
地域に進出する以外に選択肢が少なくなり、ブルキナファソ、コン
ゴ、モーリタニアなど、極度にリスクの高い国にも目を向けざるを
得なくなっている。

しかし、鉱山会社にとってリスクが高まっているものの、資源価格
が高水準にあり、利益も順調に拡大しているためにこのような高リ
スクな開発でも行うのだ。

このような状況で、米国オバマ米大統領は、ガソリン価格は上昇し
ているものの、原油依存からの脱却を目指すエネルギー政策は進展
させるし、しているとの見解を示した。米国はシェールガス、シェ
ールオイルなどの開発量を増やしている。

さあ、日本も米国と同様な戦略を持って、この石油代替エネルギー
を研究開発しないと、エネルギー高騰で、経常収支も赤字になりか
ねない。

鉄資源の代替としては炭素繊維があり、プラスチック代替には、リ
グパルなどがある。石油代替は藻からのエタノールとか雑草からの
エタノール、メタンハイドレードなどがある。これらのイノベーシ
ョンが必要である。国も支援していく必要がある。
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原油高への対応焦点=産消国会合、13日開幕
 【クウェート市時事】原油生産国と消費国の閣僚が一堂に会する
国際エネルギーフォーラム(IEF)が13日夕(日本時間同日夜
)、2日間の日程で当地で開幕する。緊迫するイラン情勢を背景に
原油価格が高騰する中、産油国と消費国が相場安定に向け協調姿勢
をどこまで打ち出せるかが焦点となる。
 サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相など、産油国や消費国
の80カ国以上の担当閣僚、さらに石油輸出国機構(OPEC)や
国際エネルギー機関(IEA)など国際機関の代表が参加。日本か
らは牧野聖修経済産業副大臣が出席する。(2012/03/12)
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「資源ナショナリズム」に苦しむ鉱山会社、高リスク地域に進出
2012年 03月 12日 15:21 JST 

[トロント/メルボルン 9日 ロイター] インドネシアが海外
企業による国内鉱山への投資を制限する方針を打ち出したことは、
海外での鉱山開発を競っている世界の主要鉱山会社にとって大きな
痛手となる。

だが、今のところインドネシアから撤退しようとする動きは見られ
ない。その理由は、資源国の間で海外企業に門戸を閉ざそうとする
「資源ナショナリズム」が広がり、容易に事業展開できる投資先が
他に見つけにくくなっているためだ。

「資源ナショナリズム」はこの10年で、インドネシアや南アフリ
カなど安定した新興国からオーストラリアやカナダなど先進国にも
広がり、鉱山会社にとって市場参入のハードルやコストが高くなっ
ている。

インドネシアが海外企業による鉱山への出資比率を49%に制限す
る以前にも、課税強化や開発規制の動きが相次ぎ、高収益セクター
のリターンを圧迫している。

その結果、鉱山会社はアフリカの危険地帯など政治的リスクの高い
地域に進出する以外に選択肢が少なくなり、ブルキナファソ、コン
ゴ、モーリタニアなど、極度にリスクの高い国にも目を向けざるを
得なくなっている。

鉱山業界に影響を及ぼす政治リスクや規制変更に関する著書がある
、トロントの法律事務所ノートン・ローズの弁護士アブリル・コー
ル氏は「鉱山業界にとって、これは間違いなく最大の頭痛の種だ」
と指摘する。

メタル価格の高騰などを追い風に高収益を上げている鉱山会社は、
歳入拡大を目指す各国政府のターゲットとなっている。選挙が近づ
けば、どの国の政治家も国民の支持を拡大するため、鉱山会社への
課税強化やロイヤルティー引き上げによって収入拡大を図ろうとす
る。

オーストラリア政府は、石炭および鉄鉱石鉱山の利益に30%の税
率で課税する計画。金や鉄鉱石を産出するカナダのケベック州も、
2010年に鉱山会社に対する増税を実施した。一方、カナダ政府
はBHPビリトン(BHP.AX: 株価, 企業情報, レポート)による肥料
大手ポタッシュ(POT.TO: 株価, 企業情報, レポート)買収を阻止し
ている。

<鉱山会社は依然高収益>
アーンスト&ヤングは昨年、鉱山会社にとって様々な形の資源ナシ
ョナリズムが最大のリスク要因だと指摘。税やロイヤルティーを通
じて鉱山会社への締め付けを強化あるいは計画している国は少なく
とも25カ国に上ると明らかにした。

そうした動きは、ペルー、ザンビア、ガーナなど小規模な国にも広
がっており、ポーランドは先週、銅や銀の価格と連動した新たな鉱
山税の導入を承認した。

鉱山業界の投資家やコンサルタントは、インドネシアなどによる新
たな規制の導入は投資のリバランスを招く可能性があるが、大幅な
投資縮小にはつながらないとみている。

鉱山会社にとってリスクが高まっているものの、資源価格が高水準
にあり、利益も順調に拡大しているためだ。

鉱山業界を顧客としている豪パースの法律事務所、ギルバート+ト
ービンのマイケル・ブラキストン氏は「資本は長期的に好ましい投
資先に向かう。モザンビークやボツワナなどは門戸を開放している
」と述べている。

トロントの投資銀行IBKキャピタルのマイク・ホワイト最高経営
責任者(CEO)も、政治リスクの高まりが投資の引き揚げにつな
がるとは考えにくいと指摘、「鉱山会社が投資から手を引くことは
ないだろうが、投資のリバランスはあり得る」との見方を示す。

一方、アドバイザーは、資源ナショナリズムによって打撃を受ける
のは大手よりも小規模な鉱山会社だと指摘する。

ブラキストン氏は「プロジェクトの利益率が圧迫され始めれば、小
規模な企業は資金調達が難しくなる。誰も彼らに貸したくないから
だ」としている。

<投資引き揚げは困難>
鉱山開発はリスクの大きなプロジェクトであるため、各国政府はロ
イヤルティーの引き上げ、既存の法人課税の拡大、超過利潤税の導
入などを通じて鉱山会社からの収入拡大を目指している。

豪政府が2010年に新税導入計画を発表したことを受け、オース
トラリアの鉱山会社はその撤回あるいは軽減を求めて抵抗している。

一方、フォーテスキュー・メタルズ(FMG.AX: 株価, 企業情報, レポ
ート)など最も強硬に抵抗している鉱山会社ですら、鉄鉱石や石炭鉱
山に対する新規投資の手を緩める様子は見られない。

既存の鉱山では大規模な鉱床を見つけにくくなっていることも、鉱
山会社の悩みの種。その結果、彼らは規制変更など政治リスクが高
まっているにもかかわらず、投資を継続する以外に選択肢がなくな
っている。

インドネシアに権益を保有するカナダの小規模鉱山開発会社イース
ト・アジア・ミネラルズ(EAS.V: 株価, 企業情報, レポート)のアレ
ックス・グレインジャー社長は「発展途上国に足を伸ばし、彼らの
ルールに従う以外に道はない」と語っている。
(Euan Rocha、Sonali Paul記者;翻訳 長谷部正敬)
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EPA交渉開始で合意=日・モンゴル首脳会談
 野田佳彦首相は12日夜、首相官邸でモンゴルのバトボルド首相
と会談し、日・モンゴル経済連携協定(EPA)交渉の早期開始で
合意した。バトボルド首相は、埋蔵量が世界最大級とされるモンゴ
ルのタバン・トルゴイ炭鉱開発への日本企業の参画を認める意向を
表明した。
 モンゴルは石炭や希少金属(レアメタル)などの地下資源が豊富
で、日本の官民がかねて強い関心を抱いている。バトボルド首相は
「資源開発をめぐるインフラ開発に日本の技術、資金を活用したい
」と提案、野田首相は「投資環境がさらに改善されるよう期待する
」と応じた。(2012/03/12-19:18)
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震災後に電源構成一変 原発5%割れ、火力8割超す 燃料費3兆
円増 
2012.3.12 05:00 サンケイ 

 東日本大震災によって、発電量に占める電源構成は大きく変化し
た。東京電力福島第1原発事故後、定期検査に入った原発の再稼働
が進まず、原発の割合は従来の30%前後から直近では5%を割っ
た。代わって火力の比率は大きく上昇し、8割超に達している。こ
のまま原発が再稼働できなければ、火力発電への依存度が一段と高
まることになる。

 国内電力会社は1973年の第1次オイルショック以降、約40
年にわたって電源構成の見直しを進めてきた。“脱石油依存”の主
軸となったのが原発だ。

 発電量に占める原発のウエートは、73年度に2.6%しかなか
ったが、徐々に上昇。発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない
原発は温暖化対策としても有効とされ、国内では3分の1超の電気
が原発で発電されるまでになった。さらに液化天然ガス(LNG)
、石炭など多様な電源をバランスよく組み合わせるように発電所の
建設が進められてきた。

だが、福島第1原発事故で状況は一変。定期検査に入った原発の再
稼働は進まず、国内54基の原発のうち、現在の稼働原発は東電の
柏崎刈羽原発6号機と北海道電力泊原発3号機のわずか2基。原発
による発電量は、今年1月には4.3%にまで低下した。再稼働で
きなければ5月には全原発が停止する。

 原発の落ち込みを埋めているのが火力発電だ。昨年12月には総
発電量の86%を占めた。電力会社によるLNGの消費量
(2011年4月〜12年1月)は前年同期比25%増の4295
万トンに増加。電力不足を補うため運転を再開した老朽火力で使わ
れることが多い重原油に至っては93%増の1741万キロリット
ルとほぼ倍増した。

 火力発電の拡大は、年間最大3兆円とされる燃料費の増加に加え
、産油国の状況や原油価格の影響を受けやすくなったことを意味す
る。イランが原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡の封鎖に動けば
、原油が高騰することは確実。火力発電への過度な依存は、エネル
ギー安全保障上も大きな問題となる。
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米国の原油輸入減少、大統領「エネルギー政策進展」
2012年 03月 13日 03:08 JST 

[ワシントン 12日 ロイター] オバマ米大統領は12日、
2011年の米国の原油輸入が減少したことを示す報告書を受け、
ガソリン価格は上昇しているものの、原油依存からの脱却を目指す
エネルギー政策は進展しているとの見解を示した。

オバマ大統領はエネルギー安全保障に関する声明で「海外からの原
油への依存から脱却し、米国のエネルギーの将来をしっかりと掌握
するためにすべきことが山積していると、現在のガソリン価格高に
よって痛感させられている」としたうえで、エネルギー政策におい
て「われわれは進展している」と言明した。

この日発表された報告書によると、2011年末時点での原油輸入
量は日量840万バレルと、オバマ大統領が就任した2009年1
月時点の日量1100万バレルから減少した。


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