4178.世界の重心、太平洋に



キッシンジャー元米国務長官は14日、「世界の重心は大西洋から
太平洋に移ってきた」とし、環太平洋連携協定(TPP)について
「アジアと米国が将来のために作っていく開かれた仕組み。各業界
の損得だけの短期的なものではない」と講演した。

中国の経済力・軍事力が大きくなったことでそうなているが、この
中国に対して、やっと、米国は警戒し始めた。

中国の海洋進出への対抗を念頭に、豪州への米軍の本格展開となる
海兵隊のダーウィン駐留方針であるが、米・豪・インド3国による
経済・安全保障協力についても協議すると、オバマ米大統領は16
日、就任後初のオーストラリア訪問のため首都キャンベラ入りした。

また、東アジアサミットで、日本も米国も南シナ海を含めた海上安
全保障の問題を話し合う方向であるが、中国は反対している。

このため、中国の温家宝首相は17日から、東南アジア諸国連合(
ASEAN)の関連会議や東アジアサミットに出席するため、イン
ドネシア・バリ島を訪問する。米国がアジア太平洋地域で対中攻勢
を強めるなか、中国はASEANとの関係強化をアピールして、巻
き返しを図る構えだ。

「ASEANは日本を抜き、中国にとって(欧州連合=EU、米国
に次ぐ)第3の貿易相手となった」。中国外務省の劉振民次官補は
いう。

中国紙「環球時報」は「TPPはアジア太平洋地域の政治や経済、
貿易の標準構築を目指している」として中国が早期に交渉に参加す
るよう促す論評を掲載した。しかし、中国の参加は事実上、無理で
あり、中国としてはASEAN+3で米国を締め出した仕組みを実
施したい。

野田首相は15日、交渉参加を表明した環太平洋経済連携協定(T
PP)について、「アジア太平洋地域が自由で繁栄した地域である
ことは、結果として安全保障面で安定した環境につながる」と述べ
、日本の安全保障の面からも望ましいとの考えを示した。

日本は複雑である。中国とも戦争などを防止していくことが重要で
あり、野田首相は12月に訪中するが、胡主席らとの会談では、両
国の戦略的互恵関係の深化を再確認し、その上で、東シナ海のガス
田共同開発交渉の早期再開、北朝鮮の核開発問題なども取り上げる
とみられる。

同盟関係の米国は在沖縄の海兵隊をダウィンに移転させて、南シナ
海の紛争に備える方向であり、沖縄を日本が防衛責任を負うことに
なる。しかし、戦争防止のために、中国とも戦略的互恵関係の深化
しないといけない関係である。

核ミサイルを中国が持つ限り、日本は中国とは戦争してはいけない。
日本は難しい状態にあるが、南シナ海での戦争も中東石油ルートで
あり、石油途絶の危機が起き、無関心ではいられない。

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米大統領が豪訪問=海兵隊の駐留方針発表へ−中国にらみインドと
の連携も

 【シドニー時事】オバマ米大統領は16日、就任後初のオースト
ラリア訪問のため首都キャンベラ入りした。今年は豪・ニュージー
ランド・米国の相互安全保障条約(アンザス条約)調印60周年の
節目でもあり、17日には、中国の海洋進出への対抗を念頭に、豪
州への米軍の本格展開となる海兵隊のダーウィン駐留方針を発表す
る見通しだ。

 大統領は16日午後にはギラード首相と首脳会談を行う。西太平
洋からインド洋への進出を図る中国への対抗策として浮上している
、米・豪・インド3国による経済・安全保障協力についても協議す
るとみられる。ギラード首相は15日、インドとの関係強化の障害
を取り除くため、対印ウラン輸出の解禁を与党労働党大会に諮る方
針を明らかにした。

 大統領は17日には豪連邦議会で米国のアジア政策などについて
演説。その後、豪州の東南アジアへの玄関口である北部のダーウィ
ンに移動し、海兵隊のダーウィン駐留方針を発表する見通し。豪政
府は先に、同国北西部沖合の石油・ガス田の防衛などを踏まえ、米
軍と連携して豪軍の配置を見直す方針も表明している。
(2011/11/16-13:18)
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南シナ海問題は適切な議題 米高官、中国をけん制
2011.11.16 14:07 サンケイ
 ローズ米大統領副補佐官は16日、インドネシアで19日に開か
れる東アジアサミットについて、東南アジア諸国連合(ASEAN
)の一部加盟国と中国の領有権争いを抱える南シナ海問題を含む海
上安全保障の問題は「適切な議題だ」と述べ、あくまでも2国間交
渉での問題解決を主張する中国をけん制した。

 ローズ氏は記者団に対し「米国は南シナ海を含めた海上安全保障
の問題を話し合う意欲がある」と強調した。その上で、東アジアサ
ミットは特定の領有権問題を解決する多国間の枠組みではないと指
摘。東アジアサミットは参加各国がそれぞれの懸念を示す場だとし
、米国は南シナ海問題の平和的解決を呼び掛けると語った。

 オバマ米大統領は16日午後、同サミットに先立つ訪問先のオー
ストラリアの首都キャンベラに到着した。(共同)
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キッシンジャー氏が講演 「世界の重心、太平洋に」

 キッシンジャー元米国務長官が14日、岡山大で講演し「世界の
重心は大西洋から太平洋に移ってきた」とし、環太平洋連携協定(
TPP)について「アジアと米国が将来のために作っていく開かれ
た仕組み。各業界の損得だけの短期的なものではない」と日本の交
渉参加を歓迎した。

 会場を埋めた約380人の聴衆に向けて、キッシンジャー元長官
は日米関係が今後も強くなることと、グローバルな利益を追求する
枠組みの重要性を一貫して強調した。

 震災からの復興に取り組む日本については「自身の国をよく見て
、大きな変革をすべき時」と話した。
2011/11/14 18:10   【共同通信】
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首相、来月12日訪中で調整=戦略互恵関係深化へ
2011年11月16日10時6分
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 野田佳彦首相は12月12、13両日に中国を訪問する方向で調
整に入った。胡錦濤国家主席らと会談する。政府関係者が16日、
明らかにした。両国首脳が相互に訪問するシャトル外交の一環で、
今年は日本の首相が訪中する順番。ただ、12月9日が会期末の今
国会が延長されれば、日程が変更される可能性もある。

 日本の首相の訪中は2009年10月に日中韓首脳会談に出席し
た鳩山由紀夫元首相以来。来年の日中国交正常化40周年を踏まえ
、胡主席らとの会談では、両国の戦略的互恵関係の深化を再確認す
る。その上で、東シナ海のガス田共同開発交渉の早期再開、北朝鮮
の核開発問題なども取り上げるとみられる。 

[時事通信社]
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中国:米攻勢をけん制 自由貿易圏や南シナ海問題

 【北京・成沢健一】中国の温家宝首相は17日から、東南アジア
諸国連合(ASEAN)の関連会議や東アジアサミットに出席する
ため、インドネシア・バリ島を訪問する。米国がアジア太平洋地域
で対中攻勢を強めるなか、中国はASEANとの関係強化をアピー
ルして、巻き返しを図る構えだ。また、東アジアサミットで「航行
の自由」の観点から南シナ海問題を取り上げたい米国の動きもけん
制している。

 「ASEANは日本を抜き、中国にとって(欧州連合=EU、米
国に次ぐ)第3の貿易相手となった」。中国外務省の劉振民次官補
は15日の記者会見で、今年1〜9月の中国ASEAN間の貿易額
が26・4%の高い伸びを記録したことを紹介し、経済協力の発展
に自信を示した。

 中国は米ハワイ・ホノルルで12、13の両日開かれたアジア太
平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に際して、米国が環太平洋
パートナーシップ協定(TPP)の大枠合意にこぎつけ、日本など
3カ国から新たに交渉参加の意向を取り付けたことに関心を寄せて
いる。

 15日付の中国紙「環球時報」は「TPPはアジア太平洋地域の
政治や経済、貿易の標準構築を目指している」として中国が早期に
交渉に参加するよう促す論評を掲載した。

 中国の胡錦濤国家主席はホノルルでの講演でTPPについて「支
持」を表明した。しかし、産業構造の転換が遅れ、国内産業を保護
しなければならない中国がTPPに加わるには「ハードルが非常に
高い」(商務省高官)のが現状で、ASEANプラス3(日中韓)
を土台に経済統合を進める姿勢は変えていない。このため、温首相
はバリ島での一連の会合でASEANとの経済協力を図るとともに
日韓両国に自由貿易協定(FTA)締結に向けた交渉を強く働きか
けるとみられる。

 貿易以外の米中の対立点の一つが、中国と一部のASEAN諸国
が領有権を争う南シナ海問題だ。米国は東アジアサミットで話し合
いたい意向だが、劉次官補は「東アジアサミットと南シナ海問題は
関係ない。中国と関係国は適切に処理する知恵と能力を持っており
、他国の介入は問題を複雑化させる」と米国にクギを刺した。

毎日新聞 2011年11月16日 東京朝刊
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TPP、安全保障面からも望ましい…首相答弁

 野田首相は15日の参院予算委員会で、交渉参加を表明した環太
平洋経済連携協定(TPP)について、「アジア太平洋地域が自由
で繁栄した地域であることは、結果として安全保障面で安定した環
境につながる」と述べ、日本の安全保障の面からも望ましいとの考
えを示した。

 また、TPP関係国との協議に関して、「米国のルールだけを一
方的に押しつけられる環境では決してない。マルチ(多国間)の交
渉なので、いろいろな(国と)連携するやり方がありうる」とも語
った。

 一方、自民党の山本一太氏は、マルチ商法(連鎖販売取引)業者
との関連が指摘されている山岡消費者相に対し、問責決議案を提出
する方針を明言した。予算委後、山岡氏は記者会見で、「特別(問
責を受けるに値する)瑕疵があったと思っていない」と反論した。

(2011年11月16日06時53分  読売新聞)
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自衛隊との共同使用も=普天間代替施設−一川防衛相
 一川保夫防衛相は15日の記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄
県宜野湾市)の代替施設について「米軍と自衛隊の共同使用・共同
管理がどこまで可能なのか、施設によっては沖縄県民の理解が得や
すいケースも出てくるので、検討している段階だ」と述べた。
 普天間移設先を含む米軍施設の共同使用については、2010年
5月の日米合意や、11年6月の日米安全保障協議委員会(2プラ
ス2)の共同発表文書で「検討」を明記。日米両政府は昨年末に課
長級の作業部会を設置した。(2011/11/15-22:05)

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