4238.イランと米国の戦争になると?



米国はイランに対する軍事行動を2週間後にも開始する可能性があ
る。ペルシャ湾地域で米国は、公然と軍事プレゼンスを拡大し続け
ていると、ロシア国防筋は見ている。米国は、紛争が起こりうる場
の付近には3隻めの空母が控えている。

また、米国は、「ホルムズ海峡で紛争が起きた場合、米国は訓練さ
れたイルカを利用した特殊部隊を送り込む可能性がある」という。
イランの機雷設置を防止、除去するためにイルカを利用する対応を
とることである。

というように、米軍の対応が整ってきたのを反映して、イラン外務
省は17日、ホルムズ海峡での安全確保を自らの最重要課題と位置づ
けていることを明らかにし、「ホルムズ海峡は世界経済の不可欠な
動脈であり、イランはその安全確保に最大の努力を行う。そのため
には共同行動が必要だ」と述べた。

イランは米国やイスラエルに対して、自国が攻撃されれば相手に大
きなダメージを強いる能力を持っていることをアピールするために
軍事演習「ヴェラーヤト90」を公開していた。

イラン・イラク戦争中の1988年4月に、米ミサイルフリゲート
艦が、イラン側が仕掛けた機雷に接触して損傷。米軍は報復として
6隻の艦船を投入し、2カ所の原油採掘施設を攻撃、イランの高速
艇少なくとも3隻を撃沈している。

というように、ホルムズ海峡封鎖を封鎖しても数日でイラン高速艇
などは一掃されてしまう。通常兵器での戦争は問題ではない。
しかし、ロシアはイランへの対空防衛システム・長距離地対空ミサイ
ルS300の供給禁止措置を現時点行っているが、この提供を受け
ると空母搭載攻撃機には脅威になる。

もう1つが、イランは北朝鮮のミサイル技術を取り入れ、ノドンを
シャハブ3に、テボドンをシャハブ4に、テボドン2をシャハブ5
にしているという。ということで、ミサイルの能力を過小評価はで
きない。もう1つ、北朝鮮が核弾頭をイランに売っている可能性も
あるので、イスラエルは気が気ではないはずである。

この北朝鮮製ミサイルと核弾頭の方が問題である。
さあ、どうなりますか?

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露軍事専門家「米国による対イラン軍事行動」を警告
17.01.2012, 23:30
		
17日ロシア国防省付属社会評議会幹部会のメンバーで雑誌「国家防
衛」の編集長を務めるイーゴリ・コロトチェンコ氏は、リア・ノーヴ
ォスチ通信での円卓会議で発言し「米国はイランに対する軍事行動を
2週間後にも開始する可能性がある。ペルシャ湾地域で米国は、公然
と軍事プレゼンスを拡大し続けている」と述べた。
  またコロトチェンコ編集長は「紛争が起こりうる場の付近には3
隻めの空母が控えている。米軍空母にはそれぞれ、1隻か2隻の多目
的原子力潜水艦を含めた艦船が随行している」と強調した。

 ペルシャ湾から原油を運び出す極めて重要な通り道であるホルム
ズ海峡をめぐる状況は、イラン海軍が先日演習を実施し、最後にミ
サイルの発射実験をしたことで悪化した。これに先立ちイラン軍は
、もし欧米諸国がイラン産原油輸出に制裁を導入するのであれば、
海峡封鎖もありうる」と発言していた。

 こうした発言に続き米国は、地域の船舶航行にいかなる障害をも
たらすことも許さないと約束、軍が早速反応した。 

 コロトチェンコ編集長はさらに、次のような見方を示している―

 「今後起こりうる紛争において、米海軍もまた英国海軍も、ひと
つの隊列で行動するだろう。一定の条件の下では、たとえばもしイ
ランが攻撃の犠牲になり、予防措置としてイスラエル領内へミサイ
ル発射を試みたり、実際に行う場合を含め、イスラエルも米英の行
動に加わるかもしれない。」

 なお米国防総省は「ペルシャ湾地域に数隻の米海軍の空母グルー
プが存在するのは、イランを巡る状況には関係なく、何も異常なこ
とではない」と説明している。
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米軍 対イラン戦にイルカを利用か
17.01.2012, 19:46ロシアの声
		
  テレビ"FOX News"のインタビューの中で、ティム・キーティング退
役提督が述べたところでは「ホルムズ海峡で紛争が起きた場合、米
国は訓練されたイルカを利用した特殊部隊を送り込む可能性がある」
  米軍は、サウジアラビアやアラブ首長国連邦、クウェート及びイ
ラクの石油を海路運搬する輸送の大動脈であるホルムズ海峡をイラ
ンが封鎖するのではないかと懸念している。 おまけにイランは海
峡封鎖を、大型艇ばかりでなく水雷を使って行う可能性がある。 

 米国ではすでに50年以上、そうした水雷を発見するため「水中戦
士」とでも言うべきイルカを特別に訓練している。 訓練を受けた
イルカは、カメラを除去しコンピューターセンターへ信号を送る事
ができるだけではなく、破壊工作分子を殲滅する脳力も持つ。 軍事
紛争の際にイルカを利用しようとの米軍のプランは、動物愛護団体
の強い怒りを買っているが、軍側は「イルカは敷設された水雷の場
所の情報を集めるだけで命のリスクはない」と懸命の説得に努めて
いる。
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イラン制裁、18日から米と協議=日本、適用除外を要請へ
2012年1月17日19時6分
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 核開発を進めるイランに対する経済制裁をめぐる日米協議が、
18日から東京で始まる。米国はイラン政府の資金源を絶とうと、
イラン産原油の禁輸を主張。日本側は輸入削減に同調しつつも、日
本経済への悪影響を抑えるため、邦銀への適用除外など制裁の例外
措置を強く求めていく考えだ。

 米国から、アインホーン国務省調整官やグレーザー財務次官補が
来日。日本側は外務、財務、経済産業、金融の各省庁審議官、課長
級が対応する。

 米国では昨年末、イラン中央銀行と原油売買決済などの取引があ
る金融機関を制裁対象とする法律が成立。適用された金融機関は米
国の金融機関と取引できなくなる。このため、邦銀への適用除外が
認められなければ、全輸入量の約1割を占めるイラン産原油の代金
決済が実質的にできなくなり、全面的な輸入停止につながる恐れも
ある。

 例外規定の適用など実際の法運用では、不明点も多い。日本側は
今週の協議でまず、詳細な説明を求める。協議は長丁場となり、決
着は春ごろになる見込みだ。 

[時事通信社]
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露軍事専門家 「イランへ対空防衛システム援助継続の可能性あり」
17.01.2012, 18:55ロシアの声
		
  ロシアは、どのような場合でも、イランへの対空防衛システム・
長距離地対空ミサイルS300の供給禁止措置を放棄できる。著名
なロシアの軍事専門家で雑誌「国家防衛」の編集長を務めるイーゴリ
・コロトチェンコ氏は、記者会見でこのように述べた。
  コロトチェンコ氏は又「ロシア自身、国連安保理事会の対イラン
制裁措置に追加的に、そうした制限を導入した。それゆえ、それを
取り除く完全な権利を持っている。 加えて、対空防衛システムは
国連安保理事会の『ブラックリスト』に抵触せず、このことは米国
務省も公式的に認めている」と指摘した。

 2010年6月、メドヴェージェフ大統領は、4回目の対イラン国連制
裁決議遂行に関する大統領令に署名した。 それによれば、イラン
へのS300、装甲自動車、軍事用航空機・船舶・ヘリコプターの供
給が禁止されている。
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ホルムズ海峡の安全確保 イラン外交の主要課題
17.01.2012, 12:30ロシアの声
		
   イラン外務省は17日声明を発表し、ホルムズ海峡での安全確保を
自らの最重要課題と位置づけていることを明らかにした。
   イラン国営通信が伝えたところによれば、「ホルムズ海峡は世界
経済の不可欠な動脈であり、イランはその安全確保に最大の努力を
行う。そのためには共同行動が必要だ」と声明では述べられている。

   またイラン政府は、「一部の国々が自らの国益に基づいて、ペル
シャ湾で誰が得をするのか、またするべきでないのか、を恣意的に
決めてはならない」と警告している。

   これより先、イランは自国の石油に対する制裁が導入された際に
は、ホルムズ海峡を封鎖すると脅しをかけており、米国との関係が
緊張していた。ホルムズ海峡には世界の海上石油輸送ルートの40%
が集中しており、米国はイラン海軍による封鎖を許さない、とする
立場をとっている。
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イランはすでに核弾頭を搭載できるミサイルを保有している
How Serious Are Iran’ s Threat?

マイケル・エルマン英国際戦略研究所シニアフェロー
 フォーリン・アフェアーズ リポート 2012年1月

イランはアメリカ(やイスラエル)と湾岸諸国に対して、自国が攻
撃されれば相手に大きなダメージを強いる能力を持っていることを
アピールしたいと考えている。これが、ホルムズ海峡封鎖の警告を
含む、イランの一連の行動と過激な発言の真意だと思う。2003
年以降もイランが核兵器の開発を試みているか? その明確な証拠
を文書に見いだすことはできないが、イランは湾岸地域の都市やイ
スラエルを脅かせる弾道ミサイル領域でかなりの進展を遂げている。
これらには、これまで開発に取り組んできた2段式固体燃料型のセ
ッジール2ミサイルも含まれ、このミサイルはいまや配備できる状
態にある。このミサイルを設計した当時からイランが核弾頭の搭載
を考えていたかどうかはわからない。だが、状況からみれば、セッ
ジール・ミサイルの開発は核兵器の獲得を前提に進められたと考え
てもおかしくはないだろう。

<イランはホルムズ海峡を本気で閉鎖するつもりか>

―― ホルムズ海峡付近でイラン海軍は軍事演習を実施し、一方で
、アメリカに対してこの海域にこれ以上戦艦を送りこまないように
とけん制している。一体、何が起きているのか、これはいつもの論
争にすぎないのか、それとも本当に緊張が高まっているのか。

 イランはこれまでも似たような示威行動をとってきた。1年に数
回は、異なるタイプの軍事演習を実施して対外的にアピールしてき
た。例えば、2011年11月には「いかなる空からの攻撃に対して
も国を守る力をもっている」と表明して、対空防衛システムの演習
を実施し、6月にも弾道ミサイル能力を見せつけるための大規模な
軍事演習を行っている。

 これらの演習は、自分たちが抑止力をもっていること、そしてイ
ランを攻撃する勢力に対しては非常に大きなダメージを与える力を
もっていることを示すことが主な狙いだが、一方で、国内政治を意
識している部分もある。

 国連と欧米諸国による制裁が次第に効き始めているし、イランの
通貨は最近ドルに対して急落している。このため、テヘランの指導
者たちは、対外的に威勢の良い態度をとることが国内政治にはプラ
スになるとみている。

 だが、全般的に言えば、イランは、自国が抑止力をもっているこ
とを対外的に示したいと考えており、この試みの一環として「ホル
ムズ海峡を閉鎖することもできる」と主張している。だが、海峡の
閉鎖はイランにとっても経済的に非常にコストのかかる作戦になる
はずだ。

―― イランはホルムズ海峡の閉鎖を警告しているが、これは、欧
米がイランの石油輸出をブロックするという議論に関連しているの
か。

 イランは原油輸出が封じ込められることを警戒している。「イラ
ンの石油を外国の人々が購入できないようにするつもりなら、われ
われは、ホルムズ海峡を経由する原油輸出をできないようにする」
とテヘランが対外的に威嚇しているのは、このためだ。

 もちろん、イランが本当に海峡を閉鎖する力をもっているのかと
いう疑問はある。海軍の専門家にも聞いてみたが、答はノーのよう
だ。

 イランにはホルムズ海峡を閉鎖する力はない。(タンカーの航行
を妨害して)海峡を通過するコストを引き上げることはできるし、
当然、船舶保険料は急騰するだろう。
イランが一部の船舶の航行を邪魔することはできるだろうが、その
ようなことをすれば報復措置がとられ、事態はエスカレートしてい
く。イランがこうしたリスクを引き受けるつもりが本当にあるかど
うか疑わしい。
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軍事演習「ヴェラーヤト90」
2012年 1月 16日(月曜日) 13:58イラン・ラジオ

ペルシャ湾、ホルモズ海峡、オマーン海といった戦略的海域で行な
われたイラン海軍の大軍事演習「ヴェラーヤト90」が先週終了し
ましたが、世界の政界とメディアでは依然としてその反響が続いて
います。イラン海軍はこの軍事演習を実施することで、イランが持
つ抑止力を世界の人々に示しました。この演習は、イランの防衛力
、抑止力を見せることに加え、この数ヶ月に渡り、根拠のない口実
によってイランへの脅迫を増している敵に対する、真剣なメッセー
ジを含むものでした。
軍事演習「ヴェラーヤト90」は、昨年12月24日に10日間の
日程で開始され、ホルモズ海峡東部とオマーン海からアデン湾の北
緯10度まで、200万平方キロメートルの広範な地域で作戦、情
報活動が行われました。ヴェラーヤト90の目を見張る点として、
作戦区域の広さが挙げられ、このことは、イランのソフト、ハード
面での軍事力と、主権と国土防衛のための最新鋭の兵器の獲得を物
語るものです。ヴェラーヤト90の実施期間中、様々なクラスの潜
水艦、駆逐艦、ミサイル巡洋艦、補給艦、偵察艦、ヘリコプター、
無人機、そして沿岸部に設置された様々な射程距離も持つ各種ミサ
イルが、それぞれの能力を披露しました。

この軍事演習では、護岸施設や軍用ドック、埠頭などの施設に対す
る敵の攻撃を防いだり、敵艦隊の往来を阻止することを目的に、機
雷投下訓練が行われました。また、海上と沿岸部における偵察機に
よる偵察活動の演習が、北緯20度における公海上の訓練区域の広
い範囲において、想定する敵艦隊の上空で成功裏に行われました。


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