4245.ドイツの悲劇、日本の悲劇



ドイツの悲劇、日本の悲劇 ー 関岡英之「国家の存亡」
From: tokumaru

皆様、

関岡英之「国家の存亡」は序論しか読まなかったので、あまり批判
もできませんが、岩村さんのレポートの結論「問題の指摘は共産党
や社民党の言うところと変わりがない。」だから物足りない、これ
では言いっぱなしでおしまい、というところに激しく同感です。

日本「国家の存亡」は、すでに国家はないのではないか、国家とは
何かというところから、きちんと議論しないと、「風呂屋の湯船、
ゆうばっかり」となります。

実は、昨日、防衛省元職員の評論家 太田述正の講演会にいってき
て、ドイツ軍についての質問をしてきました。

ドイツの軍隊がなんのためにあるのか、いまひとつ、よくわからな
いので、ネットで調べていたら、太田述正の講演会があり、そこで
質問をさせてくださいとメールを送ったところ、OKだったので、
新大久保で開かれた講演会にいってきたのです。

講演会場には、さすがに専門家がたくさんいて、太田さんの元同僚
という方も含めて、教えてもらうことができました。

なんと、ドイツ軍には、軍政はあっても、軍令がないというのです。
わかりますか。

つまり、軍事の給料を払うための制度はあっても、軍人に指揮命令
を送るシステムがないというのです。

では、何のためにドイツ軍はあるのか?

これは少なくとも冷戦下では、完全にNATOの指揮系統下にあったと
いうことです。今も大部分はそのようです。

NATOは、ソ連の封じ込めと同時に、ドイツの抑制も目的としていた
というのです。

私は不勉強で、そういうところまでは知りませんでした。
西ドイツは、日本の半分の人口で、日本の二倍の軍人を徴兵してい
ました。

それがすべてNATO(つまりアメリカ)の言いなりになって動くように
なっていたというのです。かわいそうですね、敗戦国は。一人一人
の兵士は、どのように考えていたのでしょう。

演習のたびに、つらい思いをしたのではないでしょうか。

関岡英之の処女作「汝自身のために泣け」にならえば、ドイツのた
めに泣いて、次は日本の現状に対する理解を深めなければならない
のだと思います。

原発事故があって、放射性物質の拡散状況を知らせるSPEEDIの情報
があっても、それは米軍には知らせても、国民には一切知らせない。

これも敗戦国だからでしょうか。

いいとか、悪いとかの価値判断の前に、現実にどのようなことが行
なわれているのか、行なわれてきたのか、ということを知ることが
大切だと思います。

それも、関岡がやったようなヴァーチャルな言語情報でしかない文
献の検証よりも、もっと国民の精神の根底に迫るようなリアルな分
析が必要なのでは。

放射性物質の拡散、汚染食料の垂れ流し、そういった企業倫理も市
民倫理もまったくない金儲けだけ狙った企業活動がまかりとおる日本。

どうしてここまで堕落したのか、もっとリアルに知りたいものです。

とくまる


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