4212.北朝鮮の崩壊はあるか?



 私は3年前に韓国に行って以来、韓国やKCIAも北朝鮮の秘密工作組
織の下部にあると思っていますし、北朝鮮自身は、第二次大戦後一
貫してソ連(そして1991年以降はロシア)の支配下にあると思ってい
ます。 

今回の金正日死去の前日、ソウルからウラジオに飛ぶロシアの飛行
機が突如キャンセルになったことを、たまたまそれに予約していた
方の同僚から聞きました。 

今この時期の死去は、ロシアが書いたシナリオでは? 

じゃあ、何が起きるのか? 内部崩壊はないと思います。北朝鮮は
一貫してソ連・ロシアの収奪の対象であり、貧困のどん底にありつ
づけた。しかし、内部崩壊する自由すらないのでは? 

もっと怪しいことが極東でおきるのではとびくびくしています 

十返舎玉九
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(Fのコメント)
十返舎さんのような見解を持っていません。報道される事実から追
って行くので、どうしても陰謀的な見解にはできないことになる。

集めた情報から分析すると、去年夏に大々的な北朝鮮の軍部人事が
行われて、金正日最側近の金格植・前総参謀長が外されて、後見人
のトップである張成沢・党行政部長の友人である李英鎬氏を総参謀
長に付けている。

また、ごぼう抜きで、禹東測を秘密警察「国家安全保衛部」の長と
し、かつ同部の権限を強化し、金正恩の後ろ盾としたようだ。

このような工作を行った張成沢が、その時期、交通事故に遭い、反
対派の暗殺計画があったことを物語る。今回の序列でも19位とあま
り順位が上がっていないのが、軍部の反対が強いことを意味してい
る。

そして、現時点、軍の将兵も飢え死にする状態であり、軍部にも大
きな不満があり、金正恩・国防委員会副委員長の経済政策が失敗し
て、より困窮が進めば、これは軍部の反旗を翻す。それを「国家安
全保衛部」が抑えられるかどうかでしょうね。

反対に、経済活性化のために、中国の要望で外資を呼び込む改革開
放政策をすれば、韓国の情報が入り、国民は韓国の方が豊かである
ことを知り、国民がその体制を望むことになり、それもできない。

どちらの政策も危ないことになり、どういう政策を取るのかが見物
である。もし、金格植・前総参謀長のような強硬派がクーデターを
起こすと、この人は韓国との戦争を起こすことになる。

情報を整理すると、いやな雰囲気が漂う。

このように、北朝鮮国内体制の変移を見ると、陰謀論には組できな
いですね。
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陰謀論が正しいのかどうかわかりませんが、私の見解に則れば、内
部崩壊しないということになります。北朝鮮はいつまでもソ連・ロ
シアに収奪されつづける植民地であり続け、今回の指導者変更は、
単に誰も予想もしなかった愚行を実行するための準備ということに
なります。内部崩壊という事態が何を意味するか理解しておりませ
んが、北朝鮮の人民は何があっても浮ばれないということになるの
ではないでしょうか。 
十返舎玉九
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金総書記死去「兆候なさすぎた」 各国情報機関つかめず
2011年12月21日11時32分
  
 17日午前8時30分の死去から19日正午の発表まで、計51
時間余にわたって伏せられていた北朝鮮の金正日(キム・ジョンイ
ル)総書記の死去。日米韓ロの情報機関は金総書記の動静を注視し
てきたが、事前につかめなかった。なぜ、諜報(ちょうほう)活動
は実を結ばなかったのか。 

 韓国国会情報委員会での証言などによれば、韓国の情報機関、国
家情報院は17日も偵察衛星による撮影や無線傍受を続けていた。
同日午前8時半。金総書記の特別列車は15日から平壌郊外の龍城
(リョンソン)駅に停車したままだった。無線の交信量にも特別な
変化はなかった。 

 北朝鮮軍は19日午前、日本海に向けて短距離ミサイル数発を発
射。北朝鮮が特別放送を予告した同日午前10時になっても、北朝
鮮軍はさらなる発射に向けた準備の動きを続けていた。
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金総書記死去:発表前「大将命令第1号」 全軍に帰還指示
 【ソウル西脇真一、北京・米村耕一】韓国の聯合ニュースは21
日、韓国政府高官の話として、北朝鮮で19日正午に金正日総書記
の死去を発表する前に、朝鮮人民軍全軍に対し、訓練中止と所属部
隊への帰還を指示する「金正恩大将命令1号」が出されていたと報
じた。

 死去に伴う混乱や動揺を招かないよう、総書記の後継者で三男の
正恩氏が軍の指揮権を既に掌握し、間もなく軍最高司令官に就任す
ることを示したものとみられる。

 昨年9月に大将の称号を授与された正恩氏の名で、軍に命令が出
されたことが判明したのは初めて。

 一方、中朝の国境地帯では、死去発表の直後から携帯電話による
通話が遮断された模様だ。混乱を回避するため、当局が情報統制を
強めた可能性がある。

毎日新聞 2011年12月21日 22時16分




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