4220.国家ビジョンの構築3



日本はハイテクにシフトして、普通の大国になるしかない。富国強
兵政策である。普通の経済軍事大国である。そして、その力を米国
と共同で世界平和に処することである。これを言い換えると、日米
共同覇権国家体制にすることだ。

6.TPPなど貿易自由化と円高阻止
日本から日本企業は海外に脱出して、日本は今後、貿易収入から所
得収入に頼ることになる。日本企業の強さは、工場管理手法であり
、日本人の器用さではないことが、日本企業が海外に進出してみて
徐々に分かったことである。

日本人のやさしい管理思想や工場を神聖な場所としての思想の上澄
みである整理・整頓・清掃などの方法だけを海外に適応できる目処
がついた。

タイ人もベトナム人も日本人と同様に手が器用であり、集団的な規
律も守ることが分かり、日本企業は、この地域の生産性を上げてい
る。

というように、今後の日本企業の進出を考えると、相手国の内国企
業優遇や外国企業に不利な法律などの非関税障壁や知的財産の保護
が重要になる。これは今、米国がTPPに求めている制度と同じも
のである。日本企業が進出相手国を訴えることができるISD条項
も重要な要素になる。

もし、国内産業からの輸出を増大させたいなら、関税より円高の方
が問題である。円高阻止がなぜできないのか、どうして日銀は説明
しないのか、不思議な感じがする。

円高阻止には、2つしかない。ゼロ金利なので円札を増やす金融の
量的緩和か、為替介入のどちらかである。この内、量的緩和は国内
のインフレ誘導策でもあり、これができないのは、インフレが起こ
ると国債の利率も上昇して、国債の利払いもできなくなる。

1000兆円の累積国債の利率が1%で10兆円、これが5%にな
ると50兆円と、一般会計予算90兆円の60%程度が国債費にな
り、他の経費に回す予算は40兆円と社会保障費で終わってしまう。

このため、国債の利率3%程度までと財務省は言う。このため、イ
ンフレを起こせない。なるべくならデフレにしないといけない。こ
のため、日銀は金融緩和をできないのだ。

また、為替介入であるが、好景気であると世界の資源争奪が起きて
円高にしないと、輸入資源の高騰が起きて、ここでもインフレにな
る。このため、円高気味にしないと、これも国債利率の上昇を起こ
し、国家予算が組めないことになる。

しかし、世界の景気が悪くなり資源があまり気味になると、資源高
騰が起きないので為替介入ができる。このため、現在、覆面介入を
している。

円高阻止をするためにも、予算の均衡を回復して、国債の新規発行
を失くして、日銀・財務省の政策に自由度を与える必要がある。

早く、円高阻止の金融緩和をして円安に振り、日本企業の海外脱出
を止めることである。

TPPを行うなら、円高阻止をするべき、円高阻止をできるように
するためには、国債の新規発行を止めることであり、このためには
、予算の均衡化が重要になる。日本を開国するには、予算の均衡が
最初に手を付けるべきことなのである。

7.経済振興策
経済構造を見れば、一目瞭然である。日本の予算全体は250兆円
であり、日本の国民総生産(GDP)は500兆円であり、政府予
算が全体の半分を占めている。政府の予算動向が、大きく景気を動
かす理由は明白である。

この政府予算の使い道が、回転率の高い仕事に使われれば、それは
250兆円の予算が、GDPを押し上げることになる。エコカー減
税などで、日本の自動車産業は生産額を増やしたことでも分かる。

この自動車産業の生産高は年間40兆円であり、いかに国の予算が
大きいかが分かる。貿易額は15%程度であり、75兆円しかない
ので、この部分は非常に少ないことで期待ができる。日本企業を海
外に逃がさないで、国にとどめて、アジア市場を開拓していくこと
である。この貿易収入をドイツのように40%にすると200兆円
に増加して、国民は豊かになる。

TPPで問題にされる農業であるが、TPPは補助金を禁止してい
ない。関税はゼロにして、補助金を上げる方式にすればよいことで
あり、所得保障制度を活用すればよいだけである。その制度設計を
チャントしてほしいと見る。

輸出大国にするためには、日本の開国が非常に重要なことになる。
TPPとASEAN+6など複数の自由貿易圏を日本を中心に作り
、それを活用して貿易立国を目指すことである。国内需要は人口減
少、老齢化で、縮小することは確実であるが、東南アジアは人口が
急増して消費活動が拡大することが間違えない。

そして、この貿易を行える環境を日本も関与していくことが重要で
ある。東南アジアの軍事費は小さいので、中国対抗できない。この
中国の脅しから東南アジアを守り、戦争のない平和にして、東南ア
ジアの人たちが生命の危険を感じずに消費生活を送れるように日本
は、配慮することである。そして、そこを市場として、日本は経済
活動をすることである。

8.給付付税額控除について
9.農業の振興策

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