4293.「想定外」という話



「想定外」という話 

昔、想定内とか想定外という言葉が、いろんな様に使われた。 
想定内というのは、機械工学的に作動の有効値を定める場合に使わ
れるようじゃ。 

原発で、使用済み核燃料のプールの話しがある。 
それぞれ、地震には大丈夫とか言うが、それは設計初期値にすぎな
い。だいたい、鉄骨コンクリート造りの寿命は、30ー45年じゃ
ろう。それも、多数回の地震に揺さぶられてなんぞ考えてはおらん
じゃろうしの。一回ぐらいの地震に対して、鉄骨は強度じゃけれど
、それでもひび割れとかから湿気が入り込むと、酸化して、膨張し
、尚ひび割れを拡大し、構造の力を弱め、重量によって崩壊させる
のではないかな。 

今も、福島第一原発の4号機の核燃料プールの危険性が一番問題視
されておる。これは、他の原発でも同じことが言えるじゃろう。 

つまり、安全神話から、プールの崩壊はおきないとされているが、
(これは構造体としてのことで、ひび割れが起きないことを意味し
ない)もし、ひび割れがおおき、水漏れが起き、崩壊したらという
ことは、「想定外」とされている。 
というより、そうなったら、処置するだけの手だても技術も無いと
いうのが実情じゃろう。 

4号機などの核燃料プールの壁はいつ崩壊してもおかしくないし、
そして、「悪魔のシナリオ」=<誰も現場に近づけなくなり、次々
と原発を冷やせなくなり、東北・関東が高濃度の放射能に汚染され
、3000万以上の避難民が生まれ、それを西日本では吸収するこ
とができず、経済も財政も崩壊し、輸出もできず、だからエネルギ
ーや、食料も輸入できなくなる。=日本という国家体制が崩壊する
>というシナリオは、明日起こってもおかしくない。なにせ、マグ
ニチュウド9のあとの最大余震はたいてい1年後くらいに、マグニ
チュード8近い地震が起こっておるからじゃ。 

まあ、しかし、当局者はそんなことは分かっておるだろうし、我々
庶民ができることは、限られておる。 
覚悟=<死>をおりこみながら、それでも「日常」を淡々とこなす
ことじゃろう。じたばたしても逃げられるわけでもない。 
何かあったら、すぐに日本から逃げよという本もでたらしいが、そ
れができる人間など限られておる。せいぜい500万人ぐらいしか
逃げられないじゃろうし、その逃げた先で、結局100万人くらい
以外は、悲惨な目にあうだけじゃろう。 
まあ、そうならないためには、徹底的に原子炉や廃棄物プールなど
への対応が求められる。 
これは、結局、原発を経済問題という範疇で扱うことを越えておる。 

細かいところで足を引っ張りあうより、この根本として、「日本と
いう国が存続できるか」ということで、すべての勢力、人が協力で
きるかが、正念場なのだ。 
                     虚風老 


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