4175.米中の冷戦で日本の対応は



米国が沖縄の海兵隊を豪ダウィンに持っていく事にしたようである。
また、米国防総省が中国の軍拡に対応して「統合エア・シーバトル
構想」と呼ばれる新たな対中戦略の構築と、そのための特別部局の
新設を決めた。その現状と日本の対応を検討する。
            津田より

0.統合エアシーバトル構想でどうなるか?
有事に米軍部隊の介入を阻む中国の「接近阻止」作戦に対応して、
在日駐留米軍を減らして、ミサイル攻撃への脆弱性をカバーする方
向である。韓国の在留米軍は、米韓FTAなど経済的な関係も強く
、米国は優先的に韓国の防衛を考える意向のようである。

それをできるように、韓国済州島に米空母が寄港できる軍港を作り
、韓国有事に派遣される米艦船の港を作っている。これができれば
、日本の横須賀は、修理のときだけ寄港すればよくなる。

しかし、日本は、反米主義者が多く、米国より中国のほうが重要と
見る反米政治家(民主党にも自民党にもいる)や反米日本人(TP
Pで大騒ぎにする評論家など)が多く、沖縄の米軍も出て行けとい
うので、日本を米軍が助ける意味合いは少ないと見ている。

ということで、日本に駐留する海兵隊や関連艦船を南シナ海へ転用
するようである。もちろん、佐世保にいる強襲艦エセックスなども
豪ダウィンに移るはずである。米軍の脱日本が始まった。

当初、グアムへ海兵隊を移る計画であったが、中国の南シナ海懲罰
戦争という脅しで、急遽、豪州のインドネシアに近いダウィンへの
移駐に変更した。グアムであれば、日本有事の際には、米海兵隊は
駆けつけられるが、豪ダウィンでは無理がある。日本が有事である
ときにはおそらく、南シナ海も戦争状態なはずである。また、米海
兵隊自身も兵力を米財政削減で大幅に減らされることが、だいたい
決まっている。

このため、日本を守るのは日本であると米国に宣言されたようなも
のである。特に中国との戦争で、その戦場になる沖縄や南西諸島群
防衛が重要になる。沖縄の米海兵隊がいなくなるので、この地域で
は中国の海兵隊や強襲艦・上陸艇が優位になる。

中国の艦艇が第一列島線から外洋に出るためには、南西諸島の海峡
を通るために、そこでソナーにより捕捉されている。このため、中
国艦を日米に捕捉されないように、どこかの島を占領する必要があ
る。

現在、陸上自衛隊は沖縄にはあまりいないし、南西諸島群には皆無
である。このため、現状では侵略を阻止できない。

このため、自衛隊は、やっとソ連冷戦「北海道重視」から、中国冷
戦の「南西方面重視」に転換したばかりである。これを具体化する
大きな一歩として、北海道に展開する陸自の戦車隊を九州に運ぶ訓
練をした。この時、輸送艦「大隅」ではなく、民間のフェリーを使
用して北海道から九州まで運んだ。

しかし、重戦車は離島ではあまり役に立たない。このため、軍事評
論家・神浦さんは、この作戦演習は第2次朝鮮戦争のためであると
いう。

アーミテージもこの頃の講演で、集団自衛権を結ぶ必要を言うので、
韓国や台湾有事の際、おそらく南シナ海も有事で、米軍の兵力だけ
では両方の戦場を維持できないので、日本の自衛隊も韓国・台湾有
事の際、参戦してほしいということであろうか?

1.日本を自国防衛力で守ること
防衛は、2つの種類がある。1つには、仮想敵国より大きな軍事力
で備えること。2つには、外交的な努力で戦争をしない仕組みを作
ることである。この2つを同時で行うしかない。

1つ目の軍事力としては、中国と日本が2ケ国で戦争すると、中国
の全兵力が向かってくるので、分散化させるために、日本はいろい
ろな国と共同防衛する仕組みを作るしかない。また、中国にも大き
な損害を与えるために、核ミサイルなどを米国から購入するか自国
開発するかの選択も重要である。

しかし、日本は集団自衛権を現在、認めていないために、他国が中
国と戦争状態になったとき、その戦争に自動的に参戦することはし
ない。この仕組みは重要なことになる。この集団自衛権は禁止して
いた方がよいかもしれない。この理由は後で述べる。

2つ目の外交力については、中国と戦略的な互恵関係を作り、両国
間の戦争を抑止することである。幸い、野田佳彦首相は12日午前
ホノルル市内で中国の胡錦濤国家主席と会談し、両首脳は来年の日
中国交正常化40周年に向け、両国の戦略的互恵関係を深化させる
ことを確認したようだ。

同じくAPEC会場のホノルルで米中会談がありクリントン、戴両
氏は「米中関係の安定的な発展」に向けて互いに努力することで一
致したとあり、中国と米国は激しい意見を取り交わした様子が窺え
る。南シナ海問題や、北朝鮮核問題などで、大きな隔たりがあった
ようだ。米中間に、いやな感じが漂う。

しかし、米国は中国側との頻繁な接触して、大きな意見の隔たりは
あるが対中関係を平和的に解決することを重視すると読める。

事実、クリントン長官は、中国政府に対し外国企業への貿易上の不
公正な規制の改善や人民元の為替レートの迅速な切り上げを求めた
し、海上安全保障やサイバーセキュリティーについても立場が違う
が、強力で継続的なバランスの取れた世界経済の成長のためには米
国と中国が協力する以外に選択の余地はないとした。

これに対して、日中は、もう少し友好的な関係である。年内で調整
している首相の訪中日程も取り上げられたようだし、日本はTPP
に参加を表明したが、ASEAN+6についても積極的に行動して
いる。中国はASEAN+3としているが、この調整はできるはず
であり、中国との関係も正常に機能している。

今までが、経済的に中国よりになっていたので、それをTPP参加
で米国にも配慮したことになる。しかし、南シナ海航行の自由を、
中国が制限すると、中東からの石油ルートであり、このような国際
法上も認められている権利を中国が認めないことで、日本も対応策
を取るしかないのである。

しかし、中国の経済的な問題が隠せなくなってきたようだ。

2.中国経済について
大きな戦争は、新興国経済が上昇から下降になった時に起こること
が歴史上では見られる。

しかし、その心配がでてきた。ロシア紙によると、欧州ソブリン危
機の影に隠れて、中国経済の成長が減速あるいはストップするとい
う重大事件が発生している可能性があると報じた。

理由として、始めに不動産などのバブル崩壊、それによる金融シス
テムへの不安であり、もう1つが、為替レートの操作政策や巨額を
投じた経済刺激策など、一時的な効果は望めても長期の発展の源泉
にはならない政策が限界に来たためで、現時点の中国の経済数字は
、大きなうそがあり、一部専門家によると、GDPが10%以上も
減っているともいう。

このため、国民が不満を持ち、それをかわす為に、南シナ海懲罰戦
争への言及になっていると見ている専門家もいる。

3.南シナ海懲罰戦争はどうなるか?
中国が言う南シナ海懲罰戦争は、どうなるのであろうか?この戦争
は、中国とベトナム間が大きい。南沙諸島で占有している島の数で
は、ベトナムが一番多い。このため、中国が最初に狙うのはベトナ
ムである。

この戦争は、断然中国が優位である。その優位さが恐ろしいことに
なる。ベトナムが勝つ方法は、1つしかない。海南島の中国軍事基
地に、戦術核ミサイルを撃つことである。これで多くの中国艦船を
破壊して、中国の海上での兵力を激減させるしかない。

しかし、その後は、中国が核ミサイルをベトナムに撃つことになる。
これに対して、ベトナムも核攻撃をしてしまう。どうもインドとベ
トナムは秘密共同防衛条約を結んでいる可能性があり、インドが中
国に弾道ミサイルを撃つ込む可能性もある。このため、インドが参
戦する。すると、ロシアとインドが防衛協定をしている可能性があ
り、ここでもロシアは核ミサイルを中国に撃つことになる。

この戦争と同時に、イランとイスラエルが核ミサイルを撃ち合うこ
とになると見る。黙示録の世界が中東、アジアに広がる可能性があ
る。

このような情景を見たくないので、小さな戦争も防止することであ
る。そのためには、国際法を中国も重要視して、その範囲で問題を
解決する努力が必要であると見るが、中国の軍部、強硬派の人たち
は、納得しないみたいである。強硬な意見が中国国内で議論されて
いる。中国国民は共産党から押し付けられた間違った愛国心から、
それに真っ向からは反対できないようである。

どちらにしても、中国に展開する工場などからは、早期に撤退する
ことである。

中国近傍の日本は、これから難しい外交をするしかない。

さあ、どうなりますか?

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TPP対応を批判=谷垣自民総裁
 自民党の谷垣禎一総裁は12日、京都市で開かれた党府連の会合
であいさつし、環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加方針を決
めた野田佳彦首相の対応について「あまりにも議論が整理されてい
ない。段取りの付け方が乏し過ぎ、下手過ぎる」と批判した。
 谷垣氏はその理由として「TPPは日米FTA(自由貿易協定)
と限りなく近い意味を持つ。米国と組み過ぎて中国やアジアをオミ
ット(除外)する形になったら日本のためによくない」と述べ、周
辺国の疑念を招きかねないと指摘した。(2011/11/12-18:05)
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対中関係重視示す クリントン米国務長官
2011.11.12 17:58
 クリントン米国務長官は11日、米ハワイ・ホノルルで中国の戴
秉国国務委員と夕食を交えて会談した。双方が米中関係強化の方針
を確認するとともに、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の
一部加盟国が領有権を争う南シナ海問題や、北朝鮮核問題などにつ
いても協議したとみられる。

 クリントン氏は10日に楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)外
相とも会談し、12日にはオバマ大統領が胡錦濤国家主席と会談す
る予定。米側と中国側との頻繁な接触は、対中関係を重視する米国
の姿勢の表れと言える。

 新華社電によると、会談でクリントン、戴両氏は「米中関係の安
定的な発展」に向けて互いに努力することで一致。「関心を持つ共
通の地域的、国際的な問題」について意見交換した。(共同)
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戦略的互恵、深化を確認=日中首脳が初会談
 【ホノルル時事】野田佳彦首相は12日午前(日本時間13日早
朝)ホノルル市内で中国の胡錦濤国家主席と会談した。両首脳は来
年の日中国交正常化40周年に向け、両国の戦略的互恵関係を深化
させることを確認。年内で調整している首相の訪中日程も取り上げ
られたとみられる。首相が胡主席と会うのは、フランス・カンヌで
の主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席した際の今月3日
に懇談して以来で、正式な会談は初めて。
 会談の冒頭、胡主席は「野田首相は就任後、何度も中日戦略的互
恵関係を深化させたいと言ったが、これを私は積極的に評価したい
」と表明。首相も「来年は日中国交正常化40周年の大きな節目を
迎える。戦略的互恵関係を一層深化させたい」と応じた。 
 首相は、中断している東シナ海のガス田共同開発について、胡主
席に早期再開を働き掛けたい考えだ。両首脳は沖縄・尖閣諸島沖で
の中国漁船衝突事件を受け、艦船衝突など不測の事態に備えるため
の「海上連絡体制」構築に向けた協議の加速を確認する見通し。
 首相はまた、北朝鮮の核問題で、ウラン濃縮活動の停止などを同
国に働き掛けるよう胡主席に要請する意向だ。(2011/11/13-07:18)
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米が対中新部局「エア・シーバトル」空・海戦闘一体…高官「南シ
ナ海脅威座視しない」
2011.11.11 01:17 
 【ワシントン=古森義久】米国防総省が中国の軍拡に対応して「
エア・シーバトル(空・海戦闘)」と呼ばれる新たな対中戦略の構
築と、そのための特別部局の新設を決めたことが9日、明らかとな
った。この戦略は中国軍が米軍を標的に新兵器や戦術を開発してい
ることへの抑止として、中国側の主要拠点への空と海からの攻撃能
力の大幅な増強などを主体としている。この新戦略により米中両国
間の安全保障関係は新時代に入るともいえる。

 国防総省の複数の高官が同日、背景説明の形で一部報道陣に明ら
かにした。同説明によると、米軍は中国人民解放軍の最近の、米空
母を主目標とする対艦弾道ミサイル開発や、米側軍事衛星を標的と
する衛星破壊兵器実験、一連のサイバー攻撃などに対応するととも
に、とくにアジアでの有事に米軍部隊の介入を阻む中国の「接近阻
止」作戦を重視し、アジアでの米側の空・海の戦力を強化、積極的
な攻撃能力を高める方針を決めた。
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米、オーストラリアで軍事拠点を構築へ=関係筋 
2011年 11月 10日 15:39 JST 
wsj.com
【ワシントン】関係筋によると、オバマ米大統領は来週のオースト
ラリア訪問に合わせて、同国に新たな軍事拠点を設ける協定を発表
する。中国の影響に対抗し、アジアでの米国の国益をあらためて主
張することが狙いだ。 

協定を受け、オーストラリア沖合での米海軍の動きが拡大し、部隊
や船舶がオーストラリアの施設を利用することになる。新たに米軍
基地を建設する計画はないが、米軍はオーストラリアに軍備配置で
きるようになり、共同演習を増やすことも可能になる。 

 この動きにより、現在は日本や韓国など北東アジアに集中してい
る米軍の影響が、西や南に拡大し、戦略的、経済的に重要な南シナ
海にも及ぶことになる。
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米国務長官、人民元の迅速な切り上げ要求  :日本経済新聞
【ホノルル=中山真】クリントン米国務長官は10日、ホノルル市内
で講演し「21世紀には戦略上も経済上も世界の重心がアジア太平洋
になることは明らかだ」などと述べ、アジア太平洋への米国の関与
を強める方針を強調した。世界経済の成長のためには米中両国の連
携が重要と指摘する一方で、中国政府に対し外国企業への貿易上の
不公正な規制の改善や人民元の為替レートの迅速な切り上げを求め
た。

クリントン氏は米中関係について「海上安全保障やサイバーセキュ
リティーを含めた最も敏感な問題についてもオープンで率直な議論
ができるようになった」と指摘。そのうえで「強力で継続的なバラ
ンスの取れた世界経済の成長のためには米国と中国が協力する以外
に選択の余地はない」と述べた。

今後の米国の外交方針については、イラクとアフガニスタンでのテ
ロ戦争に触れ、「2つの戦場に莫大な資源を投入した10年が終わり
、我々は転換点に来ている」とアジア太平洋重視への転換を強調。
「今後アジアで起きることは我が国の未来に大きな影響を与えるも
ので、傍観しているわけにはいかない」と経済などの内政問題を背
景に強まる内向き志向をけん制した。
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レコードチャイナ:中国の経済成長がストップ?その理由は―ロシア紙
2011年11月7日、ロシア紙は、欧州ソブリン危機の影に隠れて、中国
経済の成長が減速あるいはストップするという重大事件が発生して
いる可能性があると報じ、その理由について分析した。10日付で環
球時報が伝えた。

まず、第1の理由として挙げられるのは、20世紀中盤に驚異的な経済
成長を遂げた日本を例に、バブル崩壊をきっかけに始まったと言わ
れる「失われた10年」を引き合いにしたものだ。しかし、国民1人当
たりのGDPの水準など、中国と日本の状況は大きく異なっている。

2つ目に、金融システムへの不安が挙げられる。中国政府はインフレ
防止策として利率を引き上げざるを得ず、これが市場経済に悪影響
を与え始めている。国有銀行や各地方政府の債務に対して最終的に
は尻拭いをせざるを得ないだろうが、不動産を担保にした債務がど
れだけ積み上がっているかが定かではなく、非常に大きなリスクと
なっている。

3つ目は、為替レートの操作など、中国の採っている政策に他国から
大きく批判を受けるものが見られることである。また、巨額を投じ
た経済刺激策など、一時的な効果は望めても長期の発展の源泉には
ならない政策もある。こうした政策は、透明度の高くない政治体制
下においては、経済発展の利益に相応しないものである。
(翻訳・編集/HA)
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中国 TPPは排他的でないよう
11月7日 21時53分NHK 

TPP=環太平洋パートナーシップ協定について、中国政府高官は
「排他的であってはならない」と述べ、アメリカ主導による貿易の
枠組みに対する警戒感を示しました。 

これは、中国商務省の兪建華次官補が、7日、北京で開かれた記者
会見で述べたものです。 

この中で兪次官補は、アメリカのオバマ政権が参加を呼びかけてい
るTPPについて「TPPに参加する国と、参加しない国の関係を
しっかり調整しなければならない。TPPは開放的で、包容性のあ
るものでなければならず、排他的な貿易の枠組みであってはならな
い」と述べ、アメリカ主導による貿易の枠組みが、アジア・太平洋
地域での経済活動において、中国の排除につながることへの警戒感
を示しました。 

また、兪次官補は、中国が将来的にTPP交渉に参加するかどうか
の質問に対し、「これまでのところ、いかなる国や組織も中国に対
し、TPPへの参加を呼びかけていない」と述べ、参加に否定的な
考えを示しました。中国政府としては、TPP参加を巡る日本など
の議論の行方を見極めながらアメリカが呼びかけるTPPがみずか
らの経済成長にマイナスの影響を与えないよう神経をとがらせてい
るとみられます。 
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筑波大学大学院教授・古田博司 中国ブロック朝鮮半島に広がる 
2011.11.8 03:09サンケイ

 「資本は国境を越えるが、国家は超えない」。モダンな時代の古
い世界の定義である。だから世界がブロック化すると、一番強い国
が盟主になり、経済王国化した。経済王国たちが争った結果、世界
は大戦を経験することになる。 

 ≪新旧ブロック化併存する世界≫ 
 今のポストモダンの時代では、「資本が国家を超えないなら、超
えるシステムを作ってみよう」という、新しい定義になった。「何
々しよう」という試みなので、戦略を含む。EU(欧州連合)や
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)がそれだ。国力の強い国と
弱い国が藩主の如(ごと)く集まり、経済諸藩国のようにブロック
化する。 

 ロシアが提唱するユーラシア共同体は古い経済王国であり、ポス
トモダンの経済諸藩国のブロック化ではない。今の世界には、古い
ブロック化と、新しいブロック化が併存しているのだ。ゆえにTPP
を作らなければ、中国が古いブロック化を試みてこよう。これを防
ぐためにも、環太平洋の国々がこぞって新しいブロック形成へと向
かっているのは意味がある。 

 中国が参加しなければ外需は取り込めないから、中国を入れて
FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)にしようなどというアジア
主義者が後を絶たない。だが、中国とブロック化すれば政治的意図
でレアアース(希土類)を止められたりし、王国の臣下扱いに甘ん
じなければなるまい。ポストモダンの新しいブロックに参加しなけ
れば日本は過去に引き戻されることになる。歴史好きの日本人でも
、それを良しとしないと信じたい。 

 諸新聞が、「かけがえのない隣人」「未来志向の隣国」「世界市
場のライバル」と、競って持ち上げる近くて遠い国の韓国は今、
FTA(自由貿易協定)で活況のように見える。だが、経済はとも
かく、国同士の勝負では北朝鮮が圧倒したのを忘れてはならない。

 核をナイフだとすれば、刺す必要はない。ナイフで右頬と左頬を
なでられれば手も足も出ない。右頬は昨年3月の韓国哨戒艦撃沈で
あり、左頬は11月の延坪島砲撃である。今年6月には、韓国政府
が北朝鮮の謝罪を穏便にし、首脳会談をしようと金銭で誘ったこと
を北朝鮮の国防委員会に暴露され、韓国国会は大いに荒れたものの
、結局、泣き寝入りに終わった。 

 ≪北は経済王国の植民地化する≫ 
 北朝鮮の経済が破綻していることはすでに皆が知っている。
1993年には計画経済を放棄し、90年代後半には「苦難の行軍
」という飢饉(ききん)の時代で多くの人口を失った。昔の中国の
大躍進と文化大革命の時代に似ている。人民を、勝手に食ってろと
放り出し、国力を核開発に集中させた。そして核を手に入れた結果
、韓国で左派政権が立てば韓国が北を支援、右派政権が立てば中国
が援助するという「たかり国家」の体制を築き上げた。もはや、北
朝鮮が経済破綻で滅亡することはないのである。 

 3代目の継承はうまくいっているとはいえない。20代で若すぎ
るのである。それが証拠に去年の9月に党規約を改正し、軍の指揮
権を国防委員会に移し、老軍人たちに金正恩氏を摂政させた。こと
あるごとに中国共産党と中国軍の後ろ盾を強調し、今年2月には、
中国の公安相に「朝鮮革命の継承問題は輝かしく解決された」と発
言してもらった。だが、重要な接見や基幹的な生産拠点へ、金正日
総書記は息子の正恩氏を同行しない。幼く貫禄がないからである。

 この脈絡でみれば、金総書記の早すぎる死は北朝鮮に中国を呼び
込むことになろう。経済王国の経済植民地が一つ増えるのである。
その結果、中国資本が国境を越える。この予測に基づけば、来年の
大統領選で韓国に左派政権が誕生した場合も、近い状況が生まれる
ことが危惧される。左派政権が呼び水になり中国資本がより南下し
やすい環境が整うからである。 

 ≪韓国は「ホンコン化」する?≫ 
 韓国企業はすでに多くがグローバル化している。韓国に本社があ
る必要はない。韓国人の米国への脱南移民はすでに推定300万人
を超えている。韓国が前述したような環境になれば、さらに多くの
「脱南」が発生し、韓国の国家としての意義も次第に失われていく
ことになるだろう。そうした危機感を韓国人は肌で感じており、ゆ
えに、反日ナショナリズムと韓流フィーバー自賛によって、やり場
のない鬱憤を晴らすのである。 

 韓国のFTAの活発化はこのような状況にこそ相応(ふさわ)し
いものであり、韓国が「ホンコン化」したときにこそ、「サウス・
コリア」という土地の経済発展に最も尽くす基盤整備となることで
あろう。 

 金総書記が予想に反して長生きした場合、3代目は指導者として
の実績を持つことができるだろうか。現在、正恩氏が特別に任ぜら
れている煕川水力発電所建設という課題がある。このため正恩氏は
ここ数年、足繁(あししげ)く現地に通うが、父の宣伝扇動部門の
ように課題が大きくないことが彼の器量を予想させる。なお、北朝
鮮の「強盛大国」の表現が「強盛国家」に変わったというのは日本
の報道の誤りで、現在7対3で併存している。(ふるた ひろし)
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ASEANの連結性強化を優先=東アジアサミット首脳宣言案
時事通信 11月8日(火)2時31分配信
 【ジャカルタ時事】今年から米国とロシアが初参加してインドネ
シア・バリ島で19日に開催される東アジアサミット(EAS)で採択さ
れる宣言の一つである「東南アジア諸国連合(ASEAN)連結性」に関
する首脳宣言案が7日、判明した。昨年のASEAN首脳会議は、域内の
交通網などの整備により、人やモノの流れの活発化を目指す「連結
性の強化」で合意したが、EASの枠組みにおいても、ASEANの連結性
強化が協力の主要優先分野であると確認する。
 昨年10月のハノイでのASEAN首脳会議は、2015年の共同体発足に向
けて「連結性に関するマスタープラン」を採択した。今回採択予定
の首脳宣言は同マスタープランなどを歓迎した上で、ASEAN域内の連
結性向上により、貿易や投資、インフラ整備などが強化され、全て
のEAS参加国に恩恵をもたらすと評価する。  
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陸自が日出生台で最大規模訓練、南西防衛重視の一歩

 防衛省・陸上自衛隊は10日から、大分県の日出生台演習場(由
布市など)で、離島防衛などを想定した過去最大規模の実弾射撃訓
練と模擬訓練を行う。北海道からも陸路、海路で部隊が派遣される
初のケース。中国が軍事力を拡大させるなか、昨年末の新たな「防
衛大綱」で打ち出した「南西方面重視」を具体化する大きな一歩と
なる。民間企業の協力を得た部隊輸送の課題を探る意味もあり、関
係者の注目を集めている。

 6日午前。降りしきる雨のなか、大分市のJR西大分駅で、貨物
列車の荷台に積まれた車両10両を覆うシートが外された。陸自第
7師団(北海道千歳市)から輸送された73式装甲車。隊員ら
約60人がクレーンでトレーラーに移し、同日夜、演習場に向けて
出発した。

 この日は演習に参加する同師団の90式戦車など20両も東千歳
駐屯地を出発。公道を約30キロ走り、民間フェリーに乗るため苫
小牧西港に向かった。振動や騒音に配慮し、市街地は時速10キロ
、郊外は20キロで走行した。

(2011年11月7日 読売新聞) 
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中国との緊張高まる南シナ海問題=全面衝突の可能性ありうる
             ―ベトナム外交学院学長
レコードチャイナ

2011年11月、AFP通信によると、ベトナム外交学院のDang Dinh Quy
学長は、中国との対立が深まる南シナ海で全面衝突が起きる可能性
があるとの見方を示した。4日、BBC中国語版が伝えた。

発言はベトナム・ハノイで開催された海洋領土紛争に関する会議で
のもの。Dang学長は地域安全保障における海洋の役割は重要性を増
しており、国際社会が正しい対応をしなければリスクが高まると分
析した。ただし現時点での南シナ海は基本的には安全だとの見方を
示している。

中国と東南アジア諸国との領土、領海紛争は以前からの懸案だが、
近年、中国は明らかに忍耐力を失っており、なにか問題があるたび
に強硬な態度を示すようになった。(翻訳・編集/KT)  
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レコードチャイナ:「日本の軍備増強に警戒せよ」、人民解放軍少
将が警告―中国

2011年11月3日、中国軍事科学学会副秘書長を務める中国人民解放軍
の羅援(ルオ・ユエン)少将はこのほど、香港中国通信社の単独イ
ンタビューに応じ、「さまざまなルートから得た情報で、日本がひ
そかに軍備増強を進めていることを確認した」と語った。中国新聞
社が伝えた。

羅少将は「日本が軍備増強を進めている形跡は、さまざまな分野で
確認できる」と主張。航空自衛隊が次世代戦闘機に「F35」を選定し
たこと、海上自衛隊が来年3月に新型駆逐艦「日向」、「伊勢」の進
水を控えていることなどを根拠に挙げた。

さらに、南シナ海関連では「日本は主権獲得に向け全面的に争うだ
ろう」と主張。目的として▽東シナ海問題での国際圧力を回避▽海
底油田の開発▽海上輸送ルートの確保──の3点にあると指摘した。
そのうえで、最近になってベトナムやフィリピンなどと協力を強化
しているのは日本の野心の表れだとし、「中国人民だけでなく、ア
ジアの全地域の人々に、日本への警戒を強めるよう呼び掛けたい。
中国は近海防衛力を近年大幅に引き上げている。どんな挑発にもひ
るむことはない」と話した。(翻訳・編集/AA)   
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アジアの安定、米中印の連携強化必要 米国務副長官:日本経済新聞
2011/11/5 18:29
米国務省のバーンズ副長官は4日、ワシントン市内で講演し、アフ
ガニスタンやイラクからの米軍撤収などにあわせて、今後の米外交
の軸足をアジア太平洋地域へと移すべきだとの考えを強調した。米
中印3カ国の連携強化がアジア太平洋地域の安定のカギになるとの
見方も示した。「冷戦終結から20年、米同時テロから10年がたち、
米国は経済再建に焦点をあわせ、外交政策も太平洋へと戦略的に転
換する最中にある」と強調。オバマ大統領が初出席する東アジア首
脳会議(サミット)に関して「核拡散や海上安全、災害対策など多
国間の課題を解決するルールとシステムを構築する重要な役割を担
う」と指摘した。(ワシントン=中山真)   
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PKO法見直し本格論議=武器使用基準の緩和焦点−民主
 民主党は国連平和維持活動(PKO)協力法の見直し論議を本格
化させる。前原誠司政調会長の指示に基づき、党の内閣・外交・防
衛合同部門会議で週1回のペースで協議。PKO参加5原則の一つ
である自衛隊の武器使用基準の緩和が焦点で、来年の通常国会での
法改正も視野に協議を進める。
 現行の武器使用は正当防衛・緊急避難の場合に認められ、自国の
PKO要員や要員の保護下にある人の生命・身体の防護などに限ら
れている。離れた場所にいる市民を保護するために武器を使用する
ことはできず、一緒に活動している他国の部隊が攻撃されても駆け
付けて反撃することはできない。
 このため、前原氏をはじめ党内からは、他国部隊の防護を可能に
することを含め、使用基準の緩和を求める意見が出ていた。ただ、
党内には反対論も根強く、公明党も慎重姿勢を示していることから
、法改正実現への調整は難航が予想される。
 合同部門会議では、PKO参加の在り方を議論しつつ、同法の問
題点を検討する方針。一川保夫防衛相が陸上自衛隊施設部隊の派遣
準備を指示した南スーダンPKOに関しては、政府が現行法の枠内
で派遣する方針を決めており、党の論議は切り離して進めることに
している。(2011/11/05-14:48)   
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「2020年代に北朝鮮は存在しない」 露研究機関が報告書
2011.11.4 18:50 サンケイ

 【ソウル=加藤達也】ロシア政府に対外政策を助言する「世界経
済・国際関係研究所(IMEMO)」が9月にロシア政府に提出し
た報告書で、「2020年代に北朝鮮は存在しない」と分析してい
たことが分かった。4日付の韓国紙、朝鮮日報が伝えた。

 報告書は2011〜30年の朝鮮半島情勢を展望。北朝鮮が現在
「崩壊に向け勢いを加速させている」と指摘し、「金正日総書記か
ら正恩氏への権力委譲が崩壊を促進する」と分析。また20年代に
は「(南北は)統一へ向けた実質的な段階に入っており、北朝鮮は
現在のような形態では存在していない」と結論づけた。

 北朝鮮崩壊への道筋については「金総書記退任で国家の方向性が
失われ、官僚集団と軍・保安機関勢力に分裂し権力争いが起きる」
と予測。混乱の中(1)韓国統制下で臨時政府樹立(2)軍の武装
解除と経済の現代化の進行(3)経済の韓国への吸収−の3段階で
進むと指摘、その過程で「100万人の特権階級が中国やロシアに
逃れる」としている。 
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日本がTPPに参加してもわが国は牽制できない=中国
2011年11月04日(金) 11:39サーチナ

  長島昭久首相補佐官は1日、日本は環太平洋経済連携協定(TP
P)への参加を交渉する必要があると呼びかけ、「中国から見て『
なかなか手ごわい』と思わせる戦略的な環境を整えていく」とし、
「アジア太平洋の秩序は日本と米国で作っていく積極的な視点が必
要だ」と強調した。これに対し、香港・鳳凰衛視(フェニックステ
レビ)の評論家、何亮亮氏は「日本は多方面から中国を牽制(けん
せい)しようとしている。しかも、太平洋の見通しは米国と日本で
決定していくべきだと考えているが、実際にはそうならない」と指
摘した。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。以下は何亮
亮氏の発言より。

  長島氏の発言は当然世論の希求であって、日本政府の内部には
違った意見もあるが、TPPに加盟し、全面的に中国を抑えること
が、少なくとも日本と野田政権にとって重要な政策になってきてい
ることがわかる。
  近年日本は、外交・軍事面で中国に対抗する動きが活発化して
いる。今では経済的にも中国牽制の仲間入りをし、今後、太平洋の
見通しは米国と日本で決定するべきだと考えている。太平洋の経済
秩序は以前は米国と日本が決めていたが、今ではその状況はまった
く異なる。日本と米国が決定できるなら、局面は現在のようにはな
っていない。
  世界最大の経済大国である米国と世界第3位の経済大国である日
本は、経済・政治・安全保障面から中国を制約しようとしている。
しかし経済的にいかに中国を牽制するのか?今は中国は米国と日本
の最大の貿易相手国だ。こうした状況において米国と日本はまさか
自由貿易に反対するのか?まさか貿易障壁あるいは別の方法で中国
を制約するのか?
  ここから見てとれるのは、今の世界、とくに大国間の関係が確
実に大きく変化しつつあるということだ。政治は経済を左右するが
、日本政府や日本の政治家らは中国牽制の包囲網に加わり、それを
リードする必要があると考えている。これが日中関係、将来のアジ
ア太平洋地域の戦略構造にどのような影響を与えるか注目したい。
  中国の周辺国、ベトナムやインドは中国の平和的発展を好まず
、日本側につき、日本と中国牽制の包囲網を形成しようと躍起にな
っている。中国はこうした包囲網の中にいるため、包囲に反撃する
力をつけるしかない。重圧を受けつつも、中国は平和的発展の道を
着実に歩むだろう。(編集担当:米原裕子)
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ロゴフ教授:欧州首脳会議での合意は単なる時間稼ぎ−問題悪化の中で

  10月28日(ブルームバーグ):米ハーバード大学のケネス・ロ
ゴフ教授は欧州各国の指導者が債務危機抑制のため救済基金拡大で
合意したことについて、問題が悪化している中で時間を稼いでいる
だけだとの見解を明らかにした。ニューヨークでのブルームバーグ
の会合で語った。
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レコードチャイナ:中国モデルの国家資本主義が多くの貿易摩擦引
き起こす―米議会

2011年10月26日、米議会の米中経済安全保障調査委員会は報告書を
発表し、中国政府の保護する国営企業が重要な立場を占める中国モ
デルの資本主義は、中国とその主要な貿易パートナー国との間にこ
れまで以上に多くの摩擦を生むと指摘した。英BBC放送の中国語版ウ
ェブサイトが伝えた。

報告書はさらに、中国は異なる形式で国が統制した企業が国内経済
の50%を占めており、これが中国の経済政策と貿易に大きな影響を
与えていると指摘。また、中国経済は優位な立場を占める国家資本
主義の方向へ向かっているとし、政府が将来性のある産業だと認定
すると、国有企業として成長させ国内外市場で有利な立場を占めさ
せていると指摘している。

その結果、中国政府が国内の戦略的市場を取り決め統制しているこ
とから、企業競争力を高めるため国有企業ばかりが優遇され、その
一方で多くの海外企業は極めて不利な状況に置かれているという。
(翻訳・編集/岡田) 
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米国防長官 在韓米軍は削減せず
2011-10-28 15:59:54 CRI

 韓国を訪問中のアメリカのレオン・パネッタ国防長官は27日ソウ
ルで、「アメリカ政府は国防予算を削減しているが、在韓米軍につ
いては削減しない」と発言しました。

 パネッタ国防長官はまた記者に対し「国防予算の削減で、在韓米
軍を縮小することはなく、太平洋全域で軍を維持し、強化したい。

 アメリカはできる範囲で韓国へ軍隊を派遣し、防衛任務を実施す
る」と述べました。

 パネッタ国防長官は28日、韓国の金寛鎮(キム・グァンジン)国
防部長官と共に韓米安保会議に出席します。(白昊、志摩) 


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