4234.イランがホルムズ海峡で封鎖するには?



イランが20%程度のウラン濃縮を開始することで、米国はイラン
産原油の輸出ができない処置を大統領権限で取れる法律を通したこ
とで、始まった。原油禁輸処置を取ったなら、イランはホルムズ海
峡を封鎖すると宣言した。これを検討しよう。  津田より

0.はじめに
2011年10月31日にイスラエルのネタニエフ首相は、防衛の
ためにイランの原子力施設を攻撃する可能性があると仄めかした。
これにより、イランのウラン濃縮が中東戦争をなることを世界が知
ることになる。このため、米国もイランの核開発に反対している。

しかし、イランは原子力発電所を作り、その燃料棒の生産を自国で
行うことにこだわり、このため、再三、米国はイランにウランの濃
縮を止めるように要求している。

そして、とうとう、オバマ米大統領は12月31日、国防権限法案
に署名し、同法が成立した。核開発問題をめぐるイランへの制裁強
化のため、収入源である原油輸出に打撃を与えられる新たな措置が
この法律には盛られている。

これに対して、イランは1月1日、核燃料棒の製造に成功し、性能
試験を初めて行った。2日にかけてはペルシャ湾でミサイル発射試
験を相次ぎ実施した。そして、イランは原油輸出に制裁が科された
場合、原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡の封鎖を命じることを
指導部が決定したという。

そして、イランは中部コム近郊の地下にあるウラン濃縮施設での濃
縮作業を近く開始すると述べた。ここで約20%のウランを製造す
るが、空爆しにくい地下施設で製造することで、イスラエルなどに
よる軍事攻撃をけん制する狙いがあるとみられる。

イランの革命防衛隊の司令官は6日、ホルムズ海峡で2月、新たな
軍事演習を計画していると述べた。「偉大な予言者」と名付けられ
た演習で、同司令官はこれまでの演習とは異なる形になると語った。

パネッタ米国防長官は、デンプシー統合参謀本部議長とともに8日
、イランが世界的な原油輸出航路のホルムズ海峡を封鎖することは
決して許さないとし、イランが海峡を封鎖すれば「われわれは行動
を起こす」と述べ、軍事行動も辞さないと警告した。

これに関して、UAE=アラブ首長国連邦は、ホルムズ海峡をう回
して原油を輸出できるパイプラインの運用を半年以内に開始する方
針を明らかにした。

イランの最高指導者ハメネイ師は9日、「帝国主義者ども(欧米)
はイラン政府と国民を制裁で脅しているが、我々は決めた道を歩み
続ける」と述べ、核開発の放棄を拒否する姿勢を改めて示した。

10日、イスラエル参謀総長ベニー・ガンツは、2012年は不測
の事態が起こる年であると言った。

イランの首都テヘラン北部で11日朝、車が爆発し、大学教授のモ
スタファ・アフマディロウシャン氏と運転手が死亡したと伝えた。
イランは、イスラエルと米国が行ったとしたが、米国は否定したが
、イスラエルは明確な否定をしていない。ガンツがいう不測の事態
の1つ目が起こったことになる。

イランの最高指導者ハメネイ師は12日、「我々はテロ事件の犯人
に必ず裁きを下す。テロは臆病者のやることであり、CIA(米中
央情報局)やモサド(イスラエルの対外特務機関)が計画、支援し
たものだ」と両国の関与を明確に指摘した。

また、イランのアハマディネジャド大統領は13日、「米国がイラ
ン国民を煩わせたいのなら、断固とした態度で対抗する」と警告。
緊張が高まれば、原油輸送の要衝ホルムズ海峡の封鎖などの強硬措
置も辞さない姿勢を示唆した。

また研究者の爆殺を受けて、欧州連合(EU)のイラン産原油禁輸
措置の実施は6カ月先送りされる可能性が高くなった。インド、中
国はイラン原油禁輸処置を取らないことを明言した。

日本は安住財務相はガイドナー財務長官に段階的な削減をするとし
たが、野田首相はそれを否定している。しかし、米財務省当局者は
13日、テロ関連金融対策を担当するグレーザー財務次官補を来週
、日本と韓国に派遣することを明らかにした。

また、国連のパン・ギムン事務総長も、11日、イランの核研究者
が殺害された事件を受け、これを非難する声明を表した。

オバマ米政権は13日、イランの最高指導者ハメネイ師に、原油輸
送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖は「越えてはならない一線」だ
と警告するメッセージを伝えた。

米国防総省は11日、米海軍が中東に2隻目の空母「カール・ビン
ソン」を投入し、既に展開中の「ジョン・C・ステニス」の交代を
延期し、当面2隻態勢で運用するとした。また、キャメロン英首相
は13日、イランがホルムズ海峡を封鎖した場合「全世界が結集し
て封鎖を解除させる」と警告した。

そして、イラン核武装を危機的に見ているイスラエルが、米国の反
対を押し切って、イランに対して軍事行動を起こす可能性が高まっ
ているようだ。このイスラエルがイランを攻撃した場合に備え、米
国はペルシャ湾一帯にある自国施設の防御措置を緊急に策定してい
る。

米国は、世界世論を動かしてイランにウラン濃縮を止めさせたいが
、イスラエルは緊急的な攻撃に出る可能性が高くなっている。この
ため、米国のデンプシー統合参謀本部議長は来週にもテルアビブで
イスラエル軍のトップらと会談を行う。

米国もイランも本当の戦争をしたいと思っていないが、どうもイス
ラエルがイランに航空攻撃を掛けることになりそうである。

このため、イランと米国の要請で戦争への抑制のために、国際原子
力機関(IAEA)はイランの核兵器開発疑惑の解明に向け、28
日にも同国に調査団を派遣すると報じた。

米国防総省高官は13日、同海峡と同湾で1月6日、イランの複数の高
速小型艇が米軍艦船と湾岸警備隊の警備艇に急速に接近する敵対行
為を2件起こしていたことを明らかにした。小型の高速艇は通常、
イランの革命防衛隊の所属で、イラン海軍艦船より戦闘的な行為が
目立つという。

イラン内部でもイラン海軍とイラン革命防衛隊での考え方が違うよ
うである。もし戦争になれば、イラン経済は大打撃を受けるので、
イラン正規軍は戦争を望んでいないが、革命防衛隊は攘夷的なこと
で戦争行動を取りやすいのであろう。

イスラエルやイラン革命防衛隊の本気での戦争志向を止めるために、
米国だけではなく、日本やインドなど中間的な位置にある諸国が仲
介する必要がありそうである。

しかし、イスラエルのネタニエフ首相はタカ派であり、その説得は
米国でさえ、難渋しているので、日本ができるとは思わないが、や
るべきである。ということで、問題の中核はイスラエルのようだ。

1.封鎖方法と戦争推移
まず、イスラエル空軍がナタンツ、コムの原子力施設への攻撃で戦
争は始まる。その報復として、イランはクウェートにいる米軍を攻
撃することと、ホルムズ海峡封鎖になる。

このホルムズ海峡封鎖は、今までに一度、現実に実施している。イ
ラン・イラク戦争末期の1980年代後半で、米欧やアラブ諸国が
イラクを支援する中、孤立するイランは対抗手段として海峡封鎖を
公言し、高速艇で航行の妨害をした。機雷封鎖は海峡の幅が30キ
ロ以上と広いので、できないようだ。

しかし、一度目の封鎖で米欧は海軍艦船を海峡とペルシャ湾内に派
遣したが、88年7月、米イージス艦はイラン戦闘機と誤認し、ミ
サイルでイラン航空エアバス機を撃墜、290人が亡くなった。こ
の約2週間後、イランは一貫拒否していた国連の即時停戦決議案を
受諾、事実上の敗北を受け入れた。

現在、イラン海軍はアルバンド級フリゲートを3隻、モッジ型フリ
ゲートを2隻で、海軍力はあまり強くない。革命防衛隊は高速艇を
多数持つが、戦力的な意味ではタカが知れている。米空母で十分に
押さえられる。また、イラン空軍はF-14A トムキャット 36機と
MiG-29B 40機が主力であり、あまり強力ではない。

ロシアから最新鋭防空ミサイルS-300 (ミサイル)が供与されている
というが、これ以外は旧式の対空ミサイルである。地対艦ミサイル
「カデル」は、2日実験に成功して、まだ配備されていない。

地対地ミサイルのR-27改 ムスダンがあり、これは北朝鮮製の中距離
弾道ミサイルで、対ミサイルミサイルのSM3などがないと、クウ
ェートの米軍が危ないことになる。

しかし、所詮、米空母からの飛行捜索と破壊で、早期に排除される
ので、イランとしては人海戦術でクウェートの米軍を叩くしかない。

まあ、順調に行けば、半月でホルムズ海峡の封鎖はできなくなり、
海賊的な攻撃をするしかないが、これも護送船団方式ですれば問題
がなくなる。しかし、戦争自体は継続していくでしょうね。米軍は
イランに地上部隊を投入しないので、中ロが提案する国連の即時停
戦決議案をイランが受け入れることでしか終了しないと見る。

3.日本の対応
3ケ月の備蓄で繋ぐしかないが、今後、エネルギーの中東依存を改
めることが必要である。また、原発の早期開始をしないと電気も不
足して、日本の経済はメチャメチャになるので、一刻も早く再開す
ることである。

電力があれば、東南アジアへ脱出した工場は日本に戻るしかない。
東南アジアの電力は中東石油に依存しているので、脆弱であり、電
力不足で工場は稼動できないことになる。

そして、戦争終結後、再度、原発問題を議論していくしかない。

さあ、どうなりますか?
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U.S. Warns Israel on Strike
Officials Lobby Against Attack on Iran as Military Leaders 
Bolster Defenses
By ADAM ENTOUS,JULIAN E. BARNES and JAY SOLOMON
米国の反対を押し切ってイスラエルがイランに対して軍事行動を起
こす可能性が高まっている=米WSJ

WASHINGTON?U.S. defense leaders are increasingly concerned 
that Israel is preparing to take military action against Iran
, over U.S. objections, and have stepped up contingency planning 
to safeguard U.S. facilities in the region in case of a conflict.

President Barack Obama, Defense Secretary Leon Panetta 
and other top officials have delivered a string of private 
messages to Israeli leaders warning about the dire consequences 
of a strike. The U.S. wants Israel to give more time 
for the effects of sanctions and other measures intended 
to force Iran to abandon its perceived efforts to build nuclear weapons.

Stepping up the pressure, Mr. Obama spoke by telephone 
on Thursday with Israeli Prime Minister Benjamin Netanyahu, 
and U.S. Gen. Martin Dempsey, chairman of the Joint Chiefs 
of Staff, will meet with Israeli military officials 
in Tel Aviv next week.

The high-stakes planning and diplomacy comes as U.S. officials 
warn Tehran, including through what administration officials described 
Friday as direct messages to Iran's leaders, 
against provocative actions.

Tehran has warned that it could retaliate to tightened sanctions 
by blocking oil trade through the Strait of Hormuz. 
On Thursday, Iran's Supreme Leader Ayatollah Ali Khamenei vowed 
to punish the perpetrators of the assassination?blamed by Iran 
on the U.S. and Israel?of an Iranian scientist involved 
in the nuclear program.

The U.S. denied the charge and condemned the attack. 
Israel hasn't commented.

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イラン高速艇が米軍艦船らに威嚇行為、ペルシャ湾などで2度
CNN.co.jp 1月14日(土)16時42分配信
(CNN)イランによるホルムズ海峡封鎖の威嚇で緊張が高まるペルシ
ャ湾情勢で、米国防総省高官は13日、同海峡と同湾で1月6日、イラ
ンの複数の高速小型艇が米軍艦船と湾岸警備隊の警備艇に急速に接
近する敵対行為を2件起こしていたことを明らかにした。発砲は起き
なかった。

米軍の水陸両用輸送船「ニューオーリンズ」への接近はホルムズ海
峡で起きたもので、同船は警笛や音声で応答を呼び掛けたものの反
応がなく、一時は約457メートル内にまで近付いたという。この後、
高速艇は海域から離れていた。国防総省はイラン側の行動について
国際海洋航行の行動基準を無視していると批判した。

また、クウェート市から東方へ約121キロ離れたペルシャ湾上で同日
、米沿岸警備隊の警備艇「アダック」が航行中、イランの高速艇に
よる威嚇行為を受けた。イラン人乗組員は自動小銃AK47で武装して
いたとみられ、少なくとも1個のビデオカメラを保持していた。高速
艇の1隻の前部には機関銃が装備され、要員が張り付いていたという。
米警備艇が、周辺海域にいた別の大型のイラン艦船に連絡した後、
高速艇は敵対行為を中止していた。

米側はこれらの嫌がらせ行為をビデオで撮影しており、米国防総省
は13日夜にも公表する見通し。ペルシャ湾での米軍艦船とイラン海
軍艦船との遭遇は長年報告されているが、米海軍によるとイラン艦
船によるより挑発的な行為がここ数週間増えている。小型の高速艇
は通常、イランの精鋭部隊、革命防衛隊の所属で、イラン海軍艦船
より戦闘的な行為が目立つという。

一方、米国は同海峡が封鎖された場合、実力行使の報復を警告して
いる。米海軍の第5艦隊はペルシャ湾上の島国バーレーンに母港を持
つ。
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米国 イスラエルのイラン攻撃を想定した計画準備
14.01.2012, 13:43ロシアの声

 米国はイスラエルがイランを攻撃した場合に備え、ペルシャ湾一
帯にある自国施設の防御措置を緊急に策定している。14日、米国紙
「ウォール・ストリート・ジャーナル」が報じた。
 報道によればオバマ大統領とパネッタ国防相はイスラエル指導部
に宛て数回にわたり親書を送り、イスラエルがイラン空爆を行った
場合の結果について警告を発しているほか、12日にはオバマ大統
領とイスラエルのネタニヤフ首相の間で電話会談が実施されている。

 米空軍のデンプシー参謀総長は来週にもテルアビブでイスラエル
軍のトップらと会談を行う。イスラエルが空爆した際のイランの報
復措置にそなえ、現在米国はクウェートに1万5000人規模の米
軍兵士と海軍の2個の空爆隊を配置している。
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イランの核学者殺害 国連事務総長が非難声明
14.01.2012, 13:22ロシアの声

 国連のパン・ギムン事務総長は、11日、イランの核研究者が殺
害された事件を受け、これを非難する声明を表した。ロイター通信
が伝えた。
 事務総長は学者であろうと、一般市民であろうといかなるテロ行
為も殺人も許してはならないと糾弾し、人権擁護を訴えた。

 総合技術大学で教鞭をとるムスタフ・アフマディ・ロシャン氏(
32歳)は11日朝、爆弾が仕掛けられた車の爆発により死亡した
。警察の情報によると、不信なオートバイがロシャン氏の車に磁石
爆弾をしかけて走り去った。

 ロシャン氏はナタンズ市の核施設の副所長で商業問題を担当して
いた。イラン保安庁はこの事件をテロと断定し、イスラエル特務員
らによる犯行との見方を示している。
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印、イラン原油輸入継続へ
産経新聞 1月14日(土)7時55分配信
 【ニューデリー=田北真樹子】米国や欧州連合(EU)がイラン
からの原油輸入禁止を含む制裁を強めるなか、インドは原油輸入を
当面継続する方針を固めたもようだ。ロイター通信と複数の地元紙
が12日、報じた。

 ロイター通信によると、ある政府高官は、「われわれはこれまで
もイランと取引をしてきたし、これからも続ける」と明言。また、
イラン産原油の買い手を保護する免責条項の適用を求める考えがな
いことも示唆した。インドは、16日から政府高官をイランに派遣
する。

 インドは近年、米国との関係を緊密化させている。だが、日本の
ような同盟国の動きに同調することには懸念が強い上、イランとの
関係悪化は可能な限り避けたいとの考えが強い。
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海峡封鎖、全世界結集し解除=イランに警告−英首相
 【リヤドAFP=時事】サウジアラビアを訪問したキャメロン英
首相は13日、イランがホルムズ海峡を封鎖した場合「全世界が結
集して封鎖を解除させる」と警告した。中東の衛星テレビ局アルア
ラビアのインタビューに答えた。
 サウジ滞在中、キャメロン首相はアブドラ国王と会談し、英首相
官邸によると、両首脳は「最近の地域情勢、特にシリア、イラン、
イエメンについて互いに共有する懸念を話し合った」という。
(2012/01/14-07:16)
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制裁「効果なし」=対決なら断固行動−イラン大統領
 【サンパウロ時事】イランのアハマディネジャド大統領は13日
に放映されたメキシコのテレビ局との会見で、「イランに対する制
裁や禁輸措置は効果がなかった」と主張、米欧による追加制裁強化
に屈することなく、核開発を継続する決意を強調した。ロイター通
信が伝えた。
 大統領はさらに「米国がイラン国民を煩わせたいのなら、断固と
した態度で対抗する」と警告。緊張が高まれば、原油輸送の要衝ホ
ルムズ海峡の封鎖などの強硬措置も辞さない姿勢を示唆した。
(2012/01/14-06:33)
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イラン:科学者殺害、厳しく非難−−ハメネイ師声明

 【テヘラン鵜塚健】テヘラン北部で11日に起きた爆弾テロによ
る科学者殺害事件で、イランの最高指導者ハメネイ師は12日、声
明を出し、米国とイスラエルを異例の強い口調で非難した。声明は
「我々はテロ事件の犯人に必ず裁きを下す。テロは臆病者のやるこ
とであり、CIA(米中央情報局)やモサド(イスラエルの対外特
務機関)が計画、支援したものだ」と両国の関与を明確に指摘した。

 米欧が制裁を準備する中、イランは「海峡封鎖」に言及。さらに
科学者爆殺事件が加わり、国内で強硬な機運が高まっている。

毎日新聞 2012年1月14日 東京朝刊
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米、ホルムズ海峡封鎖発言に警告 イラン最高指導者向け
2012年1月14日0時2分

 米ニューヨーク・タイムズ紙は13日、オバマ米政権がイランの
最高指導者ハメネイ師に、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の封
鎖は「越えてはならない一線」だと警告するメッセージを伝えた、
と報じた。

 米国はイランと断交しており、通常はスイスを通じてイラン側と
やりとりしているが、今回は秘密のルートを通じてメッセージを送
ったという。警告の詳しい内容やイラン側の反応は不明。オバマ政
権は、イランが一時的にホルムズ海峡を封鎖する能力を持つとみて
、警戒を強めている。(ワシントン)
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核疑惑解明へイランに調査団=下旬にも派遣−IAEA
 【ベルリン時事】AFP通信は13日、外交筋の話として、国際
原子力機関(IAEA)がイランの核兵器開発疑惑の解明に向け、
28日にも同国に調査団を派遣すると報じた。
 IAEAの天野之弥事務局長は昨年11月の報告書で、イランが
核兵器開発につながる活動を続けていたことを示す根拠を提示。同
国への調査団派遣を提案していた。
 イランは一貫して疑惑を否定している。AFPによれば、調査団
が核関連施設訪問を認められるのか、イラン当局者と会談するだけ
なのかは不明。(2012/01/13-23:51)
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首相「安住氏個人の見解」 イラン制裁で原油調達削減
2012年1月13日22時52分

 野田佳彦首相は13日の記者会見で、安住淳財務相がイランから
の原油調達を減らす意向をガイトナー米財務長官に伝えたことにつ
いて「見通しを個人的に話した。政府としてはこれから詳細に実務
的な理論を踏まえながら対応を詰めていきたい」と語り、政府の統
一見解ではないとの認識を示した。フランスのジュペ外相と都内で
13日に会談した玄葉光一郎外相も共同会見で「慎重にかつ賢く対
応する必要がある。政府でこれから最終的な調整を行っていくとい
うのが正確だ」と述べた。
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イラン制裁巡り日米が協議へ 米、財務省高官を派遣
2012年1月13日18時57分

 米財務省当局者は13日、テロ関連金融対策を担当するグレーザ
ー財務次官補を来週、日本と韓国に派遣することを明らかにした。
日本の安住淳財務相が12日にイランからの原油輸入を段階的に減
らしていくことを表明したのを受け、具体策を協議するという。
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EUのイラン産原油禁輸措置、6カ月先送りの見通し−当局者(1)

  1月12日(ブルームバーグ):欧州連合(EU)のイラン産原
油禁輸措置の実施は6カ月先送りされる可能性が高くなった。協議
に詳しいEU当局者が12日、明らかにした。ギリシャやイタリア、
スペインなどがイランに代わる原油供給元を見つける必要があるた
めという。
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イラン核科学者の暗殺 米、イスラエルは関与を否定
2012.01.12 Thu posted at: 10:55 JST

(CNN) イランの首都テヘランで11日朝に起こった爆弾テロ
で核科学者のモスタファ・アフマディ・ロシャン氏が死亡した事件
で、イスラエルと米国は関与を否定した。

国営イラン通信(IRNA)によると、何者かがオートバイでモス
タファ・アフマディ・ロシャン氏の車に接近して磁石式の爆弾を仕
掛け、爆発した。ロシャン氏の運転手も搬送先の病院で死亡した。

イランのハザーイー国連大使は声明を発表し、犯行手段が過去の暗
殺事件と類似していると指摘したうえで、原子力の平和目的利用の
権利は侵害されてはならないと述べた。政府関係者は米国とイスラ
エルの情報機関が関係しているとして両国を批判している。

これに対してクリントン米国務長官は、米国の関与を「明確に否定
する」と述べた。イスラエル政府からは公式なコメントは出されて
いないが、軍の広報がフェイスブックページで11日、「誰がイラ
ンの科学者を狙ったのかはわからないが、涙は1滴も出ない」とコ
メントした。
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中東に空母2隻目投入=イランけん制か−米海軍
 【ワシントン時事】米国防総省のカービー広報官は11日の記者
会見で、米海軍が中東に2隻目の空母「カール・ビンソン」を投入
し、展開していることを明らかにした。また、今回の配備は原油輸
出の要衝ホルムズ海峡をめぐってイランとの「緊張が高まる以前」
から計画されていたと述べ、定期派遣だと説明した。
 ただ、米軍筋によると、既に展開中の「ジョン・C・ステニス」
の交代を延期し、当面2隻態勢で運用する可能性もある。2隻態勢
は、イラン軍がホルムズ海峡を封鎖しないよう圧力をかけるととも
に、イラン軍が同海峡で不穏な動きを見せた場合、即応する目的も
あるとみられる。(2012/01/12-09:14)
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核施設勤務の大学教授が爆死 イラン「米国など関与」
2012年1月11日21時1分

 イランの首都テヘラン北部で11日朝、車が爆発し、イラン国営
通信は大学教授のモスタファ・アフマディロウシャン氏と運転手が
死亡したと伝えた。同氏の専攻は化学工学。中部ナタンズのウラン
濃縮施設でも勤務していたという。
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イラン「核開発続ける」 IAEAが施設の稼働確認
2012年1月10日11時40分

 イランの最高指導者ハメネイ師は9日、「帝国主義者ども(欧米
)はイラン政府と国民を制裁で脅しているが、我々は決めた道を歩
み続ける」と述べ、核開発の放棄を拒否する姿勢を改めて示した。
国営テレビが伝えた。 
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ホルムズ海峡う回ライン整備へ
1月10日 6時12分NHK
核開発を巡って欧米と対立を深めるイランが原油の主要な輸送路の
ホルムズ海峡を封鎖すると警告するなか、UAE=アラブ首長国連
邦は、海峡をう回して原油を輸出できるパイプラインの運用を半年
以内に開始する方針を明らかにしました。
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海峡封鎖なら軍事行動=イランに警告−米国防長官
 【ワシントン時事】パネッタ米国防長官は、デンプシー統合参謀
本部議長とともに8日放映されたCBSテレビの番組に出演し、イ
ランが世界的な原油輸出航路のホルムズ海峡を封鎖することは決し
て許さないと強調、イランが海峡を封鎖すれば「われわれは行動を
起こす」と述べ、軍事行動も辞さないと警告した。
 パネッタ長官は「ホルムズ海峡封鎖は越えてはならない一線だ」
と強調、封鎖には「対処する」と言明した。
 一方、デンプシー議長は「イランは海峡封鎖能力獲得のため投資
しており、一時的に封鎖する能力がある」と指摘。その上で「封鎖
は世界的にも容認されず、われわれは行動を起こし、海峡を再開通
させる」と述べ、軍事力を行使する考えを明らかにした。
(2012/01/09-01:02)
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イラン:原油制裁科せばホルムズ海峡封鎖 指導部決定か

 イラン指導部の親衛隊的性格を持つ革命防衛隊の高官は、核問題
をめぐって原油輸出に制裁が科された場合、原油輸送の大動脈であ
るホルムズ海峡の封鎖を命じることを指導部が決定したと述べた。
イランの保守系紙が8日伝えた。イラン産原油の輸入禁止で原則合
意した欧州連合(EU)などを念頭に置いた発言とみられる。

 ホルムズ海峡の封鎖をめぐる発言としてはこれまでで最も強硬と
みられる。国際社会の不安をあおるとともに、EUをけん制し、日
本などが輸入禁止に追随しないよう圧力をかける狙いがあるとみら
れる。(テヘラン共同)
毎日新聞 2012年1月8日 23時09分
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イラン、2月にホルムズ海峡で新たな軍事演習 革命防衛隊
2012.01.07 Sat posted at: 14:32 JST
(CNN) イランの精鋭部隊、革命防衛隊の司令官は6日、ペル
シャ湾につながる国際原油輸送の要衝であるホルムズ海峡で来月、
新たな軍事演習を計画していると述べた。国営のプレスTVが伝え
た。

「偉大な予言者」と名付けられた演習で、同司令官はこれまでの演
習とは異なる形になると語った。2月の演習の具体的な内容は明ら
かでない。革命防衛隊はイラン指導部の親衛隊的性格も持つ。
==============================
イラン 核燃料棒製造に成功
2012年1月3日 東京新聞朝刊
 【カイロ=今村実】イランは一日、核燃料棒の製造に成功し、性
能試験を初めて行った。二日にかけてはペルシャ湾でミサイル発射
試験を相次ぎ実施。核開発に対し強まる国際圧力をけん制しようと
している。ロイター通信などが伝えた。
 国営テレビなどによると、核燃料棒は首都テヘランの研究用原子
炉に装墳(そうてん)された。性能を確認するといい、地元紙は「
この偉業は、欧米諸国を困らせるだろう」と強調した。
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米、国防権限法が成立 原油取引規制でイラン制裁
2012年1月2日22時47分

 オバマ米大統領は12月31日、2012会計年度(11年10
月〜12年9月)の国防権限法案に署名し、同法が成立した。核開
発問題をめぐるイランへの制裁強化のため、収入源である原油輸出
に打撃を与えられる新たな措置が盛られており、大統領の判断で発
動できる。

 新たな制裁は、原油の輸出入でイラン中央銀行と取引する米国外
の金融機関を、米国の金融システムから締め出す内容。原油取引で
イラン中央銀を使う日本や中国、欧州各国にイラン産原油の輸入か
らの撤退を迫り、イランの収入源に打撃を与えることを狙う。

 ただ、制裁の発動でイラン産原油の輸出量が急減した場合、輸入
国が原油不足に陥ったり、油価が世界的に高騰したりしかねない。
このため、米大統領が「米国の安全保障上不可欠」と判断すれば制
裁を最大4カ月間停止できる運用上の余地も残した。また、イラン
との原油取引に絡む決済を大きく減らした金融機関は制裁を免除さ
れる。
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イランの戦闘機/攻撃機 
F-14A トムキャット - 36機   
MiG-29B/UB - 40機   
F-5A/B/E/F/アザラフシュ/サエゲ - 102機   
F-4D/E ファントムII - 72機   
Su-24MK - 36機(このうち24機はイラクから亡命)  
F-7M/FT-7 - 48機   
F-6/FT-6 - 15機   
ミラージュF.1EQ/BQ - 12機(イラクから亡命) 

イラン海軍
アルバンド級フリゲート 3隻
モッジ型フリゲート    2隻
潜水艦 11隻
ミサイル艇:カマン級(コンバタントII型) 12隻

地対空ミサイル
ロシアから最新鋭防空ミサイルS-300 (ミサイル) が極秘供与
レイピアミサイルシステム - イギリス製の短距離ミサイル
MIM-23 - アメリカ製の中距離対空ミサイル。
S-75/SA-2 
2K12/SA-6 

地対地ミサイル
R-27改 ムスダン - 北朝鮮製の中距離弾道ミサイル

地対艦ミサイル
地対艦ミサイル「カデル」 最大射程:200キロ
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ホルムズ海峡
ホルムズ海峡(Strait of Hormuz)は、ペルシア湾とオマーン湾の
間にある海峡である。北にイラン、南にオマーンの飛び地に挟まれ
ている。最も狭いところでの幅は約33km。イラン本土近傍のゲシュ
ム島やホルムズ島をはじめとして、複数の島が海峡内にある。 かつ
てこの付近にはホルムズ王国があり、15世紀に明の鄭和が寄航した
「忽魯謨斯」の比定地とされている。

ペルシア湾沿岸諸国で産出する石油の重要な搬出路であり、毎日1700
万バレルの石油をタンカーが運ぶ。日本に来るタンカーの全体の8割
、年間3400隻がこの海峡を通過する[1]。船舶の衝突を避けるため幅
3kmずつの航行出入レーンが設けられている。オマーン領ムサンダム
半島の先にある小島のレーダーで航行を監視している。
イラン・イラク戦争時にはタンカー攻撃や海峡封鎖があった。現在
はイラク紛争のためアメリカ海軍が配備されている。


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