4281.アンベドカルとヴェンカテシュワラ



アンベドカルとヴェンカテシュワラ
From: tokumaru

皆様

マイルストンの2月号の記事をアップしました。

正直なところ、体調はまったく書ける状態にはなかったのですが、
逆にインフルエンザの免疫記憶をネタに、言葉の記憶を身につけた
話題にもっていくことで、なんとか記事にこぎつけました。

意外とそういう苦肉の記事のほうが面白いのかもしれません。

http://www.milestone-art.com/MILESTONES/issue132/htm/p14tokumaru.html


現代という芸術アラカワ  No.13  得丸久文
アンベドカルとヴェンカテシュワラ − 言葉の消えない記憶

インド最強の神ヴェンカテシュワラへのダルシャン(拝謁)をしてきた。

1月末に南インドのティルパティという町の女子大学で開かれた「
女性による英語文学」というシンポジウムがあり、私は音節文字ひ
らがなが女流文学を生んだという説と本居宣長の紫文要領のものの
あはれ論を組合わせた「恋せよ、乙女 − 源氏物語からのメッセ
ージ」という講演をしてきた。

この町との縁は、5年前、この大学でアンベドカルにまつわるシン
ポジウムがあることがわかり、インド通の友人に相談したところ、
ここはインド最大の聖地であり、絶対に行く価値ありと太鼓判を押
されたからだった。行ってみると、高度1000mにあるティルマ
ラの山は、聖地の名にふさわしい聖地で、そこここに清水や小川が
あり、みずみずしい緑にあふれる山を歩くだけでいい気持ちになる
のだった。

アンベドカルという名前を覚えたのは30年以上も前に参加した大学
1年生のときのアパルトヘイトのゼミで、荒松雄「三人のインド人
」という本を紹介されて読んだからだ。不可触民出身で、インド共
和国の初代法務大臣になったアンベドカルは、亡くなる直前の1956
年に10万人の不可触民を率いて仏教に改宗する。5年前、僕は仏教
を勉強していて、偶然図書館でアンベドカルの「仏陀とそのダンマ
」を見つけて読み、没後50年で何かイベントはないかと探していた
のだった。学生時代に記憶したアンベドカルの名に30年たって再開
し、こんな縁を生むとは思ってもみなかった。

今回はその大学からシンポジウムに誘われたので、読書会仲間に声
をかけて、インド最大の聖地ツアーとして5人で出かけた。どんな
お願いでも聞き届けてくださるというので、原発の放射能で汚染さ
れている日本を救ってくださいとお願いしてきた。

通称バラジ様と呼ばれる神は、ヴェンカテシュワラが正式な名。奥
様の名前がパドマヴァティで、これは女子大の名前でもある。どち
らも何度か聞いて覚えられなかったものが、インドから帰ったころ
にやっと覚えることができた。グローバルビレッジの時代、どうぞ
これからもよろしくと思う。

言葉の記憶はBリンパ球による免疫記憶ではないだろうか。インフル
エンザのように、ウィルスに対する免疫抗体ができるまで三日くら
いかかる。はしかや風疹のように、一度記憶したものは生涯忘れる
ことがない。

インドの神の名を記憶できて、うれしい。
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近況報告
From: Hosoi
皆様

鉱物資源が世の中を賑わしております。6年間深海底鉱物資源の調
査に関わっておりましたが、再び陸上資源に戻ってきました。

書名:「陸上から海底まで広がる 鉱物資源フロンティア」
出版社:日刊工業新聞社

<本の紹介>
資源問題がいま熱い!ここ数年間、マスコミに「鉱物資源」が登場しなかったこと
はない。今や鉱物資源の問題は、専門機関・業界及び専門家の域を超えて、国を挙
げての問題となっている。鉱物資源の世界は一般社会では一番目に付きにくいとこ
ろにあり、知らないことも多い。その一方で、鉱物資源の世界を、分かりやすく紹
介した本も今まで見当たらなかった。本書では、鉱物資源の世界を、自然科学、技
術、社会科学、経済、国際関係の面から、わかりやすく書いてみた。グローバルな
社会の上に、新興国の経済発展は地球上の資源を凌駕する勢いであり、自国の供給
を確保しながら、世界全体の配分も見るといった複視眼的な見方が要求される。広
い範囲の人たちに鉱物資源理解の一助となれば幸いです。

<目次>
はじめに
[プロローグ]資源の世界で今、何が起こっているのか
第1章 鉱物資源は世界にどれだけあるか
第2章 地下の鉱物はこうして金属商品となる
第3章 鉱物資源の流通は何が問題になっているか
第4章 鉱物資源で揺れる世界情勢
第5章 持続的発展のための資源確保戦略
第6章 深海底鉱物資源への期待 
[エピローグ]次代への資源確保に我々の果たすべき使命



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