4173.TPPの議論より前に必要なこと



日本の今後10〜20年後の姿はどうするか?の議論がなしにTP
Pの議論に来ているために、現状では反対と言う農業関係者や政治
家に多い。

もし、TPP反対派でもいろいろな人が居るので、明確な日本の将
来構想があれば、多くのTPP慎重派という人たちは、賛成になる
ような気がする。

TPPの本格的な反対派の意見を聞くと、どうも自由化・国際化拒
否戦略と聞こえる。国体護持派の同様な意見であり、この人たちの
意見を集約するそうなる。しかし、今の日本農業を守るのだという
が、今の日本農業では平均年齢が66歳で、年々耕作放棄地が増加
しているので、衰退することが見えている。

その反対派の意見の延長線上で思い描くと、日本は自由化・国際化
をしないで、日本企業は海外に脱出する。日本企業は製品を輸出で
きず、国内市場は徐々に小さくなるので、海外へ工場を作る。当然
、製造業での雇用はなくなる。経済規模が小さくなるので、サービ
ス業での雇用も小さくなる。このため、農業を保護して、国民の多
くを農業で生計を立てさせる。国民所得は減少するが、国民平等に
した社会にするしかない。

海外からの労働者を一切入れないで、人口を減少させて、経済は縮
小均衡してしまう。人口減少で、経済規模は当然、小さくなる。
混合診療や先端技術を入れないので高度医療はできずに、伝統的な
医療をして国民の平均寿命を短くする。年金崩壊をそれで防ぐのか。

TPP反対派の言うことをまともに受けるとこのような姿が日本の
10年後か20年後は描けることになる。

逆にTPP賛成派の意見を聞くと、企業を再活性化させて、輸出で
稼ぐようにして、工場を日本に戻す方向で政策を打つ。企業も有能
な人間を世界から雇う。世界的な企業を目指す。円高を阻止する。

農産品を世界に売ることを視野に、農業は規模拡大と企業化で輸出
が出来る儲かるビジネスにする。

医療は海外からの医療観光を促進して、高度化医療で雇用を作る。
この医療分野を戦略的に伸ばす。介護士、看護師薬剤師などを日本
人が多く育成して、医者や看護婦を世界からも呼び寄せる。

世界から有能な人を取り込んで、日本を元気にする。日本を世界的
な国家にするために、有能な能力を活用する。逆に、日本人も世界
で活躍できるように、英語教育を見直す。

というような姿になるようだ。あなたは、どちらを選びますか?

この姿を描いて、TPPに参加して、加盟の制約条件をつけること
である。国民皆保険を崩すような条項、単純労働者の受けいれ条項
、遺伝子組み換え種子の強制や種子利用の裁判を起こす権利の条項
があれば、加盟しないし、その時点で協議からの撤退をするという
ことではどうであろうか?

これでTPP慎重派は多くは納得するはずだ。それ以外の人たちは
、既得権益受給者であり、その意味では確信犯であるので、その反
対派とは戦うしかない。



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