ユーロ圏財務相会合では、ギリシャ向け第2次金融支援実施の是非 を決定するため15日に予定していた財務相会合の開催を20日に 先送りした。 今年度の財政不足分第2次支援は総額1300億ユーロ(約13兆 円)の支援をするかどうかが第2次金融支援の内容であるが、追加 の財政緊縮策が12日にギリシャ議会で承認されたことを歓迎する 一方で、(1)当初、盛り込まれる予定だった年金改革の見送りで 生じた3億2500万ユーロの不足分の穴埋め策を決定(2)追加 緊縮策実行を約束する文書に、与党3党の党首が署名−−をギリシ ャ側に求めた。 この要求を受けて、ギリシャのベニゼロス財務相は15日、欧州連 合(EU)などからの第2次支援を受けるための2条件を満たした と明らかにした。 この情報を受けて、16日のニューヨーク外国為替市場ではユーロ が対ドルで上昇。ギリシャ債務交換協議の合意が近いとの期待から 投資家心理が改善し、リスク許容度が高まった。 欧州中央銀行(ECB)は保有するギリシャ国債を、同じ額面の新 発債と交換する方針を決めた。同国向け支援資金を捻出するための もので、20日までに交換が完了するという。ということでギリシ ャのデフォルトは遠のいたように見える。 しかし、15日の会合で、4月にも実施されるギリシャの選挙後ま で延期される可能性が出てきた。今回決めた財政緊縮策の実行に反 対する党が勝ち政権が交代した場合、実行されないことになる。 この場合はデフォルトになる可能性がある。これに対して、オラン ダのデヤヘール財務相はまた、ギリシャの無秩序なデフォルト(債 務不履行)もユーロ圏離脱も望んでいないと述べた。 EUサイドの動きを見て、IMFもギリシャ向け第2次国際金融支 援で予定される総額1300億ユーロ(約13兆6000億円)のうちIMF 拠出分を130億ユーロにとどめる見通しのようである。 また、EUも第2次支援の一部のみを今回拠出する方向のようであ る。ギリシャの食い逃げをユーロ諸国は警戒している。 さああ、どうなりますか? ============================== IMF、第2次ギリシャ支援の拠出額は従来より大幅減少へ―総額の 約1割か 2012年 2月 18日 12:00 JST WSJ 国際通貨基金(IMF)は、ギリシャ向け第2次国際金融支援で予定 される総額1300億ユーロ(約13兆6000億円)のうちIMF拠出分を 130億ユーロにとどめる見通しだ。 ============================== オランダ、必要ならギリシャ支援で他の選択肢も模索=財務相 2012年 02月 18日 00:38 JST [アムステルダム 17日 ロイター] オランダのデヤーヘル財 務相は17日、対ギリシャ第2次支援が実現しなければ、オランダ はギリシャ支援に向けた新たなシナリオを模索するとの見解を示し た。 財務相は記者団に対し「ギリシャが国際社会から求められている措 置をすべて実施、かつすべての要請に応じ、支援パッケージを分割 することなく完全な形で承認することが、われわれが達成しようと しているシナリオだ」とし、「だがそれが機能しないなら、代替案 を検討する必要がある」と述べた。 関係筋は15日、ユーロ圏財務当局者は、ギリシャへの第2次支援 の一部、もしくはすべてについて延期する方策を検討していると明 らかにしていた。 デヤヘール財務相はまた、ギリシャの無秩序なデフォルト(債務不 履行)もユーロ圏離脱も望んでいないと述べた。 さらに、ギリシャの無秩序なデフォルトは金融の安定を脅かすリス クがあるとの見方を示したほか、ギリシャの利払い資金を確保する ために、資金を特別エスクロー勘定で管理する案を支持すると語っ た。 ============================== ギリシャ債を新発債と交換へ=欧州中銀、支援資金捻出で−独紙 【フランクフルト時事】独紙ウェルト(電子版)が16日報じた ところでは、欧州中央銀行(ECB)は保有するギリシャ国債を、 同じ額面の新発債と交換する方針を決めた。同国向け支援資金を捻 出するためのもので、20日までに交換が完了するという。 同紙によれば、ECBは額面で計約500億ユーロ(約5兆1700 億円)のギリシャ国債を保有。しかし、流通市場での購入価格は額 面を大幅に下回っているため、同じ額面の新発債と交換すれば差額 分が利益となる。この利益はユーロ圏各国に配分され、各国はギリ シャ支援に充てることができる。 ギリシャ支援では、同国債を保有する民間銀行が新発債との交換 で元本の50%削減を受け入れる見通し。ECBは減免対象となら ない別の新発債と交換することによって、このような債務減免が実 施された場合の損失を回避するとともに、利益を確保する。 (2012/02/17-08:31) ============================== ユーロ圏国債に保証付与=デフォルト時に肩代わり―欧州基金 時事通信 2月18日(土)5時57分配信 【フランクフルト時事】ユーロ圏の債務危機対策を担う欧州金融 安定化基金(EFSF)は17日、各国の国債元本2〜3割を保証する新た な枠組みを立ち上げたと発表した。デフォルト(債務不履行)時に 返済の一部を同基金が肩代わりする仕組みを整えることで、投資家 に債務危機国の国債を買ってもらいやすくするのが狙い。 ============================== ユーロが上昇、ギリシャ債務交換協議の合意期待で=NY市場 2012年 02月 17日 07:56 JST [ニューヨーク 16日 ロイター] 16日のニューヨーク外国 為替市場ではユーロが対ドルで上昇。ギリシャ債務交換協議の合意 が近いとの期待から投資家心理が改善し、リスク許容度が高まった。 ユーロ圏筋は16日、各国中銀が民間債権者による債務交換に先立 ち、保有するギリシャ国債を新発債に交換する見通しであることを 明らかにした。同国債に絡む強制的な損失負担を回避するためとし ている。関係筋によると、債務交換は週末に行われる見通し。 ユーロ/ドルは直近で0.6%高の1.3144ドル。一時1.3148 ドルまで上昇した。一時は1月25日以来の安値となる1.2973 ドルまで下落していた。 ユーロ/円は1.3%高の103.76円。一時12月12日以来 の高値となる103.77円をつけた。 ドル/円は0.7%高の78.89円。一時78.96円まで上昇 した。 ============================== ギリシャが支援条件達成、20日のユーロ圏財務相会合で決定も 2012年 02月 16日 07:17 JST [アテネ 15日 ロイター] ギリシャのベニゼロス財務相は15 日、欧州連合(EU)などから1300億ユーロの第2次支援を受 けるための3条件のうち、残る2条件を満たしたと明らかにした。 週明け20日のユーロ圏財務相会合で、支援実施が決まる可能性が 高まった。 達成した2条件とは「財政緊縮策実行の誓約書」と「歳出削減策の 具体化」。「財政緊縮関連法案の議会承認」は、すでに実行されて いる。 財務相によると、ギリシャ内閣は、今年の追加的な歳出削減33億 ユーロのうち、3億2500万ユーロ分の歳出カットについて、具 体策をまとめた。与党2党首も「緊縮実行の誓約書」への署名を済 ませた。 一方、EU内部ではギリシャへの不信感も依然根強い。複数のEU 筋がロイターに明らかにしたところによると、ユーロ圏当局者は、 ギリシャの無秩序なデフォルト(債務不履行)を回避しながら、同 国への第2次支援の一部、またはすべてについて延期する方策を検 討したもようだ。 ============================== ギリシャ第2次支援は選挙後へ延期も、デフォルト回避 =EU筋 2012年 02月 16日 01:30 JST [ブリュッセル 15日 ロイター] ユーロ圏財務当局者は、ギ リシャのデフォルト(債務不履行)を回避しながら、同国への第2 次支援の一部、もしくはすべてについて延期する方策を検討してい る。複数の欧州連合(EU)筋が15日、明らかにした。 4月にも実施されるギリシャの選挙後まで延期される可能性がある という。 背景には、ギリシャの政治指導者が支援条件である緊縮措置や改革 の実施に十分な決意を示していないことへの不満がある。 また支援合意を通じて、ギリシャの公的債務を2020年までに欧 州委員会、国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)の3 機関が求めている国内総生産(GDP)比120%の水準まで圧縮 できるかどうかも不透明な情勢だ。 ============================== ギリシャ支援:実施決定延期 ユーロ圏財務相会合20日に 【ロンドン会川晴之】欧州連合(EU)でユーロを採用するユー ロ圏諸国(17カ国)は14日、ギリシャが第2次支援を受ける前 提条件を満たしていないとして、支援実施の是非を協議する財務相 会合を、当初予定の15日から20日に延期することを決めた。ユ ーロ圏議長のユンケル・ルクセンブルク首相が声明で明らかにした。 15日は、財務相による電話協議を開き、今後の対応を協議する。 第2次支援は総額1300億ユーロ(約13兆円)。ユンケル議 長は、支援実施の条件のうち、追加の財政緊縮策が12日に議会で 承認されたことを歓迎する一方で、(1)当初、盛り込まれる予定 だった年金改革の見送りで生じた3億2500万ユーロの不足分の 穴埋め策を決定(2)追加緊縮策実行を約束する文書に、与党3党 の党首が署名−−をギリシャ側に求めた。 ============================== ギリシャ支援:決定先送り…ユーロ圏財務相会合 欧州連合(EU)のユーロ圏財務相会合のユンケル常任議長は14 日、声明を発表し、ギリシャ向け第2次金融支援実施の是非を決定 するため15日に予定していた財務相会合の開催を20日に先送り することを明らかにした。15日はテレビ会合にとどめる。 9日に開かれた同財務相会合が2次支援実施の条件としてギリシ ャに求めた連立与党党首らによる保証や、年金カット見送りで生じ た歳出削減の不足分3億2500万ユーロ(約330億円)を補う 方法に関する同国の回答が遅れているのが理由。(共同) 毎日新聞 2012年2月15日 7時39分(最終更新 2月15日 7時48分)