4230.イランがホルムズ海峡の封鎖か4?



戦争開始に向けて、イランと米国は相互に非難をしている。

クリントン米国務長官は10日、イランの首都テヘラン南方のコム
郊外にある核施設でのウラン濃縮開始について、濃縮度20%のウ
ラン製造を「正当化する妥当な理由はない」と強く非難、濃縮作業
の即時停止を要求した。

また、米クリントン、ブッシュ政権で中東問題の専門家として活躍
したデニス・ロス氏も9日、オバマ米大統領は、イランの核兵器取
得を制裁措置や外交手段で阻止できなかった場合に武力を行使する
準備ができていると指摘した。

これに対して、IAEAにおけるイラン代表を務めるアリ・アシガ
ル・ソルタニイエ氏は「クムに近い新しい原子力施設「フォルド」
も含めて、イランのすべての核関連施設は、IAEAの監督下に置
かれている」とした。このため、米国の批判はおかしいという。

しかし、この濃縮はイスラエルが問題視しているので、英米仏など
が即時中止を要求している構図になっている。

ロシアのリャプコフ外務次官と米国のグワルトニー臨時代理は10
日、モスクワでホルムズ海峡を巡る状況について協議したが、会談
の内容は分からないが、戦争になった時の両国の対応を話したよう
である。

また、ガイトナー米財務長官は10日中国を訪問し、中国に対して
、イラン産原油の禁輸など、イランへの追加制裁に向けた協力を求
める見通しであるが、既に中国はイラン産原油の調達量を4割も削
減させている。

イラン情勢で、10日の原油先物市場で北海ブレント原油先物が上
昇し、113ドルを突破した。イラン危機が進展すると徐々に原油
が上がり、それに連れて日本のガソリンも急上昇することになる。

このような情勢であり、日本、韓国、中国は対応を取り始めた。こ
のため、日韓中で代替原油獲得競争が起きている。特にUAEはホ
ルムズ海峡を迂回するパイプラインを6月には持つので、ホルムズ
海峡封鎖になっても、原油を積み出せる可能性がある。

日本は玄場外務相が中東を歴訪し、中国は、温家宝首相が14日か
らサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールの中東
3カ国を訪問する。

日本と中国はLPGの自動車が少ないが、韓国はLPGの自動車が
多い。このため、韓国は余裕がある。化石燃料のエネルギー技術の
GTL(ガスから液体燃料の合成)は古くからあるが、原油の価格
が$70−80前後でとんとんになる。(奥村さん情報)

今までは儲けが少ないので、石油会社は積極的でないが、LNGは
ロシア、米国など豊富であり、このLNGからのガソリンを生成す
ることが必要であるようだ。中東の石油に90%依存している日本
は、この技術を使った工場を安全保障上、持っている必要がありそ
うである。

ホルムズ海峡封鎖とは、どうするのかというと、機雷敷設ができず
に物理的封鎖は難しい。心理的な封鎖しか出来ないという。
(s_doiさん情報)

イランとしては、脅しだけで実際に実行するかどうか微妙なことに
なっているようだ。戦争になっても早期に終わることを願うしかな
い。

しかし、国家としては、最悪の場合を想定して準備して欲しいもの
である。

さあ、どうなりますか?
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ガイトナー米財務長官が訪中、対イラン制裁で協力求める見通し
2012年 01月 11日 01:12 JS
[北京 10日 ロイター] ガイトナー米財務長官は10日、中
国を訪問した。

長官は今回の訪中で、イラン産原油の禁輸など、イランへの追加制
裁に向けた協力を求める見通し。

ガイトナー長官と会談した王岐山副首相は「米中は経済・金融・貿
易政策および20カ国・地域(G20)関連問題において、多国間
かつ世界的レベルで重要な協調を有している」と語った。

ガイトナー長官も「中国と米国は多くの重要な利益を共有し、これ
らが世界経済問題における米中の連携を深めている」と応じた。

ガイトナー長官は11日、温家宝首相のほか、習近平国家副主席や
李克強副首相と会談。12日に来日し、白川方明日銀総裁らと会談
する。
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IAEAイラン代表;核関連施設はIAEAの監督下
10.01.2012, 12:31ロシアの声
		
 IAEAにおけるイラン代表を務めるアリ・アシガル・ソルタニ
イエ氏は「クムに近い新しい原子力施設「フォルド」も含めて、イ
ランのすべての核関連施設は、IAEAの監督下に置かれている」
と述べた。 イランのプレスTVが伝えた。
 ソルタニイエ代表は又「現在も将来も、イランのあらゆる原子力
施設における活動は,IAEA監督のもと実施されるだろう」と明
言し、IAEAがすでに2年以上に渡り「フォルド」のウラン濃縮工
場の活動を見守っている事に注意を促した。

 これに先立ちIEAEは、「フォルド」の施設では20%以下のウラ
ン濃縮が始まったと伝えている。 米国国務省とフランス外務省は
、「フォルド」の施設ではウラン濃縮に関しIAEAが定めた制限が
破られているとしてイランを非難した。 一方イラン側は、ウラン
の濃縮は平和目的に限ったものだと主張しているが、欧米の分析専
門家の中には、20%以下のウラン濃縮は核兵器製造に向けた一歩に
なりうると懸念する向きもある。
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「オバマ氏武力行使の用意」 元中東問題担当顧問が指摘
2012.1.11 05:00    
 米クリントン、ブッシュ政権で中東問題の専門家として活躍した
デニス・ロス氏は9日、ブルームバーグとのインタビューに応じ、
オバマ米大統領は、イランの核兵器取得を制裁措置や外交手段で阻
止できなかった場合に武力を行使する準備ができていると指摘した。

 この中で、オバマ大統領はイランの核兵器開発について国際安全
保障上の利益に反すると考えており、開発を阻止するには武力行使
も辞さない構えを非常に鮮明に示していたと語った。

 同氏は「オバマ政権がイランの核兵器開発を黙認するリスクはイ
ランに対する軍事行動を取るリスクより大きいと考えている。軍事
攻撃に出ればそれなりの犠牲が出るが、行動を起こさなければより
ひどい結末が待っている」との考えを示した。

 一部の専門家は軍事行動で開発を阻止するのではなく、冷戦時の
対ソ連政策のようにイランの核戦力を抑止する方法について議論し
ている。

 しかしロス氏はイランと敵対国の間の対話が途絶えているうえ、
中東地域には紛争の引き金が無数にあるため、冷戦時代の基本原則
は通用しないとの考えを示した。

 同氏はまた、イランの核兵器保持を許せば周辺国も競って核武装
すると考えられるため、他国やテロ集団に核兵器が蔓延(まんえん
)するリスクのほか、判断ミスによる核攻撃が起こる確率がかなり
高まると指摘。あくまでもイランの核兵器開発を阻止すべきだが、
現時点では外交手段が有効にはたらく余地も残されていると強調し
た。

 同氏はクリントン米国務長官の特別顧問を経て、昨年11月まで
の2年間にわたり国家安全保障会議(NSC)のイラク・アフガニ
スタン政策を担当した。
(ブルームバーグ Indira A.R.Lakshmanan)
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イランにウラン濃縮停止要求=「正当化の理由ない」−米国務長官
 【ワシントン時事】クリントン米国務長官は10日、イランの首
都テヘラン南方のコム郊外にある核施設でのウラン濃縮開始につい
て声明を出し、濃縮度20%のウラン製造を「正当化する妥当な理
由はない」と強く非難、濃縮作業の即時停止を要求した。
 長官は、イランが国際社会に暴露されるまでコムの核施設を秘密
裏に建設していた点を指摘。濃縮度20%のウラン製造で「イラン
が兵器級の高濃縮ウランを製造する能力を得る方向に飛躍的に近づ
く」と懸念を示した。(2012/01/11-09:19)
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原油先物が上昇、北海ブレントは113ドル突破
2012年 01月 11日 01:09 JS
[ロンドン 10日 ロイター] 10日の原油先物市場で北海ブ
レント原油先物が上昇し、113ドルを突破した。欧州経済に対す
る懸念が根強いなか、イランの核計画をめぐる緊張やナジェリアの
不安定な情勢が買い要因になっている。

1500GMT(日本時間11日午前零時)までに、北海ブレント
原油先物は1.03ドル高のバレル当たり113.48ドル。米原
油先物は1.69ドル高の同103.00ドル。
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露米の外交官 ホルムズ海峡について協議
10.01.2012, 18:39ロシアの声

 ロシアのリャプコフ外務次官と米国のグワルトニー臨時代理は10
日、モスクワでホルムズ海峡を巡る状況について協議した。
 ロシア外務省が10日に伝えた情報によると、両者はイランの核
問題についても話し合った。

 ホルムズ海峡は、世界の主要な原油輸送経路となっている。ホル
ムズ海峡を巡る状況は、イランが封鎖の可能性について警告した後
、緊迫化した。米国はこれに対し、事態の進展を防ぐために必要な
対策を全て講じると発表した。
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UAE「日本に原油を安定供給」 外相会談で表明  :日経新聞
2012/1/10 22:49
 【アブダビ=中西俊裕】中東訪問中の玄葉光一郎外相は10日、ア
ラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビでアブドラ同国外相と会
談した。玄葉外相は、対イラン制裁で同国からの石油輸入が止まる
ことを念頭に原油の安定供給をUAEに要求。これに対しアブドラ
外相は「日本には優先して安定的に供給する」と述べた。

 これに先立つ8日の外相のサウジアラビア訪問でもヌアイミ同国
石油相が「原油を安定的に供給する用意がある」と述べており、日
本は原油取引先の上位2カ国から供給保証を取りつけた。玄葉外相
は10日、原油供給の具体論を協議するため近く政府の担当者をUAE
、サウジに派遣することを明らかにした。

 玄葉外相はイランが制裁に反発してホルムズ海峡封鎖を示唆した
ことについて「挑発的な発言は慎むべきだ」と指摘。アブドラ外相
は「航海の自由は非常に重要。域内だけでなくグローバルな問題だ
」としてイランを強く批判した。

 一方、アブドラ外相は、今後各国と更新する予定のUAEの油田
権益について「日本に優先権を与える」と強調した。UAEでは欧
米石油大手が持つ陸上油田権益が2年以内に期限を迎える。ジャパ
ン石油開発が持つUAEでの油田の権益も2018年に切れるため、日
米欧の獲得競争が激化している。
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中国の温家宝首相、14日から中東3カ国歴訪へ 
2012年 01月 10日 14:21 JST 

 [北京 10日 ロイター] 中国外務省は10日、温家宝首相
が14日からサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタ
ールの中東3カ国を訪問すると発表した。 

 外務省(www.mfa.gov.cn)の声明によると、温首相は3カ国の各首
脳と会談し、「両国間の関係強化、世界や地域における相互の関心
事について、率直に意見を交換する」という。 

 イラン問題が議題の一つになることは間違いないとみられる。 

 声明では、6日間の中東歴訪中にエネルギー、もしくは投資をめ
ぐる協定を締結する可能性には触れられていない。 

 温首相は中東歴訪中、UAEの首都アブダビで開かれる「世界未
来エネルギーサミット」にも参加する。 
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親イラン国も原油輸入変調 中国が調達減 
欧米包囲網が影響か 
2012/1/6 0:39 日経

 【ドバイ=中西俊裕】欧州連合(EU)27カ国が原油輸入禁止措
置で合意するなど、欧米のイラン包囲網が強まるなか、中国、トル
コなどイランに同情的な国の原油輸入姿勢にも変化の兆しが見えて
きた。原油収入が次第に先細りし、国力が疲弊することへの焦りは
イランの指導層の間で強い。実勢為替レート下落の影響で国内物価
も上昇している。国内経済の混乱を回避したいアハマディネジャド
政権は、収入確保へ原油相場を一層つり上げる戦術に傾く公算が大
きい。 

 イランのホセイニ経済財務相は5日、EUの合意について「欧米
諸国はイランに経済分野で戦争をしかけてきた。制裁を通じて我が
国経済を縛ろうとしている」と強く非難した。一方で、国営石油公
社関係者は、輸出相手国をアジアやアフリカへ替えることは簡単だ
と指摘。「需要は旺盛」とも語っている。 

 ただ欧州債務危機の影響が広がるなか、原油消費の伸びは鈍化し
かねない。アジアなどでも欧米との関係を重視する国は対イラン取
引を敬遠する恐れもある。例えば、インドはイラン原油輸入代金の
決済について米国から直接、間接に圧力を受け、昨夏約50億ドル分
の支払いが滞り、一時輸入断念寸前に追い込まれた。 

 イランに同情的な国にも変化の兆しがある。中国はイラン産原油
の調達量を削減。中東でもトルコのユルドゥズ・エネルギー天然資
源相は4日、イラン産原油を輸入している石油精製会社のトプラス
製油所について、記者団に「(イラン産)原油を買い続けることに
なろう」と発言。ただ「新たな展開があるまでは」と付け加え、含
みを残した。トルコのイランからの原油輸入量は昨年4〜6月期で
日量21万7000バレル。トルコの原油輸入の3割を占めた。 

 4日にはダウトオール外相が2日間の日程でイランを訪問。協議
内容はまだ明らかでないが、核問題や原油輸入問題を話し合ったと
みられる。 

 トルコでは政府が75%出資するハルクバンクがトプラスの輸入決
済を含めたイランとの取引を続けており、イランに対する「トルコ
政府の中立姿勢の証し」(中東の金融関係者)ともされてきた。た
だハルクバンクは昨年12月、インド石油輸入業者によるイラン産原
油の輸入決済口座開設を拒否。米国がトルコに働き掛けを強め、ト
ルコが配慮したとの見方がある。 

 通貨安による輸入物価上昇で、イラン国内では消費者物価指数の
上昇率が前年比10%台前半から後半に拡大している。原油収入減少
を避けないと国内経済の混乱が深まり、民衆の不満は内部対立が取
りざたされる保守派政権に向かいかねない。 

 輸出先への欧米の圧力で原油輸出量を確保できない可能性もある
。収入維持へ残された道は一層の価格つり上げを狙うこと。ホルム
ズ海峡封鎖の可能性を重ねて示唆して軍艦艇を展開させたり、ペル
シャ湾外に出た米空母が戻ってきた際に緊張を演出したりして地政
学リスクを増幅するシナリオも考えられる。 

 米ブルームバーグ通信は5日、英国のハモンド国防相が同日の米
国での講演で、イランが原油輸入禁止措置に対抗して「違法に」ホ
ルムズ海峡を封鎖するならば、軍事的行動をとる可能性があると述
べる予定と報じた。 
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Masa Okumura 
化石燃料のエネルギー技術のGTL(ガスから液体燃料の合成)は
古くからあるが、原油の価格が$70−80前後でブレークイブン
で儲けが少ないので、石油会社は積極的でない。今米国ではシェー
ルガスでガスが余っているので、それを使ってガスからガソリンを
作る事は出来る。
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 s_doi
ホルムズ海峡がそれなりに広い上に水深があるから機雷敷設や臨検
・拿捕などによる物理的封鎖は難しい。イランが本気で実施すると
したら「心理的封鎖」もしくは「市場的封鎖」を狙うだろう。封鎖
宣言して対艦ミサイルを一発だけ発射するとか。 

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