7カ月半ぶりに1ドル=81円台に下落した。しかし、今後も円安 方向になることは、間違えない。なぜなら、米格付け会社ムーディ ーズ・インベスターズ・サービスで日本国債の格付けを担当するト ーマス・バーン氏は24日、消費増税と社会保障の一体改革が進ま ないと日本国債を格下げする可能性があるとした。 日本国債の格付けが下がると金利上昇して、普通は円高方向になる が、日銀が金融緩和させているので、日本国債の買取量を増やして 、金利上昇を抑えるという。 白川方明日銀総裁は、「1%の物価上昇をめざし強力に金融緩和を 推進する」、「緩和の努力と成長力強化の2つが相まってデフレ脱 却を目指す」と強調したように1%物価上昇を推進するという。 日銀の金融緩和政策と、貿易赤字の拡大で、日本経済は弱いと認識 されているので、円安方向に向かう。 円安になると石油などの価格が上昇して、デフレから脱却すること になるが、日本国内に値上がり分が利益とならずに、海外に流れる ので、国内の景気は、それほど上がらない。 また、野田首相は、消費増税と社会保障の一体改革について、法案 化作業が遅れている一部の社会保障改革法案を切り離し、消費増税 法案を先行して国会に出す方針であり、国民の理解を得るのは難し くなっている。 法案作成を官僚に依存しているために、政権に法案作成の能力がな く、政策遂行の自由性がないために、消費税増税だけを食い逃げさ れる可能性が高くなっている。 このため、国民からの支持率は30%以下になってしまった。自民 党もこのような消費税増税賛成であり、自民党、民主党の支持率は どちらも下がることになる。 国民の期待は、まともな将来像を見通した目標を立てて、それを説 明して、政策を遂行してほしいと言うことであるが、それが官僚の 縦割り行政で、できないために、総合的な政策目標を日本は失って いる。 その総合的な政策目標は、政治家と政治家のブレーンやシンクタン クで立てないとできないが、現在の民主党にも自民党にもそのシン クタンクがないことで、総合目標ができない。 大きな政治問題がそこにあるのに、それを認識していないことで、 日本の政治は漂流している。 今後、円安になり悪性インフレとなり、スタグフレーションに突入 していくことになると見ている。 さあ、どうなりますか? ============================== 円、81円台に下落=7カ月半ぶり−NY外為 【ニューヨーク時事】週末24日のニューヨーク外国為替市場で は、欧米経済に対する先行き不安の後退を受け、円が対ドルで一時 1ドル=81円00銭まで下落、昨年7月上旬以来7カ月半ぶりに 81円台を付けた。午後3時10分現在は80円90〜81円00 銭と、前日午後5時比95銭の円安・ドル高。(2012/02/25-07:49) ============================== 一体改革遅れれば「日本国債格下げも」 ムーディーズ 2012年2月24日23時30分 米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスで日本国 債の格付けを担当するトーマス・バーン氏は24日、東京都内で記 者会見し、消費増税と社会保障の一体改革が進まないと日本国債を 格下げする可能性が出てくると指摘した。 ムーディーズは日本国債の格付けを昨年8月に1段階引き下げて いて、いまの格付けは21段階の上から4番目の「Aa3(ダブル エー・スリー)」にしている。 バーン氏は24日の会見で、一体改革が遅れれば、「長期の財政 の安定性に影響が出かねない」と指摘し、格付けの見通しを現在の 「安定的」から「弱含み」に下げる可能性があると述べた。「弱含 み」に変われば、変更から1年〜1年半をめどに国債が格下げされ る可能性が高まる。 ============================== 消費増税案、先行提出へ 社会保障関連法案と切り離し 2012年2月24日3時2分 消費増税と社会保障の一体改革について、野田佳彦首相は法案化 作業が遅れている一部の社会保障改革法案を切り離し、消費増税法 案を先行して国会に出す方針を固めた。増税法案は3月13日の閣 議決定・提出をめざすが、「一体改革」は名ばかりとなりそうだ。 閣議決定した大綱には、消費税率を2015年10月までに段階 的に10%へ引き上げることを明記。社会保障改革の目玉では、厚 生年金と共済年金を統合する被用者年金の一元化や、厚生年金の適 用をパート従業員らに広げる内容も記した。 この年金一元化や厚生年金の適用拡大などは与党内に反対論が根 強く、法案化作業が難航している。民主党の前原誠司政調会長は23 日、記者団に「被用者年金一元化は作業上の理由で、3月の閣議決 定から外す」と明言した。 ============================== 1%物価上昇へ強力に金融緩和推進=白川日銀総裁 [東京 22日 ロイター] 白川方明日銀総裁は22日、衆議院 予算委員会に出席し、14日の金融政策決定会合で、目指す消費者 物価の前年比上昇率を「中長期的な物価安定の目途」として公表し た経緯について「デフレ脱却への政策姿勢をより明確にするため」 と説明。 「1%の物価上昇をめざし強力に金融緩和を推進する」、「緩和の 努力と成長力強化の2つが相まってデフレ脱却を目指す」と強調し た。民主党・小川淳也委員への答弁。