4241.ギリシャのデフォルト確実か



ギリシャの総選挙が4月後半にあり、その選挙に向けて新民主主義
党(ND)が「節約反対!」を唱えて国民からの支持を伸ばしている。

全ギリシャ社会主義運動(PASOK)は来る選挙で議席を減らすことは
確実であるが、3万人の公務員削減計画は実際にはこれまでに千人
の削減しかできていない。与党議員も有権者からの不評を買うよう
なことはしたくないとサボッテいる。

このような状況を見て、ギリシャ中央銀行のプロポボラス総裁は
19日、ギリシャがユーロ圏にとどまるためには構造改革の実施が
避けられず、さもなければ深刻な結果に陥るとの警告を発したが、
効果は出ていない。

この状況で、ギリシャ政府が民間部門と進めている自主的な60%
ヘアカットした上での債務交換をめぐる協議は、再開後もほとんど
進展は見られていない。ギリシャのパパデモス首相は、この交渉の
合意が成立しなければ、債権者に強制的に損失を負担させる法律
の制定を検討するとした。CDSの保険が施行されるデフォルトを行
うとしたのである。

このことを受けて、仏金融当局は国内主要行に対し、ギリシャ国債
に対する引当金比率を、現在の60%から70─75%に引き上げ
るよう通達するという。

とうとう、ギリシャが無秩序なデフォルト(債務不履行)に陥った
場合でも、国内大手行保護を各国が行う準備をし始めるようだ。

しかし、今の日本もギリシャと同じように国民に国債の問題を否定
する評論家がマスコミに登場し、政治家も同調する雰囲気はギリシ
ャと同程度かそれ以上のような感じがする。

さあ、どうなりますか?
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静かにデフォルトにむけて漂流するギリシャ 総選挙を前にあきら
めムードが蔓延
2012年01月17日07:07 Market Hack 

「もうジタバタするのはやめよう」
そういう陰鬱な諦観がギリシャを包んでいます。

ギリシャは去年の11月に尊敬されるテクノクラートであるルーカ
ス・パパデモスを首相に迎え、最後の財政改革を試みました。

しかし結果はこれまでと同じ。財政赤字削減目標はウヤムヤのまま
手つかずにされています。

例えばギリシャは650億ドルの国家資産の売却をトロイカに対し
て約束していますが、現在までに実施されたのはニューヨーク・タ
イムズによると20億ドルのみです。

さらに3万人の公務員削減計画は実際にはこれまでに1,000人が削減
されたにとどまります。

パパデモス首相本人は真面目だし、真剣にギリシャの財政の立て直
しに取り組もうとしていますがギリシャは4月に総選挙を控えてい
る関係上、議員さんたちは有権者からの不評を買うようなことは一
切したくないとタヌキ寝入りを決め込んでいます。

この総選挙自体、そもそも2月に計画されていたのが4月に延期さ
れたのです。その狙いは「先ず追加支援金をトロイカ(EU、IMF、ECB
のこと)から貰って、それから選挙に臨もう」という点にあります。
追加資金さえイタダキにすれば、後は約束を反故にしても大丈夫だ
ろうという読みがそこにあるわけです。

トロイカの方も「もう騙されないぞ」と態度を硬化させており追加
支援金の支払いをストップする決意を固めつつあります。

今回の選挙で特に残念なことはそもそもギリシャ危機の発端を作っ
た放埓な支出で知られる新民主主義党(ND)が「節約反対!」を唱
える事で国民からの支持を伸ばしている点です。

与党の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)は来る選挙でかなり議席数
を失うと見られています。つまりギリシャは既に改革への意思も希
望も失っているということです。

後はギリシャのデフォルトが秩序だったものになるか、それともハ
チャメチャなものになるかだけです。
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ギリシャ総選挙、4月後半以降に 2カ月以上先延ばし
2011年12月31日1時8分
 ギリシャの総選挙が、4月後半以降に先延ばしされる見通しにな
った。来年2月19日投票の見込みだったが、欧州連合(EU)か
ら追加支援策を受けるための手続きが進んでいないためだ。

 「国民投票」騒動の責任を取って11月初めにパパンドレウ前首
相が辞任した際、与党だった全ギリシャ社会主義運動(PASOK
)と最大野党だった新民主主義党(ND)は2月の総選挙で合意し
ていた。

 財政再建に取り組むベニゼロス財務相は「選挙は4月末だ」と述
べた。早期総選挙を求めてきたNDもこれを受け入れた。
(ローマ=石田博士)
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ギリシャ債務交換協議、再開後も進展見られず
2012年 01月 20日 06:25 JST
[ロンドン/アテネ 19日 ロイター] ギリシャ政府が民間部
門と進めている債務交換をめぐる協議は、再開後もほとんど進展は
見られていない。複数の関係筋がロイターに対し明らかにした。

同協議は13日に中断された後、18日に再開。しかし再開後も、
債務交換の一環として新たに発効されるギリシャ国債の表面利率な
どをめぐり難航している。

関係筋によると、協議では民間債権者に対し、新たに発効される国
債の表面利率を3.5%を若干超える水準に設定することが提案さ
れた。しかし債権者側はこの水準では低すぎるとして拒否。最低で
も4%に設定するよう要求したという。

ギリシャ政府高官は「まだ何も決まっていない」と述べ、合意が間
近との観測を否定した。

ただ、協議内容の説明を受けた銀行関係者によると、債務交換のし
くみとこれにかかわる法律に関するあまり重要でない項目に関して
は合意が得られた。同関係者は「向こう3日間で合意に達すること
ができないわけではない。23日、もしくは24日までには、何ら
かの進展が見られる可能性もある」との見方を示した。

ギリシャのパパデモス首相と民間債権者を代表するダラーラ国際金
融協会(IIF)専務理事は19日夕、アテネで再び協議に臨む。
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ギリシャ、改革しなければ孤立の恐れ=中銀総裁
2012年 01月 20日 04:04 JST

[アテネ 19日 ロイター] ギリシャ中央銀行のプロポボラス
総裁は19日、ギリシャがユーロ圏にとどまるためには構造改革の
実施が避けられず、さもなければ深刻な結果に陥るとの警告を発した。

同総裁は会合で「現実を認識しなければ、この国は経済的にも政治
的にも孤立してしまうだろう」と述べた。

幅広い社会的・政治的合意が必要な一連の変革に言及し、ユーロ圏
に留まるためギリシャは必要な改革を実行するべきだと強調した。
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仏、国内主要行にギリシャ国債引当金引き上げ通達へ=国内紙
2012/01/19サンケイ

[パリ 18日 ロイター]  仏金融当局は国内主要行に対し、保
有するギリシャ国債に対する引当金比率を、現在の60%から70
─75%に引き上げるよう通達する用意を進めている。仏ル・モン
ド紙が18日、報じた。

金融健全性規制監督機構(ACP)はこうした通達を行うことによ
り、民間部門債権者が負担するギリシャ国債の元本削減率が当初の
合意よりも大きくなった場合、もしくはギリシャが無秩序なデフォ
ルト(債務不履行)に陥った場合に、国内大手行を保護したい考え。

ル・モンド紙によると、通達の対象となる大手行には、BNPパリ
バ、クレディ・アグリコル、ソシエテ・ジェネラル(ソジェン)、
ナティクシスの親会社、BPCE>などが含まれる。

フランス中央銀行のノワイエ総裁はこれまで、ユーロ圏債務危機に
対しできるだけ慎重に対処し、国内行の資本水準を比較的高水準に
保つ政策を取ってきたが、今回のACPによる通達もこうした姿勢
の一環とみられている。

ACPはこの報道に関するコメントを控えた。ル・モンド紙が挙げ
た4行からもコメントは得られていない。
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民間との債務交換協議、不調なら損失負担強制する法律制定を検討
─ギリシャ首相=NYタイムズ紙
2012年 01月 18日 14:05 JST 
			
 [18日 ロイター] ギリシャのパパデモス首相は、米ニュー
ヨーク・タイムズ紙とのインタビューで、18日に再開する民間債
権者との債務交換協議について、合意が成立しなければ、債権者に
強制的に損失を負担させる法律の制定を検討する方針を示した。

 また、ギリシャの政治家に対しては、欧州連合(EU)や国際通
貨基金(IMF)から支援の条件として求められている財政立て直
しに向けた対策を承認するよう訴えた。

 パパデモス首相は、民間債権者の債務交換プログラムへの参加率
が100%に達しない場合、参加を拒む債権者に強制的に損失を負
担させる法律を成立させることを検討することになる、と述べた。
首相は「達成される参加率の見込みに鑑みて検討する必要がある要
素」とし、「排除することはできない。比率(%)次第だ」と語っ
た。

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