4261.ギリシャ債務危機のどん詰まり



デフォルト(債務不履行)回避に不可欠な財政緊縮策の決断が遅れ
ているギリシャに対し、欧州連合(EU)内で批判が渦巻いている。

欧州連合(EU)欧州委員会のクルス副委員長(デジタル戦略担当
)は7日、深刻な財政危機に陥っているギリシャがユーロ圏から離
脱する可能性に言及した。現実化した場合でも単一通貨ユーロは崩
壊しないとの見解も示した。EUの閣僚に相当する副委員長が、公
然とギリシャのユーロ圏離脱の可能性に触れるのは極めて異例だ。

この状態でも、ギリシャ連立与党は7日、国際社会から第2次支援
策の条件として要求されている緊縮策の受け入れをめぐる連立与党
党首らによる会合を8日に再延期した。

欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)など国際社会は、追加
支援を行う条件として、ギリシャの連立与党を構成するすべての政
党に対し、緊縮策の実行を約束する文書に署名するよう求めている。

しかし、全ギリシャ社会主義運動(PASOK)、新民主主義党(
ND)、極右の国民正統派運動(LAOS)の党首はこの日、第2
支援策受け入れの是非をめぐる会合を再度延期した。4月に行われ
る選挙で、第2次支援策の条件を飲むと負けることが明らかなため
である。

財政危機に陥っているギリシャでは7日、新たな「緊縮策」に反対
する労働組合が24時間ストを決行した。その矛先は財政規律の監
視強化を訴えるドイツにも向けられている。ドイツ国旗を焼き払う
ギリシャ人もいた。

しかし、ドイツのメルケル首相は7日、ギリシャがユーロ離脱に追
い込まれることは望んでいないとの立場を示し、そうした事態に陥
れば、「予測不可能な影響」が生じると述べたが、ギリシャは厳し
い改革を受け入れる以外に選択肢はないと強調した。

負のスパイラルに入ったギリシャは、いつか条件をクリアできなく
なる。今回か次回かの違いだけのような気がするが、さあ、どうな
りますか?

==============================
ギリシャ国民、ドイツへの反感高まる
TBS
 財政危機に陥っているギリシャでは7日、新たな「緊縮策」に反
対する労働組合がストを決行しましたが、その矛先は財政規律の監
視強化を訴えるドイツに向けられていました。

 7日、アテネ市内ではギリシャ政府が導入を検討している新たな
「緊縮策」に抗議し労働組合が24時間ストに突入。デモ隊の一部
が警官隊と衝突したほか、ドイツ国旗を焼き払うギリシャ人もいま
した。これまで、見られなかった光景です。

 ドイツのメルケル首相は、EU各国の「財政規律強化」を一貫し
て主張し、ギリシャに対しては「監視を強化するべき」と発言して
いますが、一方で新たな資金拠出には応じないことから、ギリシャ
人の間でドイツへの反感が高まっています。
==============================
ギリシャをユーロ離脱に追い込むことは望まず=独首相
2012年 02月 8日 06:41 JST 

[ベルリン 7日 ロイター] ドイツのメルケル首相は7日、ギ
リシャがユーロ離脱に追い込まれることは望んでいないとの立場を
示し、そうした事態に陥れば、「予測不可能な影響」が生じると述
べた。

首相は、若者の集会でギリシャ人学生からの質問に対し「ギリシャ
をユーロ圏から追い出すようなことに一切関わるつもりはない」と
答えた。

これより先、ギリシャは第2次支援の条件となっている経済改革案
の受け入れをめぐる連立与党党首らの会合を8日に延期したが、メ
ルケル首相は、ギリシャには厳しい改革を受け入れる以外に選択肢
はないと強調した。

「(ギリシャ)国民を困らせるためにやっているわけではない。そ
んなことをしてわれわれにとって何の利益になろうか」と述べ、ギ
リシャが欧州の支援を受けながら自国のリソースで存続できる段階
に達することを望んでいるとした。

また「外部からギリシャに改革を強制することは誰も望んでいない
」と述べた
==============================
ギリシャが支援めぐる会合を再延期、ユーロ圏首脳はいら立ち
2012年 02月 8日 08:38 JST 

[アテネ 7日 ロイター] ギリシャ連立与党は7日、国際社会
から第2次支援策の条件として要求されている緊縮策の受け入れを
めぐる連立与党党首らによる会合を8日に再延期した。

欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)など国際社会は、追加
支援を行う条件として、ギリシャの連立与党を構成するすべての政
党に対し、緊縮策の実行を約束する文書に署名するよう求めている。

しかし、パパデモス首相率いる連立与党を構成する全ギリシャ社会
主義運動(PASOK)、新民主主義党(ND)、極右の国民正統
派運動(LAOS)の党首はこの日、第2支援策受け入れの是非を
めぐる会合を再度延期した。

ある与党筋は匿名を条件に、会合が再度延期された理由について、
文書が用意されていなかったためだと説明。「与党党首が支援をめ
ぐる一連の措置を評価する時間がなかった」と述べた。

党首らの会合は当初6日に予定されていたが、同じ理由で7日に延
期されていた。
==============================
ギリシャ、ユーロ離脱も 欧州副委員長が異例発言

 【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)欧州委員会のクルス副委
員長(デジタル戦略担当)は7日、オランダ紙フォルクスクラント
とのインタビューで、深刻な財政危機に陥っているギリシャがユー
ロ圏から離脱する可能性に言及した。現実化した場合でも単一通貨
ユーロは崩壊しないとの見解も示した。EUの閣僚に相当する副委
員長が、公然とギリシャのユーロ圏離脱の可能性に触れるのは極め
て異例だ。

 発言は、ギリシャが一方的に債務返済を停止する無秩序なデフォ
ルト(債務不履行)やユーロ圏離脱が万が一にも生じた場合に備え
、EU内で善後策が検討されていることをうかがわせている。

2012/02/07 22:40 【共同通信】
==============================
ギリシャへの不満渦巻く=デフォルト回避の決断に遅れ−EU
 【ブリュッセル時事】デフォルト(債務不履行)回避に不可欠な
財政緊縮策の決断が遅れているギリシャに対し、欧州連合(EU)
内で批判が渦巻いている。7日には欧州委員会のクルス副委員長か
ら「ユーロ圏はギリシャが離脱しても崩壊しない」との発言が飛び
出し、欧州委は「離脱容認か」との臆測の打ち消しに追われた。
 副委員長はオランダ出身。同国やドイツ、フィンランドでは、ギ
リシャ支援のため負担が増大することに対する世論の反発が大きい。
 副委員長は7日付のオランダ紙とのインタビューで「ユーロ圏か
らどこかの国が去っても(ユーロ圏)全体が崩壊するわけではない
」と指摘。さらに、財政再建に取り組んでいるギリシャが正しい方
向に進んでいる保証はないとも述べた。
 これに対しバローゾ委員長は、ギリシャ離脱の代償は、ギリシャ
支援の負担よりもはるかに大きく、「ユーロ圏にはギリシャが必要
だ」と強調。デフォルト阻止に向けた交渉の妥結は間近だとした上
で、「問題解決へ最善を尽くす」と語った。(2012/02/07-22:47)


コラム目次に戻る
トップページに戻る