4235.イランと米国は戦争回避へ、イスラエルが問題



イスラエルは、戦争モードの初期で、核研究者などの暗殺に突入し
ているが、イランも米国も本音の部分では戦争回避である。しかし
、イランは核の平和利用の研究と原子力発電所のウラン燃料の製造
は譲れない。

米国は核兵器開発への転用を恐れているが、戦争になり地上軍を投
入できるとは思っていないしできない。戦争終結ができないことに
なる。米空海軍だけでは、相手も負かすことは出来ない。地下深い
施設への爆撃はできない。

イスラエルは、イランの核兵器+ミサイルで、核攻撃される危険が
あり、早期にその芽を潰したいようだ。このため、戦争モードに突
入している。「専門家殺害は、今後起こりうる爆撃の後、イランが
自国の原子力産業を復興させるのを困難にさせるためのものだ」で
、作戦行動のようである。2年間で5度目のものである。

イラン外務省は15日、イランがオバマ米政権から原油輸送の大動
脈であるホルムズ海峡の安全に関するメッセージを受け取ったこと
を認めた上で「必要があれば回答する」と述べた。また、14日、
国際原子力機関(IAEA)の査察団を今月中にも受け入れる方針
を示した。

査察団受け入れ表明の裏には、米国との本格的な衝突を望まないイ
ランの本音が透けて見える。オバマ米政権は今年11月に大統領選
を控え、ユダヤ系への配慮から対イラン強硬姿勢を強めざるをえな
い状況だが、イランにも同様の事情がある。

イランも3月2日の国会議員選挙に向け、政権内の大統領派と反大
統領派による権力争いが過熱。双方とも対外的な強硬姿勢を貫くこ
とで、制裁で疲弊する国民の不満を国外にそらす狙いだ。

15日、イランのハティビ石油輸出国機構(OPEC)理事はアラ
ブ諸国に対し「彼ら(米欧諸国)に協力して増産すれば、共犯者と
みなす」と強い口調で警告したのは、原油禁輸でその代わりする中
東諸国をけん制する発言であり、経済的に大きな損失になることを
避ける狙いもある。

しかし、イスラエルは戦争を効果的に行うために、米国の支援が必
要である。米国は戦争支援が出来る状態ではなく、非常に困った状
況になっている。

ここで、日本が出るチャンスがあるが、どうすればイスラエルの戦
争モードを解除させられるかが問題である。

さあ、どうなりますか??
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英日曜紙「イラン人学者殺害は軍事作戦のプロローグ」
15.01.2012, 18:48ロシアの声
		
  15日付の英国の日曜紙「サンデータイムズ」は「イスラエルの
秘密戦争」という記事の中で、イラン人原子力学者殺害作戦は、イラ
ンの原子力施設に対する「軍事攻撃のプロローグだ」と報じた。 
新聞はこれを「イスラエルの個人情報筋」からのものとして伝えている。
 記事執筆者は「専門家殺害は、今後起こりうる爆撃の後、イラン
が自国の原子力産業を復興させるのを困難にさせるためのものだ」と
主張している。

 なお11日に首都テヘランで殺害されたナタンズ原子力センター
の原子力学者モスタファ・アフマディロシャン氏の状況について「サ
ンデータイムズ」は「彼は、イスラエルのエージェント・グループが
参加した複雑かつ困難な作戦の対象になった。 この作戦は、ここ
2年間で5度目のものだった」と指摘している。
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イラン「必要あれば回答」 ホルムズ海峡封鎖で米政権メッセージ
2012.1.16 09:03サンケイ

 イラン外務省のメフマンパラスト報道官は15日、イランがオバ
マ米政権から原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡の安全に関する
メッセージを受け取ったことを認めた上で「必要があれば回答する
」と述べた。国営イラン通信などが伝えた。

 米政権からのメッセージの詳細やイランの最高指導者ハメネイ師
宛てであったかどうかなどは不明。報道官は、米国の国連大使、米
国の利益代表部を務めるテヘランのスイス大使館、イラクのタラバ
ニ大統領の3者からイラン側に伝達されたと説明している。

 13日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、イランが原油輸出へ
の制裁が科された場合、ホルムズ海峡を封鎖するとの発言を繰り返
していることについて、オバマ政権がハメネイ師に対し、封鎖は許
容限度を超えるとの警告を伝達したと報じた。(共同)
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イラン核問題:IAEA査察団、月内受け入れも 米と接点探る

 【テヘラン鵜塚健】原油輸送の世界的要衝であるホルムズ海峡を
巡り、米・イランの緊張が高まる中、イラン外務省は14日、国際
原子力機関(IAEA)の査察団を今月中にも受け入れる方針を示
した。国内事情から対外強硬姿勢を崩せないイランは、海峡封鎖を
ちらつかせる瀬戸際作戦を続けつつ、米欧諸国に一定の譲歩を見せ
、接点を探り始めた。

 イラン国営通信によると、メフマンパラスト外務省報道官は「査
察団が月内にも核関連施設を訪れる」としたが、査察対象や協力の
程度などは不明。一方で「核の平和利用の権利を手放すことはない
」とし、大きな転換はないことも強調した。

 昨年12月末にイラン政府高官が、米欧諸国の原油禁輸制裁が発
動された際の「ホルムズ海峡封鎖」に言及。米CNNテレビによる
と今月6日には、ホルムズ海峡周辺で米艦船にイランの小型高速艇
が急接近する「挑発行為」が2件発生。米紙ニューヨーク・タイム
ズによると、米政府は「秘密ルート」を通じ、イランの最高指導者
ハメネイ師に海峡封鎖をしないよう警告した。

 査察団受け入れ表明の裏には、米国との本格的な衝突を望まない
イランの本音が透けて見える。オバマ米政権は今年11月に大統領
選を控え、ユダヤ系への配慮から対イラン強硬姿勢を強めざるをえ
ない状況だが、イランにも同様の事情がある。

 3月2日の国会議員選挙に向け、政権内の大統領派と反大統領派
による権力争いが過熱。双方とも対外的な強硬姿勢を貫くことで、
制裁で疲弊する国民の不満を国外にそらす狙いだ。対米関係で弱腰
は見せられない。

 今月11日にはテヘランで核科学者が爆殺される事件があり、ハ
メネイ師は米・イスラエルの関与を指摘し「犯人に裁きを下す」と
断言。2月にはホルムズ海峡で再び軍事演習を実施する予定だ。こ
うした状況の中での査察団受け入れは、米欧諸国との核問題交渉の
再開につなげ、制裁を回避したい思惑がある。

 ◇アラブ挟み互いにけん制
 米国とイランの対立は、双方によるアラブ諸国を通じた駆け引き
を招き、地域の新たな緊張も生んでいる。

 近くイラン産原油の禁輸制裁に乗り出す構えの米国や欧州連合
(EU)は、制裁の影響軽減のため、サウジアラビアやアラブ首長
国連邦(UAE)などアラブ諸国にイラン原油の代替となる原油増
産を要請した。

 外貨収入の8割を原油輸出が占めるイランは、制裁で原油輸出が
減り、さらに各国の増産で原油価格が低下するのを強く懸念してい
る。15日の地元紙シャルグによると、イランのハティビ石油輸出
国機構(OPEC)理事はアラブ諸国に対し「彼ら(米欧諸国)に
協力して増産すれば、共犯者とみなす」と強い口調で警告した。

 一方、ホルムズ海峡の緊張が続けば、原油高値になり、イランを
利する。親米国UAEは9日、海峡を迂回(うかい)する建設中の
パイプラインについて「半年以内の稼働」を発表。リスク軽減を図
るUAEの背景には、米国の意をくんでイランをけん制する意味も
あるようだ。

毎日新聞 2012年1月16日 東京朝刊

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