放射性物質の所有権は土地所有者にある(東京電力) 青木です。 朝イチで、下記のような情報をいただきました。 >でも、今日ばかりはなんとか簡単な1報を出さなければ・・・ >それは、本日の朝日朝刊「プロメテウスの罠」の記事です。 > >1) 放射能は無主物か? >この連載は、第1シリーズが、木村真三さんをめぐる話題、 >第2シリ−ズは、気象研究所の青山、五十嵐両研究員の論文や >放射能測定事業をめぐる圧力をめぐる経過でした。 >それぞれなかなか興味深い内容だったのですが、今日から始まった >第3シリーズは、衝撃的な事実を伝えていました。 >シリ−ズのタイトルは「無主物の責任」です。 > >福島原発から45キロにある二本松市の名門ゴルフ場「サンフィールド >二本松ゴルフ倶楽部」が、東京電力に汚染の除去を求めて東京地裁に >仮処分を申し立てたのに対して、東電側は「原発から飛び散った >放射性物質は東電の所有物ではない。したがって、 >東電は除染に責任を持たない。放射性物質はもともと無主物であった >と考えるのが実態に即している」と主張したというのです。 > >さらに、「所有権を観念しうるとしても、既にその放射性物質は >ゴルフ場の土地に符合しているはずである。つまり、東電が放射性物質を >所有しているわけではない」と答弁書は続けたのだそうです。 > >そして10月31日、東京地裁は、この無茶苦茶な論理を認めて、 >ゴルフ場の訴えを退けました。 > >なんという論理、なんという裁判所の堕落でしょうか! > >こんな理屈が通るのなら、水俣病を起こしたチッソの水銀も、 >四日市喘息を起こした亜硫酸ガスも、イタイイタイ病を起こした >三井金属のカドミウムも、すべて無主物として >排出者の責任が問われないことになってしまうでしょう。 > >この裁定が出たとき、マスコミはどうしていたのでしょうか。 >市民サイドのMLにも流れていないので、 >全く報道されていない可能性があります。 たしかにマスコミは↓のような扱いで、お茶を濁してしまっています。 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111115k0000m040059000c.html http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20111114-OYT1T00893.htm この報道内容では東電のとんでもない抗弁をわれわれが知ることは不可能です。 かの武田邦彦氏も、もっぱら汚染レベルでしかこの事件を問題にしていません。 http://takedanet.com/2011/11/post_f575.html かつての公害裁判でも東電の主張するこんな酷い理屈は持ち出されなかった。 東電とその弁護人は、東電がまき散らした放射能汚染が「公害」であるとい うことをまったく観念できていません。 裁判所はいちおう東電の抗弁は退けたようですが、いっぽうで除染の実施を 国や自治体の任務として東電への損害賠償請求を認めないというこれまた酷 い決定を下しています。 http://blog.goo.ne.jp/humon007/e/d47c4ff352c7ccacb9a23bb2a2adffec ともかく、飛散した放射性物質の「所有権」は地主にあると東電が無茶苦茶 な主張したという事実を広く知らせ、徹底的に叩く必要があります。 ============================== From: Hidekazu Aoki 裁判所は、所有権についての東電の抗弁を退けて、除染を求める権 利だけはゴルフ場に認めているようです。 ただし、除染の一義的責任が国と自治体にあり、汚染レベルが3.8μ シーベルト/h以下で営業継続は可能であったろうから(という東電 の主張を入れて)、損害賠償の仮処分の却下したものです。 この点は誤解のないようにお願いします。 ともかく、裁判所に退けられたとはいえ、東電としては自分たちが まき散らした放射能汚染を「公害」と考えていないことは明確にな ったわけですから、きっちり糾弾する必要があるでしょう。