4259.イスラエルのイラン攻撃はいつ



1月末にイランを訪れた国際原子力機関(IAEA)の高官級調査
団が、核兵器開発に関連する実験が行われたと指摘され、疑惑解明
の鍵ともなる軍事施設への立ち入りをイラン側に拒否されていた。

このため、米国内で対イラン攻撃をめぐる議論が過熱してきた。オ
バマ政権幹部が相次いで、イランの核開発進展への危機感や、イス
ラエルによる単独攻撃の観測を口にしたことで、軍事衝突の可能性
は現実味を増している。

「核保有国イラン」と「新たな中東戦争」という最悪のシナリオの
はざまで、米国の世論は揺れている。

この米国の反応を調査するために、イスラエルの対外情報機関モサ
ドの長官が訪米して情報機関当局者や一部議員と会談、攻撃に踏み
切った場合の米側の対応の分析をしたという。

しかし、オバマ大統領は5日、「イスラエルが必要な行動について
決定したとは思わない」とし、イランの核兵器計画断念に向けて、
両国が「足並みをそろえている」と語った。

そして、2月4日にイラン海軍は、ホルムズ海峡で海軍演習を開始
した。

さあ、どうなりますか??
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イスラエルのイラン攻撃、米大統領「決まったとは思わない」

 [ワシントン 5日 ロイター] オバマ米大統領は5日、米
NBCとのインタビューで、イスラエルがイランの核開発計画にど
う対処するかまだ決めていないとの見方を示した。また、イランが
米国本土を攻撃する「意図や能力」を有している証拠はないと語っ
た。

 オバマ大統領は、「イスラエルが必要な行動について決定したと
は思わない」とし、イランの核兵器計画断念に向けて、両国が「足
並みをそろえている」と語った。

 また、「ペルシャ湾内でのさらなる軍事活動はいかなるものでも
破壊的で、われわれへの影響は大きい。原油価格に大きな影響を与
える可能性があり、そのために外交的な解決が望まれる」と発言。

 その一方で、「われわれは、イランが核兵器を保有し、不安定な
地域での核兵器競争を生み出さないよう、できることはすべて行う
」とも語り、あらゆる選択肢を排除しないとの考えをあらためて示
した。

 イスラエルによるイラン攻撃については、米メディアが先週、パ
ネッタ米国防長官は4月にも行われる可能性を懸念していると報じ
ていた。
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核施設訪問をイラン拒否 IAEA調査団
2012.2.4 19:30サンケイ

 核兵器開発疑惑の解明のため、1月末にイランを訪れた国際原子
力機関(IAEA)の高官級調査団が、核兵器開発に関連する実験
が行われたと指摘され、疑惑解明の鍵ともなる軍事施設への立ち入
りをイラン側に拒否されたことが4日、分かった。欧米メディアが
外交筋の話として伝えた。

 外交筋からは1月末の訪問で「疑惑解明に結び付く成果は得られ
なかった」との声も上がる。調査団は今月21日からイランを再訪
して協議を続けるが、次回協議に際し協力的な姿勢を取るようイラ
ンへの欧米の圧力が強まるのは必至だ。

 立ち入りが拒否されたのは、首都テヘラン郊外にあるパルチン軍
事施設で、IAEAは昨年11月の報告書で、核兵器に用いられる
高性能爆薬の実験などが秘密裏に行われた可能性を強く指摘し、調
査団が立ち入りを求めていた。調査団は面会を要請したイラン当局
者とも会えなかったという。(共同)
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イラン海軍、ホルムズ海峡で定例軍事演習開始
4.02.2012, 19:18ロシアの声

 イラン海軍は、ホルムズ海峡で海軍演習を開始した。昨年12月
にイランが行った軍事演習「ヴェライヤト(覇権)90」では、ミ
サイルの発射が行われている。
 イラン政府が、西側諸国が原油禁輸制裁を同国に導入した場合に
は、ホルムズ海峡を封鎖するとの声明を受け、ペルシャ湾岸地域の
情勢は緊張した。現在、ペルシャ湾には米国海軍の空母カール・ヴ
ィンソが駐留している。これより前、空母エイブラハム・リンカー
ンもペルシャ湾を通過したことおよび、3月には空母エンタープラ
イズの派遣が決まっていることが報じられている。

1月23日のEU外相会議で可決された対イラン禁輸措置は7月1
日より実施される。
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イラン攻撃か否か=最悪のシナリオで議論過熱−米
 【ワシントン時事】米国内で対イラン攻撃をめぐる議論が過熱し
てきた。オバマ政権幹部が相次いで、イランの核開発進展への危機
感や、イスラエルによる単独攻撃の観測を口にしたことで、軍事衝
突の可能性は現実味を増している。「核保有国イラン」と「新たな
中東戦争」という最悪のシナリオのはざまで、米国の世論は揺れて
いる。
 「攻撃すべきか否か」−。外交専門誌フォーリン・アフェアーズ
電子版は最近、「イラン攻撃の時が来た」と題したマシュー・クロ
ーニグ外交評議会研究員の論文を公表。続いて、「イラン攻撃の時
ではない」とするコリン・カール元国防次官補代理(中東担当)の
反論記事を並べて掲載した。
 クローニグ氏は、イラン核武装の場合に米国が背負う安全保障上
のリスクに比べれば、核施設への空爆が「最も悪くない選択肢」と
主張。カール氏は、大量破壊兵器保有が疑われたイラクに対する「
予防的戦争」の失敗を挙げ、「他の選択肢が残っている時に戦争を
選ぶべきではないというのが教訓」と指摘し、クローニグ氏の論点
の反証を試みた。(2012/02/05-14:39)
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イスラエル情報機関長官が訪米、イラン攻撃時の対応見極めで
2012.02.05 Sun posted at: 15:25 JST

(CNN) イランの核開発計画阻止のためイスラエルが先制攻撃
を仕掛けるとの憶測が強まっているなか、米連邦議会筋は5日まで
に、イスラエルの対外情報機関モサドの長官が訪米して情報機関当
局者や一部議員と会談、攻撃に踏み切った場合の米側の対応の分析
に努めたことを明らかにした。

同長官は先週米国を訪れており、クラッパー米国家情報長官は議会
の公聴会でこの事実を確認している。

議会筋によると、モサド長官は一連の会談で先制攻撃を実行した場
合、イランへの対抗措置を含む米側の具体的な対応について見極め
ようとしたという。同筋はまた、先制攻撃の実行前にイスラエルは
米国に通告しないと判断しているとも述べた。

米国防総省高官は先にCNNに対し、パネッタ国防長官はイスラエ
ルが早ければ今春にもイランを攻撃するとの見方に傾斜しているこ
とを明らかにしている。同長官はブリュッセルで北大西洋条約機構
(NATO)の会合に出席した際、記者団にCNN報道の真偽を問
われたが確認も否定もしなかった。

パネッタ長官は、米政府がイスラエルに対し懸念を表明したことを
明らかにしたものの、詳細については言及しなかった。懸念の一つ
は、イスラエルから先制攻撃を受けた場合のイランの反応だと見ら
れている。

ゲーツ米前国防長官は2日、CNNとの会見に応じ「イスラエルは
自らの歴史を踏まえ独自の判断を下すだろう」と指摘。その上で攻
撃した場合に予想されるイランの反応について米国とイスラエルの
意見が食い違っているとし、「大部分の米政府高官は、イランが中
東全体を巻き込んだ大規模な報復行動に出るだろうと受け止めてい
る」と述べた。

イスラエルによるイラン攻撃については米軍制服組トップのデンプ
シー統合参謀本部議長が昨年12月、CNNとの会見の中でイスラ
エルは米国に事前通告はしないだろうとの見方を示していた。議長
は今年1月にはイスラエルを訪問してイランに対する経済制裁の効
果を確認するための時間的余裕を求め、イランへの攻撃を押しとど
めたともされる。

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