ギリシャ国債問題は、どうなるのか。6日のニューヨーク株式相場 は、ギリシャの債務問題に対する懸念再燃などを受けて大幅下落。 再度、ギリシャ債務の行方を見直すことになる。銀行や年金などギ リシャ国債を保有する主要債権者30社は7日、債務交換に参加す る意向を明らかにした。この主要債権者の保有規模は、ギリシャの 国債残高2060億ユーロのうち、39.3%(810億ユーロ) を占める。 ギリシャは交換に応じた債権者の比率が75―90%の範囲となっ た場合には、ギリシャの法律に基づく集団行動条項(CAC)を発 動する構えを示している。債務交換に応じるかの回答期限を翌日に 控え、主要債権者が参加の意向を表明したことで、参加率はこの75 %の水準に近づいた。 しかし、ギリシャの自営業者、ジャーナリスト、警官らの年金基金 5団体が参加を拒否したと報じた。5基金が保有するギリシャ国債 は計20億ユーロで、対象全体の約1%。 欧州連合(EU)欧州委員会のレーン副委員長(経済・通貨担当) は7日までに、ユーロ圏諸国による第2次ギリシャ支援策のカギを 握る債務削減計画について、同国債を保有する民間銀行が多数参加 し、成功するとの見通しを示した。ギリシャ政府は8日の銀行から の回答期限後、結果について声明を発表する見込み。 債務削減計画は、民間銀行の参加率が75%を下回ると実行困難 となり、不調に終わる公算が大きい。欧州委は、少なくとも75% 以上の参加を得られるとの感触を得たもようだ。 交換に応じた債権者の比率が75―90%の範囲となった場合には 、ギリシャの法律に基づく集団行動条項(CAC)で全体に債務削 減を強制できるし、それではCDSの事案にはならないことが決ま っている。 現時点の参加率は40%で、後35%の参加が必要であるが、EU 当局は70%の参加を確認したと言うが、どうか? 国際金融協会(IIF)は、もしギリシャが無秩序なデフォルト( 債務不履行)に陥れば、ユーロ圏への影響が1兆ユーロ(1兆3000 億ドル)を超えるという。 さあ、どうなりますか? ============================== 債務減免、承諾は4割=年金の5基金は拒否−ギリシャ 【パリ時事】対ギリシャ追加支援の一環となる民間保有国債の債 務減免で、民間債権者代表として交渉に当たってきた国際金融協会 (IIF)は7日、これまでに対象となるギリシャ国債の40.8 %に相当する840億ユーロ(約8兆9000億円)について、債 権者が債券交換を通じた債務減免に応じる意向を表明したことを明 らかにした。 一方、AFP通信によれば、ギリシャ各メディアは7日、国内の 自営業者、ジャーナリスト、警官らの年金基金5団体が参加を拒否 したと報じた。5基金が保有するギリシャ国債は計20億ユーロで 、対象全体の約1%。 ギリシャのスタブロプロス政府報道官は7日のラジオ番組で、債 券交換について「われわれが得た情報は前向きだ」と述べ、債務減 免は順調に進んでいるとの見解を示した。ベニゼロス財務相は、国 内主要6銀行が参加を決めたことを歓迎するとともに、一部の年金 基金の不参加を「無責任だ」と批判した。(2012/03/08-06:27) ============================== ギリシャ債務削減「成功へ」=EU高官が見通し 【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)欧州委員会のレーン副委 員長(経済・通貨担当)は7日までに、ユーロ圏諸国による第2次 ギリシャ支援策のカギを握る債務削減計画について、同国債を保有 する民間銀行が多数参加し、成功するとの見通しを示した。ギリシ ャ政府は8日の銀行からの回答期限後、結果について声明を発表す る見込み。 債務削減計画は、民間銀行の参加率が75%を下回ると実行困難 となり、不調に終わる公算が大きい。欧州委は、少なくとも75% 以上の参加を得られるとの感触を得たもようだ。 ユーロ圏は9日、財務相による電話協議を開催。ギリシャから同 計画に関する報告を受けた上で、先月合意した支援策の実行を決定 する見通し。(2012/03/07-23:26) ============================== 30の主要ギリシャ国債保有者、債務交換への参加を表明 2012年 03月 8日 01:08 JST [アテネ 7日 ロイター] 銀行や年金などギリシャ国債を保有 する主要債権者30社は7日、債務交換に参加する意向を明らかに した。債務交換が実施され、ギリシャが欧州連合(EU)と国際通 貨基金(IMF)から追加支援を受ける可能性が高まっている。 この主要債権者の保有規模は、ギリシャの国債残高2060億ユー ロのうち、39.3%(810億ユーロ)を占める。 ギリシャは交換に応じた債権者の比率が75―90%の範囲となっ た場合には、ギリシャの法律に基づく集団行動条項(CAC)を発 動する構えを示している。債務交換に応じるかの回答期限を翌日に 控え、主要債権者が参加の意向を表明したことで、参加率はこの75 %の水準に近づいた。 これにはすでに参加を表明している国際金融協会(IIF)運営委 員会の12メンバーも含まれる。 債務交換の対象となるギリシャ国債のうち、ギリシャの法律に準拠 するのは1770億ユーロのみで、この日債務交換に応じる意向を 示した主要債権者の保有国債のうち、どの程度がギリシャの国内法 に準拠するかは現時点では不明。 ギリシャが集団行動条項を発動できるのは、国内法に準拠する国債 のみで、ギリシャ国債のおよそ10%を占める英国法など外国の法 律に準拠する国債に対しては適用できない。 ============================== スペイン・イタリア債利回りが上昇、ギリシャ債務交渉に懸念 2012年 03月 7日 18:53 JST [ロンドン 7日 ロイター] 7日の欧州債券市場では、格付け が低いユーロ圏政府債の利回りが上昇している。ギリシャが債務削 減交渉で十分な支援が得られない可能性が懸念され、リスク選好セ ンチメントが後退している。 トレーダーによると、ギリシャ債務交換で民間投資家の高い自発的 参加率を得られないのではないかとの懸念が高まっている。自発的 参加が集まらなければ、無秩序なデフォルト(債務不履行)に追い 込まれる可能性がある。 スペインの10年債利回りは9ベーシスポイント(bp) 上昇の5.25%。 イタリアの10年債利回りも6.6bp上昇の5.15%。 両国の5年債、2年債利回りもそれぞれ上昇している。 ============================== ギリシャの無秩序なデフォルト、ユーロ圏への影響は1兆ユーロ超 =IIF 2012年 03月 7日 00:24 JST [ロンドン 6日 ロイター] 国際金融協会(IIF)は、ギリ シャが無秩序なデフォルト(債務不履行)に陥れば、ユーロ圏への 影響が1兆ユーロ(1兆3000億ドル)を超えるとともに、危機 の連鎖を食い止めるためスペインとイタリアも外部支援を余儀なく される恐れがあると警告した。 ロイターが市場関係者から入手した2月18日付の国際金融協会 (IIF)の極秘文書で明らかになった。 「IIFスタッフ・ノート:部外秘」と記された文書は「ギリシャ 国債の無秩序なデフォルトがあれば、非常に重大かつ有害な影響が 生じる。そうしたすべての偶発債務を正確に集計するのは困難だが 、1兆ユーロを超えないとも考え難い」と指摘した。 ギリシャ第2次支援がまとまらず、同国が3月20日に期限を迎え る国債の償還をできなければ、無秩序なデフォルトとみなされ、ユ ーロ圏の政治家が管理能力を失ったとみなされる可能性があるとい う。 そうなれば他のユーロ圏重債務国が市場の標的となる恐れがあり、 スペインとイタリアは3500億ユーロの支援が必要となる可能性 があるとIIFは試算している。 これに加え、アイルランドとポルトガルも追加支援が必要になり、 そのコストは今後5年間で3800億ユーロに達するとみている。 IIFの文書はまた、民間債権者との債務交換で支持が得られなけ れば、欧州中央銀行(ECB)が大きな損害を被る可能性が高いと 予想。ECBは資本基盤の200%超に相当する推定1770億ユ ーロのギリシャ国債を保有しているためとしている。 また債務交換に十分な参加が得られなかった場合、銀行の資本再編 コストが増大し、その額は容易に1600億ユーロに達すると予測 している。 IIFはその上で、債務交換が実施されなければ、ギリシャ国民の 生活水準が破滅的な影響を受けるとともに、ユーロを脅かすと警告 。「無秩序なデフォルトはギリシャの早急なユーロ脱退を招く可能 性が高く、ECBの財務に対する衝撃と相まって、ユーロの安定性 をめぐり著しい疑問が生じる」とした。 アナリストはIIFの文書について、債務交換への参加を促すため の警告とみている。 ソードフィッシュ・リサーチのアナリスト、ゲリー・ジェンキンス 氏は「IIFの報告書は、債務交換への参加を促すため、最悪のシ ナリオに基づいて書かれている」と指摘。「ギリシャ債務交換への 参加率は75%を上回り、集団行動条項(CAC)を適用して残り の債権者も債務交換に応じさせる公算がおそらく最も大きい」との 見方を示した。 債務交換の回答期限は8日。参加率が75%を上回るものの90% を下回る場合には、ギリシャが集団行動条項を適用するとみられて いる。 ただ集団行動条項が適用されれば、クレジット・デフォルト・スワ ップ(CDS)の決済が発生するとともに、ヘッジファンドや他の 債権者が法的手段に訴える可能性が高まる。 また1770億ユーロの国債についてはギリシャの法律、残りは英 国法に準拠することも、債務交換の手続きを複雑化する要因となっ ている。 ============================== NY株大幅続落、203ドル安=ギリシャ懸念で下げ幅今年最大 【ニューヨーク時事】6日のニューヨーク株式相場は、ギリシャ の債務問題に対する懸念再燃や世界経済の先行き不安などを受けて 大幅下落、優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比 203.66ドル安の1万2759.15ドルと約1カ月ぶりの低 水準に落ち込んで終了した。下げ幅は昨年11月23日以来の大き さで、今年最大となった。ダウの下落は3営業日連続。ハイテク株 中心のナスダック総合指数も同40.16ポイント安の2910.32 で終わった。(2012/03/07-07:29)