4276.ギリシャ支援策で合意



欧州連合(EU)ユーロ圏諸国の財務相が、総額1300億ユーロ
のギリシャ支援策で合意に達した。

しかし、財務状況が悪化したので、再度、EU、IMF、ECBの
3機関(トロイカ)とギリシャ政府当局者は、同国の債務減免で民
間の損失負担を拡大する可能性をめぐり、民間債権者の代表と協議
している。

2020年までに現在の160%から120%に縮小する目標を達
成する方向で調整していたが、民間との債務減免で、ユーロ圏財務
相はギリシャの債務削減について、2020年までに国内総生産(
GDP)比123─124%にまで削減する方策で合意したと。

しかし、オーストリアのフェクター財務相は、ユーロ圏財務相会合
では、ギリシャ支援パッケージの一環として、救済資金に関するエ
スクロー勘定について議論するとした。支援パッケージを誰が監督
するかという政治的問題は依然としてあるとした。その上で、「予
算志向に関する議会の主権を侵すことは誰もできない。しかし、支
援と条件を結び付け、条件が満たされることを確認することはでき
る。ギリシャの場合、それは厳しく監督しなくてはならない」と述
べた。

総額1300億ユーロのギリシャ支援策で合意がどのような条件が
付いているか、まだ不透明である。何か付いていないと、今後のギ
リシャ国内の情勢は予断を許さない。

パパデモス首相を支える2大政党の支持率が過去最低水準に低下し
た。無秩序なデフォルト(債務不履行)を回避するため政府が決定
した緊縮財政策に対し、国民のいら立ちが募っていることを示すサ
インである。

NDの支持率は19.4%、PASOKは13.1%であり、4月
にも行われる総選挙では大敗する可能性がある。一方、支援策に反
対する急進左派連合などの小規模政党の支持率は大きく上昇してい
る。政権交代も有り得るし、1300億ユーロは持ち逃げされるこ
とになる心配がある。

さあ、どうなりますか?
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ユーロ圏、ギリシャ支援策で合意=1300億ユーロ−ロイター報道
 【ブリュッセル時事】ロイター通信は21日、欧州連合(EU)
ユーロ圏諸国の財務相が、総額1300億ユーロのギリシャ支援策
で合意に達したと報じた。(2012/02/21-12:21)
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ギリシャの対GDP債務比率、20年までに123─124%に削減へ
2012年 02月 21日 08:22 JST

[ブリュッセル 20日 ロイター] ユーロ圏財務相はギリシャ
の債務削減について、2020年までに国内総生産(GDP)比
123─124%にまで削減する方策で合意したが、さらに目標の
120%近くにまで債務を削減するため協議を続けている。ユーロ
圏当局者3人がロイターに明らかにした。

ある政府高官は「対GDP比123─124%近くの数字で合意し
たが、さらに債務を圧縮する取り組みが続いている」と語った。対
GDP比120%という数字が引き続き目標かとの質問に対して、
政府高官は「イエス」と答えた。

別の当局者は「120%に非常に近い数字」が目標になっている、
と述べた。

当局者によると、ユーロ圏政府高官は、民間債権者の代表である国
際金融協会(IIF)ともギリシャの債務負担軽減に向け協議を進
めている。

当局者2人によると、欧州中央銀行(ECB)が保有するギリシャ
国債から得られる利益を放棄し、ギリシャに戻すかどうかが引き続
き争点となっている。
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ギリシャ2大政党の支持率、過去最低に=世論調査
2012年 02月 21日 10:20 JST 
[アテネ 21日 ロイター] 21日にギリシャで発表された世
論調査で、パパデモス首相を支える2大政党の支持率が過去最低水
準に低下したことが分かった。無秩序なデフォルト(債務不履行)
を回避するため政府が決定した緊縮財政策に対し、国民のいら立ち
が募っていることを示すサインとみられる。

暫定連立政権を支持する最大与党の全ギリシャ社会主義運動(PA
SOK)と与党第2党の新民主主義党(ND)は、欧州連合(EU
)と国際通貨基金(IMF)が1300億ユーロの第2次支援と引
き換えに要求した、厳しい緊縮財政策を承認した。世論調査はその
後、GPOが2月16─21日に実施した。

20日にはユーロ圏財務相会合がブリュッセルで開かれ、対ギリシ
ャ支援の承認について協議しているが、2大政党の党首は、4月に
予定されている総選挙後も緊縮財政策を順守すると書面で誓約して
いる。

世論調査では、この誓約が2大政党離れに拍車を掛けていることが
示された。NDの支持率は19.4%、PASOKは13.1%で
、ともに前回12月のGPO調査から2%ポイント程度低下した。

GPOの世論調査責任者、Takis Theodorikakos氏は調査を委託した
メガTVに対し、「2大政党にとっては、われわれの調査開始以来
の最低水準だ」と語った。

パパデモス首相の支持率も12月の63%から43%に急落した。

一方、支援策に反対する急進左派連合などの小規模政党の支持率は
上昇している。
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ギリシャ支援、解決すべき問題残っている=ユーログループ議長
2012年 02月 21日 01:48 JST 
[ブリュッセル 20日 ロイター] ユーログループのユンケル
議長(ルクセンブルク首相)は20日、ユーロ圏財務相会合を前に
、対ギリシャ第2次支援の合意に期待を示す一方、解決すべき問題
が残されているとの見解を示した。

ユンケル議長は、ギリシャが求められていた支援条件を満たす努力
をしてきたとし、「きょう、最終的な交渉に至ることを期待してい
る。きょう決着しなければならない。無駄にする時間はない」と述
べた。

そのうえで「公的セクターがどの程度寄与できるか、民間債権者の
関与に関する詳細についてどう対応するかといった問題が残されて
いる。第2次支援プログラムの総額についても話し合う必要がある。
1300億ユーロを超えることはできない」と語った。
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民間の損失負担拡大の可能性も=ギリシャ政府筋
2012年 02月 21日 05:02 JST 
[アテネ 20日 ロイター] 欧州連合(EU)、国際通貨基金
(IMF)、欧州中央銀行(ECB)の3機関(トロイカ)とギリ
シャ政府当局者は、同国の債務減免で民間の損失負担を拡大する可
能性をめぐり、民間債権者の代表と協議している。

ギリシャ財務省筋が明らかにした。

同筋によると、協議はユーロ圏財務相会合と平行して行われ、債務
交換協議で民間債権者を代表するダラーラ国際金融協会(IIF)
専務理事やドイツ銀のアッカーマン最高経営責任者(CEO)らが
参加している。

総額1300億ユーロのギリシャ向け第2次支援が承認されるとの
期待が高まる一方、ギリシャが、債務の対国内総生産(GDP)比
率を2020年までに現在の160%から120%に縮小する目標
を達成できないのではとの懸念がくすぶっている。

ギリシャが目標を達成するための選択肢のひとつとして、民間債権
者の負担拡大が検討されている。現時点で、民間債権者は約70%
の損失を負担する見通しとなっている。
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ユーロ圏財務相、ギリシャ支援でエスクロー勘定について協議へ
2012年 02月 20日 18:10 JST 
[ウィーン 20日 ロイター] オーストリアのフェクター財務
相は20日、この日行われるユーロ圏財務相会合では、ギリシャ支
援パッケージの一環として、救済資金に関するエスクロー勘定につ
いて議論するとの見通しを示した。オーストリアのラジオに語った。

同相は、支援パッケージを誰が監督するかという政治的問題は依然
としてオープンだと指摘。支援金の適切な利用を確認するためのエ
スクロー勘定を設置する見通しについては「テクニカルなレベルで
準備されている。各国財務相はこの問題について活発に議論するだ
ろう。私はこのような特別勘定を歓迎する」と語った。

同相は、ユーロ圏は支援金の使途について目を光らせる必要がある
としながらも、ギリシャ政府の予算執行を管理することには否定的
な考えを表明。「予算志向に関する議会の主権を侵すことは誰もで
きない。しかし、支援と条件を結び付け、条件が満たされることを
確認することはできる。ギリシャの場合、それは厳しく監督しなく
てはならない」と述べた。

また、ギリシャをユーロ圏から離脱させるシナリオは議論されてい
ない、と述べた。


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